tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

2020 バレンタイン ー2 -end-

2021-02-14 02:01:05 | イベント 関係の お話



何処からか激しい音を立てながら何かが近付いてくるような音が響き出した・・・

道の遥か向こうから雪煙のように舞い上がり出した事で何だと覗き見た。

ギュッと守るように自分を抱く人に驚き見上げれば、不安そうな顔は優しい笑みになり自分を安心させるように微笑んだ。

大丈夫と言いたくて、そっと頬へ触れる・・・そうかとより見つめた人に笑み返した。

ホッとしたような笑み・・・自分の気持ちが伝わったのだと笑み返せば、優しい笑みは近付き安心しとけとキスを落とされた。

激しい音は近場で止まった・・・動かず聞き耳をたてるように様子を伺った。


『聞きたい事がある』
「何用でしょう・・・」
『言葉は知らぬか?
王女を探しておる。そなたと共にいた者の容姿が似ておると聞いた』
『顔だけで?』

『話せるのか(笑)。良かった』
『その姿・・・』
『私は王女の弟でもある・・・端の露家で探させていた。さっき知らせを受け参った・・・会わせて貰おう・・・』

『貴方の国の王女は捧げられたと聞く・・・違いましたか?』
『 ・・・』
『そっその下の王女を探しておる!』

みるからに嘘と分かる・・・取り繕う姿に迷う・・・より叫ぶように言った事で護衛の者達が剣を抜き差した音がした。


知る言語と気付き話を聞く・・・会話が始まり、皆も話せる言葉だった事に苦笑いだ。

早く声にしておけば会話で楽しめたのだと・・・出ようか迷った・・・捧げたという言葉が気になったから。

本当にそれが自分なら、誰かが身代わりになっている事になる・・・自分がその瞬間に飛ばされていなかったなら、その誰かを助ければいいのかと思えた自分を誉めた。

包まれた中で、お腹をつつく・・・そっと探りながら静かに自分を見つめる人に微笑んだ。

『あれは私も知る言葉なの・・・』
本当に小さな声で呟いた。
『王女か?』
『それは記憶になくて・・・会ってみる・・・』

『事実だったら?』
『行く(笑)』
『生け贄になるんだぞ?』
『(笑)誰かに身代わりはさせられないから・・・』
『 ・・・』

『(笑)いっぱい、ありがとう(笑)・・・皆にも伝えてくれない?楽しかったって(笑)』
『本当に?』
いいのかと戸惑う人に微笑んだ・・・

『いつか・・・生まれ変わった誰かが会いに来たら(笑)楽しませてくれる?』
『 ・・・』
『(笑)ありがとう・・・サン』
小さく呟き笑み返すと彼のお腹へキスをした・・・


