Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

退廃姉妹

2008-09-23 08:47:03 | 読書
島田雅彦著 文春文庫 (2008/08)

カバーの紹介文によれば
1945年、東京。戦争で2人きりになった美人姉妹の有希子と久美子。生きるため、家を守るため彼女たちが選んだのは、家を進駐軍の慰安所にすることだった! 「これからは私たちがアメリカ人の心を占領するのです」。破天荒な“戦後”を描いてラストまで全力疾走する、著者会心の大型ロマン。伊藤整文学賞受賞。 解説・青山真治

ときどきテレビに出てくるイケメン氏はどんな小説を書いているのかと,日頃思っていたところに,書店で怪しげなカバーを見たのでふらふらと購入.この絵は -「結婚生活」昭和24年特集号 画・灘 五郎 より- とある.当時は粗悪な紙に印刷されていたので別な迫力があったことだろう.

ストーリーは面白い.こんなこともあの時代なら現実に起こったように思われる.つい50年前のことを忘れているわれわれがおかしいのかもしれない.でも小説の後日談によれば,登場人物たちも過去は忘れているようだ.

解説・青山真治氏は映画監督で,解説は「映画化を画策している」という文章に始まる.生身の「肉弾戦」が忠実にスクリーンで再現されるのなら,是非見たいところ.本書のテーマは「性と生と政治」だそうだが,政治はつけたし.特攻隊くずれが上官に復讐するというミステリーっぽい部分で,やけに職務に忠実な警官が登場するのは戦後の混乱期にしてはおかしいかも.
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