tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

ぷりんせす 06

2017-08-31 12:38:23 | ぷりんせす
<ダリアとワカナ>1


まただ・・・
自分で思わず呟いた。
数列前の端に座りノートへ書き込んでいる子がいた・・・何気に視線を飛ばすと必ず その視線の中に入り込んでいた。

柔らかな髪・・・緩く編まれ後ろで止められて、シャツにジーンズというラフな服装だった。

暇だと思えノートから視線を外す・・・講師の声だけが響く中で 外の景色や辺りを眺めていた。

隣の子へ呟かれ、笑み返していた子・・・目線は合わさないが書きながら唇は動いていたのて隣の子と話をしているのだろうと思えた。
自然な笑み・・・不意に隣の子へ見せた笑みに見惚れたように見つめた。


解放されたと友人と庭へ出た・・・穏やかな陽気に過ごしやすいのか、庭へ出て時間を使う人達の数は多かった。
点在するベンチや、あちこちの芝・・・眩しい光を適度に塞ぐ木漏れ日の下で思い思いに過ごしていた。

チラチラする眩しさに笑み、光を通す場所を探し見あげた。
友人が空いたベンチに腰を下ろす・・・別の友人は飲み物を買いに離れていった。

次の講義までと宿題をしたり、パソコンで調べものをしたり・・・
何もしたくない彼は頬杖をついてあての無い視線を放り投げた。

何かが揺れている事に気づき、何だと眺める・・・柔らかな髪が靡いていた・・・笑みが優しさで溢れている気がした。
回りの景色さえ利用して佇み誰かと話す姿・・・携帯を持つ指先にまで視線を止めた自分に驚いた。

誰かが隣に座り携帯に耳を済ませ一緒に笑う・・・自然な笑みに彼の口許が緩む・・・無意識に見ていた事だが友人は気づいていても声にする事もなかった。



そこから卒業した彼らは計画を練った。就職したが1年で辞め会社を起こす事にした。
女友達の一言から先を絞り、友人と話し合って調べあげた。

取り合えずと小さな事務所を構えられた・・・同じような小さな工場を辺り先を話していった。

今までにない店に、より興味は引かれ少しずつ軌道に乗り始める・・・
広報とはいえ二人だけ・・・そこに社長の彼と友人の秘書 その4人で話し込んだ。

『まー下着だしな・・・』
『水着と同じなのに、なんでモデルは着れない?』
ムッとして声にする社長の彼に苦笑いだ・・・

社のポスターを作るべく、モデルの派遣を頼んだが契約に持ち込めずに断られる日々だった。
ならば専属と募集をかけるが、応募は数人・・・作品にフィットしないモデルが多くストップをかけた。

『希望レベル(笑)下げれませんか?』
苦笑いをしながら呟く社員に、笑みながら嫌だと声にした。

『モノがいいのに、安く見えるし商品が綺麗に見えないってないだろ。
そのモデルなんかエロく見えるだけだぞ?そんな下着は作ってない!』

腕を組んで呟く社長に確かにと項垂れた人達だった。
知名度も上がり売れている・・・それでいいが一般向けに広がらない商品が勿体ないと、改めて広報がモデルを探していたのだ。

『あのー・・・店に来るお客なんですけど、素人じゃ駄目ですかね・・・』
新人の一人が呟く・・・何だと皆が見返した。

『店のチェックに行った時に、色んなサイズと種類を多く買い込む人を見たんですよ(笑)
お土産とか言って、買い込んでて』
『頻度は?』
『データには半年に一度(笑)、どれだけマメに取り替えてって驚きましたよ・・・』

『容姿は?』
『このモデルよりも可愛いしスタイルは・・・』
『冬だしな(笑)』
見れないなと笑う社長に苦笑いで頷く・・・


それからは、張り込むように店へ頻繁に出入りした。
売れ行きや次のデザインのチェックという名目で社長までが入り込んだ。

不意に腕を引かれた社長・・・秘書が聞いて、その人が来たのだと知らせたのだ。
電話をしながら品を眺め、考えては話す彼女を観察した。

『ねぇ暇なら来てよ(笑)。一人じゃ面倒だし』
聞きながら探してサイズを見つけると籠へ詰め込む。
色んなタイプの品を選んではサイズを探す彼女に声をかけようとして・・・ふと笑み出した彼女の視線を辿った。

微笑んだ笑み・・・お待たせと笑みながら店内へ来た彼女を見つめた。
一瞬だが視線が素通りした・・・自分に違和感が芽生えたが、それは何か分からなかった。
次々と籠へ放り込む手を思わず止めた・・・驚いた秘書が慌て社長の手を止める。

『なにか・・・』
『自分のサイズを選んだらどうだ?』
『人にあげるから、サイズは確認してますけど?』
『こんなに?』
『10人に(笑)。貴方は何方?』
『 ・・・』

答えない社長の代わりにと秘書が呟く。
『すみません(笑)社長の兵藤です』
『(笑)良い品をありがとう。使いやすいから、皆に好評です』
『 ・・・』

『ねーダリア(笑)。こっちのに・・・』
奥の列から顔を覗かせたサラが声をかけたが、ダリアの手を掴み離さない人に驚いて眺めた。

『(笑)その手、離してくれません?』
あっと思い出したように慌て離させた秘書・・・
可笑しくて笑むダリアという彼女に照れた・・・その姿に驚いた秘書。

『(笑)自分用も、知る子へあげるのも大丈夫ですよ。
一度は来てますし、だからサイズは知ります(笑)』
『問題ありました?』

『 ・・・ない・・・が、少し君に・・・君たちに話があった』
『何でしょう(笑)』
『これは、いつから・・・』
『(笑)出来てから』
『人によって・・・』

『分かります(笑)似た場所でバイトの経験はありますから。
登録はしてない子でも(笑)ちゃんとチェックして使わせてますよ?』
『 ・・・』
『(笑)妹ですけど』

『来て試着を』
『(笑)分かりますけど、年頃で恥ずかしくて拒否されました』
だから来れないと言ったダリアをジッと見つめる社長の姿に秘書が苦笑いをした。

『社会人?』
『 ・・・』
『(笑)すまない、ウチのバイトをして貰えないかと・・・』
ソコへ新たな女性が入り込んできて何だと眺めたが、呆れるように籠を拾い呟く。

『待つ身になってよ。全部買えた?』
『残り数点かな(笑)、レッドが見る?』
『買って貰うのにクレームまで考えなくていいんじゃないの?』
サラの持つメモを眺めチェックしながら選び出していく彼女にも驚いた。

『ダリア(笑)。話はその辺で・・・時間ないし』
言い切ったレッドが声をかけてダリアの鞄から財布を出してレジへ連れ出した。
待つ間に社長が三人に頼み商談専用の部屋へ連れ出して話した。

『専属ね(笑)』
『顔を売るんじゃなく、商品の見栄えを知らせたい・・・
それはココの品で誰にでも使えると、良い品を使えと知らせたい。

使う至福を味わえとポスターで教えたいんだ・・・が・・・
該当するモデルが居ず出せてない』

『それを彼女が出せると?』
『容姿で判別はしてない。雰囲気というか佇まいというべきか・・・ウチの商品が出せると思えた』
『ダリア(笑)しとけば?』
『あー確かに(笑)給料貰えて貯めれば、先も見えるはず』

