<ダリアとワカナ>1
まただ・・・
自分で思わず呟いた。
数列前の端に座りノートへ書き込んでいる子がいた・・・何気に視線を飛ばすと必ず その視線の中に入り込んでいた。
柔らかな髪・・・緩く編まれ後ろで止められて、シャツにジーンズというラフな服装だった。
暇だと思えノートから視線を外す・・・講師の声だけが響く中で 外の景色や辺りを眺めていた。
隣の子へ呟かれ、笑み返していた子・・・目線は合わさないが書きながら唇は動いていたのて隣の子と話をしているのだろうと思えた。
自然な笑み・・・不意に隣の子へ見せた笑みに見惚れたように見つめた。
解放されたと友人と庭へ出た・・・穏やかな陽気に過ごしやすいのか、庭へ出て時間を使う人達の数は多かった。
点在するベンチや、あちこちの芝・・・眩しい光を適度に塞ぐ木漏れ日の下で思い思いに過ごしていた。
チラチラする眩しさに笑み、光を通す場所を探し見あげた。
友人が空いたベンチに腰を下ろす・・・別の友人は飲み物を買いに離れていった。
次の講義までと宿題をしたり、パソコンで調べものをしたり・・・
何もしたくない彼は頬杖をついてあての無い視線を放り投げた。
何かが揺れている事に気づき、何だと眺める・・・柔らかな髪が靡いていた・・・笑みが優しさで溢れている気がした。
回りの景色さえ利用して佇み誰かと話す姿・・・携帯を持つ指先にまで視線を止めた自分に驚いた。
誰かが隣に座り携帯に耳を済ませ一緒に笑う・・・自然な笑みに彼の口許が緩む・・・無意識に見ていた事だが友人は気づいていても声にする事もなかった。
そこから卒業した彼らは計画を練った。就職したが1年で辞め会社を起こす事にした。
女友達の一言から先を絞り、友人と話し合って調べあげた。
取り合えずと小さな事務所を構えられた・・・同じような小さな工場を辺り先を話していった。
今までにない店に、より興味は引かれ少しずつ軌道に乗り始める・・・
広報とはいえ二人だけ・・・そこに社長の彼と友人の秘書 その4人で話し込んだ。
『まー下着だしな・・・』
『水着と同じなのに、なんでモデルは着れない?』
ムッとして声にする社長の彼に苦笑いだ・・・
社のポスターを作るべく、モデルの派遣を頼んだが契約に持ち込めずに断られる日々だった。
ならば専属と募集をかけるが、応募は数人・・・作品にフィットしないモデルが多くストップをかけた。
『希望レベル(笑)下げれませんか?』
苦笑いをしながら呟く社員に、笑みながら嫌だと声にした。
『モノがいいのに、安く見えるし商品が綺麗に見えないってないだろ。
そのモデルなんかエロく見えるだけだぞ?そんな下着は作ってない!』
腕を組んで呟く社長に確かにと項垂れた人達だった。
知名度も上がり売れている・・・それでいいが一般向けに広がらない商品が勿体ないと、改めて広報がモデルを探していたのだ。
『あのー・・・店に来るお客なんですけど、素人じゃ駄目ですかね・・・』
新人の一人が呟く・・・何だと皆が見返した。
『店のチェックに行った時に、色んなサイズと種類を多く買い込む人を見たんですよ(笑)
お土産とか言って、買い込んでて』
『頻度は?』
『データには半年に一度(笑)、どれだけマメに取り替えてって驚きましたよ・・・』
『容姿は?』
『このモデルよりも可愛いしスタイルは・・・』
『冬だしな(笑)』
見れないなと笑う社長に苦笑いで頷く・・・
それからは、張り込むように店へ頻繁に出入りした。
売れ行きや次のデザインのチェックという名目で社長までが入り込んだ。
不意に腕を引かれた社長・・・秘書が聞いて、その人が来たのだと知らせたのだ。
電話をしながら品を眺め、考えては話す彼女を観察した。
『ねぇ暇なら来てよ(笑)。一人じゃ面倒だし』
聞きながら探してサイズを見つけると籠へ詰め込む。
