tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

2019バレンタイン 8 -end-

2019-02-14 02:52:20 | イベント 関係の お話




仕事あがりに彼女に会いに行く日々に自分でも可笑しくて笑えた。
会いたい想いは枯れず、それは和葉もだった事に苦笑いだ。

呆れる一流も着いてくる・・・ソコには都和がいたからだ。
瑞季と仲良く会話を楽しむ姿に笑み、静かに帰る時間を待つ一流・・・そこへ久しぶりだと奏多が遊びにやって来た。

カウンターに居座る遥加に笑み、ここへ来いと呼んだ。
苦笑いをしながら席へ着く姿を眺めれば和葉までが来て照れていた。

繋がった事に気づく奏多は一流に苦笑いをした・・・
少し話した二人はカウンターへ戻って行った。

『教えたのは奏多だった(笑)』
『ほんとに繋がるとはな・・・』
『(笑)やったんだろ・・・』
『ん・・・ま(笑)いいけどな』
『(笑)からかうなよ・・・余計に離れたら辛いのは誰だ?』

『 ・・・』
『(笑)ほら、チョコ食っとけ』
『あー(笑)今日だったな・・・』
そうだと笑み珈琲を飲む一流に笑み返したのだった。


イベント・・・
甘く香る店内・・・それぞれのカップルの笑みは嬉しそうで、幸せそうに相手を見つめる目は多かった。

遥加の口へ放る舞潤の姿に目が止まる・・・その隣で同じように女が和葉へ食べさせる姿があった。
静かに口を引く・・・笑う一流は奏多の口に放り込んだのだった。

幸せと叫びそうな遥加の笑みにホットし・・・嬉しそうな和葉の笑みに苦笑いをした。

視線が重なった・・・彼女の笑みは奏多から遥加に戻っていった。
慌てるように振り向く遥加に苦笑いをした・・・ムッとした遥加が彼女の顔を引き寄せ口付けた事に笑えた。

離せと肩を叩き離れた遥加に笑む優しい眼差しに焦がれた気がした。
指先をつつかれる・・・自分に戻れと笑う一流の顔に苦笑いだった・・・

都和を迎えに行けば、呆れた顔で一流が戻った・・・

『どした?』
『(笑)奏多をイカせてくれるなら家に帰ると言い切った』
『 ・・・』
『(笑)瑞季が驚いてた。遊ぶか?』

そうだなと笑う奏多は素早く瑞季を捕まえ連れ出せば、慌てた都和を捕まえた一流も連れ出し帰っていった。

車内でムッとした顔の都和に笑う奏多もいた・・・
『母さんが心配するだろ(笑)、しわ寄せは都和に行くぞ!』
『だからって瑞季にキスしなくてもいいじゃん』

『一流に俺をやったろ(笑)』
『(笑)お兄ちゃんを温めて欲しかっただけよ。ハル兄の代わりにね(笑)』
『なら(笑)都和が温めろよ』
『やーよ。(笑)瑞季がいるのに・・・』

『(笑)四人でする?』
『 ・・・それは、した事なかったな・・・でも瑞季に触らない?』
『なら誰にするよ・・・』
『トワ・・・』
『ん?』

『ほんとにする?私はやだな・・・』
『(笑)激しくしない?』
『やだってば・・・』
瑞季が呟き都和に抱き付いた姿に笑み一流に笑う奏多もいた。

『一流(笑)俺に付き合え(笑)』
『解消はしてやるがな・・・』
『えー(笑)。一流は手伝ってよ・・・』
『奏多が離すか?』

『 ・・・ほんとに出来たの?』
『女だけって思ってたのか?』
『和君は?本当に女だけ?』
そうだと頷く二人に驚く都和達だった。


一流の背を押しながら部屋へ入る兄の姿に驚いた都和・・・静かに部屋を覗けば笑う二人と目が合い苦笑いをした。

来いと捕まれ狙われる・・・一流の手に慌てるが、その柔らかな触れに震え忍ばせられた事で唸った・・・奏多が笑み瑞季を捉え二人を向き合わせ狙った・・・泣き顔だった小さな声音は静かに変わり始めた・・・

焦るが動けない都和・・・耐え狙われた状態のままに瑞季を引き寄せた・・・苦笑いをした奏多は一流が狙う場所へ忍ばせた・・・都和を助けたのは瑞季だった。

足から崩れる都和・・・それは既に同じだった瑞季もいたが、急ぎ互いを連れ出す姿に笑う兄達の声が聞こえ部屋の鍵は閉じたのだった。

話し声を聞き入るが奥へ行ったようで聞こえなくなった・・・ホッとした瑞季が笑み都和にキスをすれば優しく忍ばせた手に笑み都和を部屋へ連れ戻したのだった。


戻った都和に笑み一流は奏多を襲う・・・もともと和葉へ片想いをしていた奏多を知る・・・寝るのも男だけ・・・誰かへ靡く事もない。

持て余した身を女に委ねるが、必ず戻り自分を預け解消する奏多と知る。

自分の恋心は分からない・・・一流は気にもせず奏多を抱く・・・それは逆もあり奏多が選び果てさせていた。

今はと眺めれば抱けと呟く奏多に苦笑いをし狙うように果てさせず自分を開放させていった。

果てた身を休ませる互いに声もなく、次はと自分へ貪る奏多を受け入れた・・・しつこさは遥加と同じだった・・・暫くは身が堪え出来なくなる・・・それが自分だと一流は身を預けたのだった。



昼イチで食べに出てみれば、家政婦が急ぎ出す・・・何だとダイニングへ行けば揃う皆の姿に笑えた。

怠そうな顔の姿に笑う・・・遥加の女に・・・都和の女に・・・そして和葉の女まで居て笑えた・・・

『奏多(笑)、一流を苛めんなよ・・・』
『(笑)してねーよ。俺がヤバかっただけだ』
『(笑)珍しいね、それ・・・』
『 ・・・(笑)まざる?』

『間に合った(笑)大丈夫だから優しく頼むぞ・・・』
『(笑)おっけ!』
それぞれの会話に呆れ、舞潤が遥加を眺めれば照れた笑みで キスで返した姿に皆の方が呆れたのだった。


『こんな子達に育てた気がした母さんを哀れんでよ・・・』
呆然と佇み溢れた母の言葉に皆は笑み返す・・・

『我慢の限界が来たら全部囲って逃がすわよ!』
『『『 ・・・・』』』
母の言葉に驚いて遥加達は声を失った。

『お父さんに頼んで売り飛ばしてやる!』
『母さん?』
『貴方達に付き合う皆が可哀想でしょ! 減らしなさい!』
『『『 ・・・』』』
新たに残る人達まで声を失ったのだった。


部屋に戻り寛ぐ柚月と舞潤・・・思い出した二人が笑だした。
『凄い人だね(笑)』
『型破りの家系だったわけだ・・・』
『疲れるよね・・・』

『(笑)そういえば、次・・・見つけに出なきゃヤバいと思う』
『あー聞いた(笑)。二人もと受かったから良かったけど(笑)、そうそうイケメンは見つからないのよね・・・』

『(笑)面接日を増やす?』
『あー・・・助かる・・・舞潤は行く?見る?』
『柚月と一緒にする(笑)』
『『ん?』』
会話を遮る遥加・・・ムッとした彼が舞潤を連れて奥へと入り込んでしまった事に驚いた。

『マヒロ!遥加さん?』
何故と呼び止める声も聞こえないのか連れて行った場所へ行こうとした柚月を抱き止め 笑いながらソファーへ戻したのは和葉だった。


『もう・・・ムリだ・・・って・・・』
しつこく張り付く遥加に耐えれず荒い息を我慢して呟けば狙いを定めた悪戯な目が笑み返した。

舌を見せた彼に呆れ触れ始めた事で身は弾け飛んだ・・・痺れる全部に耐え彼へ捕まれば楽しそうな笑みで返され諦めた舞潤だった。

手足を投げ出す・・・動けば身が軋み音を立てて崩れそうな気がして動けなかった。
身を重ね眺める彼に何だと見返す舞潤もいた。

『どの部分でやけたわけ?』
『 ・・・やる・・・』
戸惑うように呟いた遥加を眺め考える・・・その間に身へキスを落としては自分を見つめる彼がいた。

そっと抱き締める・・・髪を撫でて見つめた舞潤に苦笑いをした彼に微笑んだ。

『店で接客をする人達の面接を一緒にするって言っただけよ?
するって言葉を勘違いしてない?』
『 ・・・言葉を選んで正確に会話をしとけよ・・・俺の身がもたないだろ・・・』

『それは私って(笑)思わないの?』
『今まで焦がしてきた俺を考えろよ・・・』
『(笑)全部に結びつけないで・・・
これを許すのも遥加だけ・・・全部をあげたのに搾り取る気?』

『本当に全部?寄越してる?』
『 ・・・』
『誰に』
『預けてるのは遥加だけよ、身を預けた事もないのに・・・』

『 ・・・何で(笑)足りねーかな・・・』
『物凄く愛してるのにね・・・信じて貰えてなかったんだ・・・』
残念だと呟く舞潤に笑み口付ける遥加もいた。

甘く囁く舞潤に笑み、そうだと思い出したようにリモコンを使いボタンを押した。
モニターにうつされた二人の姿に驚き遥加を眺めた。

事の始まり・・・求められ脱がされていく柚月と和葉が見えた・・・
『これはルール違反よ・・・
もしかして私も誰かに見られてた?』
『してない』

言い切る彼に消せと促し背を向けた舞潤、焦るように消し彼女を抱き込む遥加だった。
謝りながらもキスをする・・・

『深める為の行為は誰かに見られたくない・・・これが遥加には普通でも・・ 私は普通じゃない・・・これは嫌・・・』
『悪かった・・・
事の始まりはムカついたからだ・・・人の部屋で始めるから・・・止めろと押さえたくて録画して脅した』

