tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

うぇいと 37

2018-07-31 00:40:02 | うぇいと

電話に出る事なくメッセージを送り放り投げた事に可笑しくて笑う美羽だった。

『もともと(笑)シェアしてた子と暮らしてたの・・・そこに交ざった子(笑)。
それでも(笑)私に知らないふりして楽しんでた・・・』

『それ・・・』
『男とも出来るよ(笑)。だけど気持ち良さを優先すると女の子とが良かったから。
紹介されてから始めたの(笑)。お金は必要だったから・・・

ホステスを始めたけど妊娠して(笑)、店のママに相談して助けて貰ったの。
夜に見てくれる場所を見つけて頼んでたけどね・・・雪吹と会って(笑)シャインを見に行って決めたわ 』

『まずは私も仕事ですよね・・・
私・・・私も働けませんか?私みたいなのは無理ですか?』
『貴女次第だけど・・・後で後悔するかもよ?』
『 ・・・』

『(笑)私は目的があったから働いた。それでも子供を育ててる間に思った。
親がホステスって事で苛められないかなって・・・お客さんの子が・・・私の子の友達になったら?私を知ってると言われたら? (笑)傷付くのは子供だよ?』

『それでも・・・
私・・・親に説得して頼んだんです。黙ってた事も謝って・・・二人で暮らせるまでって・・・

駄目でした・・・養子縁組とか、手離す事を前提にした事を調べ始めて・・・拒否したら家を出されました。
その時にも言われたんです・・・産んだ瞬間、子供は諦めなさいって・・・』

『大事に育ててるのにね・・・妊婦の貴女に言ったんだ・・・』
そうだと頷く美羽だった。
『確かに世間知らずでした・・・本当の最後に助けを求めたら手を取ってくれるはずって・・・おろすのが怖くて・・・生む方を選んじゃって・・・』

『どっちも怖いだろうけど、生んだ方が怖いよ・・・覚悟を決めて、その子を守りな』
『 ・・・迷いませんでしたか?』
『迷ったけど(笑)産むって決めてからは気持ちは軽くなった』

『どーやって・・・』
『(笑)子供の父親に話をしたの。助けを求めそうな自分に気付いたから切った(笑)。
それから、いろいろ考えて・・・早いけど(笑)その先はって決めてったの。

だから好きな子と喧嘩別れみたいになっちゃった・・・それでも子供と生きるぞってね(笑)』

『 ・・・私には、それが足りないんですね・・・』
項垂れながら呟く美羽の隣へ座り抱き締めた。

『その子は貴女しかいない・・・たぶん今からでも遅くないから考えな・・・
自分が頑張れば(笑)子供は、そうかって付いてくるし・・・励ますように笑ってくれる・・・』
『 ・・・』
そうなのかと考える美羽を見つめ微笑んでいる結陽もいた。


『もー(笑)どこまで付けたのよー。笑いすぎて、お腹痛くて洗う時間が長引いた・・・じゃない・・・』
バスルームから出てきた雪吹・・・ベッドの端に二人で座り抱き合っていた姿に驚いた。

『あー(笑)、それは浮気でしょーか!結陽さん(笑)』
『いえいえ(笑)。これは先への愛情表現と捉えて下さいな。優しい姉が妹を(笑)励ましておりましたの』

『そ?(笑)。それでも、手の置き所で不思議と分かるよ・・・感じてみたら?』
『 ・・・』
何の事だと二人で見あって考え始めた事に笑う雪吹は、眺めながら髪を拭き始めたのだった。



『雪吹さん(笑)、それ・・・そろそろ』
震え続ける携帯を指さし言ったのは美羽だった。

『ごめーん。(笑)おはよ』
『(笑)何時だよ』
『起きた(笑)』
『どこだ?』
『休みよね(笑)』
『何処だよ(笑)迎えに行くし』

『あー大丈夫(笑)。それより二日酔いなら寝てれば?』
『 ・・・』
『ご褒美あげるよ(笑)』
『もう外だよ(笑)住所は?』
『んー・・・』
『雪吹(笑)』

『(笑)久しぶりに会ってさ・・・』
『のっ飲んだ?ソコ?』
『 ・・・』
暫く聞き入った雪吹が苦笑いした。

『それ(笑)走ってるわけ?』
可笑しさに笑う雪吹に、二人が驚き始めた。

『ねぇ、それはウチって気付いたの?だから走ってる?』
『(笑)みたいよ?』
『どれだけ記憶に残ってるのよ(笑)凄いね・・・これ(笑)私が不利にならないかな・・・』

『(笑)したら家出する』
『黙れ!』
突然叫んだ雪音の声に笑う雪吹だった。


ドアチャイムが鳴る・・・
『(笑)部屋番号まで覚えてるって・・・完全に囲われて・・・』
ダンダン!と激しく音がして・・・また新たなチャイムは響いた。

開いたドア・・・それでも入り込まない人に笑って謝る結陽もいた。
『(笑)来い!』
『あのねぇ、雪音・・・一緒に飲んでた人達を』

『飲みはいいけど、帰ってこいよ(笑)』
アハハと笑いながら二人へ手をふり帰ると微笑んた。



帰り道で・・・
『連絡しなくて悪かったけどね(笑)』
『何で飲むとソコ?』
『縁は繋がってるのよね(笑)。偶然会ったから飲んだだけなのに・・・』

『(笑)話ながら思い出したんだ。話し方も同じだったから前を思い出してた(笑)笑えたぞ』
『部屋番号まで覚えてたって(笑)彼女が驚いてたよ』

『だよな、それでも番号じゃなくて・・・道?(笑)この辺だって・・・少しずつ思い出してきてたんだ』
凄いと笑う雪吹に照れながら、散歩のように話ながら歩く時間を楽しんだ。

『他に誰か居たか?靴・・・スニーカーだけど小さいから女?』
『そ(笑) その子も久しぶりに会った・・・近い内に親になるって(笑)』
『 ・・・』

『ね(笑)、変に繋がるって・・・何だろね・・・(笑)不思議』
確かにと笑う雪音もいた・・・保護者繋がりにしても、身近な場所からと知れる。
偶然なのにだと笑う二人だった。




笑う結陽と、楽しかったと笑みを浮かべる美羽・・・静かに眠る子を眺めながら優しい時間だと思えていた。

『結陽さん(笑)、出来たら頼んでいいですか? 仕事・・・私に出来そうなら紹介してくれませんか?』
『ん・・・いいけど体もキツくなるよ?疲れ果てても子供には関係ないし・・・』

『お金を稼がないと、昼間に戻す暮らしは無理な気もして・・・
昼間のバイトより高いなら・・・落ち着けるまで働きたいです・・・
預ける先も早く探してきますから』

『んー私が働いてる店の近くに出来たけど、貴女の子に会うかも分からないよ?』
『居候はこれ以上はムリで・・・それまでって・・・』

『甘えっぱなしもね・・・それでも(笑)いい人だね』
『(笑)おばさんは一人になって寂しいって・・・子供が居なくて、旦那さんも去年・・・それでも親戚の子達は来るから・・・』

『昨日も?』
そうだと頷く美羽に、居ずらいのだろうと思えた結陽だった。
『出るにも借金から始まるもんね・・・』

『仕方ないです・・・妊婦だから働く時間までセーブさせられたから余裕も出来なくて(笑)。貯めなって言われても悪くて少しだけど払ってはいたんです。
産まれたらお金は出るだろうし・・・夜泣きが増えたら申し訳ないし・・・』

『だよねー・・・
ならさ、ココ(笑)体を戻して働けるまで・・・一緒に住む?』
『だけど・・・』

『(笑)それを見越して雪吹が連れてきた気もするし。
仕事してるから私も子供も居ないの。(笑)それにさ、ご飯・・・作ってくれるならチャラにする』
『私・・・』

『ん(笑)、若いから旨くって物凄く期待してないけど(笑)
それでも、居ない間の留守番(笑)それと生活用品の買い物とか・・・』

『そんなに出来ません・・・
ごめんなさい。本当に甘えて育ってきたから自分の事をするのも大変で・・・結陽さんに余計に迷惑かけそうで』

『(笑)夜中に帰るとさ、買い物して帰る事もあるの。洗剤ないって気づいたり(笑)食い物ないって・・・あとで気づく事が多くて大変なんだ。

それをカバーしてくれたら助かる(笑)一緒に子供服を洗って干して貰えたら・・・干したモノを取り込んでくれるなら有り難いの(笑)。

干乾ししたいのに乾燥させるって・・・ちょっとね(笑)、休みにするけど子供と遠出も出来なくなる(笑) ・・・して貰えたら休みは休みって出来るし、子供と遊べる時間も増える』