色んなタイプの品を選んではサイズを探す彼女に声をかけようとして・・・ふと笑み出した彼女の視線を辿った。
微笑んだ笑み・・・お待たせと笑みながら店内へ来た彼女を見つめた。
一瞬だが視線が素通りした・・・自分に違和感が芽生えたが、それは何か分からなかった。
次々と籠へ放り込む手を思わず止めた・・・驚いた秘書が慌て社長の手を止める。
『なにか・・・』
『自分のサイズを選んだらどうだ?』
『人にあげるから、サイズは確認してますけど?』
『こんなに?』
『10人に(笑)。貴方は何方?』
『 ・・・』
答えない社長の代わりにと秘書が呟く。
『すみません(笑)社長の兵藤です』
『(笑)良い品をありがとう。使いやすいから、皆に好評です』
『 ・・・』
『ねーダリア(笑)。こっちのに・・・』
奥の列から顔を覗かせたサラが声をかけたが、ダリアの手を掴み離さない人に驚いて眺めた。
『(笑)その手、離してくれません?』
あっと思い出したように慌て離させた秘書・・・
可笑しくて笑むダリアという彼女に照れた・・・その姿に驚いた秘書。
『(笑)自分用も、知る子へあげるのも大丈夫ですよ。
一度は来てますし、だからサイズは知ります(笑)』
『問題ありました?』
『 ・・・ない・・・が、少し君に・・・君たちに話があった』
『何でしょう(笑)』
『これは、いつから・・・』
『(笑)出来てから』
『人によって・・・』
『分かります(笑)似た場所でバイトの経験はありますから。
登録はしてない子でも(笑)ちゃんとチェックして使わせてますよ?』
『 ・・・』
『(笑)妹ですけど』
『来て試着を』
『(笑)分かりますけど、年頃で恥ずかしくて拒否されました』
だから来れないと言ったダリアをジッと見つめる社長の姿に秘書が苦笑いをした。
『社会人?』
『 ・・・』
『(笑)すまない、ウチのバイトをして貰えないかと・・・』
ソコへ新たな女性が入り込んできて何だと眺めたが、呆れるように籠を拾い呟く。
『待つ身になってよ。全部買えた?』
『残り数点かな(笑)、レッドが見る?』
『買って貰うのにクレームまで考えなくていいんじゃないの?』
サラの持つメモを眺めチェックしながら選び出していく彼女にも驚いた。
『ダリア(笑)。話はその辺で・・・時間ないし』
言い切ったレッドが声をかけてダリアの鞄から財布を出してレジへ連れ出した。
待つ間に社長が三人に頼み商談専用の部屋へ連れ出して話した。
『専属ね(笑)』
『顔を売るんじゃなく、商品の見栄えを知らせたい・・・
それはココの品で誰にでも使えると、良い品を使えと知らせたい。
使う至福を味わえとポスターで教えたいんだ・・・が・・・
該当するモデルが居ず出せてない』
『それを彼女が出せると?』
『容姿で判別はしてない。雰囲気というか佇まいというべきか・・・ウチの商品が出せると思えた』
『ダリア(笑)しとけば?』
『あー確かに(笑)給料貰えて貯めれば、先も見えるはず』
『 ・・・』
答えないダリアを眺め、店員が持ってきた袋を受け取るレッドが立ち上がった。
『(笑)帰ろ!』
『お話終ってない(笑)』
『サラ(笑)、次も用はあるのよ?』
『(笑)出来れば三人で頼みたい』
『 ・・・』
社長の隣に居た人の言葉に驚いた彼女達が口を閉ざしてダリアを眺めた。
余計に驚いた顔に口を引くレッドだった。
『肌を露出しろと(笑)』
『 ・・・そうなるが・・・アップなら顔はそんなに映らないはずだ(笑)。
写るとしたら全体でバランスを見る為にだ・・・着けた感じを見せる映に顔はない』
『それが専属?』
『もちろん全体の広報だが・・・』
『店内オンリーなら(笑)』
レッドの呟きにサラが驚く
『私もなの?』
『だって三人って言ったよ?』
『えー着けるのは他よりいいけど人に見せるってー』