『だれ・・・』
『都和と奏多に決まってるだろ・・・疲れんだよ・・・』
『だからここ・・・』
そうだと素直にバラし話し出した遥加に驚き身を変えて見つめた。

『遊びは兄弟の間を埋めて始めた・・・ムカついた時に都和を脅してイカした・・・そしたら面白いって奏多が交ざった。
それよりも前から奏多とは遊んでた事を知って・・・何も言えなくなった・・・俺らは壊れてる・・・』

『大丈夫と戻してよ・・・遥加は大丈夫・・・』
『舞潤は?都和なら触れるのか?』
『 ・・・(笑)少し壊れてるかも・・・それでも溺れたい衝動は遥加にだけ・・・』

『奏多なら?』
『ない・・・それは有り得ない事よ。彼は遥加じゃないもの・・・』
そうかという目は悲しそうだった事に驚いた・・・

『それは私を彼へ預けて試したいって事?』
『絶対にない・・・』
言い切る彼にホッとした舞潤だった。

『それを本当にしたら死んでやる・・・』
『 ・・・しねーよ』
迷ったと思えた舞潤もいた。
『 ・・・な・・・に・・・』
声にしなかった舞潤に戸惑いジッと見つめた彼に悲し気に微笑んだ。

『なんで悲しむ?』
『試そうと迷った遥加に気付いたから・・・』
彼女の言葉にそうなのかと考える遥加・・・それでも、奏多が触れるのは嫌だと思えた自分を誉めた。

『考えた?』
『奏多が舞潤に触る事は嫌だと本気で思えたから嬉しかったんだ・・・』
そう言えばホッとした顔になった舞潤に 愛しさは増し自分の溺れたい衝動は激しく昂った。

中まで・・・彼女の全部を手に入れたのだと安心出来た自分を誉めた。
誰にも渡したくない想いは彼女だけと思え嬉しくなる・・・自分を掴み絡ませる彼女に苦笑いをし見つめた舞潤の照れた笑みは激しく自分を引き摺った。

寄り添う彼女が嬉しくて、その優しい笑みは自分だけと感じた瞬間・・・中は飛び跳ね唸るしかなかった遥加だった。

驚いた顔に照れ抱き寄せキスをすれば触れていた手は離れず線を辿るように背へ向かった。

『(笑)煽るな』
『ん・・・ムリだもの・・・』
『 ・・・』
声にせずに触れた唇は彼の体ごと布団の中へ入り込んだのだった・・・
【この後は皆様の想像で・・・】




日々の楽しさは自分を楽にし息も吸える気がした。
声は響けど気にする自分もいなくなった・・・舞潤に助け出された自分を知った気がした。

和葉の笑みも嬉しそうで・・・柚月と過ごせば幸せな笑みに変わりホッとした。

奏多から狙われそうな日々は消えたからとも思えた・・・こんな場所へ連れ出されないように和葉を連れ出し囲った事は間違いなかったと笑みは溢れた。

遥加と同じで優しいから・・・そう言って気にもしない和葉の笑み・・・一番の親友だったから・・・自分の気持ちを大事に接してくれた彼を深みにはまらせずに過ごせた事にホッとするのだった。

舞潤が今日も自分を癒す・・・甘い香りはバレンタインを過ぎても、ホワイトデーを過ぎても変わらなかった。

自分だけに向ける笑みにホッとする・・・大丈夫と自分へ囁く彼女の声音だけが自分を助けた。

居心地の良さは彼女とだから余計に癒せるのだと思え嬉しくなった。

共にいく・・・それだけで幸せを感じる自分を誉めた・・・
変わらず呆れはするが癒せと求めれば受け入れ、しつくせば自分を抱いて眠る・・・愛した笑みも自分だけに向ける眼差しに焦がれた気がした。

キスをすれば今は口付け絡ませて返す・・・声にもして囁く甘さは自分を心の底から抱き締めた・・・

そう言えば彼女の照れた笑みは自分を優しく抱き止めた事に、互いに声もなく浸れたのだった。

『(笑)幸せね・・・』
自分を抱き締め囁く彼女の声音に自分の笑みが溢れたのだった・・・


-end-


結局はここへ落ちた!
拙く・・・本当に失礼致しました。

お付き合い下さり感謝します。
想像を遥かに膨らませ爆発させて妄想して下さいませ。
丸投げですみません(-_-;)

みなさんにとって・・・
幸せな一日でありますように(^-^)v

happy Valentine!!
-tami-





2019バレンタイン 7

2019-02-14 02:29:57 | イベント 関係の お話




一流は和葉を休日に連れ出した・・・
『ここ?』
和葉の呟きに頷く一流は店へ入り込んだ。

スイーツも比較的に多く置いてあり持ち帰る客もいてカウンター端のケース前は混雑していた。

そんな時期かと眺める和葉・・・視線が止まった事に可笑しくて笑う一流だった。

奏多の呟いた言葉が響く・・・彼女を追うように静かに目に止める視線は外れなかった。
視線が重なり驚いた和葉・・・彼女がオーダーを取りに来たのだ。

『何を?』
笑みの柔らかさに見惚れ声にならない和葉が可笑しくて一流は代わりに声にする。

『君が進めるモノは何?』
『(笑)甘いモノですけど・・・』
『ならそれを(笑)。あぁ一つでいいよ。それからホットで珈琲を2つ』
『はい(笑)』

離れようとした彼女の腕を咄嗟に掴み出した和葉に笑いを堪えて眺めた。
驚き和葉を見返す彼女の顔が少しずつ染まり出した・・・それでも戸惑う彼女を優しく引いて空いた椅子に座らせた和葉。

『(笑)和葉・・・彼女は仕事中だったぞ・・・(笑)取り合えず離してやれよ』
『ん・・・』
見つめあったままで頷く和葉だが、捕まれた手を眺める彼女と顔を見つめたままの和葉・・・その姿に笑うしかない。

そっと現れた舞潤が笑えば 二人を見ろと一流が和葉へ目配せれば笑みは深く二人を眺める舞潤もいた事を知った。
それでもと繋がる二人の手に舞潤は触れ視線を遮った。

『(笑)ごめんなさい・・・柚月は仕事中なので・・・残り三時間は我慢してくれませんか?和葉さん・・・』
『あ・・・こっココに?あ・・・呼んで・・・も・・・』

思わず呟いた和葉に苦笑いをするだけで、見惚れ柚月から視線を外さない事に諦め連れ戻した舞潤を今度は眺めた。

行ってしまったと残念そうに一流に苦笑いをした和葉だったが、そっと携帯を出した事に可笑しくて笑う一流もいた。
それでも遥加へ連絡はしなかった事で和葉へ聞く・・・

『ん・・・昨日まで忙しかったから今は爆睡してると思う・・・疲れはね・・・』
『ずっと?あれから休みなし?』
『ない(笑)、会長が連れ回してたから余計に疲れてるんだよね・・・
倒れられても困るし・・・
そうだ(笑)、一流はココ何で知れた?』

『瑞季が住んでる近くらしい(笑)。偶然入ったら・・・
(笑)奏多が居てな・・・遥加のフリして遊んでた』
『 ・・・それ・・・まさか取らないよね?そんな感じだった?』

『んー確認は出来なかった(笑)、それよりも和葉好みだと教えてくれたから、お前を連れてきたんだけどな』
笑みながら呟く一流に苦笑いをする・・・

『舞潤さんと友達かな・・・』
思わず呟いたように言った和葉を見れば、既に視線は柚月という彼女を追っていた。

連絡をしようと迷うが、見つめる先は彼女だった・・・微妙な想いは静かに沸く一流もいた。

『休ませる意味で今度、連れてくれば?』
『次に彼女はココに居るかな・・・』
『いたら、それは本当に遥加と縁があったって事だろ(笑)。和葉・・・お前は一目惚れ的な気持ちだった?(笑)それ・・・』

『(笑)可愛いよね・・・話せないかな・・・』
彼女と・・・そんな思いで呟いた和葉に笑う一流だった。


心臓がドキドキし止まらない事に苦笑いしかない・・・捕まれた手を眺め、そっと触れて思い出していた。

胸に抱き感触を思い出す・・・彼の顔を思い出せば顔まで熱くなる事に驚いた。
そんな姿に呆れ眺める舞潤・・・口を引くと他のスタッフが柚月へ声をかけるが、ホッとけと一人にさせた。

一目惚れ・・・それは、こうなるのかと観察をする舞潤・・・和葉が来たなら彼も来るのかと過った自分に苦笑いをした。

切れた縁は、そうそうに繋がる事もない・・・そんなに偶然は続かないと分かる・・・それでも見つかった・・・何より彼に似た人から知る人達へ伸びていく自分の場所に苦笑いだった。

