Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

なかにし礼による フリーメイソンと音楽の研究

2010-07-08 08:43:54 | 読書
なかにし礼「三拍子の魔力」毎日新聞社 (2008/03)

図書館で借りた.

『港町ブルース』『今日でお別れ』『北酒場』の作詞家で,直木賞作家の,あの なかにし礼氏である.

序章には「ふるさと」「浜辺の歌」「朧月夜」など 3 拍子の童謡・叙情歌が数行にわたって列挙してあるので,そう言う 3 拍子の本かと思ったら さに非ず,途中「間奏曲」と称して旅行記やコンサートの間奏が挟まれる以外は,フリーメイソンに関する記述であった.

フリーメイソンでは「3」は聖なる数であり,参入儀式でドアを3回叩くことにそれが象徴されている.この儀式の記述はオカルト的でおもしろい.モーツアルトはフリーメイソンに参入して 3 拍子を使うようになり,同時に音楽の深みが増したという.
モーツアルトだけでなく,ベートーベン,シューベルト,メンデルスゾーン,リストなどの楽譜が引用されている.ただしここでいう3拍子は,ワルツのことだけでなく,三連譜,さらに日本の3本締めのように 3 音譜プラス1休譜で1単位になっているものも含んでいるようだ.

特にモーツァルトとベートーベンの,ふたりの後期の作品は.音楽によるフリーメイソン思想の表現だという.
ベートーベンの第九は,若き日にフリーメイソンに傾倒したシラーの詩によっており,これが EC の国歌として制定されたことは,現在におけるフリーメイソンの勢力を暗示している.のだそうだ.

全体にボルテージが高い文章で,強引なところもあり,ちょっと閉口.これがサンデー毎日に連載されたというところがおもしろい.

ベニー・グッドマン,ルイ・アームストロング,デューク・エリントンもフリーメイソンだったそうな.
日本人はどうなんだろう.なかにし氏ご自身は??

私としては,サティの「薔薇十字団」とフリーメイソンの関係に興味があったのだが,そこには触れていない.
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鴨居玲「踊り候え」 | トップ | ホール・トーンでフリー・ジャズ »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (あげあしとりのすけ)
2010-07-10 12:30:33
國家ではなく国歌!
返信する
Unknown (16トン)
2010-07-11 09:05:20
とりのすけ様

ご指摘ありがとうございました.

本文 下から4段目の最後の文章で「ECの国家」としてあったのを「ECの国歌」に改変いたしました.
返信する

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事