『本当に・・・私・・・甘えちゃっても』
『私は(笑)それで生きてきたよ。有り難いなら暇な時間に洗い物してくれる?外に干した洗濯物とか取り込んでくれる?』

『(笑)はい。あの、料理は期待しないでくれますか?』
『了解(笑)。私も出来なくて惣菜(笑)買ってるの』
『 ・・・(笑)貯まりませんよ?』

『(笑)だから広い部屋に引っ越しできないのよ・・・』
『(笑)あー ・・・』
なるほどと笑う美羽に、恥ずかしそうに笑う結陽もいた。

『(笑)それにしても大きいね』
『急にです(笑)』
満遍なくお腹に触れて撫で回す結陽に、苦笑いをしながら呟く美羽だった。

『クビ(笑)、証拠が残ってますよ』
『(笑)マジ?。彼女を狙って襲ったかな・・・(笑)私』
『本当に記憶(笑)ないんですか?』
『ない(笑)。美羽は女の子とした時(笑)いけた?』
聞かれて真っ赤になりながらクビをふる姿に可愛いと笑み返す結陽。

『そっか(笑)。そーなると少しだけ違和感は残るけどね・・・それもないし・・・(笑)だけど、したあとの感じ・・・疲れとか・・・
ほんと(笑)なーんもない』
『で、でも・・・そこ・・・』

『ねー(笑)、そんな状態ではあったけど、触った記憶もないからね・・・本当に不思議なんだけど・・・』
『 ・・・(笑)・・・・・っ!』

ごめんと謝りお腹へ触れた結陽・・・大丈夫だったかと優しく触れた。
まだ顔が赤い美羽の様子を見つめ微笑んだ。

『お腹が張る感じ(笑)あった?』
『驚いたから・・・(笑)本当に驚いたかな』
笑って呟く美羽は自分のお腹へ触れてみた・・・笑いながら服を捲り様子を見ている結陽に照れるしかない。

グッと微かにせりだした場所へキスをした。

『遊び相手が待ってるよ(笑)』
小さく囁く結陽に笑み、優しく撫でる美羽・・・笑いながら結陽は彼女の服の裾を肩へ運びながら唇を落とした。

『微妙に痛いと思ったら止めるから(笑)感じてみたら?』
『あの・・・』
抵抗もしないが、戸惑いの声・・・そっとのど元に触れて見上げさせた。
後ろへ手をつく美羽・・・そっと寝かせ微笑んだ。

優しい触れは、その行為でもあるが人肌の温かさは自分へ優しいのだと嬉しくなった。

妊婦が出来るのかという怖さは無かった・・・温かさは心まで温まる気がして、嬉しいだけだった。

子供ごと包んでくれているようで・・・優しさを思い出させてくれる触れに浸る美羽だった。

激しく音が鳴り始める事はない・・・自分の体も辛くなる事もなく、優しく触れる自分を大事にしてくれている気がした美羽だった。

『刺激したら陣痛が始まるかな(笑)』
『早く出したい気持ちはあるけど・・・何も準備もしてないから・・・』

感じながら、ゆっくり話す美羽の声・・・妊婦でなければ激しく落としてみたくなった。

触れる自分の手が全部へ触れたい衝動が沸きヤバいと駄目だと言い聞かせる事で精一杯だった。

この状態なのに拒否もない・・・見た印で余計に自分の昂りが甦る気がして・・・無性に触れ浸りたくなったのだ。

相手は妊婦だ・・・無理がある・・・だけどと胸へ触れてしまった自分・・・漏れた彼女の声で自分の何かが緩んだ。

本当に大丈夫かは分からないが、触れた手は払わずに笑む彼女と知れば遠慮は丁寧という言葉と様子を見ながらという事を意識して触れた。

吸い付く肌が気持ちいい・・・それは雪吹と比べる自分がいた事に気づいた、触れた記憶もないのに。

昂りは雪吹の姿で気づいた・・・だから、直ぐにシャワーをしに雪吹は行ったのだと分かった。

運ばせた場所にハッと気づく・・・優しくお腹を撫でて触れている結陽の手に美羽が寄り添うように重ねた。

これ以上は駄目だと諦め、重ねた手を過ぎていく・・・静かな漏れ出る声に笑む結陽だった。



項垂れる・・・それでも自分が刺激したからという反省は深く・・・言い訳を考える。
待ち疲れベンチに寝かせドアを眺めた。

休みで良かったと思えた自分に苦笑いをした・・・親戚の姉だと伝え一緒に来ていた結陽・・・頑張れと祈るしかない。

使う病室で待たされる・・・運ばれてきた彼女に苦笑いをした。
『様子見で今日一日はココで(笑)、先生の許可がおりたら部屋を変えますね』
『ありがとうございました(笑)』

美羽の代わりに答えた結陽は、彼女の手を取り眺めた。
『ごめん・・・』
『(笑)本当にお世話になりますよ?言ってくれた話は有効ですからね、産んだし。駄目って言わないでくれますか?』

『 ・・・』
『大丈夫です。安産らしいです(笑)ポンって出ましたから』
『(笑)良かった』
呟く結陽を引き寄せた美羽が笑みを浮かべる・・・キスをしたのは美羽からだった。

『私こそ(笑)ありがとうございます・・・頑張ります・・・』
そうだと頷く結陽へ優しく笑み返す美羽だった。


二人で眺める新生児室・・・可愛い子は男の子だった。
『お兄さん(笑)、優しくしてあげてね』
『はい(笑)。頑張ります!』
笑いながら言った我が子にキスをした結陽は、また美羽の子を眺めるのだった。


うぇいと 36

2018-07-30 00:10:08 | うぇいと

こんな日もあるのかと、シャインで皆を見送る・・・

珍しく保護者から次々と連絡が入ってきた・・・二組目までは、団欒できるねと子供たちと和んだが 連絡は入り続け いつもより早い時間の迎えにする保護者たちだった事に驚いた。

家族が出迎えてくれる嬉しそうな笑み・・・・それが今、目の前で見れていた。

偶然・・・それが全員に当てはまり、一斉に子供たちは親元へ帰って行った。
優しい眼差し ・・・見てる方も幸せな気分に浸れるほどの数だった。


大きな子は学校での事を話始める・・・小さな子は言葉を思い出しながら話す・・・良かったねと・・・楽しかったねと・・・笑みながら聞き入っていた。

繋がれた手は優しく揺れる・・・でこぼこした影はシャインから離れて行った。


もしもの待機は二人・・・残りは終わりと家路へ向ける。
早く終われた事で心にも余裕が生まれ・・・たまにの時間を貰えた事に感謝しつつ、それぞれの時間に入り込むのだった。



用があると連絡が雪吹から来て驚いた雪音・・・昔の仕事仲間との飲み会に一緒に行こうと決めていた。
それでも言うのを忘れた自分・・・仕方ないと雪音は一人街へ入った。


丁寧に月島から聞いていた雪吹は、今かと抜け出す・・・
久しぶりの夜の散歩をしたかった・・・それでも雪音を誘えば来るが、友達と飲みに行く会話は楽し気だった。

それは決定し、月島へ聞けば決まった日を聞きだし雪吹もこの日だと決めた。

自分を供にする・・・それは前からの友達に気を使わせる・・・比野と月島は慣れてきたのか構わなくなったが、他の人達は本当に時々だったことで簡単に気付けるほどに自分を気にしてくれていた。

それが申し訳なくて雪吹は友達との時間も必要と雪音を行かせたかった。
それに気付いたのか月島は念を押して雪吹の返事を待った。

気は使っていないと笑う月島に、雪吹も苦笑いだ。
『わかるけどね、騒ぎたい時もあるじゃない。女はなし(笑)、私も男はなし・・・』

『(笑)ユキには言うぞ』
『直ぐじゃなく途中にして(笑)。本当に私も用はあったし』
『 ・・・』
『(笑)ぷらっと思い出したら帰るから!』
信用しろと呟く雪吹に苦笑いをした・・・



