tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

2019バレンタイン 4

2019-02-14 01:25:39 | イベント 関係の お話


何とか引き留められた遥加・・・ホッとした和葉は部屋から出ていった。

特殊な作りの彼の部屋に驚きながら連れ行かれた・・・・・
和葉が出た後、遥加は電気を消しながら戻ってきた。

今まで見えていたドアを閉め鍵をした彼を眺めれば口を引きながら歩いてきた。

スローで間接照明までが消えていく・・・自分に触れた頃に真っ暗になったが・・・柔らかな光りは微かに床にラインを引いた。
そこを辿るように連れられ何処かへ入り込む・・・

『遥加・・・』
『ん・・・ごめん。本当の場所に行くのに・・・さ・・・』
『防犯?』
『ん・・・』

ほんの小さな囁き・・・すまなそうな声に仕方ないと彼の腰へ手を回し連れていけと寄り添った。

肩を抱き歩かせていた・・・この場所なら自分が寝た隙に帰るだろうと思え、帰したくなくて奥へ彼女を連れ入ろうと考えた。

和葉しか知らない空間・・・それでも勝手に和葉も入る事も出来ない・・・自分一人で邪魔はされずに過ごせ 誰かと会わなくても、見つからなくても いいように造った。

そのセキュリティも万全だ・・・入り込まれる事も少ないが身内から広がる事も知る。

だから、どんなに気を許せる者でも入れない場所を造りたかったのだ。
彼女を連れていこうと思えた事に苦笑いだった・・・

最初のドア、そして二つ目のドアを閉め それぞれに鍵をかける・・・部屋の鍵は全て暗くする事から完全にロックされていく・・・足元の明かりが始まれば必要な場所だけ明かりを点ければいいだけだった。

何処かに触れたようだった・・・柔らかな小さな明かりは滑るように点り始めたのだった。

それでも薄暗い・・・彼が癒す場所なのだろうと思え彼を見つめれば・・・戸惑うような笑みだった。

後は寝るだけ・・・そんな状態にしてから休めばいいと言った彼女に苦笑いをした。
迷いに気づかれ彼女を抱き締めれば、そっと呟く声を信じた。

『ちゃんと話そうと思えたから(笑)勝手に帰る事はしないわ・・・』
『 ・・・』
『(笑)そこの・・・飲んでてもいい?』
『先に入るか?』
『(笑)その方が、貴方は安心出来るの?』
口を引き頷く遥加に笑み、バスルームへ向かった。

ドライヤーを借り乾かす間に、入りたいのだろう彼が通り過ぎた事に苦笑いをする。

ローブを羽織り出てきた彼は、うつ向いたままに出て行こうとしたのを引き止めた。
驚いた顔に苦笑いをして、フードを外すとドライヤーの風をあてて乾かしてやった。

ジッとし身動きもない彼・・・最初の頃の彼と今の彼・・・本当はどっちなのかと考えた。

『舞潤・・・』
『ん?』
名を呼ばれた事でスイッチを切り彼を眺める彼女・・・手にしたモノを置き、ソコから出された事で彼を眺めた。

互いにローブ一枚の姿だった・・・
今迄にも尾行の多さに疲れホテルへ入った事がある・・・それが最初だった・・・

舞潤が客と入り込む・・・連絡をすれば、客を置いて自分の部屋へ来てくれていた・・・面倒で汗を流し時間を潰した事もある。

話をし、時に飲みに出たり・・・だからか着替えの常備は和葉に頼み遥加の車へ積んで貰っていた。

今は彼の本当のプライベート空間で・・・確実に客としての会話ではないのだと彼を眺めた。

アルコールを注いだグラスを彼女に渡し、遥加は飲みながら窓を開け放ち夜風を招いた。
夏の終わりだが、今日の夜風は心地好かった。

『不思議ね(笑)。二階へ上がったはずなのに一階にいるみたい・・・』
『 ・・・』
声にせずに飲み込む彼に笑み同じようにグラスを傾けた。

夜空を眺めながらフットレストヘ足を乗せ寛ぐように凭れた彼女をジッと静かに見つめる遥加もいた。

『隣・・・に・・・いいか?』
今迄にない遠慮の雰囲気に苦笑いをしつつ、どーぞとソファーを叩いた。

『(笑)別人みたいね・・・』
『舞潤に合わせると誰でもなるだろ・・・』
『ん?私が変えた?』
『 ・・・き・・・嫌われたら会えなくなるだろ・・・』

『 ・・・こんな仕事をしてきた・・・
(笑)誰でも見た目から入る事を知ってる。
だから恋人っていう近さの仕事が出来てる・・・錯覚してく人が多いから騙せるけど、雇い主まで錯覚してく・・・だから本当は一ヶ月まで・・・合わせるのも週一で4回・・・』