『 ・・・』
答えないダリアを眺め、店員が持ってきた袋を受け取るレッドが立ち上がった。

『(笑)帰ろ!』
『お話終ってない(笑)』
『サラ(笑)、次も用はあるのよ?』
『(笑)出来れば三人で頼みたい』
『 ・・・』

社長の隣に居た人の言葉に驚いた彼女達が口を閉ざしてダリアを眺めた。
余計に驚いた顔に口を引くレッドだった。

『肌を露出しろと(笑)』
『 ・・・そうなるが・・・アップなら顔はそんなに映らないはずだ(笑)。
写るとしたら全体でバランスを見る為にだ・・・着けた感じを見せる映に顔はない』

『それが専属?』
『もちろん全体の広報だが・・・』
『店内オンリーなら(笑)』
レッドの呟きにサラが驚く

『私もなの?』
『だって三人って言ったよ?』
『えー着けるのは他よりいいけど人に見せるってー』
『(笑)モデルだけじゃなくて仕事も教わるなら?』
『 ・・・』

『ん?君らも似た仕事を?』
『そうじゃなく仕事の流れの勉強をしてるので、それに役だてたいだけで(笑)。
モデルだけの仕事なら拒否しときますね』
そう言いながらダリアを立たせ帰ろうとする彼女達に驚いた。

『おっOK(笑)契約してくれ』
即座に言い切った社長に皆が驚いた ・・・ムッとしたダリアがレッドの肩を叩く・・・それは素早くダリアの腕に返した。

『現場体験がてっとり早いじゃん・・・選択も拡がるんじゃないの?』
言い合いになりそうで、サラは慌て二人の口を塞ぎ顔を覗きこんだ。

『それは喧嘩に見える・・・』
『 ・・・』
答えない二人にサラが笑み彼らへ代わりに言った。

『すみませんが少し時間を下さい(笑)、私達も色々計画中で新たな交ざりは今は困るんです』
だから頼むという彼女を見返す・・・廣崎は社長を眺め・・・諦めてサラへ名刺を渡した。

『早めが有り難いので・・・(笑)大丈夫そうですか?』
『(笑)決めたら早いので、最短 明日の夕方には返せます』
『良い返事を(笑)』
『(笑)決めるのは二人です・・・祈れば叶いますよ、きっと』

『(笑)君もモデルになれますね・・・』
『 ・・・』
『今更ですが、貴女も加わると・・・(笑)気づきましたか?』
そうだったと頷くサラに笑み返した廣崎だった。

『商品を広げるべく(笑)協力を頼みます』
『 ・・・ムリ』
『 ・・・』
ほんの少しだけ考えて拒否したサラに驚き、マジかとダリアとレッドを見返した。
口を引き静かに笑むダリアは、サラを促しレッドに帰ろうと呟く。

最後に出ようとしたダリアの腕を掴み引き寄せたが、素早く手を離して彼をみて笑み返し・・・そっと話すと店内からも出て行った。


『どっかで会ったよな・・・』
『どの方です?』
『 ・・・』
聞かれても答えない彼・・・何処かでと記憶を辿る社長に声は届かなかった。


fight 21

2017-08-31 12:20:59 | fight
ソファーにうもれ父をジッと眺めていた。
『どこが緊急よ……』
『緊急じゃなきゃ会いに来ないだろ……夜さえ…』
ムスッとしながら携帯を触る…

『あのね……三年の大事なじきに荒立てないでよ…』
『アリス……会長が動きそうでもあるんだ…』
『せめて春まで押さえてよ…』

『アリス……(笑)見合いが待ってるらしい…パーティーを組み始めた』
『確かに年末は近いから分かるけど……私から言う。
それなら大丈夫よね……』
『待つ条件は分かるだろ…』
『理事長と相談してくる……』
『決めたら教えなさい…』

『お父さん…会社は…次は大丈夫よね……』
『大丈夫(笑)考えてみるが…』
『似てきたわよ?……じゃ、お休みなさい』
スッと立ち上がると、部屋へ戻って行った。




理事長室で話をする……
『本当にいいのか?』
『仕方なく……本当なら一生隠したいです。
学生は大丈夫か……不安なんです…集中出来なくなったら大変だから…』

『年内か?…』
『恐らく……』
『彼には…』
『(笑)来る前に…まずは私の方から。確実に釘はさしてみました(笑)』
『最後は?(笑)』
『彼に任せました。私からは…』

『君たちなら大丈夫だ(笑)』
『出来る限り……あとは生徒達のフォローを先生方へ…』
『既に頼んである(笑)騒ぎの渦に入る事…生徒を守れとな…』
『すみません……』
『いーや(笑)今日までよくもったな…』

『私は……恵まれました(笑)、これ以上…負担はかけれません』
『気にしてないだろ…』
『だから余計に私が辛いです…申し訳なくて。もっと大変になるので、(笑)今日は謝りに…』
『集まるか……』
『はい(笑)貸し切りみたいです』

『君の学年が一番良かった(笑)、それ以上は出てない…』
『(笑)上手くいけば1Fが大丈夫なはずです……』
『兄弟は君たちの学年だったな…不思議と集まっていた』

『(笑)今の三年だけを十分に、空いた時間は全て使います。
希望者があるなら、教室を貸して下さい(笑)』
『休み返上?』
驚く顔を笑み見つめるアリス…その笑みに苦笑いをした。

『先生方へは大丈夫です、警備員を雇いますから…』
『募集してみよう(笑)』

学園長がきて説明され、アリスは出ていく。
それぞれのクラスに入ると、いつも通りに授業を始める彼女だった。



ドアをあけたナナが抱きついた。
『ど、どした?』
『なんか複雑だから……』
『なんで静か?……誰も来てないの?』
『居るんだけど……』
ナナを引き連れて音響設備がある場所へ行くと、音楽を流す……ほどよい音量に笑う彼女だった……


普段通りの二人を眺める皆に、アリスが酒を注ぎつつ会話し礼を言いながら回った。

皆の意志が固まる…そんな気がした。
『繋がりが公私するから、不安は限り無く深い(笑)
だけど、大丈夫と信じるわ…』
『助け合いを知ってる(笑)』

『もちろん(笑)爺さんを脅してでも防ぐ術も出来た。
だから互いの利用……始めるから乗りきって(笑)』
『アリス(笑)対策は既に練ってある』
『そんなに早く…』
『……アリス(笑)そろそろ一年になるぞ、期間は十分だろ?』

笑みを浮かべた彼女…携帯を耳にした。
『今月のスケジュールをメールして下さい(笑)…』
そう言って電話をきる……

中を確認すると皆を眺めた。
『いいぞ(笑)流せ……アリスは動かされて行け』
言われて戸惑うアリスに、ソウが笑み…彼が皆へ送信した……

あまりの忙しいスケジュールに呆れアリスを眺めた。
ソウの腕の中で小さくなったアリスに笑み…皆は時間を作るのだった。



ナナがプリントし呆れ眺めていた。
『パーティーの数が半端ない……(笑)顔見せにしても、やりすぎよ…学校…行くつもりでしょ?』
『(笑)三年優先……希望者だけにしたけど…集まったと聞いてる。
だから始めるわ…パーティーに出る条件(笑)
マスコミから全てに生徒を守ると(笑)それは春まで…』