『(笑)モデルだけじゃなくて仕事も教わるなら?』
『 ・・・』
『ん?君らも似た仕事を?』
『そうじゃなく仕事の流れの勉強をしてるので、それに役だてたいだけで(笑)。
モデルだけの仕事なら拒否しときますね』
そう言いながらダリアを立たせ帰ろうとする彼女達に驚いた。
『おっOK(笑)契約してくれ』
即座に言い切った社長に皆が驚いた ・・・ムッとしたダリアがレッドの肩を叩く・・・それは素早くダリアの腕に返した。
『現場体験がてっとり早いじゃん・・・選択も拡がるんじゃないの?』
言い合いになりそうで、サラは慌て二人の口を塞ぎ顔を覗きこんだ。
『それは喧嘩に見える・・・』
『 ・・・』
答えない二人にサラが笑み彼らへ代わりに言った。
『すみませんが少し時間を下さい(笑)、私達も色々計画中で新たな交ざりは今は困るんです』
だから頼むという彼女を見返す・・・廣崎は社長を眺め・・・諦めてサラへ名刺を渡した。
『早めが有り難いので・・・(笑)大丈夫そうですか?』
『(笑)決めたら早いので、最短 明日の夕方には返せます』
『良い返事を(笑)』
『(笑)決めるのは二人です・・・祈れば叶いますよ、きっと』
『(笑)君もモデルになれますね・・・』
『 ・・・』
『今更ですが、貴女も加わると・・・(笑)気づきましたか?』
そうだったと頷くサラに笑み返した廣崎だった。
『商品を広げるべく(笑)協力を頼みます』
『 ・・・ムリ』
『 ・・・』
ほんの少しだけ考えて拒否したサラに驚き、マジかとダリアとレッドを見返した。
口を引き静かに笑むダリアは、サラを促しレッドに帰ろうと呟く。
最後に出ようとしたダリアの腕を掴み引き寄せたが、素早く手を離して彼をみて笑み返し・・・そっと話すと店内からも出て行った。
『どっかで会ったよな・・・』
『どの方です?』
『 ・・・』
聞かれても答えない彼・・・何処かでと記憶を辿る社長に声は届かなかった。
まただ・・・
自分で思わず呟いた。
数列前の端に座りノートへ書き込んでいる子がいた・・・何気に視線を飛ばすと必ず その視線の中に入り込んでいた。
柔らかな髪・・・緩く編まれ後ろで止められて、シャツにジーンズというラフな服装だった。
暇だと思えノートから視線を外す・・・講師の声だけが響く中で 外の景色や辺りを眺めていた。
隣の子へ呟かれ、笑み返していた子・・・目線は合わさないが書きながら唇は動いていたのて隣の子と話をしているのだろうと思えた。
自然な笑み・・・不意に隣の子へ見せた笑みに見惚れたように見つめた。
解放されたと友人と庭へ出た・・・穏やかな陽気に過ごしやすいのか、庭へ出て時間を使う人達の数は多かった。
点在するベンチや、あちこちの芝・・・眩しい光を適度に塞ぐ木漏れ日の下で思い思いに過ごしていた。
チラチラする眩しさに笑み、光を通す場所を探し見あげた。
友人が空いたベンチに腰を下ろす・・・別の友人は飲み物を買いに離れていった。
次の講義までと宿題をしたり、パソコンで調べものをしたり・・・
何もしたくない彼は頬杖をついてあての無い視線を放り投げた。
何かが揺れている事に気づき、何だと眺める・・・柔らかな髪が靡いていた・・・笑みが優しさで溢れている気がした。
回りの景色さえ利用して佇み誰かと話す姿・・・携帯を持つ指先にまで視線を止めた自分に驚いた。
誰かが隣に座り携帯に耳を済ませ一緒に笑う・・・自然な笑みに彼の口許が緩む・・・無意識に見ていた事だが友人は気づいていても声にする事もなかった。
そこから卒業した彼らは計画を練った。就職したが1年で辞め会社を起こす事にした。
女友達の一言から先を絞り、友人と話し合って調べあげた。
取り合えずと小さな事務所を構えられた・・・同じような小さな工場を辺り先を話していった。
今までにない店に、より興味は引かれ少しずつ軌道に乗り始める・・・