出ようとした自分を押し込め見返す人に微笑んだ・・・悲し気な目に頬へ触れて大丈夫だと笑み返した。

キスを落とした・・・その唇は離れず自分を抱く手が強くなった・・・別れを惜しむような優しい手は忘れるなと温かさを感じた。

そっとサンの隣へ座る・・・
見つけたと驚きながら見返す弟という子を眺めた・・・
『姉さま!』
そう自分を呼んだ事で先の道はと考える・・・

『 ・・・本物だった』
思わず呟いた自分が可笑しくて笑みを浮かべ弟という子を眺め、サンを眺めた。

『生き延びろ・・・』
小さな小さな声で呟き見つめるサンに優しい時間をありがとうと、もう一度礼を言った。

慌て立ち上がるスカイ達に笑み返し彼女もまた礼を言った。

王子が近寄り彼女を下ろす・・・
『今度は逃がす者・・・いませんよ』
ほんの小さな囁きに口を引く・・・ならば言い返そうと声にした。

『必要ないけど、前の人は?』
『仕置きは必要でしょう。(笑)偽物もこれからです』
『それをしたら、貴方に交替と言ってみていい?』
『 ・・・』

押し黙った事で交替は出来るのだと思え・・・ならばと考える・・・
自分を見つめ静かに見送ってくれる人達に笑み返すのだった。


思いの外 近くだった事に笑えた・・・自分の役目はと考える・・・身代わりの子はと知れず探す事も忘れなかった。

日を選ぶのか直ぐに囲われず、助かったとホッとしたが、今の出来ることを優先してみた。


仕置きは何か十分に知れた・・・最近でもないが手当てもされていない姿だった・・・そこから少し奥に誰かの姿が見えた。

今、自分に着せられていたドレスと似たモノを着せられていたが・・・それは仕置きはされていたのだろう所々に傷はあり寝かされていた。

『王女さま・・・なんで・・・もしかして・・・・もしかして・・・・』
『(笑)いいのよ』
『捕まえたら一緒にと生かされておりました・・・』

『どこ・・・で・・・』
『天空橋で・・・
そこまでは大丈夫だったんです・・・強い風が吹いて・・・被せられたモノが飛んでしまって・・・』

『それは落とされるの?』
『連れ出されるそうです・・・来ませんでしたけど・・・
慌てて中止になり戻されて・・・誰と仕組んだと拷問までされ・・・関係者はと探し始めてしまって・・・』

『あの人達ね・・・ごめんなさい・・・』
『いえ!これが役目と自分で決めて来たんです!謝らないで下さいませ・・・・』
『それでも・・・』

取り合えず言った・・・本当の自分でもない・・・
-この子を皆へ届ければ・・・
お伽話は存在してたって事?昔に?-

色んな思いが過っていく・・・それでも自分が助けるべき子なのだと確信した。



そしてその日・・・
行く間に色んな話が呟かれる・・・国の繁栄・・・その名目で生け贄は必要なのだと知れた。

なにかへ捧げる・・・それはドラゴンで・・・完全にお伽話なのだと項垂れる・・・それでも、その中へ自分は飛ばされた・・・同じように助け自分をENDさせ抜け出ればいいと思った。

白っぽいドラゴンなら先は安泰らしいと聞けば可笑しくて笑えた・・・静かに口を引けば隣で身代わりになった子は静かに泣いて謝っていた。


立たされ待たされる・・・・
『白のドラゴンと祈りますね』
『大丈夫(笑)。貴女の名前は?』
『アンジェです』
『(笑)ふっ』

笑えた・・・自分の本当の名前と一緒だったから・・・不思議そうに見返すアンジェに優しく微笑んだ。

『貴女は寒がり?』
『(笑)そうでもありませんよ。ようは慣れですから』
『おっきなサンタが(笑)お腹を空かせてるの。(笑)料理は得意?』

『出来ます(笑)。体が大きいなら沢山(笑)必要でしょうね』
『そうよ(笑)、アンジェ・・・そこで幸せに暮らして(笑)』
『王女さま・・・』

『優しい人達だらけで(笑)物凄く幸せだったの・・・だから、これからは貴女が一緒に幸せって叫んで(笑)』
『 ・・・』
『(笑)ドラゴンに頼んでみる・・・』
『人の言葉を知るんですか?』

『(笑)たぶんね。 アンジェ・・・・』
『はい・・・』
『(笑)私の本当の名前もアンジェなの』
『 ・・・』

『皆と(笑)楽しく暮らしてね。アンジェは私というアンジェと一緒に(笑)ずっと・・・楽しく・・・頼んでもい?』
『・・・ ・・・王女さ・・・ま・・・』

『それが私の夢(笑)そんな気もする』
『・・・ ・・・はい』
わかったと真剣に呟くアンジェに笑み返し空を眺めた。


優雅に舞う・・・本当にドラゴンに見えた事で可笑しくて笑えた・・・それも自分が絵本やアニメで見たドラゴン・・・CGかと想像もし本当に笑えた。

その生け贄のはずが捕まれ連れ出されれば・・・・優しく包むように自分達を運ぶ事に苦笑いだった。

『ドラゴン(笑)。お願いがあるの!この子を皆の所へ運んで!
あの雪が舞う場所に!皆が待ってる場所に!(笑)お願い!』

大きく叫んでみる・・・それは了解したのか激しく揺れていた自分達は優しい揺れに代わり出した事にアンジェが驚いた・・・片足ずつに掴み直した事で了解したのだとアンジェに笑み返した。