『じゃ……隙間にパーティーから、これは会議?……』
『(笑)爺さんの策略には乗らない、出るけど釘はさすし根回しも始める(笑)』
『倒れないでよ?(笑)』
『しない…(笑)でね…』
『分かってる(笑)エミリと相談したわ。アリス(笑)暫く、私を雇って』

『……頼むつもりはあった…組み立ては一人じゃキツいし、信用出来る人が居なかった…』
『(笑)知ってる…だから』
『頼む(笑)利用していいから』
『了解(笑)、ついでに私のも一緒に準備していい?』
『いい(笑)経費は爺が払う』

『どこまで…』
『コピー持ってきた(笑)』
ズラリと並ぶ中身に呆れたナナが、アリスを見つめた。

『身内といえど(笑)、近いから破棄されるしね…線は引いた。
爺の弁護士を挟んだし(笑)私にも出来たわ』
『あれ……シイ……あー弁護士だった(笑)』

『後ろが、私を固める職種と呼ぶ親友軍団……』
見ながら声にして笑うナナ……
『賄うって凄い……』
『会社に出来るよね(笑)』
『ねぇ……』

『アリスぅ~(笑)爺さんがフライングだよぉ…』
驚いて携帯のニュースを眺める……
『なんで写真が直ぐに消えて行くの?』
誰かの叫びに笑うナナ……

『さすがよねぇ(笑)』
『(笑)蹴って正解だったぁ?』
『当たり前じゃん(笑)』
言い合う皆と笑うアリス……
『ナナ……いつから?出来れば明後日から……』
『明日からにする。あのSPさんには連絡は取ったし相談もしたわ』
歩いてきた彼女のSPを眺めながら彼女に言った…

『話した?了解すみ?頑固よ?』
『誰がです?』
後ろからの声に微笑んだ。もう一人、彼女のSPが笑みながら呟いた。

『自宅でお待ちです。ナナさんは明日から迎えに参ります(笑)』
『お願いします(笑)よろしく』
『こちらこそ……』
二人の会話に緊張するアリス…

『頼んだ(笑)』
『了解です……では…』
皆に笑み、アリスが帰っていった。




秘書に徹しナナから必ずアリスへ行くと、情報は早く流れていく。
心配するアリス……
『も一人探す?』
『やりとりが面倒(笑)それに、ユウがソフトを作ってくれたから多少楽になったの。
肌身離さず(笑)セキュリティも大丈夫だしね』

『ナナが疲れたら空けて(笑)私も休みが出来る…』
『そう言ってしないじゃない(笑)』
『だから学園だけにして(笑)』
『じゃ来週からにする。会長がパーティーに交ざれと言ったわ。
いよいよ顔だし……大丈夫?』

『取材とか全て…』
『拒否した、一件でも一面に載った場合(笑)一切の手を引く事も言ってある』
『サンキュ(笑)』
『ただね……移動から全てにロックされたら無理よ…』

『(笑)系列は叔父さん達、載せたら彼らが危うくなるはず…
(笑)ナナ…ごめん、専属に別のSPをつけたわ。
全てに一緒なら一人、少しでも離れる場合は二人(笑)
これからは後ろに一緒に乗って、居てもいなくても(笑)』

『だけど……』
『全ては私とユウの安心の為(笑)』
『分かった(笑)』
『(笑)サンキュ、後ろの彼よ。番号を…』
と携帯を出して交換した姿に笑み返し見つめた。

『必ず確実に…』
『彼から聞いてます(笑)。打合せもすみましたので、居ない者として動いて下さい』
『ありがとうございます(笑)』


車に乗せられ学園へ向かう…

謝る先生に笑みをこぼす…申し訳なさでいっぱいだった…
『送迎あるから(笑)楽です』
『なんでか分かりませんが、話題の学園だった…』
『ありがとう(笑)じゃ集中だ……始めよう…』
音楽を流す彼女に驚く子達…

「時にうるさい中で…時に不安なほど…静かな中で……場所によって集中力が必要になる(笑)
だけど耳は傾けとかなきゃ…何かを聞き逃す…それは不味いわ。

だから一種の訓練…(笑)、来月からは全て受験用の対策に切り換える(笑)抜かりなく始めて。
目標の大学問題は確実に(笑)、それに近い問題集は予備に留めて基礎を重点的に…」
頷く生徒らに笑み、ペンでチェックに入るのだった。



数日たった ある日……その噂は流れていく。
緊張した顔の生徒らに、笑みながら見つめていたが…小さなノックと共に理事長が入ってきた。

「少し時間を貰おう(笑)」
「理事長先生……」
呟く彼女に笑み返すと、優しい眼差しは生徒達へ向けた。

「(笑)君たちは何が不安だ?
噂の半分は真実で(笑)半分は嘘だ。記事は都合よくドラマのように作りあげていく。
勉強に身が入らないなら…今日は息抜きに(笑)アリスへの質問時間にしよう…」

「えっ……今日まで頑張ったのに(笑)自分で?」
「君らは口は固いか? あの人混みに彼女を落としたいか?」
教室にあるテレビをつけ…理事長が苦笑いをして…生徒を見返した。

学園の様子が映し出された。
マイクを片手にカメラに向かい、何かを話す人達……一際大きなカメラを校舎へ向ける人達…そんな姿があった…

「携帯をみたらどうだ?……今は写真や、名は出ても消えている。
彼女の仲間が防いでるからだ(笑)…テレビや紙面は無理だがな…」

「あの……施設……」
一人の生徒が聞く……
「(笑)真実…」
「ガラの…」
「真実…でも後継者にはならない(笑)」

「警察……」
「半分は真実(笑)、世話になっていた市場で暴れる人達を、ちょっと…ブッ飛ばした(笑)。
事情を説明する為に市場の責任者と一緒に行っただけ…」

「お母さん…」
「二人いるわ。
産んでくれた人(笑) それから今、私を守ってくれてる人」
「死んだって…」
「(笑)事故でね……詳しくは知らないわ。散骨した日に父と出逢えたわ(笑)だから今がある…」

「なんで内緒に?」
「貴方の歳で(笑)今の状態が始まる…そう知ったから…ましてガラの後継者の一人が急に増えた…
貴方は我慢出来る?」
「無理…」

「そう(笑)無理、私も嫌だった。
それより勉強がしたかった(笑)、出来始めると楽しいでしょ?知らない事も理解出来る……それを守りたかった(笑)」

「先生…年齢詐称って…」
「あれはね……」
と理事長をみた
「それは私から(笑) 詐称はしていない。誰も聞かなかったから言わなかっただけだ(笑)
彼女は飛び級しただけだ…中学から高校にな(笑)
同級生達は転校生としか思わなかった(笑)2歳も違うと疑わず迎えたし…やはり(笑)他の生徒達にも聞かれなかった…」

「知ったのは大学よ(笑)」
「なんで……」
「同級生達は四年(笑)彼女は二年からだったからだ。
この際(笑)真実を話そう…彼女も知らないだろうしな…」
「えっ……何か騙されてます?」
驚いた彼女は理事長をみた…