広報とはいえ二人だけ・・・そこに社長の彼と友人の秘書 その4人で話し込んだ。
『まー下着だしな・・・』
『水着と同じなのに、なんでモデルは着れない?』
ムッとして声にする社長の彼に苦笑いだ・・・
社のポスターを作るべく、モデルの派遣を頼んだが契約に持ち込めずに断られる日々だった。
ならば専属と募集をかけるが、応募は数人・・・作品にフィットしないモデルが多くストップをかけた。
『希望レベル(笑)下げれませんか?』
苦笑いをしながら呟く社員に、笑みながら嫌だと声にした。
『モノがいいのに、安く見えるし商品が綺麗に見えないってないだろ。
そのモデルなんかエロく見えるだけだぞ?そんな下着は作ってない!』
腕を組んで呟く社長に確かにと項垂れた人達だった。
知名度も上がり売れている・・・それでいいが一般向けに広がらない商品が勿体ないと、改めて広報がモデルを探していたのだ。
『あのー・・・店に来るお客なんですけど、素人じゃ駄目ですかね・・・』
新人の一人が呟く・・・何だと皆が見返した。
『店のチェックに行った時に、色んなサイズと種類を多く買い込む人を見たんですよ(笑)
お土産とか言って、買い込んでて』
『頻度は?』
『データには半年に一度(笑)、どれだけマメに取り替えてって驚きましたよ・・・』
『容姿は?』
『このモデルよりも可愛いしスタイルは・・・』
『冬だしな(笑)』
見れないなと笑う社長に苦笑いで頷く・・・
それからは、張り込むように店へ頻繁に出入りした。
売れ行きや次のデザインのチェックという名目で社長までが入り込んだ。
不意に腕を引かれた社長・・・秘書が聞いて、その人が来たのだと知らせたのだ。
電話をしながら品を眺め、考えては話す彼女を観察した。
『ねぇ暇なら来てよ(笑)。一人じゃ面倒だし』
聞きながら探してサイズを見つけると籠へ詰め込む。
色んなタイプの品を選んではサイズを探す彼女に声をかけようとして・・・ふと笑み出した彼女の視線を辿った。
微笑んだ笑み・・・お待たせと笑みながら店内へ来た彼女を見つめた。
一瞬だが視線が素通りした・・・自分に違和感が芽生えたが、それは何か分からなかった。
次々と籠へ放り込む手を思わず止めた・・・驚いた秘書が慌て社長の手を止める。
『なにか・・・』
『自分のサイズを選んだらどうだ?』
『人にあげるから、サイズは確認してますけど?』
『こんなに?』
『10人に(笑)。貴方は何方?』
『 ・・・』
答えない社長の代わりにと秘書が呟く。
『すみません(笑)社長の兵藤です』
『(笑)良い品をありがとう。使いやすいから、皆に好評です』
『 ・・・』
『ねーダリア(笑)。こっちのに・・・』
奥の列から顔を覗かせたサラが声をかけたが、ダリアの手を掴み離さない人に驚いて眺めた。
『(笑)その手、離してくれません?』
あっと思い出したように慌て離させた秘書・・・
可笑しくて笑むダリアという彼女に照れた・・・その姿に驚いた秘書。
『(笑)自分用も、知る子へあげるのも大丈夫ですよ。
一度は来てますし、だからサイズは知ります(笑)』
『問題ありました?』
『 ・・・ない・・・が、少し君に・・・君たちに話があった』
『何でしょう(笑)』
『これは、いつから・・・』
『(笑)出来てから』
『人によって・・・』
『分かります(笑)似た場所でバイトの経験はありますから。
登録はしてない子でも(笑)ちゃんとチェックして使わせてますよ?』
『 ・・・』
『(笑)妹ですけど』
『来て試着を』
『(笑)分かりますけど、年頃で恥ずかしくて拒否されました』
だから来れないと言ったダリアをジッと見つめる社長の姿に秘書が苦笑いをした。
『社会人?』
『 ・・・』
『(笑)すまない、ウチのバイトをして貰えないかと・・・』