『王女さま!』
『アンジェ(笑)、貴女は私の代わり!だから笑って(笑)』
叫び返した姿に驚いた・・・雪が舞い始める・・・ドラゴンの回りは冷たく降る雪はなかった。

急降下したかと思えば、自分達にまで熱さが分かるほどに下へと火を吹いた・・・。

眺めれば山の麓へまで道が作られている・・・それは滑り台のようで可笑しかった。

『(笑)アンジェ・・・サンやスカイ達に会ったら(笑)身代わりって言われたと声にして(笑)アンジェ・・・幸せに』

驚いたままに頷いた姿を見つめれば、アンジェが優しく落とされた・・・・落とされたのに、その場所は激しく滑り出し・・・楽しいというよりは怖そうだと苦笑いしかない。


何処かで叫ぶ声が響く事に驚いた・・・山に響く悲鳴・・・見合わせた皆で戻れたのかと慌て外から飛び出した。
より響く場所に走る・・・


皆が大きいからかアンジェにかけよる姿が見えホッとした・・・
『ありがとう(笑)』
そう叫んだ途端に勢いよく空を舞った・・・その加速について行けず気は遠退いた・・・・。



甘い香りに苦笑いしかない・・・
さんざん、あの場所で甘い匂いは嗅いできた・・・

一際大きな荷台は絶対にチョコレートだと知れた・・・僅かに身へ匂いを残して帰ってくる人達で知った。

暫くは好きで食べてきたのだと想像していた・・・なのに運ぶ・・・作っているのだと知った。

その香りが強くなる頃には、既になれ甘ったるい香りも平気になった・・・

サンタの国だと思っていたが、お菓子を作る国でもあったのだと思え笑えた。

何より彼らが作るモノと同じ匂いがするチョコや菓子は自分が戻された城に大量にあったから。

あそこで食べた事はなかったが・・・それが口に出来た事が嬉しかった。

だから頑張って探せもし、彼女を生きて連れ出せたのだとも勝手に想像し思えた。

一瞬・・・戻った場所は山小屋だったかと錯覚した・・・その匂いだけでだ・・・

目を開ければ、自分の目の前にはホットチョコがカップにはいり出されていた。

バレンタインは関係ないと言った友達と、イベントに理由をつけて飲みに来た。

『(笑)これが話題のカフェか・・・』
誰かの呟き・・・甘いけど旨いと呟く誰か・・・

こんな場所だったから、お伽話に飛ばされたのだと勝手な理由を作ってみた。

飛ばされた訳でもなく、自分の想像した夢・・・想像豊かだった自分に笑うしかない。

『(笑)味はどう?』
不意に店員に聞かれ振り向けば、パティシエみたいな身形の人が笑みを浮かべていた。

『サン?』
『ん?何で知る?』
『 ・・・』
似ていた事で思わず呟けば、本当に同じ名前だった事に笑えた・・・

新たな疑問は増える・・・よく考えれば回りと似た偶然は重なっていた。
今は香りと名前・・・

考えてもきりはないが、面倒さは本当に諦めるしかないと腹を括るしかないと思えた。

その笑みが自分の友達とも重なっていく・・・・同じ優しい笑みだと、不思議と懐かしくなるのだった。

『(笑)アンジェ?』
『・・・ ・・・(笑)』

とつぜん呼ばれた自分の名・・・フッと思い出し驚いたが、呼ばれた声音も同じかと笑みを浮かべただけだった。




-end-


お付き合い下さり、ありがとうございました。

とはいえ、バレンタインに出せてないはず(笑)。
なぜなら未だ携帯を新調してないから。

2号館は 全然 関係ない季節に、出した事になってるかな。
バレンタイン用のお話でした。

これは、いつかの話の 中の一つ。
どれかは暇な時間が出来たら探してみて下され(笑)。
< あ、まだ出してません >

新しい携帯を手にしてからなので・・・2020・1末の現在・・・身動き取れずです・・・
ありがとうございました-tami-



※2
放置すること一年。ま、バレンタイン話だったので(笑)
でも年代は入れて出そうと思いコレで運ぶ事に。

お付き合い下さり感謝です。-tami-








2020 バレンタイン ー1

2021-02-14 02:00:13 | イベント 関係の お話



またかと、ため息しか出ない・・・・

目覚めれば、いつもの自分の居場所ではなかった。

いつも予告なく自分が飛ばされる・・・その理由さえ分からない・・・そこで演じる楽しさを味わえば自分が楽になる事に ようやく気づいてから日はたつ。