「すまないな………
(笑)彼女は留学先から大学へ編入試験を受けて入った。
向こうの大学側は一応と卒業試験を受けさせてから彼女を出した。
君は(笑)こっちの編入試験をクリアしたと聞いて入ったが…大学側は卒業証書を出そうとした(笑)」

「理事長先生?」
「(笑)出来すぎて、通わずに出せると言われた…」
「難関で有名ですよね……」
「(笑)君が目指すな、頑張れ。
彼女は人の繋がりを求めた、だから頼んで二年からにして貰った」

「あれ…理事長先生(笑)向こうの大学は?」
「(笑)二年も通わず卒業生になってる……」
驚きすぎて固まる……

「アーちゃん先生…どんだけ好きなんですか…」
「……ごめん…(笑)楽しかったから…気にしてなかった…」
彼女の呟きにまた…驚く生徒達だった。

ぷりんせす 22 -end-

2017-08-31 09:07:00 | ぷりんせす
優しい病室・・・穏やかに眠る子に笑みを浮かべたトモキもいた。
産まれた子の為にとルナはトモキと話し合って籍を繋いだと知った。

羨ましさはない・・・ホッとした気持ちが大きかったとルナへ声にしたレイだった。


観察するように見ていたハルトに笑むレイに苦笑いをした。
『そんなに気にしてないぞ?(笑)俺らに産まれたら可愛いと思うし、居ない今は(笑)楽しめるし?』
照れて笑うハルトにホッとして笑み返したレイだった。


塞げない場所を埋めるべく忙しなくするレイを心配する・・・
トリンガで鍛えていたが、いつの間にかダリアの補佐をしていた事を知り、今はソコかとホッとした。

より危険な場所じゃない事が嬉しかったのだ。
仕事の中味が、ダリアと似ていて驚いたがそれを楽しむレイもいた。


『(笑)久しぶりだ』
『お待たせ(笑)』
唇は重なり会話が止まる・・・その唇が微笑んだ。
『一種のコミュニケーションだな、(笑)これって』
『(笑)ヒットしたら親になるけどね』

『 ・・・(笑)なれないと言われてるのか?』
『どーかな(笑)欲しくなった?』
『(笑)構うな。出来たら大事にしろよ。いつかの楽しみでいい』
『 ・・・』
『ん?』
話さなくなったレイを見返す・・・それでも止まらずに沈むハルトに苦笑いをした。

『出来た?』
『ん?』
『何か違うぞ?』
何だというハルトの言動に全身が震える気がして自分の違和感に気づき苦笑いをした。

『俺さ(笑)トモキから聞いて調べた(笑)それが何かは言わないぞ!』
『(笑)何をよ・・・』
『妊娠中のSex(笑)』
『(笑)自分で言ったじゃない』
可笑しくて笑うレイに照れた。

『初期と臨月って期間が無理はってさ(笑)どっちだよって悩んだぞ・・・』
可笑しくて体も揺れる事で、時に耐えながら互いを見つめた。

『方法とか(笑)仕方とか・・・なんでネットに載せられる?(笑)恥ずかしさはないのかとか・・・』
『しっかり調べてるじゃん(笑)』
慌て耐えたハルトがベッドへ両手をつけて静かに待った。

『 ・・・ハル(笑)ごめん、先にイカせて・・・ヤッヤバイかっ・・・ら・・・』
優しい揺れは耐えれずに、その違和感が気になるのだと知った。

静かに頷くハルトも もたないと優しく深みへ向かう・・・
震え弾かれたレイが照れて微笑んだ笑みに微かな唸りの果てが待っていたのだった。


『あーヤバかった(笑)。
レイ、病院に行こう・・・絶対に違うぞ(笑)』
『確かに遅れてもいたけど・・・』
『してる最中に流れたら洒落にならないだろ(笑)、レイがヤバい。
安心したいから頼む・・・』

言い切ったハルトだった・・・違ってもいいと、本当は病気だったらと不安げな顔は続いた。
了解と頷くとホッとしたようで、優しく抱き締めたハルトだった。

『俺らの違和感は(笑)必ず何かの前兆だろ・・・病気じゃなきゃいいと分かれば何よりだ(笑)』
笑みを浮かべたレイが彼の頬へ触れ大丈夫と見つめた。



二人揃ってホッとする・・・病気ではなく妊娠だったが・・・
医師が驚き眺める姿に苦笑いをする二人だった・・・気づいた理由は声に出さず我慢した。

言えるわけもない・・・そんな気持ちが過った二人もいた。
『このまま』『このままで』
不意に声にした二人の言葉が重なった・・・想いは一緒なのだと思え笑むのだった。


『違和感は声にしとけ(笑)』
『 (笑)・・・我慢しないわけ?』
『ない(笑)楽しいから・・・な!』
お腹へキスを落として呟く声は、まだ見ない中の住人へだった。


『公にしてない(笑)それで支障はないのか?』
『(笑)皆の囲みが嫌だし・・・』
『あー確かに(笑)それでもレイに負担が向くんだぞ?』
『頑張る(笑)』
『疲れはクレームするから教えろよ(笑)。レイが大事の俺の為だからな』
分かったと頷くレイにキスを落として微笑んだ。


目立ち始めて、ようやく囁かれ お叱りも丁寧に受けとるが事情も知る人達でもあった。




温かな室内に可愛い声が響く・・・誰が誰の子かは最初に来た子の服で判断するしかなかった事にババ達が笑った。
ひ孫の笑みに眺めるだけで嬉しくて、やはり弱いのだと男の子を優しく抱いた。

玩具の取り合いが過激に始まり驚いた・・・取られたままの子は構わずに回りを眺めていた。
それが欲しくて愚図る子・・・つられて泣く子・・・呆れるが放っておく親・・・

アキがリルとレイの子を眺めた・・・動じない子達だった事が可笑しかった。
リルの子は女の子・・・転がった玩具を取ると泣いていた子へ渡した。
レイの子をみやる・・・激しく泣いていた子へ撫でて顔を覗いていた。

邪魔だと隣で騒ぐ子を眺め、見られた子は驚き見返したが 構わずに動き出してレイの足元へ向かった。

目が合い気づいた子が笑み、嬉しそうに急ぎ抱けと両手を伸ばした。
スッと抱いて見つめ合いキスをすると、レイの頬を撫でた。

首へ手を回して抱き付く姿に微笑んだアキだった。
未だ泣く子を眺めていたが、レイから降りて隣へ座り笑みながら遊んでいた。

ダリアとレイの子・・・そしてサオリの子だけが男の子だった・・・男の子も産めるんだと笑う従姉妹に笑う彼女達もいた。

食に関しても賑やかで凄まじかった。
『これだけ集まればね(笑)』
孫達の様子に笑む人達・・・それが嬉しいと懐かしむ人達だった。
食べないと言い張る子へ、笑って代わりに食べるレイ・・・駄目だと食べる子だったが半分は食べた。

