電話に出る事なくメッセージを送り放り投げた事に可笑しくて笑う美羽だった。
『もともと(笑)シェアしてた子と暮らしてたの・・・そこに交ざった子(笑)。
それでも(笑)私に知らないふりして楽しんでた・・・』
『それ・・・』
『男とも出来るよ(笑)。だけど気持ち良さを優先すると女の子とが良かったから。
紹介されてから始めたの(笑)。お金は必要だったから・・・
ホステスを始めたけど妊娠して(笑)、店のママに相談して助けて貰ったの。
夜に見てくれる場所を見つけて頼んでたけどね・・・雪吹と会って(笑)シャインを見に行って決めたわ 』
『まずは私も仕事ですよね・・・
私・・・私も働けませんか?私みたいなのは無理ですか?』
『貴女次第だけど・・・後で後悔するかもよ?』
『 ・・・』
『(笑)私は目的があったから働いた。それでも子供を育ててる間に思った。
親がホステスって事で苛められないかなって・・・お客さんの子が・・・私の子の友達になったら?私を知ってると言われたら? (笑)傷付くのは子供だよ?』
『それでも・・・
私・・・親に説得して頼んだんです。黙ってた事も謝って・・・二人で暮らせるまでって・・・
駄目でした・・・養子縁組とか、手離す事を前提にした事を調べ始めて・・・拒否したら家を出されました。
その時にも言われたんです・・・産んだ瞬間、子供は諦めなさいって・・・』
『大事に育ててるのにね・・・妊婦の貴女に言ったんだ・・・』
そうだと頷く美羽だった。
『確かに世間知らずでした・・・本当の最後に助けを求めたら手を取ってくれるはずって・・・おろすのが怖くて・・・生む方を選んじゃって・・・』
『どっちも怖いだろうけど、生んだ方が怖いよ・・・覚悟を決めて、その子を守りな』
『 ・・・迷いませんでしたか?』
『迷ったけど(笑)産むって決めてからは気持ちは軽くなった』
『どーやって・・・』
『(笑)子供の父親に話をしたの。助けを求めそうな自分に気付いたから切った(笑)。
それから、いろいろ考えて・・・早いけど(笑)その先はって決めてったの。
だから好きな子と喧嘩別れみたいになっちゃった・・・それでも子供と生きるぞってね(笑)』
『 ・・・私には、それが足りないんですね・・・』
項垂れながら呟く美羽の隣へ座り抱き締めた。
『その子は貴女しかいない・・・たぶん今からでも遅くないから考えな・・・
自分が頑張れば(笑)子供は、そうかって付いてくるし・・・励ますように笑ってくれる・・・』
『 ・・・』
そうなのかと考える美羽を見つめ微笑んでいる結陽もいた。
『もー(笑)どこまで付けたのよー。笑いすぎて、お腹痛くて洗う時間が長引いた・・・じゃない・・・』
バスルームから出てきた雪吹・・・ベッドの端に二人で座り抱き合っていた姿に驚いた。
『あー(笑)、それは浮気でしょーか!結陽さん(笑)』
『いえいえ(笑)。これは先への愛情表現と捉えて下さいな。優しい姉が妹を(笑)励ましておりましたの』
『そ?(笑)。それでも、手の置き所で不思議と分かるよ・・・感じてみたら?』
『 ・・・』
何の事だと二人で見あって考え始めた事に笑う雪吹は、眺めながら髪を拭き始めたのだった。
『雪吹さん(笑)、それ・・・そろそろ』
震え続ける携帯を指さし言ったのは美羽だった。
『ごめーん。(笑)おはよ』
『(笑)何時だよ』
『起きた(笑)』
『どこだ?』
『休みよね(笑)』
『何処だよ(笑)迎えに行くし』
『あー大丈夫(笑)。それより二日酔いなら寝てれば?』
『 ・・・』
『ご褒美あげるよ(笑)』
『もう外だよ(笑)住所は?』
『んー・・・』
『雪吹(笑)』
『(笑)久しぶりに会ってさ・・・』
『のっ飲んだ?ソコ?』
『 ・・・』
暫く聞き入った雪吹が苦笑いした。
『それ(笑)走ってるわけ?』
可笑しさに笑う雪吹に、二人が驚き始めた。
『ねぇ、それはウチって気付いたの?だから走ってる?』
『(笑)みたいよ?』
『どれだけ記憶に残ってるのよ(笑)凄いね・・・これ(笑)私が不利にならないかな・・・』
『(笑)したら家出する』
『黙れ!』
突然叫んだ雪音の声に笑う雪吹だった。
ドアチャイムが鳴る・・・
『(笑)部屋番号まで覚えてるって・・・完全に囲われて・・・』
ダンダン!と激しく音がして・・・また新たなチャイムは響いた。