雪吹は驚き、立ち止まって眺めた・・・見た事のある顔・・・項垂れた頭は凭れ大丈夫かと眺めた。

『久しぶり(笑)、だよね・・・』
『 ・・・』
『(笑)少し向こうで、前に休憩してた貴女と会ったわよ?(笑)卒業出来た?』
『あ・・・』

『(笑) ちゃんと寝れてる?』
疲れた顔だった彼女に呟いたが・・・苦笑いだけ・・・前に会った柚原美羽だった。

『実家(笑)。帰る事にして戻ったら余計に疲れ過ぎて・・・とか?』
『(笑) ・・・最後の・・・』
『んー卒業式?』
そうだと小さな苦笑いをしながら頷く彼女を見つめ・・・微妙に何かが違うと彼女を眺めた。

大きいトレーナーを着ていたが・・・それは男物のようで、下は普通のジーンズだった。
少し言っては黙る彼女を静かに待ったが話さない・・・他人だったと苦笑いしたのは雪吹だった。

『ごめんね(笑)。他人から色々言われたらやだね・・・』
『いえ・・・』
『何か感じが前と違って・・・雰囲気違うね(笑)大人びた顔になってる気がする(笑)』
『 ・・・』

『(笑)それでもラフな服装だから、ギャップあるよ』
『 ・・・今はこれしか・・・』
『ん?』
体勢を変えた彼女を見ていたが・・・小さく謝りながら手を伸ばした。

気づかれたという笑みに、本当かと口を引いても伸ばす手は止めなかった。
膨らみが消えないお腹・・・そこだけ大事に包む彼女の手が離れなかった。

『 ・・・もうすぐ産まれるんです(笑)』
『 ・・・』
そんなに日は立っていたかと驚いた雪吹もいた・・・そこから彼女の様子を思い出し・・・今の話を考えれば・・・想像もついた。

『また家出した?』
『(笑)出されちゃいました・・・
今は、バイトしてた時に知り合った人の所で住まわせて貰ってます。
それでも、産まれたら・・・もっと迷惑かけそうで・・・親に・・・最後の最後に助けて貰おって・・・思ってたらバレちゃって』

『(笑)都合いいよ、それ』
『ですよね、産むと決めて暮らしてる内に・・・気づきました』
『(笑)気づいて偉い。勝手に産むなら、自分でしないとね(笑)』

『はい(笑)。だから今は病院の・・・相談出来る所があって、ソコで話を聞いて貰ってました』
『その後の事・・・決まらない?』
『専門だけど、受け入れが・・・』
『子供が小さいもんね(笑)』

『はい。最初に見つけてくれたシャインという所がいいって・・・自分に合わせてくれると聞きましたけど』
『(笑)高いよね』
『知ってますか?』
『働いてた(笑)』

『あ、確かお迎えとか何とか・・・』
『子供の送迎してるの(笑)』
『そうだったんですね(笑)。凄い偶然だ・・・』
『ね。本当なら保育園とか(笑)そっちなら安くて助かるよね』

『シャインは本当に高いですね(笑)、それでも別の所より便利で安い方なんですよ?』
『そうなんだ(笑)』
『(笑)親が一番助かると言ってました・・・だけど、それを払えたとしても暮らせるだけの給料は出ないし』

『今は?』
『(笑)臨月になったから辞めさせられて、今までの分で食いつないでます』
『 ・・・今以上に頑張って、子供の事を優先して親に頼んだら?』

『 ・・・真っ先に子供は取られて出されてしまいます・・・』
『言われた?』
そうだと頷く彼女だった事に驚いた・・・

『預ける先、働く先・・・住む先・・・一気に探さないとだね・・・』
『(笑)それでも頑張れる・・・
本当は押し潰されそうで怖いけど・・・無理だと言われても(笑)自分が選んだし・・・頑張ります』
『ん(笑)ファイトだね』

フッと笑った彼女に笑み返す・・・話せた事で楽になったのか小さな可愛い音がした・・・食べてなかったと呟く彼女に、同じと呟き夕食をと連れ出す雪吹だった。


居酒屋のような雰囲気の店・・・旨いと評判はあり雪吹が入り込む。
見知る彼女が食べていた姿に笑って手を振った。

入って来ない子に苦笑いをして、仕方ないと店を出て連れてきた。

『(笑)後から来ないなら相席していい?』
『おっけ(笑)・・・それでも(笑)ヤケますが?』
『(笑)奢るよ』
『いぇーい(笑)。肉!』
『いよー(笑)』

さっそく注文した彼女は黒川結陽だった・・・隣で膝枕をして眠る小さな子に驚きながら見ていた子を眺めた。

『(笑)貴女も産まれるのね。彼女が絡むならシングルって事かな』
笑みながら言った黒川に驚き見返した柚原だった。

『同じよ(笑)』
『あの、どうやって仕事を探しましたか?』
『 ・・・』
焦るような切羽詰まる声音で自分へ聞く彼女に驚き、雪吹を見返した。

『(笑)妊婦さんはバレて実家から出されちゃいました。
(笑)こっちの彼女はね、借金返済中に産んだって・・・
も一つ言えばシャインに子供を預けてる』

『給料が高い場所って、そうそうないから・・・羨ましいです』
『若そうだけど(笑)。貴女は何の仕事をしたいわけ?』
『何でも・・・産まれた子が大丈夫と安心して育つなら何処でも・・・』
『現実は厳しいよ(笑)』

分かると頷く柚原に口を引いて雪吹に苦笑いをした。
運ばれたモノを食べる・・・食べてと皿へ乗せて渡す黒川だった・・・ちゃんと食べろと観察する雪吹に笑う黒川もいた。

黒川と話始める雪吹・・・
『で?(笑)終わったわけ?』
『終わった(笑)。ホッとしたけど先の学費が待つから暫く貯めようと思って続けてる。

余裕ないとヤバいと思ったから(笑)、それより雪吹は家出もしたらしいじゃない』

『(笑)それはホスト経由でしょ』
アハハとバレたかと笑う黒川に、楽し気に話す雪吹・・・二人の会話は楽しそうだと柚原にも笑みが溢れた。

『(笑)戻れて何より』
『サンキュ(笑)。それより今は?』
その言葉の意味は直ぐに気づき苦笑いをした。

『相手は十分(笑)、時々遊んでよ私とも!』
『おっけ(笑)飲みに行こ!』
『だね。(笑)それよりさ、貴女もいいなら家飲みしない?』
『なんで?』

『飲みたいけど、子供を布団で寝せたいからよ。貴女は泊まれる?誰かと暮らしてた?』
『(笑)居候です。でも今日は・・・』
『ん、なら行こ(笑)。狭いけど泊まって・・・(笑)眠いなら寝ていいよ』
『 ・・・』

『もうすぐって感じよね(笑)。お腹が下がると近いんだって・・・大丈夫そう?』
すまなそうに笑む柚原に、行こうと笑って促す黒川・・・雪吹は代金を彼女へ渡すと、子供を優しく抱き上げて黒川の代わりに連れ出した。

『すみません、私・・・』
『いいよ(笑)お金がないのも分かる・・・私も色んな人に助けて貰って来たから。貴女が出来る頃に誰かを助ければいいよ(笑)』

『そうだね。(笑)今夜のは私が調達するかな・・・』
何がいいかと話ながら、それは楽し気に歩く二人に微笑んだ。

『笑いな・・・お腹で待ってる子も楽しくなるよ(笑)きっとね』
『 ・・・(笑)』
『ありがとうございます・・・』
二人の優しい眼差しの笑み・・・うつ向き静かに泣き出した彼女の背や頭を優しく撫でる二人もいた。



目覚ましのように鳴り響く・・・それは携帯だったと気付いた誰かの声・・・
美羽は結陽の子と一緒にベッドで眠っていた。

眠りを妨げる携帯を美羽は探すが・・・
突然、室内には笑い声が響き・・・それは結陽と雪吹の声と気付いた。

床で毛布にくるまり入っていた二人・・・笑いながら身を起こせば互いに見あっては笑い転げた姿だった。

『(笑)覚えてるわけ?』
『想像(笑)しやすいじゃん』
『二人で飲んだらヤバい(笑)』
『また(笑)携帯だよ・・・ほっとこう』
楽し気な会話でも、驚くしかない・・・その二人の姿・・・何も着ていなかった二人は笑いながら話していたのだ。