食べ終えても足りないが、諦めも早い子にレイの子だと笑う・・・
抱き着いた姿に呟く・・・

『ソコは声にしたら?』
そう言ったレイ・・・自分の子へ言っていたのだと知った。
『それは(笑)反省してますの抱き着きなの?』
『の(笑)』

顔まで埋めて抱き着いていた子へ視線が集まった・・・気づいたろう振り向きに 皆を眺めたが、笑みながら静かに元の場所に身を沈めた子に驚いた。
『次で確認するね(笑)』
『(笑)ん』
小さな呟きに苦笑いをした。



静かになった部屋を眺める撫子に笑み櫻子が微笑んだ。
『籍に入ってないって?』
『ん・・・関係ないって聞いたわ・・・いいけどね(笑)』

『彼らの親にサンキュだわね(笑)ひ孫を見せてくれたし、変わらず守ってくれてるし・・・優しい息子が出来た気もするわ』
そうだと思えた二人だった。

『母さん(笑)ソコは孫という言葉に変更してね』
『そうね(笑)、違ってて嬉しいわね(笑)』
『優しく守ってくれる青年と会えて良かったわ』

『(笑)未だに関係も持たないわ』
『運んでるのに?』
『に(笑)。間に合ってると断られたわ』
『こっちが繋がりたいと言ってるみたいよ?』
楽し気に呟く母に笑み返したアキだった。



優しく包むように昼寝をしていたハルトに微笑んだ。
休みだからと子を見ていたハルト。

夕食の下準備を始めたレイは・・・手際よく始め面倒で、そのまま作り上げて終わらせた。

食べると言えば食べられる状態にしたのだ・・・


『いい匂いだ(笑)』
休憩と珈琲を入れ始めたレイに抱き付いて覗き呟くハルト。

腰から両脇に滑り込む彼の手に笑う・・・触れたままに笑み、優しく囁くハルトだった。
声音の響きに笑み返すレイもいた。

起き出して遊ぶ子を二人で眺める優しい時間が流れた。


-end-


2017・6

あー長かった。
これもまた、休憩を繰り返して終わらせてなかった話でした。
始めたのは去年の夏前で・・・驚いた!
up終了と気づけば8月のラスト日に、物凄く驚いたtamiで ございました。

お付き合い下さり感謝します。
-tami-


ぷりんせす 21

2017-08-31 01:12:45 | ぷりんせす
華やかな人達が数多く、家系は何処だと端で呟く人達・・・それでも温かな式に招かれた人達に笑みが溢れていた。

大きな式場だった・・・数組が同時にあげられる場所でもあるので、招待状の色は違っている。
最上階にあるチャペルから、お披露目の場へ向かう組もいた。

他の招待客の笑みが溢れるほどに次々と入り込む人達・・・モデル達の式があるのかとスタッフへ声をかける人もいたほどだった。

スマートな出で立ちで、シンプルではあるが上品さは目に見えて分かる佇まいにホゥっという声はあちこちで漏れた。



姉達の手に繋がれた相手へ集中する視線は彼らへ容赦なく張り付く。
嫌そうな顔・・・照れた顔・・・苦笑いの顔・・・それぞれの顔で式場へ向かう。

床一面に張り巡らされていた芝の上は艶やかな人達が会話を楽しんでいた。
穏やかな季節に晴れていて綺麗な空が広がっていた。


今度は誰の相手だと集まる視線の中を苦笑いをして彼女のそばへ来る。
抱き着いて ため息をするハルトとトモキは仲良く項垂れた。

笑うレイが背を撫でて微笑んだ。
真っ白なウェディングドレスの裾を揺らしてダリアやって来た。

笑って同じように撫でたダリアに苦笑いをするが、同じように笑み・・・素早くダリアの手を離して腕を自分へ組ませたワカナに苦笑いをした。

絡まる二人の手に笑み、その隣の二人の間へ視線を向ける・・・同じように絡ませた指にホッとしたダリアだった。

『こんな日に何だけど(笑)、サラ達の父親を名乗る人から連絡が来てるの(笑)どうしたい?』
『間違いだと拒否しといて(笑)同姓同名だと』
『それでいい?』

『病院でしょ?』
『(笑)気づいてた?』
『当然(笑)、担当医が連れてきて説明までしてたから違和感は残ってた。
母さんは色んな時間帯で隠れるように来てたしね(笑)』
『バレバレね(笑)』

『(笑)知らないし会いたいと思えないし・・・』
『本当に?』
『いい(笑)。目の前の人達が親・・・それで十分だよ』
『レイ(笑)若い俺が?』
『(笑)俺でいい。思うだけで手足は不要!』
即座に言い切ったレイに苦笑いをしてハルトを眺めた。

『嫌だ!(笑)絶対に不要だからな!』
念には念を押すハルトに、仕方ないと頷くワカナもいた。

戸惑うリルに苦笑いだ・・・
『行きたいなら会いに行って(笑)、ちゃんと変装させてあげるし』
『やっぱり?』
ルナが呟き、リルの顔を覗き込んだ。

『行きたいんでしょ?』
『レイは何で行かないの?』
『必要あった?』
『だよね(笑)。私は夢だった・・・子供の頃から・・・』
それが何かは知るレイとルナだった。

父親が居ない疑問はリルだけだった、式場でバイトを探した事もあった・・・それは小さい頃からで花嫁という特殊さに焦がれていたからだ。

『(笑)遠慮はいい、だけど母さんに一言だけ伝えなね』
『レイ・・・式・・・だけど・・・』
『私だけの意見でいうなら、関係ない! 私は構わない(笑)。
モデルの中で着てるし?』
おどけて笑うレイに驚き見つめたリルだったが視線をハルトに向けた。

『俺か?
(笑)俺も構わない・・・レイと最後までいるが、その間の過程に必要かと考える気もなかったぞ?
(笑)今も一緒にいるし、一緒に過ごせてるしな・・・
リルの夢なら・・・叶えたいなら(笑)ジーと会って来てみたらどうだ?』
『 ・・・』

『(笑)じっくり考えな・・・』
『言わなくてもいいかな・・・どんな人か見たいだけだし・・・(笑)それでいい』
『貴女が話した医師・・・あれが(笑)弟らしいよ?』
『 ・・・』

『(笑)血の繋がりでいうならだけどね・・・。それと説明されてた人が本人・・・リルに謝って椅子を退けた人』
その人だと笑み返したレイ。
『(笑)そっか・・・ならいいや』
いいんだと、皆の小さな囁きに、照れて微笑んだリルだった。

『(笑)ソコが双子の合う所だったね』
『ルナなら?』
どうするのかと思え、振り向いて彼女へ声にした。
『ん?怪我したのが私で、そう会ってたら・・・か・・・・ ふぅ~ん?』

『三つ子だったね(笑)』
『どこが?』
『ほらー(笑)、レッドだけが違うって言う・・・』
まただと、ムッとしてダリアに呟くルナだった。


比較的に皆よりも背があり、目立つ彼女達・・・その輪から彼らの姿が見える・・・
まるで異空間のような雰囲気・・・絵になる人達の輪に笑みが溢れると、回りの子達までが柔らかな笑みに変わった。

優しい中で守られた子達・・・自分達の兄のようで嬉しさも増えた子達でもあった。
優しい目は、強い姉を守る人なのだと思え 寄り添う笑みに気持ちが明るくなった気もしていた。