開いたドア・・・それでも入り込まない人に笑って謝る結陽もいた。
『(笑)来い!』
『あのねぇ、雪音・・・一緒に飲んでた人達を』
『飲みはいいけど、帰ってこいよ(笑)』
アハハと笑いながら二人へ手をふり帰ると微笑んた。
帰り道で・・・
『連絡しなくて悪かったけどね(笑)』
『何で飲むとソコ?』
『縁は繋がってるのよね(笑)。偶然会ったから飲んだだけなのに・・・』
『(笑)話ながら思い出したんだ。話し方も同じだったから前を思い出してた(笑)笑えたぞ』
『部屋番号まで覚えてたって(笑)彼女が驚いてたよ』
『だよな、それでも番号じゃなくて・・・道?(笑)この辺だって・・・少しずつ思い出してきてたんだ』
凄いと笑う雪吹に照れながら、散歩のように話ながら歩く時間を楽しんだ。
『他に誰か居たか?靴・・・スニーカーだけど小さいから女?』
『そ(笑) その子も久しぶりに会った・・・近い内に親になるって(笑)』
『 ・・・』
『ね(笑)、変に繋がるって・・・何だろね・・・(笑)不思議』
確かにと笑う雪音もいた・・・保護者繋がりにしても、身近な場所からと知れる。
偶然なのにだと笑う二人だった。
笑う結陽と、楽しかったと笑みを浮かべる美羽・・・静かに眠る子を眺めながら優しい時間だと思えていた。
『結陽さん(笑)、出来たら頼んでいいですか? 仕事・・・私に出来そうなら紹介してくれませんか?』
『ん・・・いいけど体もキツくなるよ?疲れ果てても子供には関係ないし・・・』
『お金を稼がないと、昼間に戻す暮らしは無理な気もして・・・
昼間のバイトより高いなら・・・落ち着けるまで働きたいです・・・
預ける先も早く探してきますから』
『んー私が働いてる店の近くに出来たけど、貴女の子に会うかも分からないよ?』
『居候はこれ以上はムリで・・・それまでって・・・』
『甘えっぱなしもね・・・それでも(笑)いい人だね』
『(笑)おばさんは一人になって寂しいって・・・子供が居なくて、旦那さんも去年・・・それでも親戚の子達は来るから・・・』
『昨日も?』
そうだと頷く美羽に、居ずらいのだろうと思えた結陽だった。
『出るにも借金から始まるもんね・・・』
『仕方ないです・・・妊婦だから働く時間までセーブさせられたから余裕も出来なくて(笑)。貯めなって言われても悪くて少しだけど払ってはいたんです。
産まれたらお金は出るだろうし・・・夜泣きが増えたら申し訳ないし・・・』
『だよねー・・・
ならさ、ココ(笑)体を戻して働けるまで・・・一緒に住む?』
『だけど・・・』
『(笑)それを見越して雪吹が連れてきた気もするし。
仕事してるから私も子供も居ないの。(笑)それにさ、ご飯・・・作ってくれるならチャラにする』
『私・・・』
『ん(笑)、若いから旨くって物凄く期待してないけど(笑)
それでも、居ない間の留守番(笑)それと生活用品の買い物とか・・・』
『そんなに出来ません・・・
ごめんなさい。本当に甘えて育ってきたから自分の事をするのも大変で・・・結陽さんに余計に迷惑かけそうで』
『(笑)夜中に帰るとさ、買い物して帰る事もあるの。洗剤ないって気づいたり(笑)食い物ないって・・・あとで気づく事が多くて大変なんだ。
それをカバーしてくれたら助かる(笑)一緒に子供服を洗って干して貰えたら・・・干したモノを取り込んでくれるなら有り難いの(笑)。
干乾ししたいのに乾燥させるって・・・ちょっとね(笑)、休みにするけど子供と遠出も出来なくなる(笑) ・・・して貰えたら休みは休みって出来るし、子供と遊べる時間も増える』
『本当に・・・私・・・甘えちゃっても』
『私は(笑)それで生きてきたよ。有り難いなら暇な時間に洗い物してくれる?外に干した洗濯物とか取り込んでくれる?』
『(笑)はい。あの、料理は期待しないでくれますか?』
『了解(笑)。私も出来なくて惣菜(笑)買ってるの』
『 ・・・(笑)貯まりませんよ?』
『(笑)だから広い部屋に引っ越しできないのよ・・・』
『(笑)あー ・・・』
なるほどと笑う美羽に、恥ずかしそうに笑う結陽もいた。
『(笑)それにしても大きいね』
『急にです(笑)』
満遍なくお腹に触れて撫で回す結陽に、苦笑いをしながら呟く美羽だった。
『クビ(笑)、証拠が残ってますよ』