ソコへ新たな女性が入り込んできて何だと眺めたが、呆れるように籠を拾い呟く。
『待つ身になってよ。全部買えた?』
『残り数点かな(笑)、レッドが見る?』
『買って貰うのにクレームまで考えなくていいんじゃないの?』
サラの持つメモを眺めチェックしながら選び出していく彼女にも驚いた。
『ダリア(笑)。話はその辺で・・・時間ないし』
言い切ったレッドが声をかけてダリアの鞄から財布を出してレジへ連れ出した。
待つ間に社長が三人に頼み商談専用の部屋へ連れ出して話した。
『専属ね(笑)』
『顔を売るんじゃなく、商品の見栄えを知らせたい・・・
それはココの品で誰にでも使えると、良い品を使えと知らせたい。
使う至福を味わえとポスターで教えたいんだ・・・が・・・
該当するモデルが居ず出せてない』
『それを彼女が出せると?』
『容姿で判別はしてない。雰囲気というか佇まいというべきか・・・ウチの商品が出せると思えた』
『ダリア(笑)しとけば?』
『あー確かに(笑)給料貰えて貯めれば、先も見えるはず』
『 ・・・』
答えないダリアを眺め、店員が持ってきた袋を受け取るレッドが立ち上がった。
『(笑)帰ろ!』
『お話終ってない(笑)』
『サラ(笑)、次も用はあるのよ?』
『(笑)出来れば三人で頼みたい』
『 ・・・』
社長の隣に居た人の言葉に驚いた彼女達が口を閉ざしてダリアを眺めた。
余計に驚いた顔に口を引くレッドだった。
『肌を露出しろと(笑)』
『 ・・・そうなるが・・・アップなら顔はそんなに映らないはずだ(笑)。
写るとしたら全体でバランスを見る為にだ・・・着けた感じを見せる映に顔はない』
『それが専属?』
『もちろん全体の広報だが・・・』
『店内オンリーなら(笑)』
レッドの呟きにサラが驚く
『私もなの?』
『だって三人って言ったよ?』
『えー着けるのは他よりいいけど人に見せるってー』
『(笑)モデルだけじゃなくて仕事も教わるなら?』
『 ・・・』
『ん?君らも似た仕事を?』
『そうじゃなく仕事の流れの勉強をしてるので、それに役だてたいだけで(笑)。
モデルだけの仕事なら拒否しときますね』
そう言いながらダリアを立たせ帰ろうとする彼女達に驚いた。
『おっOK(笑)契約してくれ』
即座に言い切った社長に皆が驚いた ・・・ムッとしたダリアがレッドの肩を叩く・・・それは素早くダリアの腕に返した。
『現場体験がてっとり早いじゃん・・・選択も拡がるんじゃないの?』
言い合いになりそうで、サラは慌て二人の口を塞ぎ顔を覗きこんだ。
『それは喧嘩に見える・・・』
『 ・・・』
答えない二人にサラが笑み彼らへ代わりに言った。
『すみませんが少し時間を下さい(笑)、私達も色々計画中で新たな交ざりは今は困るんです』
だから頼むという彼女を見返す・・・廣崎は社長を眺め・・・諦めてサラへ名刺を渡した。
『早めが有り難いので・・・(笑)大丈夫そうですか?』
『(笑)決めたら早いので、最短 明日の夕方には返せます』
『良い返事を(笑)』
『(笑)決めるのは二人です・・・祈れば叶いますよ、きっと』
『(笑)君もモデルになれますね・・・』
『 ・・・』
『今更ですが、貴女も加わると・・・(笑)気づきましたか?』
そうだったと頷くサラに笑み返した廣崎だった。
『商品を広げるべく(笑)協力を頼みます』
『 ・・・ムリ』
『 ・・・』
ほんの少しだけ考えて拒否したサラに驚き、マジかとダリアとレッドを見返した。
口を引き静かに笑むダリアは、サラを促しレッドに帰ろうと呟く。
最後に出ようとしたダリアの腕を掴み引き寄せたが、素早く手を離して彼をみて笑み返し・・・そっと話すと店内からも出て行った。
『どっかで会ったよな・・・』
『どの方です?』
『 ・・・』
聞かれても答えない彼・・・何処かでと記憶を辿る社長に声は届かなかった。