ハルト達のため息が、その時々で沸くようにおこる事が可笑しかった。
『モデル向きってあるな(笑)』
だよなと頷くトモキ・・・自分達にくる視線は取れていなかったのだ。



姉達の輪を眺める・・・
張り付いた状態で観察するハルトが静かに声にした。
『帰っていいかな(笑)』
『(笑)どーぞ』
『ん?レイは?』

『(笑)レイと私は捕まる前に旅行に出まーす!』
『 ・・・』
『リル(笑)ヒューズはチェンジしないから頑張れ』
『ん?』

『なんかエレン達がまた契約したみたいよ?』
『1年らしいから(笑)頑張れ』
『それ、私もなの?』
『ん?知らされてない?』
ないと頷くリルに呆れたが、笑みはジーだけだった。

『あ・・・犯人』『犯人だ!』
ジーの笑みで気づき呟いたルナとレイだった。


身を返し抱き寄せたハルトに驚いたレイ・・・
『俺さ・・・』
『(笑)出張とコラボ頑張れ!』
『何で知った?』
ルナを指差して笑うレイに、トモキへも視線向けた。

『(笑)だから呼んだぞ?感謝しとけよ?』
『えっ・・・ルナ・・・』
『パスなし!』『駄目だ!』
ルナとハルトの重なる声に、口を引くだけのレイだった。

想像は容易く、トモキに会いたい旅行先はハルトが出向く先であり それはトモキも居ての計画と気づいたのだ。
笑みを浮かべ丁寧に会釈する人達に諦めたレイだった。



ホテルに着くと部屋へ真っ先に入り込み・・・観光しまくった体を癒すように眠りへ自分を落とした。

抱き込まれたレイが可笑しくて笑った。
『トモキの秘書になればいいのにね(笑)』
『巻き込まれてくれてサンキュ(笑)』
お礼のキスに微笑んだレイだった。

『あの指輪は?』
足から触れていたハルトが呟く・・・レイとルナは足の中指に付けていたが、今は無かった事で彼が聞いたのだ。

『(笑)何で自由時間に私はココよって教えなきゃならないのよ・・・』
『(笑)本当に発信器付きだったのか?』
驚きながらも声にしたハルトに笑み頷くレイだった。

という事はと彼女に触れながら考えるハルトに苦笑いをした。

不意に顔をあげて彼女を見つめ、笑いながら呟く・・・
『ルナは外してる?(笑)以外と・・・』
声にしないレイの笑み・・・
『俺だけ幸せだ!』
フッと吹き出して笑うレイに笑み巡らせた彼が続ける。


『ハル・・・っ!』
焦らされていく身が我慢出来ずに名を呼んだ。
照れた笑みへ唇が塞ぐ・・・重ねた互いが微笑んだのだった。

浸り続け味わうように笑む・・・優しく深みへ連れ出すハルトもいた。
沈ませ浸りながらも、ともに溺れ深みへ落とす。

それでもいいと口付けていく彼が抱き込んで見つめた。
笑みは互いをより昂らせ 落ちていったのだった。

繋がれた指先に笑み彼へ凭れたままに、そっと眠りについたレイだった。
その手が動き思い出した・・・ジッと潜める彼に笑み静かに動きを加えたレイに驚き唸るハルトだ。

彼女の名を掠れた声で囁く・・・より張り付く触れに耐える・・・抱き込んでいた手が胸へ触れていた・・・

離した指先が忍ばせる・・・微かな唸りまで一緒に重なる事に苦笑いしかない。
二人の唇が笑みを浮かべ始めると、先へ落とす二人の時間が始まるのだった。




『何しに来たやら・・・』
目覚めた二人は食べながら会話を楽しんでいた。
ようやく仕事から解放され、ハルトは遠慮なしに囲う・・・やっと一人の時間だと外出すると捕まり連れ戻されて行く。

嫌でもないレイもいた・・・久しぶりの二人だけの時間は、話ながら・・・事を及びながらも楽しんだ。

落とし落とされ果てても昂らせ、互いを染み込ませていくように求めた。
余韻さえ構わずに互いへ向ける・・・今の自分達を楽しんでいた。



繋がない場所・・・籍はそれぞれで、子供が出来ても関係ないのだと・・・その二人が思う居場所で笑みあっていた。

同じように籍を繋げていないハルト達・・・自分もだと声にはしないワカナもいた。

それでも自分の弟なだけに気になり、そっと彼女に知れず聞くが構わないと呟くハルトに苦笑いをした。

『一緒に行くだけだ(笑)、いつか来るかもしれないし来ないかもしれない・・・姉貴達に感謝してる(笑)
もちろん兄貴にもな・・・何かあれば兄貴は兄貴で何とかするだろ?
それは俺もだから(笑)心配すんな!』

そう言って帰って行ったハルトに笑みを浮かべたワカナだった。
弟の頼もしさに嬉しくもなった。

子供を抱く優しい目は自分をも包んでくれる幸せに浸る。
そっと子を離して寝かせダリアを抱く。
子供へとは違う優しい眼差しに愛しく笑みながら口付けた・・・

『同じ親から産まれてないが(笑)レイはダリアと同じ強さがあるんだな・・・ハルトごと守ってて(笑)』
『あの子は自立という言葉を知らずに育った(笑)。
自分を知るレイだった・・・それを見抜いて愛してるハルトも凄いね(笑)』

『自慢しあうって(笑)』
『(笑)親じゃないのにね』
呟きながら互いを包む温かさに、笑みあう二人だった。



怠さが取れないと眠りを拒否したハルト・・・疲れを取れとマッサージのように手を巡らせた。
血の巡りは簡単に知れる・・・指先の温かさに気づいたレイだった。

そっとタオルをかけて、優しい触れへ返し撫でていた。
穏やかな寝息にホッとして、寄り添うように彼女もまた眠りについた。

目覚めたハルトが苦笑いをする・・・朝食の香りが寝室に漂ったからだ・・・
窓から出ていく流れのせいだと気づき起き出した。

体が軽いとホッとして、キッチンにいた彼女を抱き込んだ。
準備されていくモノに笑み眺めていたが・・・
『仕事は?』
『 ・・・(笑)休んでみたい』
『(笑)社長の迎えを頼むよ?』

全部に触れてくるハルトの手に呆れ呟いたが止まるはずもなく、その場で求め始めるハルトだった。
『(笑)着てないだろ?』
忍ばせて呟くハルトの熱さを受けながら耐えたレイもいた。

腕を回させ身が解放された状態を、耐えるレイ・・・それでも撫で下ろしながら彼へ向かわせた。
重なる息さえ昂りへ協力する事に苦笑いだ・・・


シャワーの下で煽りをくらう・・・
『(笑)熱は冷めた?』
『風邪ひくだろ(笑)』
『大丈夫・・・なようにして(笑)』
『だから煽るな(笑)レイの笑みが俺を止めてないんだ・・・』
『んー・・・(笑)』
その笑みが流れた。


【想像に・・・by tami】

ぷりんせす 20

2017-08-29 08:02:51 | ぷりんせす
少し前から・・・彼女達に指輪がはめられていった。
その意味を知るのは数人しかいない・・・彼らが聞くと手錠と言った。

