細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

腹筋

2018-04-25 09:23:05 | 人生論

今朝、久しぶりに腹筋運動を10回やりました。

朝の体操、柔軟体操はほぼ毎日やっていますし、4/28に迫ってきたトライアスロン初心者教室や、5/20の大槌のヒルクライムなどもあり、ロードバイク、水泳もそれなりにやっています。ジョギングは少し控えています。定期的にカイロプラクティクに行って体のバランスを整えていることもブログで書いている通りです。

でも、久しぶりに腹筋運動をやりました。適切な負荷を体にかけるのがよいとは思いますが、負荷ばかりになると面倒にもなるし、体も心も付いてこれません。負荷を受け入れたり、高めていくためには、心身の調子がよくないといけません。

腹筋運動を今後続けるかは分かりませんが、今朝はやりたくなるような心身の調子だった、ということです。

飲酒も、繁忙期の10月になる2週間くらい手前からは、休肝日目標50%で過去2年は過ごしました(節制期間の結果的な休肝日率は45%。やはり、目標達成のためには安全率が必要、ということでしょうか。自身の意思の弱さに対する安全率。。。)。3月に目標は解除(今年は年初の体調不良もあり、1月途中で解除)しますが、節制する時期と、緩める時期とを作って、自分なりのバランスやリズムを作ろうと努力しています。

今年度は、4月も緩めの節酒をしており、例年より休肝日を増やしています。それも心身の調子が多少よい理由の一つかと思います。緩めの節酒を7月ぐらいまで続け、例年よりパフォーマンスを上げたいと思っています。9月下旬以降はまた節制の予定。

研究や勉強においても、昨年より負荷を上げています。勉強したいことがたくさんある、というのもあるし、指導する学生も増え、研究テーマも多岐に渡ってきているので、私もさらに勉強しないと研究プロジェクトが前進できない、というのもあります。研究者としては当たり前のことです。

とは言え、通常業務も半端な量ではないし、体の健康と同じく、適切な負荷を増やしていくためには、受け入れる側の心身の調子が重要です。研究・教育面での負荷を上げていくためにも、心身の健康が不可欠です。

今日の夕方は、コンクリートの吸水等に関する研究室内の勉強会です。今日から勉強会が本格化しますが、教員2名、博士留学生2名、日本人修士学生3名、というメンバーです。学生たちがどこまでやるかは私は知りませんが、私自身は早速自分一人の勉強でいろいろと発見したり、刺激を受けたりして、すでに楽しんでいます。

今日は朝から強い雨の荒天で、一日大学にいます。研究室ゼミ、教室会議、学務委員会、都市科学部教授会、吸水ゼミ、など会議ばかりですが、気持ちは極めてポジティブです。


才能,入れ物

2018-04-18 09:40:26 | 教育のこと

4月中旬も早、終わりかけています。週末の徳山、盛岡、箱石の強行出張+長距離移動で体がかなり疲弊しましたが、昨日のカイロプラクティクでかなり回復し、今日は冷たい雨天ですが体調はすこぶる良く、気力もみなぎっています。

教育という仕事に身を置いていることもあり、非常に多くの若者たちを見る機会があります。また、子どもたちとは日々会話し、その同級生たちにも触れ合う機会もそれなりにあります。

様々な経験をしてきてやはり思うのは、人の才能のすごさです。人それぞれ、様々な才能のつぼみをもって生まれ、生きていることを感じます。そのつぼみが咲くかどうかは、周囲の環境の影響がとても大きいですが、自分自身がそれに気づいてはぐくもうとすることも劣らず重要です。

私自身の中にも、持っていたつぼみが枯れてしまった才能群もたくさんあるだろうけど、親やこれまで出会った数々の方々に育てていただいて、何とかですが社会のお役に立てる人間にしていただきました。感謝してもしきれません。

才能が存分に引き出され、発揮されることで、社会に貢献し、その結果、自分自身も満足することにつながります。正の循環が始まります。

私は、教育という職業を続ける限り、もしくは終わっても、人が育つ、ということに重点を置いて生きていきたいと思います。

私自身が育つかどうかなど、それこそ私の親や身近な家族くらいしか興味はないと思いますが、自分自身が様々な観点で育たないと、周りが本当に育つ環境を整備することもできません。それなりに年を重ねてくると、よく言われることでもありますが、自分自身の体・精神はお借りしている入れ物、容器であって、適切にブラッシュアップしていくことで、何とか社会に貢献を続けたいという気持ちがますます強くなっています。