今の自分の居場所・・・最後の場所で落ち着き始めた早々に見つかる縁は不思議だと苦笑いをし仕事の顔に戻した舞潤だった。



少しずつ、店に来る客足は増えてきた・・・モデルを起用しスタッフとして雇う彼女だった。
そのレベルの高さに客はスタッフを見に店へ滑り込む・・・男女を問わず雇った。

それは目標を持つ人だけにだ・・・静かに流れる噂はモデル事務所のスカウトマンも来る・・・その姿を認め本格的に始め落ち着く頃に辞めていく。

常にスタッフを探しスカウトをして店内で働いて貰う。
カウンターとキッチンは本職に頼み腕も上がりだしてから食す客も増えて来ていた。

イベントが近くなる・・・ケースへ並べる数を増やし客を待てば、噂は流れ売れ行きも順調になり始めホッとする舞潤と柚月だった。

前から始めていた二人・・・自分達が体験した事でも、それを自分達ではと思わず そんな場所を作ろうと始めたのが切欠だった。

思い起こしてみれば資金は足りず人材は流れる事は目に見えて分かる・・・だから十分な資金は必要だった事で別々に仕事を探し働いてもいた。

探し当てたスタッフに店を任せ資金を貯める二人の生活は長かった。

安定して回らない今・・・やりきれない思いは辛かった・・・それでも頼る場所もないと店に助けを求めに来る子達を全員は雇えない事に申し訳なさがわいた。

力があれば・・・考えが甘かった自分達・・・日々の反省はしても辞める事も出来なくなった。

何とか人材は回せても売上だけでは全部は回らず怖くて柚月と悩む日々は続いていた。
どんな仕事でも体験し力にして観察し学びと忙しくした・・・

彼と会い迷う自分・・・気持ちだけでも彼へよりかかりたい思いは静かに沸き起こり、そんな自分に嫌気も沸き起こった。

これは仕事なのかと、彼を利用していた事に改めて気づき気持ちを固め自身を振り返った。

我慢した自分だった・・・そう思えたが自分をちゃんと育てようと日々を鍛えてきた・・・ゆっくりと回り始め、店も少しずつだが回り始めた事にホッとした。

人材は集まり柚月の人を見る目は養われていた事にホッとする・・・それは自分をも助け、仕事で繋がる人達への観察は自分の言動を変えてきた。

出来る子が怯え自分を知らない子は勿体ないと声にしてみる。
本当はしたい事なのに勇気も出ず諦める人の多さに苦笑いだった。

騙すように利用され疲れて体までボロボロになっていく子達を見つけ考えた二人が始めた場所で楽しそうに やり直す姿に良かったと思える日々が来たように思えた。

そう思えた自分達に苦笑いだ・・・キッチンスタッフやカウンタースタッフに励まされ、頑張って待つと言ってくれた日々を思い出した。


出来たと安堵するスタッフに感謝し、今度は接客をするスタッフを探す・・・学びの為に必要な額は多く、モデルを目標に置く子達を集め店内を任せる。

それはステージのようにと、綺麗さを磨かせ店の客は観客としてと覚えさせた。

綺麗さをまとう子達の多さは、客を引き寄せる・・・それは店で味わう客も増えカウンターもキッチンもフル稼働出来る今が出来た・・・店内を眺めホッとする舞潤達だった・・・


バレンタインが近づく・・・
一週間前から始める本格的な品はケースと店から出ていく。
臨時で雇い日々をこなしていった。

疲れたと柚月はカウンターで珈琲を飲む・・・スタッフは帰り鍵を閉めるだけだった。

レジを閉めた舞潤が終ったと珈琲を淹れてくれた・・・二人の終わりの挨拶のようにカウンターで少しの休憩をした。

扉が開く・・・柔らかなライトだけの店内・・・終わりを告げた店に入った人達へ視線を向ければ・・・苦笑いをした顔の彼がいた事に驚いた。

恥ずかしそうな笑みの柚月の姿に笑み、それは和葉へ向いていた事に気づいた。

その後ろから入り込んだ彼の笑みに苦笑いをする・・・本当に来たのだと過った思いは自分の中で弾けた音がした。

それは嬉しさなのか、気づかないほどに自分は待っていたような気もした。
何も言わずに近寄る彼は優しく抱き寄せる・・・
『会えた・・・』
小さな囁きに苦笑いをした・・・・

無意識にか自分へ回された彼女の手に嬉しくて抱き締めた・・・思わず呟いた自分が可笑しくて笑みながら彼女を見つめた。

キスを落とす・・・僅かな甘い香りが背中を押したように・・・
驚きは柚月からだった・・・見返せば彼女は和葉を眺めていた・・・嬉しそうな笑みに何だと和葉を眺めれば、同じように笑み返す姿に呆れ舞潤を眺めた。

『一目惚れ体質ね(笑)』
『(笑)初めていいか?』
『 ・・・』
『俺と付き合え(笑)』
囁く声音に照れた笑みの舞潤を見つめれば、優しく笑み返していた彼女が頷いた。

ホッとした笑みに口を引く彼女・・・何かを言いかけ始めた事で今は聞かないと彼女の唇を塞いだ。
触れた彼女の唇が笑った事に気づく・・・嬉しくて余計に深く絡ませた遥加もいた。

『ハル・・・んっ・・・』
離されない唇の唸りは駄目だと、離すなと絡ませ続けた。

『(笑)会えて良かった・・・』
隣で柚月へ声にした和葉の言葉は、それ以上聞こえなくなり・・・久しぶり過ぎた彼の想いが自分へ注がれるようだった。

止めろと彼の頬へ触れた彼女に苦笑いをし額を預けた遥加の眼差しに微笑んだ舞潤もいた。

『遥加(笑)、話はさ・・・店を出てから確認したらどう?』
和葉の声に微笑んだ。

『邪魔だから帰れと言え(笑)』
『自由時間を下さい(笑)』
改めて言った和葉を見返した遥加・・・柚月を眺め呟いた。

『和葉は俺の家族だ(笑)大事に出来そうか?』
『 ・・・・・(笑)』
聞かれて恥ずかしくなる柚月だったが照れながら頷く事で、余計に嬉しくて彼女を抱き締めた和葉だった。

『んー和葉(笑)。証明してくれ、そしたら帰る』
言い切ってみれば、和葉は照れながらも柚月へ口付ける・・・驚いて彼女達は動けなかった・・・

照れながらも和葉へ触れた彼女の手は頬にあった・・・謝る優しい声は柚月へ囁かれたのだった。



久しぶり過ぎた思いは互いの身で知れた・・・照れながら彼の手が運ぶ・・・その昂りは恥ずかしく笑むだけの舞潤だった。

静かに部屋へ入る遥加・・・起こさないように歩く廊下は、都和の部屋の前で笑った。
楽し気に遊ぶ声・・・駄目だと照れた声音は唸り始めた事に驚いた。

『だから言ったろ(笑)トワは壊れてんだ・・・』
小さな囁きに苦笑いをする舞潤を自分のスペースへ連れ込んだ。

シャワーを浴びながら・・・滴る湯を拭きながら・・・ベッドへ入る間も離れずに互いを貪る二人もいた。

照れた笑みは静かに震え弾けても構わずに求めた・・・何処へ運んでも撫でながら触れ浸る彼の手は離れなかった。

唇さえ後を追う・・・休めと止めた手に力も入らず浸れと言われたように弾けた。
『まっ待っ・・て・・・』
ようやく言えた言葉に彼が笑む・・・

『(笑)止まんねーよ・・・』
囁かれた声音が響けばビクつく身は喜んだ・・・果てた身に構わず耐えた身が恋しがる・・・熱い吐息を閉じ込め寄越せと塞いだ。

荒い息は面倒で震えた身は焦がれていった・・・久しぶりに聞く彼女の声音は自分の中の何かを掴む・・・静かに沸く想いは渦巻くように駆け巡る・・・何かが暴れ蠢き弾ける想いは行き来し自分を余計に昂らせた。

手にした事に嬉しくて、彼女が自分へ向けた想いを大事にしまった。
深く沈み浸りながら彼女を見つめれば、照れた笑みで耐えた彼女がいた・・・震えた手が身へ運ばれてきた・・・何だと彼女にキスを落とす。

頬へ触れた手に笑む・・・笑みの深さに照れる自分に苦笑いしかない・・・

『遥加を愛してた(笑)・・・貴方は確認出来た?』
『少しも変わってないぞ?(笑)ずっと舞潤を感じたままだった・・・今も愛してる(笑)ずっと・・・』

『終わりと・・・』
『(笑)始めると言ったろ・・・皆に言いまくって探してたんだぞ(笑)。俺の気持ちは変わらないんだ・・・諦めろよ・・・俺の全部を受け入れろ(笑)』

耐えた唸りとともに声にする遥加に微笑む舞潤が頷く・・・嬉しくて緩やかな波は激しくなっていった。

引き寄せる彼女の手に笑み口付ける遥加もいた。
熱く焦がれた想いを抱く・・・既に彼へ落ちていた自分を知った舞潤だった・・・


抱き込まれ寝ていたはずだった・・・震えた身は唸りと共に目覚めた彼女に笑う遥加の耐えた姿に驚いた。

片足を担ぎ深みへ浸る彼・・・悪戯な笑みは自分へ向けられていた。
『どれだけ寝込む(笑)。イカせられない自分にヘコんだぞ・・・』
『 ・・・』
シーツを掴みジッと耐えた彼女の笑みに見惚れる遥加だった。

『イキ捲るにもほどがある(笑)、我慢した俺を見習え・・・』
楽し気な声に苦笑いしかない・・・深く浸る彼の動きについていけず、焦りは昂り自分を焦がした。

『ハル・・・』
甘く囁く声音に照れた・・・微かな唸りは自分を苦しめる・・・堪えた身を誉め貪る波は激しかったが、彼女に笑み穏やかな波へ変え口付けた。

熱さが自分へ注がれる・・・彼女が自分を呼ぶ声音に酔いしれた。
待ち焦がれた身が喜ぶ・・・嬉しさは無意識に彼女へ注いだ・・・それだけで焦がれ戻された熱さは余計に昂らせた。

絡ませ浸る間も抱き寄せ身を自分へ押し込めた・・・絡み付く互いに酔いしれ深みへ運ぶ。
彼女の笑みに見惚れた・・・彼女から口付ける唇が笑み深く絡ませた遥加だった。

跳ねた身を抱き込む自分に呆れ・・・クビへ巻き付いていた手の力が消えていく・・・慌て背へ回して支え彼女にキスをした。

そっとベッドへ寝そべり彼女を感じながら浸り続ける遥加もいた。
撫で巡らせる手に笑みは溢れ・・・足りないと補う手に笑えた・・・何処へ触れても麻痺した感触はあるが焦がれていた身は蠢く。