『俺・・・』
『ガポで判断したの・・・激しい見張りだから、その人達の特定までして安全確認はしたわ(笑)半分は貴方の身内だったけど・・・
仕事だからね・・・受けたなら徹底して依頼を完了させる・・・

今回ので、余計にルールが出来たし・・・私の仕事も終わりになった・・・だから完了する為に貴方へ報告をと上司から言われてる(笑)。

たぶん来週中に連絡がいくと思うから』
そう言っている間に彼が自分を引き寄せ抱き締めた事に苦笑いだった。

『本音はな・・・この仕事を辞めて欲しかった・・・仕事がなくなるかも知れないから、言うに言えずだった』
『これをメインにしてたの・・・』
『ガポを辞めるのか?』

『(笑)なくなるしね・・・それでも派遣される方は残ってるから(笑)そっちに移動かな』
どうしよかと迷っている彼女の気がした。

『 ・・・惚れてごめん・・・』
『(笑)気にしないで・・・って(笑)言い方が可笑しいね・・・ごめんなさい』
『 ・・・仕事繋がりを解消してお前と会いたい』
『 ・・・』

『仕事じゃなく・・・本当の恋人として会いたい・・・我慢はしたくない』
『 ・・・だから(笑)お酒を利用した?』
『 ・・・ごめん(笑)あの時は・・・我慢出来なくなった』

『(笑)我慢する為の鍵をかけるの忘れたんだ・・・』
彼女に苦笑いをしながらも、身へ触れる手はゆっくりと上がり始めた。

笑みながら彼を見つめる・・・背にあった手は触れたまま脇から腹を辿り上がり始めた・・・全部へ撫でていく・・・残された彼の手は腰で止まり より引き寄せられた。

『もっと綺麗な人は居る(笑)、貴方が求める優しい人は必ず・・・』
『(笑)舞潤でいい・・・お前に触れて自分を確かめた。お前を抱いて確信した・・・・だから舞潤でいい』

『 ・・・(笑)触って何が分かるの?』
『本音(笑)。
自分を利用してるのか・・・本当に自分が必要とされてるのか・・・(笑)近くなると余計に気づける』

『(笑)仕事繋がりだった中で?演技されてたとか思わなかった?恋人のフリ・・・それをしてたのよ?』

『(笑)舞潤は仕事でも本音を吐くだろ・・・気遣う時は仕事の顔をしてる。
だから舞潤の本音・・・(笑)そんな時は、どんな顔をするのか知りたくなった・・・
(笑)時間外って額が笑えたが・・・舞潤を知れるなら関係ないと思ってた』