しっかり研究すること、教育に全力を注ぐこと、食生活に気を配ること(酒も飲みすぎないこと)、しっかりスポーツすること、体のメンテとテコ入れをしっかりすること、よく勉強すること、素敵な人たちと出会い続けること、しっかり遊ぶこと、感性を磨くこと、常に好奇心を持つこと、等々、結果的に私自身という入れ物を通して、周りの方々が少しでも育っていくための貢献につながればと思います。


組織のリーダー

2018-04-11 21:02:25 | 職場のこと

4月の上旬が終わりました。研究室の居室も皆で議論しながら移動したり、ものを廃棄したり、新しく設備投資したりして改善を重ねています。私自身の机は大部屋の中でのそのままの位置ですが、2016年度までの私自身の旧居室(305室)のものはかなり廃棄しました。ほとんど物が無くなったかと思います。

組織は基本的には活動のスペースを必要とします。スペースの活用の仕方を見ると、その組織のリーダーの哲学や、力量なども見えることが少なくないかと思います。

私自身は30歳5ヵ月で助教授として赴任し、当時の教授、助手の方々と連携しながら今の研究室を何とか運営してきました。この組織においてリーダーシップを取るのは私の役割であると早々に判断し、私のでき得ることから少しずつ実践していきました。とは言え、私も未熟ですし、できることとできないことがある(特にものを廃棄することは難しい)ので、居室、実験室等すべてを含めた研究室のスペース資産のマネジメントはわずかずつしか改善できませんでした。

昨年度、前川先生もクロスアポイントメントで来られ、椿先生の最後の1年となり、私がさらにリーダーシップ(というかマネジメント)を発揮すべき状況となり、まずは居室スペースの大幅な改善に着手しました。その一環での教員の相部屋でした。長年の悩みの種でもあった、実験室の廃棄やデッドスペースの回復にも思い切って着手し、2018年3月までに実験室の様子は見違えるようになりました。

そして、2018年4月に入ってから、いよいよ居室の本格的な改善を実行し、学生が大きな机を共有する「長屋システム」も部分的に導入し、改善の完成はもう少し先ですが、かなり良いところまで来ました。

研究室として、恐ろしいほどの書籍、書類を廃棄しました。

私の観点では保管しておく価値の無いもの、でしたので廃棄しました。それだけの「廃棄物」を収納・保管していたスペースがデッドスペースとなっていた、という解釈もできます。

全く同じ居室群・収納庫を持っていたとしても、デッドスペースが多く、汚く、メンバーの交流も少ない活用法か、そうではないきれいで、交流も活性化する活用法か。研究室のパフォーマンスは大きく大きく異なることでしょう。大学、という公共のインフラを活用させていただいている立場を、しっかりとした責任感で認識し、学生たちとともにスペースを最大限に有効に、創造的に活用すべきと思います。

実験室の悩みの種も解消し、徹底的に廃棄もし、私自身もすっきりした気分です。

多くの留学生を含む学生たちも、意欲が高まっているようにも感じます。もちろん、教員たちも。

私の動き回る活動も、今週から始まります。山口県徳山から盛岡宮古横断道への連続強行週末出張が14~16日に組まれていますが、動き回っているうちにテンションが一気に上がってくるものと思われます。。。


3月の東北見学会の感想

2018-04-06 10:11:32 | 教育のこと

3月6日~8日に、学生たちを引率して東北の見学会を実施しました。学生マネジメントチームが、事前に周到にルートを計画し、事前の学習もして臨んだ素晴らしい見学会でした。事後の感想も含めて、見学会のレポートを作り、土木工学教室HPにアップするようです。私も代表引率の教員として感想文の提出を求められていたので、遅くなったのですが先ほど幹事学生に送りました。以下がそれです。