『(笑)マジ?。彼女を狙って襲ったかな・・・(笑)私』
『本当に記憶(笑)ないんですか?』
『ない(笑)。美羽は女の子とした時(笑)いけた?』
聞かれて真っ赤になりながらクビをふる姿に可愛いと笑み返す結陽。
『そっか(笑)。そーなると少しだけ違和感は残るけどね・・・それもないし・・・(笑)だけど、したあとの感じ・・・疲れとか・・・
ほんと(笑)なーんもない』
『で、でも・・・そこ・・・』
『ねー(笑)、そんな状態ではあったけど、触った記憶もないからね・・・本当に不思議なんだけど・・・』
『 ・・・(笑)・・・・・っ!』
ごめんと謝りお腹へ触れた結陽・・・大丈夫だったかと優しく触れた。
まだ顔が赤い美羽の様子を見つめ微笑んだ。
『お腹が張る感じ(笑)あった?』
『驚いたから・・・(笑)本当に驚いたかな』
笑って呟く美羽は自分のお腹へ触れてみた・・・笑いながら服を捲り様子を見ている結陽に照れるしかない。
グッと微かにせりだした場所へキスをした。
『遊び相手が待ってるよ(笑)』
小さく囁く結陽に笑み、優しく撫でる美羽・・・笑いながら結陽は彼女の服の裾を肩へ運びながら唇を落とした。
『微妙に痛いと思ったら止めるから(笑)感じてみたら?』
『あの・・・』
抵抗もしないが、戸惑いの声・・・そっとのど元に触れて見上げさせた。
後ろへ手をつく美羽・・・そっと寝かせ微笑んだ。
優しい触れは、その行為でもあるが人肌の温かさは自分へ優しいのだと嬉しくなった。
妊婦が出来るのかという怖さは無かった・・・温かさは心まで温まる気がして、嬉しいだけだった。
子供ごと包んでくれているようで・・・優しさを思い出させてくれる触れに浸る美羽だった。
激しく音が鳴り始める事はない・・・自分の体も辛くなる事もなく、優しく触れる自分を大事にしてくれている気がした美羽だった。
『刺激したら陣痛が始まるかな(笑)』
『早く出したい気持ちはあるけど・・・何も準備もしてないから・・・』
感じながら、ゆっくり話す美羽の声・・・妊婦でなければ激しく落としてみたくなった。
触れる自分の手が全部へ触れたい衝動が沸きヤバいと駄目だと言い聞かせる事で精一杯だった。
この状態なのに拒否もない・・・見た印で余計に自分の昂りが甦る気がして・・・無性に触れ浸りたくなったのだ。
相手は妊婦だ・・・無理がある・・・だけどと胸へ触れてしまった自分・・・漏れた彼女の声で自分の何かが緩んだ。
本当に大丈夫かは分からないが、触れた手は払わずに笑む彼女と知れば遠慮は丁寧という言葉と様子を見ながらという事を意識して触れた。
吸い付く肌が気持ちいい・・・それは雪吹と比べる自分がいた事に気づいた、触れた記憶もないのに。
昂りは雪吹の姿で気づいた・・・だから、直ぐにシャワーをしに雪吹は行ったのだと分かった。
運ばせた場所にハッと気づく・・・優しくお腹を撫でて触れている結陽の手に美羽が寄り添うように重ねた。
これ以上は駄目だと諦め、重ねた手を過ぎていく・・・静かな漏れ出る声に笑む結陽だった。
項垂れる・・・それでも自分が刺激したからという反省は深く・・・言い訳を考える。
待ち疲れベンチに寝かせドアを眺めた。
休みで良かったと思えた自分に苦笑いをした・・・親戚の姉だと伝え一緒に来ていた結陽・・・頑張れと祈るしかない。
使う病室で待たされる・・・運ばれてきた彼女に苦笑いをした。
『様子見で今日一日はココで(笑)、先生の許可がおりたら部屋を変えますね』
『ありがとうございました(笑)』
美羽の代わりに答えた結陽は、彼女の手を取り眺めた。
『ごめん・・・』
『(笑)本当にお世話になりますよ?言ってくれた話は有効ですからね、産んだし。駄目って言わないでくれますか?』
『 ・・・』
『大丈夫です。安産らしいです(笑)ポンって出ましたから』
『(笑)良かった』
呟く結陽を引き寄せた美羽が笑みを浮かべる・・・キスをしたのは美羽からだった。
『私こそ(笑)ありがとうございます・・・頑張ります・・・』
そうだと頷く結陽へ優しく笑み返す美羽だった。
二人で眺める新生児室・・・可愛い子は男の子だった。
『お兄さん(笑)、優しくしてあげてね』
『はい(笑)。頑張ります!』
笑いながら言った我が子にキスをした結陽は、また美羽の子を眺めるのだった。