Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ヘタウマな ゆるキャラたち

2016-08-02 09:08:24 | 読書
クリストフ・マルケ「大津絵・民衆的諷刺の世界」角川ソフィア文庫(2016/07)

右上はおじさんがおばさんを抱っこして喜んでいるように見えるが,大黒と外法 (この場合は寿老人らしい) の相撲で,大黒が河津掛けを試みている.
左上は「釣鐘提灯」で,重い釣鐘を提灯より軽く描いてあるところがミソ.
その下は「鬼の念仏」.現代人にはピンと来ないが,鬼が坊さんのカッコをしていること自体がナンセンスなのだ.

これらの大津絵は江戸初期から明治にかけて,職人によって描かれた無銘の庶民絵画であって,(現在の滋賀県の)大津で土産物として旅人に売られていた.
この本の中核は,篆刻家・楠瀬日年が大正時代に模写した 78 枚の大津絵である.これが第2章で,第1章は大津絵の歴史概説.第3章が大正時代の日年の大津絵に関する業績となっている.
模写中心なので,図版が美しい.ただし良し悪しは別として,模写した日年の個性が出ていることは確か.模写ではないオリジナルの大津絵の図版は第1・3章に散りばめられている.

本書はフランスでの出版が先で,日本語訳も著者によるようだが,「おわりに」には「鵜飼敦子氏と妻のマルケ弘子に翻訳の協力を得た」という文があった.

かって「妖怪草紙 - ガイジンにくずし字を教わる」というタイトルでブログを書いたことがある.日本文化をガイジンに教わるなんて,楽しいではないか.

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