「東北見学会の感想

私自身は何度も通っている東北の太平洋沿岸地域ですが,初めて訪問する学生たちも少なくなく,素晴らしいメンバーと3日間を一緒にできて幸せでした。陸前高田の復興,気仙沼湾横断橋,大熊町の除染の現場等では圧倒的なスケールに学生たちも様々な感情を抱いたかと思いますし,私自身が最近勉強を重ねている資源,エネルギー問題の深刻な状況も私のバス車中や懇親会での解説で共有しながら,相馬の発電所建設の見学からも大変に多くのことを学べたかと思います。3回の懇親会での学生たちのスピーチは素晴らしく,涙をこぼしたことも一度ではありませんでした。私たちの社会が少しでも良くなるように,これらの学生たちが高い志と強い使命感を持ってチャレンジしてくれるものと確信しています。」


2018年度、スタート

2018-04-06 10:01:59 | 職場のこと

昨日、研究室の新入生のメンバーを迎えての歓迎会も行い、研究室の2018年度がスタートしました。

椿先生が退職され、教員としては、前川先生、細田、小松の体制で、新しくスタートしました。博士課程が6名(うち5名が留学生)、修士課程が15名(うち留学生が4名)、4年生が6名、研究生が1名(留学生)で、30名を超える大所帯です。

昨年度も教員が相部屋になるなど、居室スペースの大幅な改善を実施しましたが、今年度はさらに改善を重ね、まだ完了はしていませんが、30名を超えるメンバーでも、快適なミーティングルームも確保しました。

昨年度は積年の課題であった実験室の超大幅な廃棄も敢行し、昨日は歓迎会を例年通り実験室BBQで行いましたが、過去にないほどすっきりした実験室で快適に歓迎会ができました。

全学や、土木工学教室で、スペースマネジメントが大きな課題になりつつあります(どこでも同じかと思いますが、スペースは既得権益の象徴で、常にケンカ、争いの種になる)が、私たちの研究室は先手を打ってこの問題をすでに克服しつつあるように感じています。環境、場は創造的な活動のために極めて大切で、私はそれを非常に大事にする人間のつもりですが、その観点ではこれまでにない最良の形でスタートを切れたように思います。

私自身は、今年度は、大学院の入試や教務を担当する仕事で、実は初めてです。おおよその仕事の見当は付いていますが、初めてなのでミスは小さく留めるよう、自分なりに最大限の慎重さで職務に当たっています。専用ノートも作っています。。。

昨日でようやく年度当初の教務関係等の仕事が一段落し、今日から研究活動に本格的に時間を投資していきます。国交省の助成による大型研究プロジェクトの研究代表者も今年から務めますので、地味に張り切っています。

最近は、私も数値シミュレーションを使った研究が増えてきていますが、実構造物での計測や、JR東日本との共同研究での載荷実験による検証など、徹底的な検証にこだわってやってみたいと思います。泥臭いですが、やるなら徹底的にやる、という方針を愚直に貫きたいと思います。

実験オンリーの研究もいくつかありますが、これも、やるなら徹底的にやる、という気持ちを高めております。

勉強したいことは研究面でもたくさんありますが、思想、哲学、教養、資源・エネルギー、自然科学等についてもたくさんあり、読みたい本もたくさんウェイティングリストに入っています。

5月20日の大槌でのヒルクライムへは登録も完了し、宿の手配も終わっており、これからトレーニングも本格化しようと思っています。

学生たちとも、同志の皆さんたちとも、活発にコミュニケーションしながら、1年間、チャレンジを重ねたいと思います。お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。


「今後の山口システムに期待すること」

2018-04-02 07:08:31 | 研究のこと

山口県で田村隆弘先生を会長に実施されている、コンクリートよろず研究会の二期目のとりまとめの時期に入っており、報告書へ私も寄稿するように依頼を受けました。表題のタイトルで、以下の寄稿をしました。

「山口システムとは何か。最近は,通称で「山口システム」と呼ばれることも多くなってきた。通称であるから,人によってこの言葉からイメージすることは異なるであろう。ここでは,私の思う山口システムと,今後に期待することを述べる。