思い出したのか可笑しくて笑う遥加に笑み見返す彼女だった。

優しく口付ける・・・彼女を追い深く絡ませ浸った・・・撫で巡らせる手に苦笑いはするが、拒否はない彼女を求め貪った。

自分へ触れる手は優しく感じ始める・・・それは離れていくような気がし・・・浸れと言われているようで動けなくなった。

全部が欲しいと全身で求める彼と気づいた・・・今の関係が邪魔をしている気がした。

それでも構わない彼の触れに自分の中まで浸りそうで怖くなった・・・優しい彼の手に浸れるのは、これが最後と思う事にした。

客へ想いを残しては仕事に支障もでる・・・やるべき事も残る自分の今は止める事も出来ない。

彼が癒す場所だから・・・それで癒されるなら自分を預けようと思えた。
それに気付いたのか胸元に居た彼がソコで佇むように止まった。

腰を抱き顔を埋めて静かに自分を抱き締めている彼を優しく抱き締めた。

『もう少し時間が・・・私には必要で・・・
自分で誓って始めた事があるの・・・今の私は全部に中途半端で・・・やりきれてない・・・・自分自身に誓ったから・・・』

『そ・・・それは何だ?手伝えるなら』
『いいの。それはしないで・・・自分で始めた事は自分自身で進ませなきゃ安心も出来ないから・・・』
『 ・・・俺とは?』

『始めた中で続けてる場所が本当の私の居場所の気もするの・・・
解除されたら・・・お互いの道に戻って進まなきゃね・・・』
『連絡を切る?そういう意味か?』

『 ・・・偶然(笑)。
んー・・・偶然、何処かで会えた時に考えない?
その気持ちは本当か考え直してみて・・・違ったなら(笑)自分で前に進めるはずよ・・・

(笑)相手が気に入らないなら、自分の声を正直に言うの・・・誤魔化さず逃げずにね。

物は試しと入り込む(笑)そうしたら、意外な面が見れて考えも変えられると思う(笑)。見方が変われば大丈夫だと思うの・・・』

『まだ舞潤を愛してたら?』
『(笑)なら・・・本当に想いがあったなら声をかけてくれる?』
『そうしたら俺との事を考えるのか?』
『考える(笑)。普通に出逢ったなら・・・出来ると思う・・・』

『 ・・・後悔しねーか?』
『 ・・・(笑)』
『俺に別の誰かが出来て・・・そんな時に会ったら・・・』
『二人の縁は無かったって事よ・・・それに貴方が幸せを手に入れたって事でしょ(笑)、自分を置ける人が出来たんだもの・・・』

彼女の言葉にムカついた遥加もいた。
『いっ・・・』
肩に痛みがはしる・・・話始めれば聞きながらも唇で触れ、流すように撫でる彼の手にも気付いた。

優しく落としていた唇があがる・・・肩にキスをし・・・自分の言った事は聞いているのか気にもなったが・・・いきなり肩に触れていた唇から痛みが沸き起こった。

『何で怒って噛み付くのよ(笑)』
『俺を受け止めねーからだ・・・』
『客との恋愛はしない・・・しちゃ駄目なの・・・』
『 ・・・寝たろ』
『酔ってたから・・・』
『 ・・・』

酔った弾みだろうと彼を眺めれば、少しムッとした顔で見返していた。
不意に抱き上げられ運ばれた先はベッドだった・・・自分へ馬乗りし手をベッドへ縫い付けて見つめて始めた。