嬉しくて触れる自分に苦笑いだった・・・愛しさは消えず求め続ける自分を誉めたのだった。

モニターが着く・・・和葉が柚月を連れて来ていた事に笑った。
出る気もない遥加が眺めていれば、ココヘ来る事はなく室内で寛ぐ姿が見えた。

離されても居ない事に目覚めた彼女は苦笑いをした・・・既に身動きも出来ず彼を眺める。

『(笑)足りねー』
『 ・・・』
彼の言葉に呆れた舞潤の顔へキスを落とし続ける遥加だった・・・昂りが止まらず震えた身は彼へ凭れた。

微かな唸りは遥加から・・・離すなと囁き引き寄せれば今度は彼女が唸った。

『溺れ・・・』
『(笑)溺れて何が悪い・・・焦がれ続けた俺に付き合え(笑)』
『 ・・・』
呆れるしかない声に苦笑いをする・・・

『遥加!離せ!』
突然聞こえた声に笑う遥加だった・・・和葉がスピーカーを使い想像した言葉を叫んでいた。

隣で待つ柚月は想像したのか真っ赤な顔で口を押さえていた姿が見えた。

『(笑)動けるか?』
『むり・・・』
全身が音を立てそうで軋む身に唸った。
だよなと笑う遥加はガウンを羽織ると待ってろと出ていった。


眠り込んでいた彼女を抱き寄せ身を重ね見つめる遥加だった。
足りず焦がれ続けた身は解消されず苦笑いしかなかった・・・耐え忍ばせた自分の手はあれど身動きもなく爆睡する彼女にキスをした。

緩やかな波に揺らされた自分に気づく・・・軋む身を感じ自分を見下ろし微笑む彼に照れた。

『何回焦がれさせたよ(笑)』
意味が分からないと見返す笑みに口を塞ぐ遥加もいた。

唸りは弾け全部に彼と気づくほどに熱くなった・・・揺らぐ身に耐えれば微かな笑みは耐え始める・・・何かを感じながらも揺れを止めない彼を眺めた・・・

荒い息さえ我慢した彼・・・整えるように戻す姿に笑みを向ければ視線の重なりに微かに唸った。

跳ねた彼の身に驚いた・・・それは自分へ跳ね返れば自分までが高みへ運ばれ昂りは駆け巡り一瞬で弾け飛んだのだった。

『もっ勿体ねー・・・』
息を荒げた彼の声音は微かに聞こえただけだった・・・


新たな目覚めは隣で寝込むように笑み眠る彼の姿があった・・・すっきりした自分の身で彼がしたのだと苦笑いをし彼へキスを落とした舞潤だった。

『遥加(笑)』
『ん?』
起きてるのかと笑み返した彼女だった。
『(笑)愛してくれて、ありがと・・・待っててくれて(笑)ありがとう・・・』

『ん・・・(笑)残る褒美は後で貰う・・・』
『(笑)こいつ・・・』
まだ足りないのかと呟いた舞潤の唇にキスをした遥加はまた眠りへ入りこんだのだった。



呆れた物言いの遥加に苦笑いをする・・・悪戯な目でモニターのスイッチを切った遥加は戻って行った。
呼ぶなと声にしない遥加に苦笑いだ・・・

『和葉さん(笑)。舞潤と会えないの?これ・・・』
『みたいだ(笑)』
奥へ入っていった遥加を眺め苦笑いをする和葉だった・・・

そのスイッチは向こうのモノと聞いていた・・・ならばとベッドへ彼女を運び照れた笑みで彼女へキスを落とした和葉だった。


和葉も知らないモニター・・・そのスイッチは偽物だった・・・室内はロックされている、だから誰も入らない事は和葉も知る・・・
彼女を狙い始めた和葉に笑み、モニター越しに頑張れと呟いた。

室内を見れるように切り換えた遥加だった・・・どうするのかと眺めれば彼女を狙う目は面白かった。

少し前から誰かへ想いを飛ばせた和葉と知れた・・・それが誰かは分からず一流へ聞けば知っている顔をしたが自分へ教える事もなかった。

構わずに待てば、カフェへ連れだされた事で和葉は自分へ教えたいのだと思った。

二人の女が薄暗い店内で珈琲を飲んでいた姿が見えた・・・直ぐに舞潤だと気づけば嬉しそうに見返す和葉だった。

探してくれたのかと思えば、和葉の視線は隣の女だった事に気づく・・・そうかと笑い離れてやった。

その彼女と来た事で僅かに繋がった和葉を誉め見学とモニターを眺めていた。
迷わずに襲い優しい笑みは彼女へ向けていた・・・女を眺めれば和葉だけに向けた想いは確信しモニターを消した遥加だった。

二人を見た事で舞潤へ視線を戻す・・・布団から出た彼女の身で昂る自分に笑え、触れたい想いは待てずに抱き込んだのだった。

今迄にない止まらない想いは彼女へ運んでも触れた手は喜んだ・・・耐えた昂りは増していく自分を誉めた。

果てた身は余計に恋しがり触れれば喜び続けた・・・自分へ返す彼女に苦笑いだ・・・言葉で戻す事も忘れない舞潤が愛しい自分に微笑んだ。

疲れ果てた身が恋しがるのに彼女が目覚めず唇で求めれば勝手に自分が運ばれた・・・笑うしかない・・・愛しさが自分を押し込め昂りは簡単に浸り弾けた。

そんな自分に呆れるしかない・・・それでも溺れたい衝動は待てずに深みへ運んだ・・・沈めば蠢き自分が耐える・・・より絡まった事で目覚めた彼女に照れた。

揺らぐ身は止めずに味わう事で目覚めた彼女・・・そうかと笑み見つめれば自分の方がより恋しかった事を知った。

ようやく落ち着いた自分に笑み睡魔は来たと彼女と身綺麗にして眠り込んだのだった。

彼女の言葉にホッとする・・・それだけで昂りそうで笑えた・・・まずは体を休ませ続きは後だと眠り込んだのだった。




・・・失礼致しました・・・





2019バレンタイン 6

2019-02-14 02:00:58 | イベント 関係の お話

イベント会場に向かう・・・

あれから奏多は仕事だと帰ったが、出張と出された先は実家もある街だった事で引き受けた。
同僚の若菜と 数社とのやり取りが終わりホテルへ戻った。

『(笑)遊びに出ようぜ』
『面倒だし(笑)パス!』
『そう言うなって(笑)。俺の幼馴染みがいてさ、この先にあるイベント会場でクリスマスパーティしてるんだ』

『呼ばれてる?』
『正解(笑)、電話一本で入れてくれるから行こうぜ』
『酒・・・』

『(笑)飲める飲める。パーティだぞ? 他にも色んな団体がやってるそうだし・・・つまみ食い(笑)したくねーのか?』
そうかと促されるまま、奏多は若菜と向かった。


エレベーターから下り、迎えに来た人に挨拶をする・・・
『若菜(笑)レベル高いねー相変わらず』
『香月(笑)、旨いの飲ませろよ?』

『好きなのどーぞ(笑)。
それとね、隣が子供たちのクリスマスパーティ会場らしくて(笑)少し煩いけど我慢してね。嫌なら奥で飲めば(笑)大丈夫のはずだから』
『ガキ?』

『(笑)子供!』
丁寧に言い直す事に苦笑いをし案内される・・・少しずつ聞こえる楽し気な声は本当に幼く、子供向けのパーティの様子は面白かった。

数人の子供を引率していた姿に笑い眺める。
『(笑)これは保育園とか、そんな場所の子達?』

『どーだろ(笑)。でもあの人達は保母さんみたいよね(笑)向こうは お母さんって感じだけど・・・』
歩きながら話す若菜達に笑いながら見ていた。

会場から泣きながら飛び出してきた子供・・・自分達の後ろからスッと抜いて行く女性がいた。
片手で捕まえ膝をつく。

よく見れば片手に小さな子を抱いていた事に驚いた・・・空いた手で泣いている子を抱き締め優しく撫でる姿を眺める。

『ありがとー(笑)』
追いかけてきた女性が声にして泣いている子を抱き上げた。
自分の視線に気付いたのか立ち上がった女性二人が見返す事に苦笑いだった。

『奏多!(笑)早く来い!』
『お!』
若菜に呼ばれ返事をする奏多は、また彼女達を眺めれば 子供を抱いて入って行く後ろ姿しか見れなかった。

『失礼(笑)、貴方は彼女と知り合いでしたか?』
『はい?』
『(笑)物凄く綺麗な保母さんの話題が凄くて皆と見てたんです。
誰か知り合いは居ないか(笑)探してました』

『 ・・・』
答えないでいれば悪かったと離れていく人達に呆れ奏多は会場へ入り若菜の所へ向かうのだった。


女性からの声はかかれど、適当に話を合わせるからか離れて行く事に笑われ苦笑いで返す奏多もいた。

出逢いを求めるより本当に呑みに来たのだと思える二人に苦笑いをする・・・しかたないと若菜達の所へ向かう。

『若菜(笑)、少しは協力して女性を楽しませてよ』
『(笑)仕事で来て飲んでるのに面倒は運ぶなよ』
『(笑)奏多さんは?』
『(笑)持ち帰れる女が居なくて残念でした』

『えっ・・・二人は(笑)それ込みで探してるの?』
『してる(笑)』
『 ・・・』
『(笑)ついでに言うとな・・・奏多は面食いで、ここには話したい女はいないとさ』

『あー・・・(笑)我慢して話してよ。
何かね、隣に綺麗な人が居るってソコで集まってて会場の女性を無視してんのよねー・・・』

『あー(笑)さっき聞いた。自分から声もかけられないみたいだぞ?』
『そーみたい(笑)。奏多さんは?いけます?』
『子持ちはパスね(笑)』
『 ・・・』

『抱きたい時は(笑)遠慮なく奏多は連れ出すからホッとけよー』
そうだと笑う奏多はグラスを若菜へ向けるとカチンと音をさせた奏多は笑みながら飲んだ。

二人への視線は熱いのに、二人から声は出ない・・・背もあり顔も綺麗でモテる容姿・・・目当てはないのかと女性達の視線は途切れなかった。

仕方ないと他の男たちと同じような場所で飲む事にした二人だった。

子供を追いながら会場近くで出入りする女性の姿を眺める・・・
観察をしてみれば保護者達とは違い保母らしき人達は同じシャツを着ていた。

紺色に襟と袖口に白の線が入っていた・・・目当ての女は二人に絞られていた・・・

一人は髪をトップで団子に纏めていた・・・もう一人は編み込み後ろで束ねていた・・・それでも同じ仲間なのか、揃いのレースのリボンを髪につけていた。

幼い子が泣く・・・あやしながら出てきた彼女は端で子へミルクを飲ませ始めた。
もう一人の女は様子を眺めベビーカーを近場に置いて戻っていった。

『奏多(笑)二人の名前を聞いてこいよ・・・』
『ホッといてやれよ子供が可哀想だ・・・』
若菜の声に男たちの視線は集まるが奏多の言葉で残念そうなため息は静かに流れた。