私が最初に山口システムに出会ってから9年が経過した。2009年3月3日のことであった。本質的な取組みをされていることに衝撃を受け,その後何度も山口に通った。途中から仲間を連れて通うようになり,山口システムのとりこになっていった。山口県の方々が思っている以上に深い本質もあることに私は気づき,表層品質の向上も定量的に証明し,皆で勉強を深めていった。ひび割れ抑制から品質確保へと展開していった。その過程で東日本大震災があり,復興道路の建設に応用され,耐久性確保へとさらに展開していった。この動きは本物である,と多くの方が感じ,群馬県でも3年間の試行を経てシステムの正式運用が間近であるし,他の自治体や,全国の地方整備局等での試行工事も始まっている。

その山口システムとは何か。橋台やカルバート等のコンクリート構造物の有害なひび割れを防止し,施工時の品質を確保することを目的とするシステムである。現場に運搬される確かな品質のコンクリート,施工が適切になされるための施工状況把握チェックシート,施工者の適切な施工計画と段取り,品質にこだわりをもつ監督員による施工状況把握,施工記録のデータベース,発注者と受注者による適切な協議,設計段階での適切な配慮,等々,その目的を達成するための手段は枚挙にいとまがない。

山口システムとは,上記の目的や手段のみの話であるか。そうではない。毎年開催されるオールプレーヤー参加での講習会,施工状況把握が形骸化していることを受けてのシステム巻き直しの過程で生まれたコンクリート品質確保推進委員の仕組み,研修に使われる目視評価,土木学会の重点研究課題でチャレンジした施工記録と維持管理の接続,東北システムへのひび割れ抑制システムの導入,群馬システム設立への貢献と相互交流,などなど,上記の目的を達成するためのありとあらゆる手段,工夫,人の交流とその結果の成長等,すべてを含むものが山口システムと私は捉えている。別の言い方をすれば,山口哲学,といって差し支えない。

山口哲学とは何か。シンプルである。正しい目的のために,正しいやり方で努力を重ねること,である。善く生きること,である。正しい目的とは,私の理解では,我が国が持続的に発展すること,である。持続的な発展,とは人によって解釈が異なるかと思われるが,私は持続的な発展のためには,良質なインフラもさることながら,人が適切に育つことが不可欠であると思っている。知性,良識,教養のある人が育たならなければならない。そのために必要なやり方を適切に選択して活用していく,それが山口哲学であると私は理解している。

さあ,目的はシンプルであるが壮大である。手段もどう変わるか分からない。手段が大切なのではなく,とにかく目的を達成すれば手段はどうでもよい。この目的のためには,新設のコンクリート構造物の品質・耐久性確保が重要なのは当然であるが,既設のインフラの維持管理も当然に重要であり,そこに関わるプレーヤーが適切に育っていくことが当然に求められる。

山口システムに関わる方々には,まずは我が国の社会システムがどうあるべきなのか,どうなっていくのか,を踏まえた上で,自分たちの活動の目的,日々の行為の位置付けを考えていただければと思う。一人で考えるのは難しいので,皆で勉強しながら理解を深めていけばよいと思う。人手不足による生産性向上の必要性が叫ばれているが,もっと大きな制約条件として資源の枯渇が襲ってくる。私は,資源の問題は,現代の人類が直面する最大級の問題であると思っている。他にも自然災害や人災など,極めて厳しいリスクが懸念される。その中で,我が国がどう進むべきか,どう変わるべきか。哲学を語りながら,日々の現場に真摯に向かい合う必要がある。

山口システムの具体においては,どのようなチャレンジがあるだろうか。本書の主題である混和材料については,様々に勉強して克服すべき課題があるだろうし,それが本書に書かれているはずである。これまで築いてきた山口システムで本当にメインテナンスフリーの構造物が構築できているであろうか?メインテナンスフリーとは,放ったらかしでいつまでも長持ちする構造物,という意味ではない。適切に維持管理段階で配慮すればメインテナンスフリーになる,という意味と捉えたい。これを達成するための課題は山ほどあると言って過言ではない。既設のインフラをどのように持続可能に維持管理していくかは,各所で闘いが始まっているがそれこそ課題だらけである。

課題があるのは当たり前である。人が,社会が,生き続ける限り,課題があるのは当たり前であり,一歩一歩課題を克服しながら歩んでいくことがマネジメントである。これまでの山口システムがそうであったように,大きな視座を持ちながら誠実に課題と向き合っていく山口システムで今後もあってほしい。私もその一員として今後もともに歩んでいく所存である。」