その意味に苦笑いをする・・・そして警備の数で理解した。
少しずつ表へ向かうババ達・・・隠し囲う事を止めたのだ。
その隠された名は表へ出され始めたのだった。

『咲華のルールが代わる事はないわ、単に知らしめただけ。
それぞれに担い先を育てなさい・・・』
ババ達が子供達に・・・そして孫達に呟く。

働く対価・・・何もしない子へ小遣いさえ渡されない。
自分で自分の先の為に向かう事に協力はするが本気がなければ音もなく後押しが消える。

頻度があがれば本家敷地内で出来る事をさせ みあった小遣いが手渡されるだけだった。

成人すれば生活費を要求される・・・それが普通と教え込まれて育つので、理解も早く世間へ飛び出る子達も多かった。

それでも結婚だと報告にくれば、弁護士までが待ち相手へ拒否権もなく契約書等をかかされる。
それで止める者もいた・・・その現実は他の子達へも見せつけて行く母。

その度に招集され、モニターで見せられて行く。
相手によって知る者がいて、声にした話で式までに調べあげられ 最悪、破談になる事もあった。

みる目がないとボヤく親・・・可笑しくて笑うババ達・・・呆れ黙る子達・・・
家は大丈夫かと、我が子を眺め観察する親達・・・

さまざまな想いで、それぞれに皆は帰っていくのだった。
見て学ぶ、体験して学ぶ・・・その先は自分で切り開く・・・それだけだとババ達の小言は孫達に向かう。



ある日の結婚式・・・門出を祝う・・・自分達を祝う人達に感謝する・・・それは彼女側が祝いだと開くからだ。
それに甘んじ流れても、それきりの付き合いで親戚という繋がりは持てなかった。

嫁を利用出来ないと知ると、蜘蛛の子を散らすという言葉の意味を彼女が笑って理解していく。
ホッとして二人の生活が始まる。

従姉妹ではなく友人扱いで二次会に招かれたと飲みに来る。
新郎の友人達が揺らめくが、靡く事もない。

トップクラスに至っては、モデルだと近づく事も畏れ多く ゆっくりとした身のこなしや会話に聞き耳を立てるだけで見惚れるように眺める人達だった。

一切の繋がりはないのだと思い知る新郎側・・・だから届けは一ヶ月後なのだと理解した。
咲華からの手厚いモノは、その一か月だけだと聞かされていた。

それも新婦だけに・・・新郎側に必要なモノさえ全く手も声も出されずだったのだ。
だから自分達にみあった部屋が用意はされる。
最初の一歩だけが咲華側がしてくれた・・・その後はないのだ。

ソコで離れていく者もいる・・・だから彼女達は選び探し自分の為に生きる。
先の自分を幸せにしたくて・・・

お金の価値を思い知る・・・怖さを学ぶ事も必要と言われた親の声を体験するのだった。


迎えに来られて初めて自分の状況を理解する事もある。
呆然と玄関前で項垂れる・・・コツコツと廊下に響く足音・・・開かれたドアの先にあるモノ・・・

足音が止まり声にした。
『男を養う力は出来た?』
後ろからの声にうつ向く彼女。
『目を閉じて声にしなかった貴女も、彼を責める資格はない・・・』
『これを信じたくなかった・・・』

小さく呟く彼女の頭を優しく撫でた。
一人がチャイムを鳴らす・・・中はドタバタとした音がして、少しして静かになった。
声はかけずに鳴らし続ける・・・渋々と出て来た男の驚きかたは半端なかった。

言い訳さえなく、カシャカシャとカメラの音が始まり、それは男を押し退けて中へと入り込んだ。
騒ぐ女の声・・・

『終わったよー(笑)』
『必要なのだけ纏めな』
その優しい声音に頷くと、靴を脱ぐ事もなく入り込ませ鞄を探して準備をさせた。

『夫婦の問題に』
『(笑)これが咲華よ。最初に記載されてたはず・・・
この状態に浸りたいなら(笑)、自分の妻を愛しとけば良かったわね。
こんな状態にさせるべきではなかったわ・・・』

残念と笑う二人に驚き、彼は彼女を見つめた。
力なく疲れを押して服を畳んでは鞄へ詰め込む姿・・・初めて会った輝きはなく・・・優しい笑みもない。
いつ彼女の笑みを見たかとさえ考えた自分がいた・・・

『今更よ・・・』
その後悔する顔の男に突き刺すように言った女性を眺めた。
室内さえ写真に納める・・・

『この人に飽きたらず、あちこちで囲う金があるなら(笑)妻という彼女と食事でも旅行にでも連れ出してやれば気持ちは違ったかもね・・・』
『ルナ?』
『(笑)気づきなさい。同時に三人もいて、あちこちで摘まんでたわよ?この人は三番目って所かな(笑)』

驚いた女が服を着込んで男の目の前に立った。
怒りで声は出せず、妻の立場の彼女をも睨んだ。

『不貞は貴女。彼女じゃないわ。結婚してると知って寝てるしね』
『裁判の準備は出来てるし(笑)、貴女も遠慮なくどーぞ』
『こっちじゃなく(笑)その男へ。私達は貴女へもあるし(笑)間違わないでね』
『 ・・・』

驚き過ぎて声に出せなかった。
指輪を外しテーブルへ置いた彼女は鞄を転がして部屋から出ようとした。
その手を掴む・・・

『(笑)取り返しは貴方へ倍で向かう事は忘れずに』
言われて手の力が抜けた男を、眺めていた彼女・・・想いは消えていたのだと知った。
フッと笑う・・・

『ありがとう・・・』
『こっ子供は?』
『 ・・・・』
返せる力さえなく、泣きながら出ていった事に驚いた顔で見つめていた。

『体調が優れないのに、働かせ疲れさえ取ってやらなかった貴方のせいで流れたわ』
『退院した日に、旦那が愛人と寝てたんだもの・・・やり直しもないわね』
『流産した体に耐えて・・・辛さを我慢して帰ってきたのにね・・・』

『 ・・・』
『貴方に連絡したわよ?入院する連絡・・・』
『る、留守に』
『その後の言葉よね(笑)それ。その電話の時に私は居たのよね・・・
彼女はちゃんと言ったわ・・・』
『 ・・・』

『彼女の恨み・・・』
『どんな大きさかしら・・・』
膝から崩れた男の隣を、コツコツと音を響かせ二人は出ていった。

支えられた彼女を見つめたが・・・悲し気な目に静かに頷くSPは優しく抱き上げて、その場から連れ出したのだった。


追いかけてきた男を引き止めて地へ転がした。
『その手で彼女に触るな!』
睨み付けて叫んだルナだった。
『それでも・・・それでも謝らないと』
『今日一日だけ携帯は繋がってるはず・・・』

それだけ言って彼女達は離れていった。



反省もなく・・・その後の言動は彼女に報告されていった。
傷ついた彼女にと、守る姉妹達にも聞かせるように母は声にした。

呆れ 口も閉じれない事だっただけに、絶ち切れたのだと悟った。




力なく項垂れるルナとレイの数日間は悲惨でレッドさえ仕事を回さなかった。
酔う事も中途半端で、二人が声にも出さないだけで苛立った。
リルが聞いてもサラが聞いても無駄と気づく・・・