不意に声をかけられ知らない言語だった事で黙った・・・何を話しているのかも分からず回りを眺める。

そして気づく・・・まるで自分が住んでいたように・・・そこは自分がいた場所のように、その言語が理解し頭の中へ入り込む。


最近は回りを観察し自分の立場を把握してから動く・・・不思議と、その人物は気を失っている・・・その間に自分が入り込むのだろうと理解した。

それでも誰だと知らない世界の知らない人だったりもするが、暫くすれば自分を知る人と出会える事にも気付いた。

どの国の昔話なのかと考える・・・以外と自分がいた国の遥か昔の世界だったりもする。

そして何故か身が危うい場所に遭遇すると必ず助け船は来る事も知れた・・・そこだけは感謝だ・・・誰に感謝するかは知らないがと自分を嘲笑う・・・

何故だと考えても、理由も分からないのだから諦めるしかない・・・不意に身へ起こる事だから。

死んでしまう運命・・・そんな人に入り込む事が多い・・・助かったと安堵し自分を抱く事も多かったから。

だから、回りが安定したら自分は戻されるのだと思えば楽だった・・・誰かを助ければ・・・

その誰かを探せばいい・・・飛ばされる事は拒否出来ないのだからと今日まで来た。

そして今は・・・
そんな言語が飛び交う事で声は出せなかった・・・自分は誰かも分からない・・・ヤバいと焦るが諦めるしかない。

知る人が現れる事を待つしかない・・・どの国の自分かも分からないのだから・・・

「起きたか?」
自分に声がくる・・・先ずはと体を起こし声がした方を探しながら眺めた。
-毛もじゃっ!-

驚いた・・・くりくりの巻き毛・・・顔を多い尽くすほどの髭・・・まんまると叫べるほどの体型・・・

見ただけでも体は大きく熊のように、どっしりとした姿だった事で声も出なかった。


驚いた顔で自分を見、仰け反りながらも視線も外さない子に苦笑いをした。
「どこから来た?」

声は出ないのかと観察をする・・・それでも不思議そうに見返す姿で、他国から来たのだろうと思えた。
「(笑)腹はすいてないか?」

お腹をつつき食器を見せ言ってみた・・・僅かに笑み小さく頷く子に、待てと手で示し食事の準備をした。


指の動きと食器を持った事で食べさせてくれるのかと思い頷いてみた・・・すると手を下に向けトントンと掌を揺らした。

待ってろと言った気がして、寝かされていたベッドの端へ座り直した。

窓から見えた景色に驚いた・・・見渡しても空を眺めても全部が真っ白だった・・・雪と分かるが、どれだけ深い山奥なのかと眺めた。

ときおり静かに風は吹いていたのか、遠くに見えた明かりで街並みは見えた気がした。


ドシャンガシャンと・・・激しく響く音に驚いた・・・誰かの楽し気な笑い声・・・その会話さえ楽しんでいる明るさがあった。

それでも響く音・・・それは鍋が床へ落ちたような音・・・食器が割れた音までがする。

本当は作れなかったのかと驚きながら、部屋の仕切りなのだろうカーテンを開け覗いた・・・全ての音が止まり、それは自分が驚いた。

なぜなら、さっき見た人と同じような姿が何人もいたから・・・ドワーフ・・・背の高い・・・そんなイメージが過った。

新たに床へ食器が落ち割れた事で、皆が深いため息をしキッチンにいた人は苦笑いをした。

前に飛ばされた時に料理が出来た・・・ならば今回もかとキッチンに行ってみた。

そのキッチンは、台風が通り過ぎたと言えるほどの荒れように声も出なかった。

危ないと優しく自分を持ち上げキッチンから離されさせた気がした・・・足を指さし何かを言われ・・・何だと見れば、自分はパジャマのような丈の長い服を着せられ裸足だった。

何かないかと辺りを眺めれば・・・大きなスリッパが見え仕方ないとソレを履いてキッチンに行った。

大き過ぎてか・・・不器用なのか、持ち上げただけでも ツルッと手から鍋は離れ床で大きな音が響いた。

もう一人は割れた食器をデッキブラシのようなモノで端へ寄せていた。

狭いのだろう互いの体がぶつかり、互いの手元が揺れる・・・それもまた可笑しいのか笑いあい、また片しと楽しむようにしていた。

その姿に他の人達までが笑う・・・失敗まで楽しむ人達に、可笑しくて笑ってしまった。

視線が自分に向いていた・・・目があえば優しく笑み返され片付けを始める・・・面倒だと一気に割れた食器を押し出す事に驚いたが、自分が誰かに持ち上げられ邪魔にならずにすんだ。