『何で着てないんですか?』
驚きながら声にした・・・子供は眠そうに起きて眺め笑いながら呟く。

『ママ(笑)、飲み過ぎるからだよ・・・風邪引くよ?』
『脱いじゃうの?』
驚きながら美羽は子へ聞いた・・・笑いながら頷くと、おやすみと布団へ潜り込んだ事にもっと驚いた。

『もー(笑)まいった・・・雪吹も酔うと脱ぐわけ?』
『これは繰り返されただけだと思うな(笑)あるもん、ほら・・・』
『えっ・・・』
自分もかと眺めれば、微かに残る痕が所々にあり笑う結陽もいた。

『(笑)楽しかったのかな・・・久しぶりに飲んで』
『 ・・・(笑)』
『それも久しぶりだった(笑)』
『それで?』
『(笑)お互いに・・・』

ねーと笑う二人で寝転ぶ事で、それはそれで笑えると美羽は二人を見ながら微笑んだ。
目があった美羽の笑みに結陽が笑み返す。

『これね(笑)初めて飲んだ日にもあったの。その時も携帯の音で起きて(笑)後から知ったの』
『 ・・・そのあと・・・』

『ね(笑)いまだに記憶もないけど、痕があるからね・・・(笑)どこまでかは想像しだいよね』
『女性どうし・・・』
『(笑)ごめん。貴女は体験してない?』

『(笑)・・・・・』
『(笑)あった・・・』『(笑)あるんだ』
バレたと苦笑いをした美羽・・・

『密な女の子(笑)親友がいたら、思春期に思わずしてみたくなっちゃうよね・・・(笑)それで男か女か・・・気づく事もあるし・・・』

『 ・・・気持ちいい事しかしないですもんね・・・女の子だと・・・』
『(笑)そう思えたわけだ・・・』
ふいに会話に交ざる雪吹に、二人が笑み眺めた。

『人肌恋し(笑)そんな気持ちが沸くから、相手はいっかって(笑)無意識に考えた瞬間・・・こー触っちゃうのかも(笑)楽しくて』
ふざける二人に笑う美羽だった。

『(笑)シャワーしよ』
雪吹が自分の服を探し出して持っていった。

『あの人は・・・彼氏とか』
『(笑)いるよ。その携帯の主・・・』
『でも結陽さんと・・・』
『(笑)・・・・・遊びと触れる彼女だっただけだよ。煩い携帯の人も(笑)気にしてない感じ。貴女は?』

『分かりません・・・』
『だよねー(笑)今は子供に集中してて気も紛れないでしょ(笑)』
『あの・・・お仕事って・・・』
『夜よ(笑)ホステス・・・借金返すのにって昔の友達に誘われてから・・・』

『その人は・・・恋人・・・とか・・・』
『その子はね(笑)、ホストにはまって借金を作った・・・』
『恋人なのに・・・』
『(笑)違うよ・・・あー待ってね。携帯が煩い(笑)』

話を止めた結陽は、見つけた携帯を手にしたのだった。


うぇいと 35

2018-07-29 01:17:49 | うぇいと

『あれ(笑)、お友達と遊ばないの?』
隣のオバサンが出てきて声をかける・・・階段に腰をかけ考えながら座っていたのは雪吹だった。

『んー・・・』
悩むぞと言いたげな顔に笑みながら見返す大人に、どーぞと場所を空けて端へ座り直した。

『何?』
後ろから、おばさんの友達が声にしたようだった。
『(笑)悩みが増えたみたいよ?』
『子供が?』

『(笑)おばさん。私には強敵がいるの・・・物凄く話すから何だろって考えちゃう・・・』
『そっか・・・それは何?』
『んー・・・友達のお母さんがね?、皆のお母さんと話してたんだけど・・・』

『(笑)大人の会話は分かるの?』
『すこーしね(笑)』
『(笑)で?』
『ん・・・私のお母さんが・・・
やーね、それは羨ましーいって遠回しに聞こえるから(笑)話すの止めよって・・・』
母親の言い方を真似たようで、二人は可笑しくて笑いだした。

『笑い事? 男も女も同じように出来るんですってよ?自分から・・・』
『 ・・・』『ストップ!』
誰かを真似て話し出した言葉に驚くオバサン・・・それを止めたのは隣にいた人だった。

『(笑)それは誰か知れた?』
『んー近所の人らしいよ? でもさ、その人の昔の話でしょ?噂なだけで、本当かも知らないのに言ってるから不思議だなーって聞いてた』

『そっか・・・・(笑)その悩みは解決したの?』
『何で他の人達が騒ぐ事も笑い飛ばせるのかなーって・・・』
『 ・・・お母さんが?』

そうだと頷く子は未だに考えていた事に苦笑いだった。
その誰かに気づくオバサン・・・大丈夫と笑む人は雪吹を眺めていた。

『(笑)分かった!人は人。他人がとやかく言う話じゃない!かな(笑)』
『そう思った?』
笑みながら頷く子へ微笑んだ。

『その人が来た道だから(笑)。勝手に人のを汚しちゃだめだよね・・・
私とお母さんが暮らしてきた場所にガヤガヤ言われたらムカつくし(笑)。違う事まで本当みたいに話す人が多いしね(笑)』

『だね。(笑)それより聞いてい?』
『(笑)いいよ』
『聞いた話の人の事(笑)』
『知らない人だよ?』
『(笑)どう思った?』

『んー、その人が選んで暮らしてきたんだろうから・・・
私には必要ない話だった(笑)』
『お母さんの友達だったら?』

『ん?(笑)私には関係ないかな、今は今でしょ?。悪い人なら(笑)お母さんが助けて真っ直ぐに直してあげそうだし(笑)お母さんが選んだ友達なら(笑)私にも友達・・・・
子供と友達にはならないか・・・(笑)』

『(笑)なれたらいいね』
『そだね(笑)。あーすっきりした!』
急に立ち上がり解決したと両手を伸ばして背伸びした雪吹に笑みながら頭を撫でる二人に照れた。

『その人はモテたのよね(笑)、お母さんがモテすぎても困るけど(笑)私の知り合いが増えるから楽しそうだな・・・』
フッと笑う大人二人・・・笑う雪吹が二人を眺めた。

『オバサン達も(笑)私に大人の会話をするね・・・お母さんみたいだ(笑)』
『(笑)そ?』
『オバサンより(笑)こっちのオバサンが近いよ?』

『(笑)二人で話したら貴女の悩みが増えるよ?』
『あー(笑)だから言わなかったんだ・・・ありがと(笑)』
笑う雪吹に、バイバイと帰っていく姿を眺めるのだった。


『初めて会うかな(笑)』
『幼馴染みなのよ(笑)オバサンの』
『へぇ(笑)。私もずっと仲良しの友達つくろー』
『そうね(笑)それがいい』

『オバサンの友達は皆(笑)お喋りなの?』
『自分で生きてきたからね(笑)楽しくなるのよ?』
『私も自分を頑張ろ(笑)』
『(笑)ゆっくりよ・・・』
まっすぐな道・・・遥か向こうを歩く友達を見つめながら話していた。

『もしかして、あの人の話だった?』
『(笑)嫌だった?』
『そーでもない(笑)。お母さんが言ってたよ?
体を使う事でも売ってないなら、自分を大事にしてくる人の方が偉いって(笑)。
他人の人生は知らないクセに あれこれ言うなって、嘘かもしれないのに話に交ざるなって』

『(笑)子供の貴女に分かるのに、不思議だね』
『ね(笑)、何を売るか知らないけど(笑)楽しく生きて何が悪いって叫んでやれば良かったかな・・・』
『(笑)彼女に味方が増えたかな』