『聞けって(笑)。あそこの女なら、今なら話してくれんじゃね?』
グッと笑いながら背を押し行かせる若菜・・・本命は、もう一人の方だと苦笑いだった。

『ごめん(笑)少しだけ聞いてもいいか?』
そっと静かに話し出す奏多をチラリと眺め口を引いて子へ視線を戻す。

『(笑)い?』
『どーぞ(笑)』
『(笑)このベビーカーを持ってきた子も保母さんか?』
『(笑)・・・』
笑みながらも答えない女に苦笑いをする・・・

『(笑)仕事で来てるし、邪魔はしないで貰えると助かります』
『ごめん(笑)。内気な性格で声もかけられずだったから変わりに来てみたが・・・(笑)君もフリー?』

『(笑)彷徨けば通報されますよ?』
言われて笑う奏多に、男性の声がしてフッと笑う女に苦笑いをした。

『奏多(笑)。聞けた?フリー?それとも呼んで貰える?』
『若菜(笑)・・・それはねーよ。子供中心の女・・・保母なら俺らは不審者だ(笑)』

『そうだけど・・・(笑)ごめんね。出会った時に次のチャンスに持ち込みたくて・・・』
『内気もアルコールがはいるからか大胆でしたね(笑)。残念ですがお断りしますね』

飲ませた彼女が立ち上がり彼らへ言った。
すらりとした容姿に見惚れ視線が合えば苦笑いをした彼らに会釈しベビーカーへ寝かせると会場へ戻ってしまった。

あーあと笑う二人は仕方ないと帰る事にしたのだった。



視線が邪魔だと見返せば彼がいて驚いた・・・それでも違和感がわき、誰だと眺めれば名を呼ぶ言葉で違う事を知った。

兄弟は居たのかと考えるほどに似ていた事に苦笑いだった・・・そう考えた自分にも驚いた。

子供にミルクを飲ませていれば、彼に似た別の名を持つ男が声をかけてきた。
話を聞いていれば、彼と話し方も雰囲気も違うと観察をしていた自分が可笑しかった。

友達の為に声をかける人・・・近場の人なのだろう言動は回りの人達に似ているのだと思えば余計に可笑しくて笑えた。

その日が終わり眠ろうとしていたが、久しぶりに思い出した事に苦笑いだった・・・彼でもない奏多という彼に似た男・・・それでも違和感だけで、顔を見れた気がして可笑しくなった。

気に止める自分・・・それでも今を・・・自分を生き過ごせている事は彼にも感謝だった。

特別のボーナスは予想より多く・・・予定より早く目標額は達成し辞める事も出来た。
余裕が出来た事で時間もとれ、親友の手伝いも出来るようになった。

師走に入り何とか黒字へ入り始め、落ち着きだした事で余暇の時間の調整も出来るようになった。

だから今日、人手が欲しいのだと頼まれ保母として親友の杉原柚月と手伝いをしに来ていたのだ。

3か月という間は彼を消す事も出来ず、それでも彼も頑張っている事は分かりホッとした。

彼と離れ 1か月も過ぎた頃に、声をかける為に来た彼に驚いた・・・回りを気にする事なく自分を抱き込む彼に苦笑いだ。

何よりそれが嫌でもない自分にも気づいた・・・キスされても彼だから・・・そんな気がして止めなかった。

そんな自分に呆れるのは自分の家につき思い出してからだ・・・普段の付き合い・・・それは自然の流れの中での事のように彼は触れる・・・それで来たからか嫌でもない自分だった。

今まで・・・数度会い、話せたが・・・それからは会った事はない・・・思い出しはしても、会いに行く事も 来る事もなくなった。

へんな寂しさは沸かなかった・・・しぜんと・・・会えたなら触れ腕に抱き久しぶりの挨拶をする・・・そんな感じにも思える自分にも苦笑いだった。

奏多という名・・・遥加という彼に似た男・・・それだけだ・・・
色んな思いが駆け巡るが、気にしても仕方ないと気持ちを切り替えた自分に笑み眠り始めたのだった。



年も終わりを告げる・・・全部を休めたくて教会に来ていた・・・
信者でもないが、気が重くなり押し潰されそうな日々に耐えれず教会で過ごしたのが始まりだった。

それが師走だけでもない・・・心が重いと感じた日に・・・思い立つように足を運び、イスに座り何も考えずにソコにいた。

気づけば翌日の朝陽を感じる事も数多かった。
今日も久し振りだと思い出し足を運ぶ・・・日を跨げは新しい年にもなる日だった事に苦笑いだった。

それでも構わず携帯の電源を落として居座った。
他の人達に邪魔だろうと後ろ端に座り前を眺めた。

不思議と居心地もいい・・・気も楽になり心からホッとした事に笑み目を閉じた。

隣へ座る誰かの気配があった・・・それでも邪魔はされない事で気にもしなかった。

背凭れへ凭れ見つめ直す・・・柔らかな光りに照らされる姿に笑み眺める・・・椅子へ落としていた手・・・その指先が誰かの指先に触れる・・・

そっと忍び込むように指先は絡まれば誰だと自分の手を眺め、その手から腕を辿り眺めた。
照れた笑み・・・優しい眼差しに口を引けば見るなと促され苦笑いだった。

隣で静かに居座る彼・・・暫くすれば自分の肩へ凭れ眠り始めた・・・起きれば自分と同じように前を眺め考えるように眺めていた彼もいた。

触れているのが当たり前のように触れる・・・それだけで落ち着く自分もいた・・・声はなくとも近場で過ごせる穏やかな時間が過ぎていく・・・絡ませた指から温まる事に微笑んだ。

ときは過ぎ新たな年を迎えれば挨拶のように始まる教会に苦笑いをして二人は外へ出た。
連れ出そうとした彼の手を眺めギュッと握り締めた・・・

『 ・・・終わり?』
『(笑)隠れんぼね・・・』
『 ・・・見つけたら始める事は言っとく・・・だから・・・』
小さく呟きながら絡ませた手を引くと彼女を抱き締めた。

途切れていない事は互いに気づいた・・・彼の思いは続くか分からなかったが、そうかと頷く自分は無意識にした事に自分で驚いた。

『始める・・・』
そう言うと、ゆっくりとだが自分から離れるぞと言いたげに抱く手は緩んでいった。

頬へ触れた彼の手に笑み見つめた・・・見つめられた自分の中が跳ねる・・・彼女を愛したままだと思い苦笑いをした。

笑み見つめた彼女が離れていく・・・笑みの優しさが自分の心を暖めていく事に微笑んだ。

一流と奏多は和葉と遥加が帰って行く姿を眺め苦笑いをした。
『あの女がハルの?』
『そうだ(笑)。見つけては見張り、出向いて会ってるそうだ(笑)可愛いよな・・・』

『確か(笑)・・・クリスマスに会ったな』
『ん?どこで?』
『同僚と行ったパーティ(笑)。保母をしてたぞ?それだったか?』
『違う(笑)・・・・と思うが、本当の仕事は俺も知らないんだよな・・・』

『(笑)次に見つけたら聞いてみるか?ハルの事・・・』
『(笑)ほっとけよ・・・』
そうかと笑う奏多に苦笑いをしながら帰ろうと促す一流もいた。


それから間もなくの事・・・
『偶然にもほどがある(笑)』
何だと奏多の呟きに笑み彼の視線を辿れば、クリスマスで声をかけた女がいた事に微笑んだ。

『お(笑)、も一人もいたな・・・』
『そう言えば(笑)今日は成人式だったな・・・』
確かにと眺めていれば、二人の近くへ現れた子は振袖を着ていた事に微笑んだ。

時間はあったと後を着けるように歩く奏多に笑み、自分も暇だと目当ての彼女を眺めながら歩いた。

まだらだった振り袖姿・・・そんな子達が少しずつ増えていく・・・嬉しそうな、恥ずかしそうな笑みで友達と会い会場へ入って行く姿を眺める。

写真を撮り互いに笑み記念と撮り貯めていく姿を眺めた・・・

『柚月(笑)、撮ってあげるからソコ・・・』
『(笑)えー』『(笑)ほんと?』
言われて嬉しそうに隣へ立った柚月に花菜が恥ずかしそうに唸った。

笑いながらカメラを向け微笑んだ。
『ハルナ(笑)。お姉さん綺麗だね!』
写真に撮られていた花菜に、彼女の友達が声をかける・・・舞潤とは撮らなかった事で花菜の姉は柚月の方だと苦笑いをする。

背もある二人に目が止まる子達に、苦笑いで返したのだった。
会場へ入る姿に笑み二人は帰ろうと話ながら離れたのだった。

『また会ったよね(笑)、若菜と言う・・・こっちは・・・君は?』
若菜は待てずに後ろから声をかけた・・・振り向けば苦笑いをする柚月は舞潤を眺めた。

『(笑)そっくりさん?本物?』
小さな囁きは彼らに聞こえなかったようだった。
『何でいた?(笑)暇なら休憩しないか?』
『 ・・・』

ソコにと指さし彼女達の有無はなく押し込む二人に苦笑いをし、それでも時間はあった柚月が笑いながら舞潤の腕を組んで付き合おうと目配せた。

『 ・・・あー・・・二人はさ(笑)何処にすわる?』
『舞潤の隣(笑)』
『何を飲む?珈琲だけでい?』
『(笑)いいけど・・・
それより・・・髪の色(笑)いつ変えた?』