慌て持ち上げれば、驚いた顔で回りを眺める子に笑う・・・足を縮め邪魔をしないようにかと余計に仲間まで眺め笑った。

中で仲間が呟き指を指す・・・この子が出来るのかと顔を覗きこんだ・・・が、言葉は知らないのだろう不思議そうな顔をしていた。

床へ下ろしてみればキッチンに入り込む・・・
「サン(笑)その子は出来るのか?」
「(笑)知らない。言葉も知らないようだ」
「えっ・・・」

「記憶がないとか?」
「凍傷にもなってないしな」
「滑ってきた間に頭を打ったとか?」
「(笑)だから知らない」
そうかと皆も眺めた。


何の話かも分からないが、山積みされた野菜を切ってみる・・・
-あ、出来るかも-
そんな思いが過り料理を始めた・・・キッチンの全てが自分の知るモノよりも遥かに大きかった。

椅子は運べず、自分が乗れそうな台を運ぶ・・・鍋はと見渡せば、手にしていた人がぶら下げていた。

それを指さしガス台にと指で示してみれば笑み返した人が乗せてくれた・・・やっと切れた野菜を鍋に転がす・・・そしてまた別の野菜を切った。

今度は水だと眺めれば・・・これかと笑み、それぞれに指さした事で頷いてみた。

鍋をみれば圧力出来そうで笑えた・・・早く仕上がるとホッとし蓋はと探せばコレだと閉じてくれた。

タイマーも入れてくれる・・・それを眺め笑み返すと不意に抱き上げ自分が抱き締められた事に驚いた。

柔らかな髪に埋もれ不思議と心地好かった・・・優しい人達の中で良かったとホッとする。


ようやく出来上がり皆で食卓を囲む・・・皆と同じ椅子は大き過ぎて膝を立てる・・・誰かが気付き沢山の本を詰み柔らかな布はクッションのように置かれた。

その人に礼をしボールに入れられた料理を眺めた・・・自分には鍋が食器のようで、その大きさに驚くしかない。

それでも皆で食べる食事は楽しいのだと皆を眺める・・・パンを千切り頬張る・・・料理を口にし・・・会話を楽しんだ。

それだけで楽しそうで、手伝えた事にホッとしたのだった。
片付けは皆で・・・大きな手数が沢山あった事で、あっという間に終わった。

暖炉に薪がくべられていく・・・より室内は温まる・・・不思議と満たされ眠くなり・・・自分が優しく抱き上げられる。

小さな子供を抱くように運ばれ大きなベッドに寝かされる・・・布団がかけられ、ちょんちょんと指で優しくつつかれ微笑んだ人を見た。

笑み返せば優しい笑みが返され、寝ている自分の髪を撫でられた事で完全に子供扱いのような気もして可笑しくなった。


笑う子に、安心する場所と理解してくれた事にホッとした・・・寝ればいいのに何が楽しいのかと笑みながら眺めていた。

なんだと仲間達まで集まり、女の子を眺める・・・より深く笑み皆の顔を眺めていく子は余計に笑っていた。

「(笑)眠くないのか?」
「(笑)この子は何が楽しいんだ?」
知らないと笑み、そっと人差し指を唇にあて眠れと言ってみた・・・気づいたのだろう笑みで頷くと静かに目は閉じていった。

丁寧にも皆が順番だろう自分へキスを落としていく・・・おやすみのキスかと布団の中で口を引く。

静まったと可笑しくて布団を捲れば、笑った顔はそのままに勢揃いしていた事に驚いた。

寝ろと自分の顔の頬へ両手を運び笑み返す人・・・分かったと笑み頷くと本当に寝ないと皆も寝ないのだと思え睡魔を手繰り寄せたのだった。



日が過ぎても迎えに来ない・・・その理由を考える・・・
あれから、皆の為にと家事をしてきた・・・全てを皆で・・・そういう習慣なのだろう、より楽しく自分も楽しかった。