『大事なお友達が悲しむ噂は早く消えるといいね』
そう言って家へ戻る雪吹に笑みを浮かべたのだった。



『(笑)また悩み事?』
『んー・・・お母さんから聞いたけどね・・・皆のお母さんと考えが違うから本当はどっちかなーって・・・』
『お母さんは?聞いてみた?』

『お仕事行った(笑)今週は忙がしいんだって・・・』
『寂しいね(笑)』
『ん・・・でも頑張ってるし(笑)私も、ちゃんと待ってないと』
『だね(笑)』

『オバサン・・・』
『ん?』
『人それぞれって、お母さんが言ったけど・・・同じ大人なのに何でかな』
『(笑)貴女はどう思う?話は聞いたんでしょ?』

『ん・・・お母さんとも少し違った・・・皆のお母さんとも違うって思った』
『それぞれで生きてきたから・・・暮らし方も(笑)遊び方も』
『違うねぇ(笑)』

『でしょ?(笑)同じ遊びなのに不思議よね・・・』
『考え方もって事か(笑)』
『そう思えって(笑)強制されたら?』
『無理だよ(笑)違うって知ってるもん・・・・・・(笑)』

『気付けた貴女は凄い(笑)』
『(笑)ありがと』
『それで?』
『おしまい(笑)。誰かに、その話で話し合うのはしないよ?
私じゃないし、その話の事だから(笑)ふぅーんで終了ー』
アハハと笑う雪吹に笑み返すオバサンを見た。

『お母さんと本当に似てるね(笑)オバサンは』
『そ?』
『似てる(笑)。私が言っても聞いても、ここで考えた私の言葉を聞いて終わりでしょ?』

『貴女の考えだものね(笑)、私にも必要ない話だろうし』
『(笑)ありがと、解決してくれて』
『お礼は(笑)自分の頭にしてみたら?』
笑いあう笑みで見つめた雪吹だった。

それからは、不思議と考えている自分に声をかけてくれる人になった。




『あ・・・・・』
『(笑)思い出せたの?』
『隣のオバサンの、幼馴染み(笑)』
『(笑)だった・・・』
『夜の宴会も(笑)美都さんも来てた?』

『(笑)たまーに。それでも家飲みが多かったかな・・・』
『そっか(笑)。それは近所のオバサン家が多かったもんね(笑)』

『だね(笑)。沙雪さんと会って楽になった・・・若いのにケラケラ笑って、そこを気にしたら出来なくなるって笑ってたわね(笑)』
懐かしそうに微笑む美都に、母という言葉を話せた自分が嬉しかった。

『(笑)少しだけ聞いた事があるの・・・何となく似てると思えたからよね』
きっとと微笑んだ美都に笑む雪吹もいた。

寝静まる部屋で静かに片しながら思い出していた雪吹だった。
そして今、思い出せた話をしてみれば、共有していた時間が戻ったような気がした事が嬉しくなった。

『それは・・・』
『んー近すぎて・・・それでも気持ちは必要以上に受け止めきれなかったとか言ってた・・・
(笑)それでもね・・・愛した記憶のような優しい顔だった・・・』

『良かった(笑)、それは幸せの記憶と同じだよね?』
『(笑)じゃなきゃ、あれだけの笑顔になれないわよ・・・』
『笑ってた顔しか思い出せない(笑)』

『同じよ(笑)。だから見習おうって今日まできてるのよ?』
『 ・・・ありがとう(笑)。見つけてくれて・・・』
『(笑)いい子でしょ?』
『どこで私って気づいたの?』

『(笑)雪音さんと繋がった時・・・
雪音さんが穏やかな笑顔になった時に思い出してたら(笑)、沙雪さんを思い出したの(笑)もしかしてって・・・
幼馴染み(笑)、あの人と話をした事を思い出したら雪吹さんの名前(笑)同じだった・・・』

『なんで言わなかったの?』
『(笑)必要ないと思ったからよ。
自分の子みたいに大事な雪音さんを守ってくれる人になってた(笑)それだけで幸せって思えたから』

『(笑)い?』
『私に聞くの?(笑)』
フフフと静かに微笑んだ雪吹と笑みあう美都だった。

『大好きな二人で話すな(笑)俺も交ぜてくれ』
間に挟まり肩を抱いて顔を覗かせる雪音に笑った・・・

『美都さんさ(笑)』
『(笑)何です?』
『こっち側(笑)、空いて安く買ったから引っ越して』
『ん?(笑)お隣が引っ越してったんですか?』

『(笑)出入り煩いって言われなくてすむよね。
んでね、部屋数あるし安く貸して住まわせたら?』
『(笑)気づいてました?』

『その人(笑)そのうち、ホームレスになるよ?』
『(笑)私も払いますね』
『それはいいと言ったろ(笑)。無理やり田舎から連れ出したから余計に帰る場所が無くなって・・・悪いことしたなって反省してる』

『(笑)いいんですよ。一つに止まれない私を知るからじゃない。
今が一番(笑)楽しいです』
『だから美都さんさ(笑)小遣い代わりに貰えば?』

『彼も助かるかな(笑)』
『ほんとは違うって(笑)お互いに気づけたら新婚生活始めてみたら?』
『 ・・・』

『店で見てきたさ(笑)。連れ出すけど道に捨ててたよ?
同じ日に美都さんと飲んでたし(笑)俺に言えるなら言ってみてよ・・・』

『(笑)大人になりましたね』
『雪吹がしてくれたから(笑)。それを知るのに声にされたら恥ずかしいだろ』
『(笑)しつれい!』

『俺は大丈夫になった(笑)だから美都さんも頼んだ』
『了解(笑)』
ん!っと笑う雪音が美都へキスをする・・・それから雪吹を抱き締めて、連れてけと呟いた。

はいはいと笑う雪吹は支えながら寝室へ連れていったのだった。



酔った比野を支え部屋へと連れ出す雪音・・・
『ん?(笑)雪吹と寝ていいのか?』
『ここは客間に戻したんだ(笑)。雪吹は俺のだ!』
『(笑)久しぶりに女・・・』
話すなと、ごろんとベッドへ寝かせた雪音の笑みに苦笑いをする。

代わらず飲みに来て泊まる事が増えた・・・とはいえ雪吹が来るまでは頻繁にきていたが・・・

考えた雪音は雪吹の荷物を自分の部屋へ運び始めた事に驚いたのは彼女だけだった。

笑いながら確かにと美都が手伝ってくれた・・・たまには一人と言ってみれば広いベッドでも出来ると言う美都に驚く。

寂しいからと連呼して、ここは比野達にと言えば確かにと納得した雪吹に笑う二人が出来上がった。

シャインは固定していく事で運営も安定してきた事に安堵した。


抱き締める・・・幸せという温かさに浸るようで、雪音の笑みは消えなかった。

『寝れない?』
『いーや(笑)。寝る間の時間よりも、こーしてる時間の方が嬉しいんだって思ってた(笑)。
お前だから良かった(笑)雪吹が来たから・・・昔の辛さは少しずつ消えてった気がする・・・(笑)ありがとな』

『(笑)ちゃんと、私は雪音を愛してるって・・・気づいてる?信じてくれてる?』
『ん?・・・信じてないと思ってたのか?』
驚いた・・・わざわざ声にして話し出した雪吹に驚いたのだ。

『ん・・・お母さんが・・・信じて貰えなくて、辛くて逃げたって・・・』
『聞いてきたのか・・・』
雪音の呟きに、そうだと頷く雪吹を眺めた。

『雪吹を抱くとな(笑)ちゃんと分かる・・・抱いてなくても目でわかるけどさ・・・(笑)抱いてる時の方が深ーく知れる。
確認したくて抱いてないぞ(笑)』

苦笑いをしながら訂正する雪音に笑み返す彼女・・・分かるという目だと微笑む雪音だった。

『不思議だけどさ(笑)、体の中は誰にも・・・自分でもコントロール出来ない場所があって(笑)物凄く素直な気がする。
だから嘘も相手に伝わる(笑)』

『(笑)そんな気がするわけだ・・・』
『グッと繋がってると(笑)ちゃんと反応してんだろ・・・それは雪吹もだぞ?待つ素振りすんのに(笑)しないし』
『 ・・・』

『(笑)確かに待てずにいくけどな・・・(笑)それに気づいてからは雪吹の気持ちも分かる気がする・・・(笑)
気持ちが一緒だと、狙わなくても(笑)普通にしてても落ちるだろ・・・ヤバいって(笑)もってかれる感覚は同じなのか?』