『(笑)先週。暇だったし』
そう言いながら彼女に言えば、笑みの変わらない彼女に苦笑いをしながら椅子に凭れ舞潤を眺めた。

近寄る前に若菜へ弟のフリをする事を言い、騙すと話していた事で余計に楽しくなった若菜は柚月と会話をしていた。

静かに通りを眺め珈琲を飲む姿に笑み見つめる奏多・・・
『(笑)貴方はお喋りね・・・』
『煩い?(笑)』
『いーけど(笑)。しつこいのは嫌なのよね(笑)』

『(笑)仕事は休み?』
気にも止めずに声にする若菜に苦笑いだった。
暫く話していた彼女達を連れ出そうと声にするが・・・

『(笑)仕事があるので断ります』
柚月の呟きに舞潤が頷き立ち上がった。
『まだ話があった(笑)聞いてけ』
奏多が舞潤へ呟いた。

『遥加・・・本当に仕事なのよ(笑)だからパスね・・・』
『付き合う事にしてるだろ・・・』
『(笑)遥加なら・・・』
小さな囁きは奏多を真顔にした・・・笑み返す舞潤に見惚れるように眺めた。

引き止めた彼女の手・・・その手を優しく外す彼女を見つめ苦笑いだった。
『遥加さん(笑)。離してあげてね。忙しくなるから早く準備しなきゃならなくて・・・』

柚月が優しく声をかける・・・若菜が話そうとした顔に笑み返し、二人へ会釈すると離れて店の奥へと入っていった。

『あー(笑)隙も出来なかったな・・・』
『あの子が弟の女?』
『そー聞いた(笑)。今はココで働いてたのか・・・』
『保母じゃなく?』

暫くして出てきた二人の姿は、店のスタッフと同じユニホームを着ていた。
昼近くになったからか、軽食を食べに入る客を促し接客を始めた姿を眺める彼らもいた。

舞潤の言動は、自分はバレていたのかさえ分からなくなった・・・何より彼女の笑みが自分の中で深く記憶に残り遥加が愛した女とはいえ自分へと運びたい衝動は静かにわいた。

それでも女だ・・・そう思える自分が可笑しくて不思議だった・・・彼女の友達を眺めれば和葉好みだと、ふと過り苦笑いをした。

和葉が好きになる女と不思議と似ていて、会わせれば飛び付きそうで可笑しかった・・・そんな考えをした自分にも笑えた。

若菜の携帯がなり用が出来たと帰っていく・・・入れ替わるように一流が来た事に可笑しくて笑えた。
その後ろからは妹が来て自分を見つけ驚いていた。

親友だと紹介されはしたが同じ席には着かず、二人で離れた場所で楽しそうに話をしていた。
一流まで一人で座る姿に来いと呼べば仕方ないと奏多のテーブルへ交ざった。

『どした?(笑)仕事じゃねーよな』
服を眺め呟きながら椅子へ座る一流に苦笑いをした。
『(笑)お前は?』

『お嬢が(笑)腹が減ったらしくて・・・来年の参考とか言って(笑)瑞季を呼び出したんだ』
『試験は?』

『パスしてるさ(笑)、だから瑞季も来れたんだろ・・・
奏多は?(笑)こんな店は入らねーだろ・・・』

『暇だから同僚と遊びに出たんだ(笑)、そしたら同僚の目当ての女が居たから』
『ここ?』
そうだと笑み頷く奏多に笑み返した。

『その女がさ(笑)、和葉好みの女だった・・・今度、連れてこい(笑)』
『(笑)楽しむな・・・』
『ここは初めてか?』
あちこちを眺めながら話す奏多に苦笑いをした一流が頷く・・・

『一流・・・』
『ん?』
突然声音をかえて呟く奏多に驚き見返す一流だった・・・その視線を辿れば、それは舞潤だった事に驚き今度は奏多を眺め考えた。

遥加に教えるのか・・・奏多までが好きになったのか・・・色んな思いが駆け巡った。

『どーする?』
取り合えずと一流は奏多へ声にした・・・フッと笑う奏多を驚き眺める。
『双子だしな(笑)』

『それでも女は遊びの対象だし(笑)遥加がヘコむだろ・・・』
『話したのか?』
『ハルのフリをしてみたが・・・(笑)彼女がどう感じたかは分からなかった・・・』

『 ・・・勘違い・・・してたのか?』
『(笑)だから分からねーって言ったぞ(笑)』
そうかと奏多の呟きに口を引く一流は彼の様子を眺め、接客をしては奥へ入って行く舞潤の姿を眺めた。

驚いた顔で立ち上がり奏多を眺める都和の姿に彼らが笑った。
知っていたのかと探る目に笑み返した二人もいた・・・いいかと座り直し妹達まで彼女を観察する姿に笑うしかない。

気付いたろう舞潤が、都和達のテーブルへ向かった。笑みながらオーダーを取る姿・・・嬉しそうな妹の笑みに口を引いた奏多がいた。




2019バレンタイン 5

2019-02-14 01:38:25 | イベント 関係の お話

久しぶりの団欒・・・家族が揃う事に都和が嬉しそうに眺めては食べる姿があった・・・母親は何度も注意していたが聞く耳はないように気にも止めていなかった。

苦笑いしかない彼は都和の頭を撫でて笑み返した。

『(笑)お兄ちゃん、いつ戻ってくるの?』
『何で?』
『(笑)暇で』
『ん?瑞季ちゃんて子は?』

『受験だから外出禁止になっちゃってさ(笑)遊べないんだよねー』
『(笑)ハルと遊べよ』
『 ・・・お(笑)。その顔は(笑)・・・聞いてないんだねぇ』

楽しむような顔で話した妹に笑み、母親へ視線を向ければ言わないと言いたげに口を引くだけだった。

笑うだけの父・・・それでも都和の言葉を聞くとムッとした顔になり酒を飲む姿があった。

『んー(笑)』
今、話そうかと考える仕草をする妹を眺め口を引いた。
静かに頷き笑み返した都和は、母からおかずを貰い話題を変えたのだった。

『おっ!』
既に離れた話しが終わる頃・・・遥加が帰り その姿に笑み手をあわせ挨拶をした。

『1年・・・半?』
『だな(笑)。久しぶりだ』
『忙しいのか?』
『でもない(笑)』
『(笑)辞める気になったか?』
『も少し(笑)いいか?』

『 ・・・』
『ちょっと!仲間外れしないでよ!』
二人だけの会話に交ざれず声にする都和に笑う二人だった。

『奏多さん。何時まで居れるのかしら(笑)』
『(笑)今月末までには戻るよ』
『それまで時間あったら遊んで!』
期待を込めて呟く都和に頷き笑み返した奏多だった。


寛ぐ二人を眺める都和に笑み、奏多からの土産を食べる姿に笑う遥加もいた。

『(笑)お兄ちゃんは髪、染めた事ないね・・・』
『もともと黒くもないしな(笑)ハルより染める楽しさは沸かなかっただけだ』

『(笑)友達は色で名前を把握してるんだ・・・より明るい色が遥加お兄ちゃん(笑)とかってねー』
へぇと都和に微笑んだ奏多だった。
楽しくて嬉しくて二人を交互に眺める妹に微笑む母親もいた。

『お母さん似だよね(笑)その綺麗さって・・・』
『ん?』
『(笑)その綺麗に異常なほどに執着するのはお父さん似だから?』
『(笑)都和も拘るだろ。綺麗って所に』

『まーねー(笑)。
あー遥加お兄ちゃんが落とせなかった人、奏多お兄ちゃんに落として貰ったら?』
『 ・・・』
両親は娘の発言に押し黙る・・・兄二人は驚き妹を眺めた。

『都和(笑)。間違うな。落とせなかったんじゃなくて、手にして飛ばしただけだ』
『 ・・・』
『まだ好きなんだねー』

そう言いなからジュースが入ったグラスを持つと自分の部屋へ戻るのだった。
遥加までが静かに戻った。

暫く両親の相手をし奏多は静かに都和の部屋へ向かった。

『(笑)一流』
都和の部屋の前にある控え室で、終わりを待つ一流の姿に笑み声をかけた。

『久しぶりだ(笑)。お嬢の素行を何とかしてくれ』
『それは(笑)頼んでたろ』
『(笑)無理だった・・・』
『変わらず女か・・・今は?』
『同級生(笑)』

『バレてないか?』
『そこは徹底してるさ(笑)。話を?』
『みてーだ(笑)。遥加の事でな』
『あー(笑)、半分は想像だから』
やっぱりなと一流に笑み部屋のドアをあけてやり奏多を入れたのだった。


待ってたと寝支度を済ませた都和は、座れと楽し気に促した。
可愛いのだと妹を撫でながらベッドの端に座り都和を眺めた。

『お兄ちゃんはさ(笑)、お父さんから見合いは行かないの?』
『しないと言ったし(笑)』
『(笑)そうなんだ』

『 ・・・その話がしたかったのか?』
『違う(笑)。その見合いから遥加お兄ちゃんの話が始まるの(笑)』
『へぇ(笑)』

『えっとね(笑)』
まずはと呟き丁寧に話を最初から始める都和に笑み耳を傾けた。
暫くすれば眠そうで・・・仕方ないとベッドへ入れて都和を眺めた。

『で?会わなくなってハルの様子は?』
『んー今は普通(笑)。これは本当に別れてないの?』
『んー俺は見てないしな(笑)』
『お兄・・・ちゃんはさ・・・カナ・・・』

