細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

脱不調

2014-03-27 20:16:35 | 人生論

私の記憶している限りでは、フランスに滞在を始めてからの最大の不調かと思いますが、ようやく不調を脱し、明後日29日からの日本出張へ向けてペースを上げておるところです。ごく簡単にではありますが、不調の状況と、その間に学んだことについて記しておきます。

不調の原因は何となくは分かりますが、分析してもあまり面白くないので、不調の状況について。

もちろんやる気がない。いろいろとやるべきこと(特に、連名の投稿論文の添削や、学生の研究の指導など)はあるのですが、全くやる気が起こらない。その結果、自己嫌悪に陥る。

二日間ちょっと、これはもう諦めるしかないと半ば開き直って、偶然巡り合った、武田鉄矢の「今朝の三枚おろし」という文化放送のラジオ番組をYou tubeでひたすら聴く。もともと、武田鉄矢さんは好き(自分自身が熱血教師というのもあるのか?)で、この番組がやたら面白く、ひたすら聴いて笑ったり、学んだりしておりました。

武田さんは金八先生等ですごく有名な方ですが、この番組では彼が読んだ本をネタ本にして、ご自身の経験等も踏まえながら、いろいろなことを語る番組。女性アナウンサーの水谷加奈さんがアシスタントで、この方がまた面白い方です。昨年、女子アナで初めてヌードにチャレンジした方だそうで、ブログを見て大笑いしてしまいました。この二人のコンビが実にほのぼのしていて、面白い番組です。

武田さんはいろんな経験もされているし、ご苦労もされているし、ネタ本の内容も面白いのですが(内田樹さんの大ファンらしく、内田先生ネタも満載、というのも私が気に入った理由かと思います)、武田さんご自身の苦労話が非常に面白い。東日本大震災の後、一ヶ月ほど毎日泣いておられたそうなのですが、三か月経って東日本大震災のことを番組で集中的に取り上げられたときの内容も大変に深い内容でした。

私自身は、孔子のような上昇志向の考え方だけでなく、老子のような無の考え方も大事にしているつもりです。特に調子のよくないときには老子の無の考え方が大変に参考になります。

武田さんの番組を今回の不調中に通算でどれくらい聴いたでしょうか。10時間くらいは下らないように思いますが、その中で白川静先生の孔子論も取り上げられましたが、老子的な考え方も多数紹介されていました。交感神経と副交感神経の話もそうです。人間には意識的に制御できない世界があり、むしろそちらの方が大事とも言える。

不調を脱する決め手になったのは、Facebookでも紹介しましたが、奥さんの誕生日のお祝いを家族で盛大にしたことでした。恥ずかしながら、奥さんの誕生祝いをここまでしっかりとやったのはあまり記憶にありません。とても喜んでもらえたようで、それが私にもうれしかったです。

不調は脱しましたので、明後日の日本出張への出発まで、春休み中の長女のお世話も並行しながらですが、重要な業務に片を付けたいと思います。

不調は気持ちの良いものではありませんが、やはり不調でないと学べないこともたくさんあることを、今回も改めて感じました。