『知らない(笑)、引き摺られてく感じだもん・・・
振動が早くなってくみたいな(笑)それは心臓か・・・んー傷口から血が涌き出るみたいな(笑)波打った気がすると、グッて・・・』

『似た意味合いと捉えとく(笑)。一緒で何より』
一人納得する雪音に微笑んだ。
『(笑)・・・』
『確かに引っ張った時に(笑)お前は落ちてく・・・』
『それ(笑)』

『たまーに先にいくだろ(笑)、それが楽しくてしてた(笑)』
『あほだね(笑)』
『いーのいーの(笑)。Sexは愛する一つの方法なだけだろ。しなくても愛せんのに(笑)。

するのは楽しくて・・・愛しさを実感したくて・・・(笑)そんな気がするけどな・・・それは確認という言葉に繋がるな・・・違うんだけどな・・・当てはめる言葉・・・がな・・・』

『(笑)波打った』
『 ・・・触ったまま(笑)ジッとしてるからだろ・・・ずっと奥で期待して待ってたらしいぞ(笑)』
『愛してる(笑)』

『俺も愛してる(笑)。それで証明してんだろ・・・』
忍ばせ触れる雪音の優しさが自分へ染み込むような気がした。

想いを込めた触れは、離れないと分かる・・・奥底まで浸透すれば、それだけで熱く感じていく・・・
触れた場所から広がるが、もともと染み込んでいるから余計に溢れ熱くなる。

絡ませる雪音が溢れさせる事も知る・・・あげると彼へ触れる・・・笑みとは違う反応に、雪音の言葉を理解した。
待てない昂りは自分を引き付ける・・・絡ませあえば一つになると思えた。

億劫な吐息の熱さを我慢して触れた額があったと、近いと笑う二人・・・互いを抱き込み、見つめ優しく口付けながら笑みを浮かべる。

交ざっても少しずつ離れる場合もあるが、それは自分ではないと気付けた互いに浸るのだった。


背から自分を抱き込む雪音・・・その手は忍ばせたままだった・・・
足音に背中でフッと笑った雪音の息があたる・・・静かに布団を引き上げて身を隠した。

それでも浸り続ける手は可笑しくて・・・笑う度に舌を使い遊ぶ雪音に呆れるしかない。
前後から挟み込まれ何が楽しいと放置する・・・
<<どんな状態かは想像に(笑) >>


『雪音ーさーん(笑)。新規さん紹介されたけど確認、お願いしましたよ!』
『 ・・・』
『(笑)雪吹さんを預けますよ!』
『どっ!何処に?』

慌て飛び起き叫んだ雪音に、可笑しくて静かに笑う彼女・・・楽し気な美都の声は続いた。

『そりゃ(笑)こ・・・・・』
最初は聞こえた言葉は少しずつ遠ざかる・・・耳をすませる雪音を眺めた。
『(笑)どこだろね』
『 ・・・』
『溺れる前に出よ(笑)』

雪吹の呟きに彼女を抑え込む・・・触れた唇が巡り始め狙いは定まったように腕を巻きつけた。

雪音の言葉を思い出し・・・それはソコかと苦笑いだった・・・熱く巡りだした自分に雪音へ譲った雪吹だった。

落とされる・・・ふと過る過去に焦るが、見返せば雪音の顔だった・・・余計に溢れる想いまで彼だけへ向けていた自分を知った。

フワリとした感覚・・・雪音の目が笑む・・・自分だろうと・・・それは雪吹だから・・・優しい響きは雪音の声だった。

ほらなと笑う笑みが自分を覗いていた・・・頬へ触れて引き寄せると口付ける・・・

『仕事前はパス(笑)』
『休みにしたから(笑)気にすんな』
『 ・・・』
惚れた弱味は何とか・・・母の声だったが、それが何かは思い出せなかった。

色んな場所で、教えてくれた言葉が甦る・・・
-必要・・・雪吹には・・・-

フッと笑う・・・どこでかは誰も知らない・・・それがこれかと初めて気付けるのだと・・・そうかと微笑んだ雪吹だった。

自分の顔を押さえて目をあわせられた・・・ムッとした顔にキスをする。
『聞いた言葉を思い出しただけだよ(笑)雪音を置いてたわけじゃない』
『どんな?』

『何でも教えてくれるけど(笑)自分に必要かと聞いたことがあった。
それは私じゃないから知らないって(笑)そう言われた記憶』

『(笑)その時にならないとな・・・そんなの思い出さないだろ・・・』
たぶんと付け加えた雪音に微笑んだ・・・

『あー止めたくねー(笑)』
『超がつく金持ちならね(笑)』
『なー(笑)遊び放題し放題だよな』
『 ・・・(笑)』
これと繋がる雪音に笑う雪吹・・・それは同じと思えた。

諦めた二人は、自分の居場所へ戻るべくシャワーで今を消したのだった。


うぇいと 34

2018-07-28 00:32:51 | うぇいと



-あの光る場所って、前に行ったモールだよね(笑)-

-だな(笑)。あの奥に広い公園があってさ・・・一番奥まで所々に弁当持ってけば食べられるスペースが多いんだってさ-

-へぇ(笑)-
-子供に聞いたが、隠れんんぼ出来る場所が多くて楽しいんだとさ-

話しても途中からへぇしか言わなかった雪吹・・・モールさえ興味を持たなかった彼女だったから、一緒に近くを通りはしたが止まり入り込んだ事はなかった。

今はソコで逃げているのだろうと思え車を走らせる雪音だった。


着いてみれば、あまりの広さに驚きながら眺めた。
動きやすいようにと雪吹の服と靴を買い込む・・・それを買ったばかりのリュックへ詰め込み、散歩をしにきたように探しながら歩いた。

所々に木陰を作る為か木々が植えられ、その下で休む人達もいた。

辺りを眺め一つに絞って行ってみる・・・比較的に大きめの木の根元へ身を預けて寝ていた誰かの姿に、本当に彼女だったと雪音はホッとした。


ソコへ埋まれば回りからも見えない事に笑うしかない・・・
汚れ血の滲む足に苦笑いだ・・・それでも無事に戻ってきた雪吹の前に座り彼女を見つめた。

座り込み人の視線に気を付けながら、彼女の足を引き腰を引いて抱き寄せる雪音だった。

座る膝に乗り身を寄せた雪音に、照れた笑みで見返し彼へ腕を回した。
声はない・・・会えた嬉しさを噛み締める二人は抱きあったのだった・・・

『(笑)これで?』
『待ち遠しくて浮かれてんだよ(笑)そこは』
彼の状態に気づき呟く・・・あらたに触れた雪吹に笑いながら言い返した雪音だった。

足を絡めて隠すように押さえた雪吹に苦笑いだ・・・唸り耐えた雪音は彼女の肩で呼吸を整えた。

『触りたいのに無理だよな(笑)・・・逃げなきゃな・・・』
『ん・・・』
『何で追う?』
『爆弾のスイッチを止めさせたいから・・・』
『へぇ・・・』

それ以上に興味もない雪音の声に笑う雪吹だった。
素早く鞄を降ろし服を出していく・・・彼女が着替えている間に、足の汚れを拭いて靴下を履かせ靴を履かせるが・・・

『ワンピースにこの靴ですか(笑)』
『着やすくて(笑)走りやすい』
それぞれに言いなから指をさした雪音に笑いながら着ていた服をしまう雪吹もいた。

編み込んでいた髪をほどき雰囲気を変えていくと、雪音は笑いながら彼女を抱き込んで 人けの少ない場所から歩き出したのだった。


『あー残念(笑)キスシーンが見れなかった』
静かな物言いは後ろから始まった。
『九時方向に黒服発見(笑)・・・』

ホスト仲間が声にした事に笑った・・・その黒服はと眺めれば、月島が声をかけて 自分達から視線から遠ざけていた事に気づいた。

親友まで居た事に笑った雪音は、サンキュと一斉に皆へ連絡をして走り出して行った。




溺れる・・・互いに浸り奥へ沈む・・・熱く焦がれる身は果てなく絡めた二人がいた。
互いの嬉しさを分けるように狙えば、笑みを浮かべ苦笑いをする。

想いが行き来するようで、それに気づく二人は浸り出す・・・吐き出す熱さは それぞれへ注がれ、それだけで果てそうな勢いが増え始めた。

抱き込む・・・彼女を感じる自分に嬉しくて浸る・・・蠢く何かは彼が起こしたと笑み返す。

想いが混ざり合う・・・沈み奥深く浸る・・・溺れそうで・・・息さえも億劫な二人・・・互いの荒い吐息は変わり始め・・・潤む目で・・・耐え・・・笑みが浮かぶ目で・・・それは会話をするような笑みを重ねた。