そうかと話していた都和・・・聞きたい事があったと考え声にし始めたが、眠気は強く引き摺られるように眠り込んだ姿に苦笑いだった。


そっと入ってきた一流の姿に笑み返した。
一流は寝入った都和に丁寧に布団をかけ端から照明を落としていった・・・

『遥加が飲もうとさ(笑)』
行こうと笑む一流に笑み奏多は都和の部屋を後にしたのだった。



部屋に入れば飲む準備はされていた事に苦笑いだった・・・先にソファーで寛ぐ遥加の姿に笑った。

『想像豊かだな(笑)相変わらず』
『そーでもない(笑)』
『(笑)それでいいか?』
奏多が好む酒を出していた事で目の前に運んでやったのだ。

『一流(笑)終わりなら飲め』
『ん(笑)。だから来たんだ・・・和葉は?どこ行った?』
『(笑)ツマミを調達しに』
『ん?一人で?』

『俺に聞かねーで行ったぞ?(笑)気がきくだろー』
笑いながら言った遥加に笑みながらグラスを準備して一流は奏多の手へ持たせた。

彼らは同じ歳で同級生でもあり親友とも呼べ仲間で・・・自分達の家族でもあった。

双子は背もあり目立っていた・・・それに負けない容姿の一流と和葉もまた幼い頃から目立っていた。

中学で知り合ったが、一流達は幼い頃からの付き合いでもあった・・・この二人と会ったのは高校に進む前の年で互いの関係はより近くなった。

それからの付き合いで気心も知れ互いをも助け合っていた。
イベントは自分達には面倒で、適当に付き合いはするが 飽きると抜け出していた。

それに便乗する友達が増える・・・その日までは楽しいが過ぎれば波が引くように居なくなる・・・あしらいすぎると、その時に囁かれる陰口は半端なかった。

この四人になって、面倒は四人で乗り切り皆であしらう・・・それが一番楽だったし、気心も知れる楽さは今も続いていた・・・

『足りるか?』
袋から出しながら和葉は皆へ聞く・・・入れ物だと一流が部屋の端にあるカウンターから皿を探して持ってきた。
楽しい時間の始まりだった。


『で?(笑)都和が含んだ物言い話は何だった?』
奏多が遥加に酒を注ぎながら聞いた。
『含んだ?』
知らない和葉が声にする。

『落とせなかったから(笑)変わりに落とせって話』
『奏多(笑)。フラれたんじゃなくて、僅かに繋いで(笑) 離れただけで・・・』

『ん?本当に別れたんじゃなく?』
『何だよ(笑)、誰の話がほんとだ?』
『こっち(笑)。俺も本当にフラれたと思ってたけど・・・見張ってみれば、誰も寄せないし会えば拒否もしないし(笑)』

『だから僅かに(笑)ってやつか』
一流の言葉に笑み頷く和葉だった。遥加はと眺めれば、外の景色を眺め静かに飲んでいる姿があった。



そんな話をして暫くしたある日・・・泥酔した遥加を背負い和葉が部屋へと運ぶ姿に笑いながら手伝った奏多。

『どした?』
『(笑)彼女に完全に離されて・・・姿を消したように居なくなった(笑)』
『ヘコんだわけか(笑)』
そうだと口を引いた和葉はベッドへ寝かせ布団をかけた。

『その子はさ(笑)ハルの事・・・』
『拒否もしてなくて・・・何で離れるかも俺は聞いてない・・・』
『好きとか・・・言葉で聞いたか?』
『(笑)二人の時は声も聞こえないほど離れてるし(笑)室内待機もしませんけど?』

『(笑)都和と違うのか』
『(笑)子供じゃないし』
『和葉(笑)。本当にハルは勘違いもしてない?(笑)片想い?』
『(笑)遊びは全部きったから・・・』
『マジだよな(笑)それ』
そうだと笑む和葉を見つめ笑み返す奏多もいた。

『和葉は?恋人は出来たのか?』
『(笑)いたら、遥加に使う時間外はデートしてますけど?』
笑いながら言った和葉に、確かにと笑う奏多もいた。

微かな声音で呟いた遥加に口を引いて眺める二人だった。
『クリスマスも近いしな(笑)』

『気分転換とかするか(笑)俺はこっちにマメに来れるようになったしな』
『(笑)だな』
楽し気に見合う二人は部屋から出たのだった。



2019バレンタイン 4

2019-02-14 01:25:39 | イベント 関係の お話


何とか引き留められた遥加・・・ホッとした和葉は部屋から出ていった。

特殊な作りの彼の部屋に驚きながら連れ行かれた・・・・・
和葉が出た後、遥加は電気を消しながら戻ってきた。

今まで見えていたドアを閉め鍵をした彼を眺めれば口を引きながら歩いてきた。

スローで間接照明までが消えていく・・・自分に触れた頃に真っ暗になったが・・・柔らかな光りは微かに床にラインを引いた。
そこを辿るように連れられ何処かへ入り込む・・・

『遥加・・・』
『ん・・・ごめん。本当の場所に行くのに・・・さ・・・』
『防犯?』
『ん・・・』

ほんの小さな囁き・・・すまなそうな声に仕方ないと彼の腰へ手を回し連れていけと寄り添った。

肩を抱き歩かせていた・・・この場所なら自分が寝た隙に帰るだろうと思え、帰したくなくて奥へ彼女を連れ入ろうと考えた。

和葉しか知らない空間・・・それでも勝手に和葉も入る事も出来ない・・・自分一人で邪魔はされずに過ごせ 誰かと会わなくても、見つからなくても いいように造った。

そのセキュリティも万全だ・・・入り込まれる事も少ないが身内から広がる事も知る。

だから、どんなに気を許せる者でも入れない場所を造りたかったのだ。
彼女を連れていこうと思えた事に苦笑いだった・・・

最初のドア、そして二つ目のドアを閉め それぞれに鍵をかける・・・部屋の鍵は全て暗くする事から完全にロックされていく・・・足元の明かりが始まれば必要な場所だけ明かりを点ければいいだけだった。

何処かに触れたようだった・・・柔らかな小さな明かりは滑るように点り始めたのだった。

それでも薄暗い・・・彼が癒す場所なのだろうと思え彼を見つめれば・・・戸惑うような笑みだった。

後は寝るだけ・・・そんな状態にしてから休めばいいと言った彼女に苦笑いをした。
迷いに気づかれ彼女を抱き締めれば、そっと呟く声を信じた。

『ちゃんと話そうと思えたから(笑)勝手に帰る事はしないわ・・・』
『 ・・・』
『(笑)そこの・・・飲んでてもいい?』
『先に入るか?』
『(笑)その方が、貴方は安心出来るの?』
口を引き頷く遥加に笑み、バスルームへ向かった。

ドライヤーを借り乾かす間に、入りたいのだろう彼が通り過ぎた事に苦笑いをする。

ローブを羽織り出てきた彼は、うつ向いたままに出て行こうとしたのを引き止めた。
驚いた顔に苦笑いをして、フードを外すとドライヤーの風をあてて乾かしてやった。

ジッとし身動きもない彼・・・最初の頃の彼と今の彼・・・本当はどっちなのかと考えた。

『舞潤・・・』
『ん?』
名を呼ばれた事でスイッチを切り彼を眺める彼女・・・手にしたモノを置き、ソコから出された事で彼を眺めた。

互いにローブ一枚の姿だった・・・
今迄にも尾行の多さに疲れホテルへ入った事がある・・・それが最初だった・・・

舞潤が客と入り込む・・・連絡をすれば、客を置いて自分の部屋へ来てくれていた・・・面倒で汗を流し時間を潰した事もある。

話をし、時に飲みに出たり・・・だからか着替えの常備は和葉に頼み遥加の車へ積んで貰っていた。

今は彼の本当のプライベート空間で・・・確実に客としての会話ではないのだと彼を眺めた。

アルコールを注いだグラスを彼女に渡し、遥加は飲みながら窓を開け放ち夜風を招いた。
夏の終わりだが、今日の夜風は心地好かった。

『不思議ね(笑)。二階へ上がったはずなのに一階にいるみたい・・・』
『 ・・・』
声にせずに飲み込む彼に笑み同じようにグラスを傾けた。

夜空を眺めながらフットレストヘ足を乗せ寛ぐように凭れた彼女をジッと静かに見つめる遥加もいた。

『隣・・・に・・・いいか?』
今迄にない遠慮の雰囲気に苦笑いをしつつ、どーぞとソファーを叩いた。

『(笑)別人みたいね・・・』
『舞潤に合わせると誰でもなるだろ・・・』
『ん?私が変えた?』
『 ・・・き・・・嫌われたら会えなくなるだろ・・・』

『 ・・・こんな仕事をしてきた・・・
(笑)誰でも見た目から入る事を知ってる。
だから恋人っていう近さの仕事が出来てる・・・錯覚してく人が多いから騙せるけど、雇い主まで錯覚してく・・・だから本当は一ヶ月まで・・・合わせるのも週一で4回・・・』

『俺・・・』
『ガポで判断したの・・・激しい見張りだから、その人達の特定までして安全確認はしたわ(笑)半分は貴方の身内だったけど・・・
仕事だからね・・・受けたなら徹底して依頼を完了させる・・・

今回ので、余計にルールが出来たし・・・私の仕事も終わりになった・・・だから完了する為に貴方へ報告をと上司から言われてる(笑)。

たぶん来週中に連絡がいくと思うから』
そう言っている間に彼が自分を引き寄せ抱き締めた事に苦笑いだった。

『本音はな・・・この仕事を辞めて欲しかった・・・仕事がなくなるかも知れないから、言うに言えずだった』
『これをメインにしてたの・・・』
『ガポを辞めるのか?』

『(笑)なくなるしね・・・それでも派遣される方は残ってるから(笑)そっちに移動かな』
どうしよかと迷っている彼女の気がした。

『 ・・・惚れてごめん・・・』
『(笑)気にしないで・・・って(笑)言い方が可笑しいね・・・ごめんなさい』
『 ・・・仕事繋がりを解消してお前と会いたい』
『 ・・・』

『仕事じゃなく・・・本当の恋人として会いたい・・・我慢はしたくない』
『 ・・・だから(笑)お酒を利用した?』
『 ・・・ごめん(笑)あの時は・・・我慢出来なくなった』

『(笑)我慢する為の鍵をかけるの忘れたんだ・・・』
彼女に苦笑いをしながらも、身へ触れる手はゆっくりと上がり始めた。

笑みながら彼を見つめる・・・背にあった手は触れたまま脇から腹を辿り上がり始めた・・・全部へ撫でていく・・・残された彼の手は腰で止まり より引き寄せられた。

『もっと綺麗な人は居る(笑)、貴方が求める優しい人は必ず・・・』
『(笑)舞潤でいい・・・お前に触れて自分を確かめた。お前を抱いて確信した・・・・だから舞潤でいい』