膝をたて窓から外を眺める子・・・皆が部屋から出てきて眺める。

「家はないのか・・・」
「寂しいのだろう?」
「家族とか探しにも来てないな」
「だよな・・・」

「街で聞いたが、居なくなったという話もない・・・」
「拐われて来たとか?」
「(笑)それでも怖さはないように過ごせてるな」

「スカイ(笑)。自分から逃げて来たのでもないだろ。な(笑)サン」
「確かに(笑)、毎日する事も楽しそうにしてるし」
だよなと笑み笑う皆に笑み返すのだった。



そんなある日・・・
「行くぞ!」
出掛ける事でスカイは皆を呼ぶ・・・

「あの子を今日は連れて行こう・・・」
「ん?街にか?」
「サン?」
「・・・ ・・・街で見つかるかも知れない・・・探しに来てたら?」

「確かに・・・」
「だな。ちょうど街に運ぶモノは多い・・・」
「ん、数ヵ所も行くんだから」
「だろ?もしかしたら迎えに来てるかも」
そうだと相談を始めた。


日を置き何かを大量に運ぶ・・・皆で作り何処かへ持っていく・・・それは今日もだと眺めていた。

寒くて特別に自分も出たいとも思わなかった・・・下手に動けば、いつもの危険な場面に出会す事もあったから。

親切な人達に迷惑はかけられないと自分からも言わなかった。

荷を纏めたのに出発も、行ってきますの手も振らない人達・・・何かを相談するように話していた姿を眺めた。

ふと自分へ振り向き微笑んだ姿に、出発かと笑み返し見送るいつもの手を振った。

笑う人達・・・全員が家の中へと戻ってきた事に何だと見返した。

既に準備はされていた自分のモノを目の前に揃えていく・・・厚地のコートと帽子まで・・・それは一緒に来いと言うのかと皆を眺めた。

寒くないようにか、自分に巻き付けられていく・・・しまいには、一人に抱き上げられ荷台に乗せられた。

寒いと身を縮めれば笑った人が楽し気に隣の人の服の中へ押し込められた・・・

親指姫かと笑える・・・そんな自分の姿に皆も笑う・・・出発の合図とともに動き出したのだった。

降り続ける雪だったが、今日は不思議と柔らかな風で辺りの景色は見れた・・・それだけでも見れる嬉しさで眺めた。

顔を撫でる風は冷たいのかと思えば違った事に驚いた・・・温められているからかと考えても違う気もした。

-これはお伽話か?-
ふと気付き自分を抱く人を見上げれば優しい眼差しで笑み返され・・・両隣の人の顔を覗けば同じような笑みだった。

-サンタだった?-
辺りを眺め返す・・・空を飛ぶように地から離れていたような気がしたから。

見送っていたのに自分は知らなかった事に驚いた、家から少し走り空へと走り込んでいたからだ。

木々を駆け抜ける・・・ソリのように滑っていたはずが、それは滑らかで・・・気にもしていなかった。

改めて見れば街並みはあれど遥かに遠くに見え、それは見下ろすような気もして下の方はと覗きたくて体を動かした。

落ちないようにか優しく支えられている自分・・・ギュッと抱かれ、危ないのかと静かにしてみれば微笑んだ人は偉いと誉めるようにキスを落とされた。

-(笑)マジで小さな子供の扱いだ-
そう思い笑えば、綻んだ優しい目は余計に可愛くみえた。

大事に包まれた自分・・・諦め包まれた中で凭れ待つように眠り始めた。

いつの間にか、次々と荷を下ろしては誰かの家屋へ入り代金だろう何かを受け取っては出る姿が あった。

その度に出され寒さは激しかったと思え、出されそうな度に嫌だと抱き付いてみた。

皆が笑う・・・寒いからと身を縮めてみても笑うだけ・・・帰りは早く抱けと両手を出してみる。

自分にかと笑う人は決まって同じ人へ押し込める・・・ならばと笑う人は優しく包んで温めてくれた。

荷を早く渡せとギュッとしがみつく・・・それぞれに渡す場所があるのか、沢山の荷を持ち上げていく・・・数台には一人ずついて皆を待っていた。

その楽し気な笑みは、自分までが嬉しくなってきた。