何かが起きそうな・・・それは雪音が、雪吹が感じた瞬間・・・二人は全身へ駆け巡る何かを感じた。

弾け飛ぶ・・・弾み震えながら回る何か・・・二人に起きた事が楽しかったと笑みは溢れた。

照れた笑みが近付き口づける・・・身に起きた事を知った自分も可笑しくて笑った。

戻れた嬉しさに浸る・・・居心地の良い場所に自分がいる幸せに浸る雪吹だった。

手にした笑みは止まらず、見つけた時の嬉しさより強い彼女への想いが沸き起こる。
熱く触れた場所から温まる・・・それだけで楽しくて、嬉しい事だと知れた。

それが彼女とだから感じ、彼女と共に浸るから幸せなのだと・・・彼女だったから自分でいれると思えた。

ともに・・・それは自然と出来ている自分達と知れた事が何より幸せなのだと感じた。

もっと浸りたくて笑いながら触れる・・・それは同じだと感じた瞬間、昂りは激しく響くように目覚めた。

吸い付き離れない互いが笑う・・・壊れた玩具のようだと呟けば体が可笑しいと笑う二人もいた。
それが幸せだからと思える二人の時間だった・・・



ドア向こうの煩さに笑う二人が諦めた。
ムードも何もない・・・より楽し気な声は美都もまざり料理は、酒はと叫んでもいた。


身綺麗にした二人が交ざる・・・家族という和やかな雰囲気は居心地の良い場所だと改めて感じ、自分には必要な場所と思えた雪吹だった。

比野が笑みながらグラスへ注いでくれた・・・
『サンキュ(笑)』
『それは私もだった・・・
皆は兄で父親で(笑)友達で・・・私に必要な事を大事に教えてくれたから。
皆の輪に交ざれて嬉しいかな(笑)』

『 ・・・』
『いつまで(笑)邪魔だった?』
『知ってたか(笑)』
気付いていた雪吹だったと笑う比野が飲めと呟く・・・その隣で笑む月島に微笑んだ。

『(笑)不思議ね。恋しいって言葉は色んな思いの深さも違うし考え方まで違う(笑)。
それでも二人は一番近くて(笑)あったかい気がしてた』

『そっか(笑)。それでもユキが、どんどん雪吹に向かう姿は楽しませてくれたしね(笑)余計に大丈夫って気もしてたよ』

『比野さん大好きだもんね(笑)。自然と囲ってる気もして雪音が(笑)可哀想だった気もする』
『 ・・・』

『(笑)3人も難しい・・・それでも親友・・・
(笑)親友って、家族みたいに近いよね・・・だから何でも言えて何でもしてやれる(笑)そう、思った・・・』

『学んだわけだ(笑)』
そうだと月島に頷き笑む雪吹・・・不意に抱き込まれた自分に笑う・・・少しムッとした雪音だった事に月島が笑う。

それでも二人へ苦笑いをして、雪吹のグラスを取り飲み込んだ。

『俺は知ってるぞ(笑)。ハルが眠り込むとタクが触って寝る(笑)気づいてハルはタクを襲ってるだろ。
寝たふりは本当に寝れなくなって辛いんだぞ?』

『 ・・・』
『寝惚けてる事も分かった(笑)。あれは無意識にしてるってな。だから俺が邪魔してんだって(笑)ここ何年かは、どーやって二人にするか考えてたんだぞ?』

『 ・・・』
『(笑)だよな、無意識だから考えた事はなかったろ(笑)。
ずっと一緒だったしな・・・ま、俺的には助かってた気もする(笑)
雪吹が女だった・・・』

『確定(笑)出来たのか?』
『(笑)不思議だよな。体が勝手に恋しくて、したくて雪吹でって思いより(笑) 中・・・心が雪吹を恋しがってた事は直ぐに知った。

飛んできそうで怖い部分はあった・・・だから余計に繋ぎ止める(笑)、それでも・・・全部って・・・それは駄目だと思った。

少し取って捨ててやれば残りは何とか解決する雪吹だった。(笑)俺のも半分・・・取られて初めて気づいたし』

『何を?』
『気持ちが軽くなる事(笑)その間に、ならどうするか考えれる。
(笑)自分で終わらせたら全部、綺麗に取れるって事・・・』

『自分の事は自分で(笑)』
『そ、(笑)そしたら自分が出来上がって前に進めるみたいだ・・・楽にな(笑)。だから雪吹と居て楽で(笑)嬉しさは、より大きくなって・・・』

『居心地(笑)良さそうだしな』
『ん(笑)、生きてる実感・・・雪吹といるから出来て感じて考えて・・・
色んな体験を一緒にしてる(笑)・・・気がする』

『気がすんだ(笑)。まー良かったな』
『んー、だから(笑)遠慮すんな』
『(笑)・・・了解』
彼らの会話に笑みが溢れていく・・・それは自分をも優しく・・・温まる事だったと思え嬉しくなった。

美都の笑み・・・皆の顔を見て声にしてくれる・・・それで幸せそうな笑みで見つめてくれる優しさに浸れた自分がいた。


『(笑)沙雪さんは幸せな日々を過ごせた。だから笑顔だったよね(笑)』
突然言い出した美都・・・それは雪吹を見ながらだった事に何だと驚き、美都を見返した・・・

『昔ね(笑)、小さな団地に住んでたの・・・子供が居ないから(笑)可愛くてお世話をする子が二人いた。

ずっと世話をしてた子は、いつも置いてきぼりされてて・・・それでも我慢して頑張ってた。
その頑張りは誰も知らなかった・・・ふとした時間に会いに行くけど邪魔って帰されてた。

自分より他の子達が可愛いんだなって(笑)、ならばって誉められるようにね・・・いつの間にか諦めてたけど。

もう一人の子は(笑)物凄く愛されてた・・・だけど親が頑張りすぎてた・・・小さな子を自立させる勢い(笑)そう見えるほどにね。

そう言ったら(笑)これでも遅いって・・・いつかの為の準備をしてるからって。
だから(笑)頼まれた・・・辛そうな時は大丈夫と代わりに笑ってって・・・
私の噂は気にしないからってね』

『それ・・・』
『(笑)暫く一人住まいをした頃の話よ。若い頃の噂が広まってね(笑)想像するから激しくなった・・・だから辞めると出た頃の話(笑)。

雪吹さんの(笑)お母さんって・・・あの時の雪吹さんって気づかなかった(笑)。

よく見れば、こんなに似てるのに(笑)・・・雪吹さんは笑顔が足りないのね(笑)負けずに笑ってね・・・それは雪音さん次第だけど・・・』

笑みながら呟く美都だった・・・過去を辿る・・・何処だと探す・・・自分達に近い人達を思い出していた。

すぐに駆け付けてくれる人でもない・・・美都という人を思い出せと考える雪吹だった。


うぇいと 33

2018-07-27 01:18:18 | うぇいと

隙を狙って電話をかけた雪吹・・・

一度見つかり携帯の中を見られた事で、それからは他の情報を取られないように全てを消していたが・・・
それはいつの間にか池に落とされたままになった。

龍之介達に洗われる事はなかった・・・なぜなら部屋の鍵をマメにする事にし、全てに拒否したからだ。

それでも前は鍵を開けて入っては来ていた・・・それもない今の状態に少しホッとした雪吹・・・メイドも入れず、前より少なくなった事で諦めたようだった。

不意をつかれ入り込めば、拒否して話をする雪吹もいた。
自立・・・それだけを願い声にした・・・

理解はしないが、遠回しに脅される・・・身が危ないとも思えたが、それをしたらと拒否した物言いで防いだ。
声音の弱さで拒否する雪吹・・・無意識に助けを求める声・・・それも抵抗がある二人なのか、誰かへ向かう手は止められた事を知った。