その理由は分かる・・・二人に回された事は気づいていた。
咲華さえ二人を利用していた事に苛立ちダリア、サラ、レッドが母達へ訴えた。

強い母達へ容赦なく声にして黙らせた事にババ達が驚いた。
助け船は簡単に剥がし声にして三人はレイ達を利用するなと言い切った。

納得はしない親達・・・ババ達まで加勢するが無駄と諦めた三人は、切り換えた。
親達の声が止まる・・・ダリア達が囲うモノ達を自分達から切り離すというのだ。

『親子の縁は切れない・・・そこは諦めたけど他は一切の拒否はします』
『育てて貰った恩は、既に十分に仕事で代えれたはず』
『今は充分過ぎるほど使われてました・・・』
『咲華から、一切の手を切ります』
言い切ったダリアにシオリは驚き、櫻子が苦笑いをした。

『反撃されたら、遠慮なく・・・』
『その力はあったわね(笑)』
『シオリ(笑)傷はダメよ』
『撫子の孫の補佐は諦めましょうかね(笑)残されたモノは大事に育てましょ』
『いいの?』

『(笑)紅葉・・・時代は変わる・・・咲華の変化の時なのよ(笑)きっとね』
『そうね(笑)ダリア達なら大丈夫でしょ?。どうせ咲華の参加に居ないのよ?血の繋がりだけで担わせるのもね・・・』
『 ・・・』

『年に一度(笑)、咲華に顔は出す事・・・』
『12月の・・・』
『そうよ(笑)。盆でも正月でもない・・・・12月12日(笑)咲華の始まりの日。
私達が人生をやり直した日・・・』
『姉妹を(笑)、子供たちを守ると誓った日・・・』

『何より(笑)咲華が出来た日よ』
『その日は(笑)全部を捨てて忘れて楽しむ日だったのよね・・・』
『(笑)暫く飲んでなかったね』
『来月よ?(笑)さっそく開始?』
『そうね(笑)ヒナタ、皆へ回しなさい』

『そこはアキが担当でしょ?シオリ、調整(笑)頼んだ』
『(笑)了解』
切り換えの早い母達を観察する彼女達に苦笑いをした。

『紙(笑)書いた方がいいの?』
『本音は。ですが最初だけ様子見をさせて頂きます』
『だいたいの連絡は下さい。自分達が出来る範囲で考えます』
『もちろん私達の事も少しだけ報告はしますね(笑)』

『サラ(笑)、レイ達は?』
『何とかなる(笑)。お母さんの子だしね』
『本当に?』
『ガッカリ感が抜けてないだけ(笑)。それが現実と知ってはいるから大丈夫よ、もちろんリルも(笑)言い聞かせてるしね』

『ありがとね(笑)サラ・・・』
『(笑)ダリアが先を教えてくれたから・・・レッドが連れ出してくれて頑張れたし自信もつけれたの』
『好い人も(笑)』

『(笑)声にしないでくれて、ありがとう・・・
どの場も大丈夫(笑)、私達なりで先は考えて生きて行けるし・・・
大丈夫かと見つめなくていい(笑)、元気かなーって位で十分よ』
『(笑)良かった』

『そこへの揺らしも手出し無用で!』
言い切ったダリアは静かに会釈すると、同じように笑み礼をして帰っていった。


フッと笑う人達・・・
『また違った咲華が出来そうね(笑)』
『実戦が一番なの?』
『違う(笑)アキとシオリの子が特殊だった。育て方が子供とマッチしただけ(笑)』

『ヒナタの所は?』
『(笑)放置し過ぎて考え過ぎる癖が抜けないみたい。
本当に迷った時だけ相談しに来てるよ(笑)』

『会社を興してそのまま?』
『教えも上手いサラが(笑)サオリのやり方で進ませてくれたから発揮してると思う』
『イチカの補佐がタイミングよく出来てるしね(笑)』

『始まりは自分じゃなくても、見いだせて働ける笑みは助かるかな』
どの親もホッとして笑みあった。
誰かが始めた仕事は表へ出ずに誰かが支えていた。

遠慮なく助けを乞うと手は交じる・・・それに気付くと親も声にはしなかった。
ざわつき危険も伴う事は早く気づく・・・それはダリアからも知らせが入る。

落ち着く頃には自分達で動かせている事も多く、子供達なりの繋がりは静かな場所だけと知った。

ホッと出来た気もする咲華・・・時代の流れのように移り変わるが、密かな咲華という炎は消える事はなかった。

表へ出た事で、下手な動きは少なくなった・・・それは本家さえなくなりババ達がホッとした。
ふと思い出し、礼だと撫子が電話をした。

『助かったわ(笑)。本当の終わりへ』
『いいのか?』
『(笑)子供の時代に変わったの・・・流れに逆らうのは不可能よ』
『撫子・・・すまなかったな・・・』

『たくさん返してくれてありがとうございました(笑)。貴方も幸せに』
『 ・・・』
『孫の代へ入ったのでしょう・・・
繋がりを知るのも二人だけ(笑)』
『お前の兄弟は知るだろ(笑)』

『それだけよ(笑)。根回しも大丈夫・・・ちゃんと手を引いて老後は楽しく暮らしなさいね・・・』
『アキは?元気か?』
『大丈夫と信じて自分の場所で楽しみなさいね(笑)無用な気持ちだわ』
『 ・・・』

『さよなら・・・それと、子供達をありがとう(笑)』
自分から切った電話を眺め、微笑んだ撫子・・・驚いた顔のアキと目があって苦笑いをした。

『それ・・・』
『(笑)実戦主義の本家って所かしらね・・・
貴女も立派に育てられましたね(笑)、偉い偉い(笑)頑張りました』
『母さん・・・』

『多少の守りはありました。貴女へ罪滅ぼしと・・・(笑)』
『 ・・・』
『(笑)どういう訳か・・・女しか産ませない男と知り合う家系でしたね。
昔はそれが許されずでしたが(笑)、貴女達の頃には親がそうですからね・・・・仕方ないのですよ(笑)
別れても想いが残る事に、私が辛かったわよ?』

『(笑)声に出さずで』
『いいませんよ(笑)。調べてしまったけどね・・・
近くても繋がりはない(笑)』
『向こうから離れてますし(笑)、その辺は安心してます』

『そうね(笑)私もだわ。弱いと思ったサラが違った事が嬉しかった』
『はい(笑)』
『(笑)何より我が子と気づかない彼に感謝だわ』
『(笑)・・・・』
笑み返した母に苦笑いしかない・・・

『シオリがマメに病院に行ってて気づきましたよ(笑)
ひっそりと時間を変えて行く理由を知りたくてね』
『 ・・・』
『ここだけの話でしょ(笑)。相手を知るのもシオリだけ・・・他は医師としか聞いて無かったしね』
フフフと笑う母に口を引く。

『感謝だけでも』
『サラ達に頼みました(笑)、大丈夫とホッとしたので。
主治医にするなとは言ってあるので大丈夫ですよ』
『データを?』
『全部引き取り謝礼を(笑)』
『抜かりないわね(笑)』
照れて笑うアキに微笑んだ撫子もいたのだった。