『抱いていいよな・・・』
『 ・・・体を売ってない』
『今はプライベートな時間だろ』
『だけど、貴方と私の関係は』

声は止められ唇が塞がれた・・・話したくて止めたいのに彼はそれを許すまいと余計に深く絡ませ逃げられなかった。
肌けていた場所から触れる彼の手は巡り始める・・・

撫で巡らせる手に反応しているのか、自分が襲い込んだから怖くて震えているのか分からなかった。

口付け否定する言葉は聞きたくなくて唇を塞いだ・・・酔いしれたくて彼女の身を撫でれば続けたくて求めた。

指先を絡ませていた彼女の指の力が消えた事に気づく・・・そっと彼女の手を撫で唇で触れていた身へ辿り着いた。

『遥加・・・』
彼女が自分を呼ぶ・・・触れたい衝動は自分の中が飛び跳ねた事で止まり・・・彼女を見つめれば自分が付けた痕が見えた・・・


ギュッと離さず抱いて寝ていたはずだった・・・なのに今は服を着て帰る準備をしていた彼女がいた。

ほんの少し前に帰ると声をかけられ驚いた・・・朝まで居てくれるのかと離したくなくて彼女を抱き込んだ。

ここから出るのにと聞き出して・・・馬鹿にも程がある自分が可笑しかった・・・丁寧に教えた自分に笑った。

ふて寝のように眠った彼に笑み眺めた・・・そして静かに部屋を出たのだった。


迷いなく着替えていく彼女に驚き動けなくなった・・・いつもなら引き止め、無理やりにでも抱く。
動きを止め自分を開放させろと有無もなく気持ちのままに抱いていた。

名を呼ばれた自分・・・その声音は終わりを告げた気がして動けなくなった・・・手荒に・・・自分の気持ちのままに彼女へ付けた場所から目が止まった。

泣きそうな顔・・・辛そうな顔は自分が始めた事で二人の関係を壊した気がした。

そっと触れてくる彼女の手は温かく自分の頬で止まり引き寄せた彼女は自分を包み込んだ。

暫くいたが出る方法はと気分を変えたいのかと話してしまった・・・彼女のありがとうという声でホッとし抱いて眠った。

僅かな音で目覚めれば着替えた彼女が鞄を探していた・・・ムカつき声は出さずに目を閉じた。

彼女が近付き自分を見ている気がした・・・自分の気持ちを信じない女だったと思っていれば眠る自分へ唇を落とした事に戸惑った。

今まで抱いた者は自分からキスをしたのだろうかとまで考え・・・我に返りベッドから飛び出したが・・・ちゃんと出て行った事に苦笑いだった・・・
モニターを眺める・・・和葉が驚き、ドアを眺めていた。

何かを話し、彼女を送るのか一緒にモニターから消えていった。

暫くしてモニターが付く・・・それは和葉がココヘ入るという知らせだった・・・仕方ないとスイッチを押す。


ベッドに座り外を眺めていた遥加がいた・・・失恋かと眺め室内を観察しながらソファーへ座った。

『これは終わったのか?挨拶をして帰って行ったぞ?』
『どう言った?』
『ご利用ありがとうございました・・・そう、言ったから驚いた・・・』
『 ・・・』

『 ・・・これは遥加が失恋した?』
『 ・・・』
押し黙る遥加を眺め、一緒に外を眺めた。

『なー』
『ん?』
『帰り際にキスしてった理由・・・は・・・何でだと思う?』
『ん?キス?遥加に?』
『ん・・・』

『(笑)初めてされて緊張したのか?』
『そーじゃなくて・・・寝てる俺にしたんだ・・・
帰ると声を出してもない・・・観察されて・・・キスしてった』
それだけだと呟く遥加に口を引き視線を戻した。

『(笑)ここまで落ちるとはな・・・
で?次はいつ会うんだ?』
『次はない・・・』
『ん?止める?』
『仕事繋がりは解消される・・・どーしたらい? きっ・・・きっかけ・・・が・・・ない・・・』

戸惑い・・・そんな声の遥加を初めて見た・・・泣きそうな顔も・・・こんな感情もあったのかと驚く和葉だった。

『本当のプライベートで会って(笑)本当の恋人ってやつにすればいいだろ・・・』
『 ・・・知ってたか?』
『何をだ?』

『舞潤の携帯は会社から支給されてる・・・本当に終わりなら舞潤とは連絡も取れないんだぞ?』
『ん?聞いて・・・』

『ねーよ。最初の連絡も途中のも・・・それは社用のままだったろ。
他は場所と時間を言ってから帰してたし・・・マジで切れんだよ・・・』

『諦めんのか?』
『舞潤が居ねーよ・・・』
それだけ言うとベッドへ寝そべり目を閉じた。

一人へ執着し手も出さずに守るように日々を過ごしてきた・・・初めは解消しに出向いていたが直ぐに止め誰かへ向かう事も無くなった。

今までのように求める相手が目の前に現れても、見向きもなく彼女だけを見ていた。

『キスか・・・(笑)いい方に考えるなら、遥加を愛したけど今は仕事だから気持ちは受け取れない(笑)とかかな。
だから気持ちの整理をして別れる寂しさを埋めたくて思わすキスをした・・・とか・・・』

『愛したなら、何で仕事繋がりが終わる嬉しさがない・・・』
話しながら、ふと彼女が言った言葉を思い出した・・・始めた仕事と・・・

『和葉・・・』
『ん?』
『舞潤の居場所を探せ・・・』
『連れて来るのか?』
『違う。見つからないようにだ。居場所だけ探して見張っとけよ。近付くヤツを調べとけ』

『業者を使うぞ(笑)』
『バレないが絶対条件だかんな・・・』
『それ・・・』
『自分で捕まえて抱きまくってやる・・・』

『はけよ(笑)』
『しねーよ』
『もたねーから途中で出しとけ(笑)黙っててやるから』
『うるせー!しねーよ。舞潤だけって決めたんだ!
舞潤が自分に誓って出てったんだ俺もしてやる!』

それは誓うように呟く遥加に笑い、そうかと彼の肩を叩いた和葉は部屋から出るのだった。