親族から出向き仕事の話が始まり・・・それは自分まで交ぜられるが、思った事を口にしてみれば対処しようと出て行く事は苦笑いしかない。

ならばと荒立てる人を遠回しに脅す・・・とうに密かに調べあげていたモノを提示してみる・・・自分の腕を信じ、思い出しながら密かに集めたソレを。

運ぶ先へも丁寧に呟けば黙る人達は多かった。
仕事を一緒に始めると言われても家から出ず親族という人達へ抵抗してみる・・・性能のいいパソコンだけ与えられた事に苦笑いだった。

セキュリティを屈して侵入する腕・・・そこから考える真之介達に手足も出なくなった。

ならば担えと言う人へ、ばっさりと拒否した雪吹もいた。

『潰すか?子供は何処に?』
『別荘で一生暮らしたいなら(笑)全部を流してあげます。

その場所に髪の毛1本でも交じった瞬間(笑)、私の指が落ちる事は覚えておいて。
コピーしてあげますから・・・確認の為に持って行きますか?』

『 ・・・取り合えず』
『(笑)少しね。その携帯に転送してあげるわ、夜まで待つから、早めに引き戻すのね・・・そこの客へ伸ばした事も私は知るのよね・・・』
『 ・・・』

『足元を静かに引くなら(笑)、私は丁寧に大きな場所へ引き寄せて落としてあげます(笑)それでお礼はすむのよね?』
『 ・・・』

『二人へも手は引いて・・・二人だけで生きる場所なの。
ここは取らないで・・・お母さんが生きてる場所でもあるから』
『 ・・・・』
誰もが押し黙る・・・それは爺と呼ばれている人までだった。

『母へ仕向けた事は、もう取り戻せないから話さないで。
私へ起こすなら、それは自分ごとと知っといてくれたらいい。

死んだ瞬間(笑)全てが始まるようにしてきた。だから揺らす場所は間違わないでね、物凄く複雑にして(笑)物凄く分かりやすくもしたの・・・
間違いは始まるの・・・

(笑)全部を終わりに・・・その返事も少しだけ待ちます・・・育ててくれた礼ほどに・・・』

雪吹の声だけが響いた・・・出ていた間に・・・作り上げた場所を守る為だけに、ここを消せる勢いをつけて戻った事を知った気がした。

最大の情報を本当に一つだけ、それぞれに渡されていた気がした。
青ざめた顔で分かる・・・静まる室内に口を引いた雪吹は部屋へ戻って行った。

残されたパソコンに触れ、動かそうとしたが皆が引き留めた・・・

『間違いと繰り返し言った・・・これもそうなら?』
『皆のモノが飛び出す可能性もあるんだぞ?』
『んぁっ!』
唸り声に何だと眺めれば、出ていた画面に カウントダウンのように数字が動き始めた事に驚いた。

『あの子は本当に潰したいのか?』
『それだけ守りたい場所が出来たと気付けよ・・・』
『それは龍之介達の場所でもないから余裕なんだろ(笑)』

『この中に俺達のもある・・・』
携帯を眺めながら龍之介が呟いた。
『姉さんが復讐しろと教え込んだのかもしれないな・・・』
真之介が項垂れ龍之介が頷くとソファーへ座り込んだ。
慌てるように出て行く人達もいたのだった。




『お母さん・・・本当の縁を切ってもいい?
見つけた場所に居たいのに帰してくれない・・・壊して捨てていい?

私には必要ない・・・だから、お母さんも出たんでしょ? だけど壊さなかった・・・兄弟だから?大好きな兄弟が悲しむから?

それは私に必要なの? 要らないって思ってるのよ?私の幸せはここじゃない・・・

お願い・・・助けてよ・・・皆の所に戻してくれない?』

部屋の奥から聞こえた雪吹の声だった・・・その言葉に驚き動けなくなった二人がいた。



真夜中に雪吹の部屋へ出向けば、ソコに彼女は居なかった。
逃げたのだろうと、追えと命令する人達もいた・・・

なにもしない彼らを眺める・・・
『諦めるのか?』
『あの子は俺達が必要じゃない・・・姉さんが守ってた、姉さんの子だ・・・』
『姉さんだけの子だ・・・』

『(笑)血は争えないよな・・・』
『囲んだら始まるぞ?』
『 ・・・』
『構わないさ・・・これが生きる希望だったのかもな・・・』
二人が力を落としたまま部屋から出て行った。


姉が眠る地へ二人で出向く・・・彼女が好きだった場所へ埋葬した事は雪吹から聞いていたからだ。

足を運べば辛くなると、一度も来た事はなかった。
ソコには雪吹が丸まり眠っていた・・・優しく撫でた二人は彼女を挟み座ったのだ。

『マークが消えたら出てく設定にしたの・・・
教えてくれたのは、お母さん・・・
手紙があったの・・・読んでみて・・・』

言われた二人・・・震える手を押さえて広げた手紙を読み始めた。

-本当の自分になれたかしら。
これを読むって事は、雪吹を一人にさせたからよね・・・守れなかった事は悔しい。

それでも日々を鍛えてきたから、何もなくても生きれる子でしょ?
だから飛び立てと見送ってあげて・・・疲れたら戻れる場所にしてくれない?

二人ならやり直せる・・・雪吹を身代わりに閉じ込めないで・・・大丈夫だから・・・自分で幸せを掴めるように育ててきたから・・・。

繰り返される事・・・それは無駄と気づいて欲しいの・・・私が大好きな二人で雪吹の羽は取らないで。
その子は沙雪じゃない・・・私のように暮らしてく事を望んでない。

雪吹というの・・・私が生んだからといって私が生まれ変わった訳じゃない。

生きれるよ・・・そんなに外は怖い場所じゃない。
いつかの為に雪吹を鍛えた・・・だから応えたでしょ?もう十分じゃない?
愛した娘を手放して・・・自由と飛ばして逃がして・・・

大好きだった・・・本当よ?信じてくれなかったけど・・・今でも・・・
信じて欲しい努力をしなくてごめん・・・逃げてごめん・・・

雪吹を守りたかったから・・・あの人達の手から守りたかった・・・
似てる事で許してくれる?ちゃんと育ったZでしょ?

龍之介・・・ 真之介・・・
愛してくれて、ありがとう -


溢れた涙を払う龍之介が苦笑いをした・・・溢れたままに涙は置いて微笑む真之介までZに口を引いて見つめた。
照れた笑みで二人の前に座り、それぞれに手を繋いで笑みあった。

『寝てみて気付いたか?』
『違う(笑)。抱き枕みたいに寄り添って寝てたし・・・不安解消されてた感じだった。
だけどね(笑)悲しいと気づかれて、一緒に悲しんでくれてた。意味を知らないのに・・・』

『それは寝たと言ってもいるぞ?』
『傷つける事もない(笑)大丈夫って感じに聞こえる手だった・・・』
『優しいと言え(笑)』

『物凄く(笑)、一緒にいる美都さんて人も、お母さんみたいで声にしてくれる(笑)』
『だから幸せか(笑)』
そうだと頷くZに苦笑いだった。

『(笑)い?』
『いい(笑)』
『飛んでけ(笑)』
『二人と思えたけど』
『大丈夫だから行け(笑)。姉さんとの約束は守る』

『雪吹(笑)、お前の幸せは姉さんの幸せにもなる・・・大丈夫だから行け。
今も探してる・・・脅しとくから助けて貰え(笑)』
『ありがと(笑)。私も二人が大好きだよ・・・』

『(笑)やつは?』
『そっちは(笑)愛してたみたい・・・照れるね』
フッと笑う二人は、優しくキスをした・・・二人のクビへ腕を回して抱き返した。

ありがとうと声にして、笑って走り去る雪吹に微笑んだ。


『お前さ、姉さんと・・・』
『(笑)同じだろ』
『同じ日にだろ・・・』
『あの日はいいと言ったから・・・』
『(笑)後でも嬉しかった・・・本当に愛してるか物凄く辛かったから』

『同じだよ(笑)信じる思いが弱かったんだな・・・』
互いの呟きに苦笑いをした二人だった。