『 ・・・(笑)触って何が分かるの?』
『本音(笑)。
自分を利用してるのか・・・本当に自分が必要とされてるのか・・・(笑)近くなると余計に気づける』

『(笑)仕事繋がりだった中で?演技されてたとか思わなかった?恋人のフリ・・・それをしてたのよ?』

『(笑)舞潤は仕事でも本音を吐くだろ・・・気遣う時は仕事の顔をしてる。
だから舞潤の本音・・・(笑)そんな時は、どんな顔をするのか知りたくなった・・・
(笑)時間外って額が笑えたが・・・舞潤を知れるなら関係ないと思ってた』

思い出したのか可笑しくて笑う遥加に笑み見返す彼女だった。

優しく口付ける・・・彼女を追い深く絡ませ浸った・・・撫で巡らせる手に苦笑いはするが、拒否はない彼女を求め貪った。

自分へ触れる手は優しく感じ始める・・・それは離れていくような気がし・・・浸れと言われているようで動けなくなった。

全部が欲しいと全身で求める彼と気づいた・・・今の関係が邪魔をしている気がした。

それでも構わない彼の触れに自分の中まで浸りそうで怖くなった・・・優しい彼の手に浸れるのは、これが最後と思う事にした。

客へ想いを残しては仕事に支障もでる・・・やるべき事も残る自分の今は止める事も出来ない。

彼が癒す場所だから・・・それで癒されるなら自分を預けようと思えた。
それに気付いたのか胸元に居た彼がソコで佇むように止まった。

腰を抱き顔を埋めて静かに自分を抱き締めている彼を優しく抱き締めた。

『もう少し時間が・・・私には必要で・・・
自分で誓って始めた事があるの・・・今の私は全部に中途半端で・・・やりきれてない・・・・自分自身に誓ったから・・・』

『そ・・・それは何だ?手伝えるなら』
『いいの。それはしないで・・・自分で始めた事は自分自身で進ませなきゃ安心も出来ないから・・・』
『 ・・・俺とは?』

『始めた中で続けてる場所が本当の私の居場所の気もするの・・・
解除されたら・・・お互いの道に戻って進まなきゃね・・・』
『連絡を切る?そういう意味か?』

『 ・・・偶然(笑)。
んー・・・偶然、何処かで会えた時に考えない?
その気持ちは本当か考え直してみて・・・違ったなら(笑)自分で前に進めるはずよ・・・

(笑)相手が気に入らないなら、自分の声を正直に言うの・・・誤魔化さず逃げずにね。

物は試しと入り込む(笑)そうしたら、意外な面が見れて考えも変えられると思う(笑)。見方が変われば大丈夫だと思うの・・・』

『まだ舞潤を愛してたら?』
『(笑)なら・・・本当に想いがあったなら声をかけてくれる?』
『そうしたら俺との事を考えるのか?』
『考える(笑)。普通に出逢ったなら・・・出来ると思う・・・』

『 ・・・後悔しねーか?』
『 ・・・(笑)』
『俺に別の誰かが出来て・・・そんな時に会ったら・・・』
『二人の縁は無かったって事よ・・・それに貴方が幸せを手に入れたって事でしょ(笑)、自分を置ける人が出来たんだもの・・・』

彼女の言葉にムカついた遥加もいた。
『いっ・・・』
肩に痛みがはしる・・・話始めれば聞きながらも唇で触れ、流すように撫でる彼の手にも気付いた。

優しく落としていた唇があがる・・・肩にキスをし・・・自分の言った事は聞いているのか気にもなったが・・・いきなり肩に触れていた唇から痛みが沸き起こった。

『何で怒って噛み付くのよ(笑)』
『俺を受け止めねーからだ・・・』
『客との恋愛はしない・・・しちゃ駄目なの・・・』
『 ・・・寝たろ』
『酔ってたから・・・』
『 ・・・』

酔った弾みだろうと彼を眺めれば、少しムッとした顔で見返していた。
不意に抱き上げられ運ばれた先はベッドだった・・・自分へ馬乗りし手をベッドへ縫い付けて見つめて始めた。

『抱いていいよな・・・』
『 ・・・体を売ってない』
『今はプライベートな時間だろ』
『だけど、貴方と私の関係は』

声は止められ唇が塞がれた・・・話したくて止めたいのに彼はそれを許すまいと余計に深く絡ませ逃げられなかった。
肌けていた場所から触れる彼の手は巡り始める・・・

撫で巡らせる手に反応しているのか、自分が襲い込んだから怖くて震えているのか分からなかった。

口付け否定する言葉は聞きたくなくて唇を塞いだ・・・酔いしれたくて彼女の身を撫でれば続けたくて求めた。

指先を絡ませていた彼女の指の力が消えた事に気づく・・・そっと彼女の手を撫で唇で触れていた身へ辿り着いた。

『遥加・・・』
彼女が自分を呼ぶ・・・触れたい衝動は自分の中が飛び跳ねた事で止まり・・・彼女を見つめれば自分が付けた痕が見えた・・・


ギュッと離さず抱いて寝ていたはずだった・・・なのに今は服を着て帰る準備をしていた彼女がいた。

ほんの少し前に帰ると声をかけられ驚いた・・・朝まで居てくれるのかと離したくなくて彼女を抱き込んだ。

ここから出るのにと聞き出して・・・馬鹿にも程がある自分が可笑しかった・・・丁寧に教えた自分に笑った。

ふて寝のように眠った彼に笑み眺めた・・・そして静かに部屋を出たのだった。


迷いなく着替えていく彼女に驚き動けなくなった・・・いつもなら引き止め、無理やりにでも抱く。
動きを止め自分を開放させろと有無もなく気持ちのままに抱いていた。

名を呼ばれた自分・・・その声音は終わりを告げた気がして動けなくなった・・・手荒に・・・自分の気持ちのままに彼女へ付けた場所から目が止まった。

泣きそうな顔・・・辛そうな顔は自分が始めた事で二人の関係を壊した気がした。

そっと触れてくる彼女の手は温かく自分の頬で止まり引き寄せた彼女は自分を包み込んだ。

暫くいたが出る方法はと気分を変えたいのかと話してしまった・・・彼女のありがとうという声でホッとし抱いて眠った。

僅かな音で目覚めれば着替えた彼女が鞄を探していた・・・ムカつき声は出さずに目を閉じた。

彼女が近付き自分を見ている気がした・・・自分の気持ちを信じない女だったと思っていれば眠る自分へ唇を落とした事に戸惑った。

今まで抱いた者は自分からキスをしたのだろうかとまで考え・・・我に返りベッドから飛び出したが・・・ちゃんと出て行った事に苦笑いだった・・・
モニターを眺める・・・和葉が驚き、ドアを眺めていた。

何かを話し、彼女を送るのか一緒にモニターから消えていった。

暫くしてモニターが付く・・・それは和葉がココヘ入るという知らせだった・・・仕方ないとスイッチを押す。


ベッドに座り外を眺めていた遥加がいた・・・失恋かと眺め室内を観察しながらソファーへ座った。

『これは終わったのか?挨拶をして帰って行ったぞ?』
『どう言った?』
『ご利用ありがとうございました・・・そう、言ったから驚いた・・・』
『 ・・・』

『 ・・・これは遥加が失恋した?』
『 ・・・』
押し黙る遥加を眺め、一緒に外を眺めた。

『なー』
『ん?』
『帰り際にキスしてった理由・・・は・・・何でだと思う?』
『ん?キス?遥加に?』
『ん・・・』

『(笑)初めてされて緊張したのか?』
『そーじゃなくて・・・寝てる俺にしたんだ・・・
帰ると声を出してもない・・・観察されて・・・キスしてった』
それだけだと呟く遥加に口を引き視線を戻した。

『(笑)ここまで落ちるとはな・・・
で?次はいつ会うんだ?』
『次はない・・・』
『ん?止める?』
『仕事繋がりは解消される・・・どーしたらい? きっ・・・きっかけ・・・が・・・ない・・・』

戸惑い・・・そんな声の遥加を初めて見た・・・泣きそうな顔も・・・こんな感情もあったのかと驚く和葉だった。

『本当のプライベートで会って(笑)本当の恋人ってやつにすればいいだろ・・・』
『 ・・・知ってたか?』
『何をだ?』

『舞潤の携帯は会社から支給されてる・・・本当に終わりなら舞潤とは連絡も取れないんだぞ?』
『ん?聞いて・・・』

『ねーよ。最初の連絡も途中のも・・・それは社用のままだったろ。
他は場所と時間を言ってから帰してたし・・・マジで切れんだよ・・・』

『諦めんのか?』
『舞潤が居ねーよ・・・』
それだけ言うとベッドへ寝そべり目を閉じた。

一人へ執着し手も出さずに守るように日々を過ごしてきた・・・初めは解消しに出向いていたが直ぐに止め誰かへ向かう事も無くなった。

今までのように求める相手が目の前に現れても、見向きもなく彼女だけを見ていた。

『キスか・・・(笑)いい方に考えるなら、遥加を愛したけど今は仕事だから気持ちは受け取れない(笑)とかかな。
だから気持ちの整理をして別れる寂しさを埋めたくて思わすキスをした・・・とか・・・』

『愛したなら、何で仕事繋がりが終わる嬉しさがない・・・』
話しながら、ふと彼女が言った言葉を思い出した・・・始めた仕事と・・・

『和葉・・・』
『ん?』
『舞潤の居場所を探せ・・・』
『連れて来るのか?』
『違う。見つからないようにだ。居場所だけ探して見張っとけよ。近付くヤツを調べとけ』

『業者を使うぞ(笑)』
『バレないが絶対条件だかんな・・・』
『それ・・・』
『自分で捕まえて抱きまくってやる・・・』

『はけよ(笑)』
『しねーよ』
『もたねーから途中で出しとけ(笑)黙っててやるから』
『うるせー!しねーよ。舞潤だけって決めたんだ!
舞潤が自分に誓って出てったんだ俺もしてやる!』

それは誓うように呟く遥加に笑い、そうかと彼の肩を叩いた和葉は部屋から出るのだった。