どこからともなく人の声が響く・・・
目の前にいた人を眺めれば口は動いていなかった。
回りの人達の話し声とは違う言葉・・・それはまるで悪魔の囁きのようで怖かった。
繋いだ手を握り締める・・・反対の手で頭を優しく撫でる手でホッとした。
いつからか誰かを探すような仕草をする妹だと眺めた。
怯えたように焦り自分のもとへ駆け込んでも来る。
迷子にならないように手を繋げば、時に怖れた目をして繋いでいた手を握り締めた。
声にはしない・・・それは両親から何度も確認のように念押しされ理由を聞かされていたからだ。
騙されないように・・・兄や皆と離されないように・・・一人連れ出されないように・・・それは妹へ分かるように言った父に驚いた・・・まだ小さな子供まで騙してくるのかと。
それは誰かも分からないが、気を付けなければならないと教え込まれた。
だから余計に妹までが声にしない・・・怖いと・・・その理由を言わないのだ。
だから握り締める手に大丈夫と教える・・・何かが妹の中で起きている事は気にするなと、どんな場所でも手を引いた。
-嘘つきだ・・・-
いつだったか、妹が無意識に呟いた事に驚いた・・・
招かれたパーティ・・・笑みながら話していた両親から少しだけ離れ、話し終わるのを待っていた。
どんな中味かは子供だから知らない・・・それでも妹の視線は両親と話していた方だった事に驚いた。
離れた時に父へ声にした・・・
-やはり-
納得したような声音で小さく呟いた事で、妹が言った理由を何となくだが理解した。
相手からの数多い連絡や待ち伏せ・・・それで真実と証明されたようなモノだった。
大事な話があると父から呼ばれた・・・なかなか離れない妹を知る事で一緒に入ってもいいと書斎へ促された。
その話に驚き不安は自分を襲った。
妹となら・・・そう思えたが父は駄目だと諭し詳細まで声にした。
自分の膝に凭れ安心したように眠る妹・・・優しく撫でた手が分かるのか口元は嬉しそうに引いた。
妹の事は両親にも話した事はない・・・呟いた言葉は、知れず こう言っていた気がするとだけ父へ伝えていた。
見聞きしたと例えた事もある・・・訝しげる事もあったが、観察を始めた事で妹へ言い聞かせ知らぬふりと二人で頑張った。
弟が産まれた頃から、執拗に父の兄弟から連絡はあり 時に自宅へ駆け込み口喧嘩のような激しい言い争いは増えた。
怯える弟を守るように妹は連れ出しては笑わせ守っていた。
幼い弟の気持ちが分かるように声にしたり世話をし始めた妹・・・それは自分ごと声にして回避する事が増えた。
狙われる日々に耐えきれず母は弟を海外へ逃がしたが、妹も一緒にと言っても聞き入れてはくれなかった。
-気づかれた・・・-
そっと耳打ちした妹の言葉で、ならばと別の方法を考え始めるのだった。
仕事を始めれば受け継いだモノは教え妹へ譲った。
それは必要な時に一緒に出向き使った。
何にでも手をだし覚えていく・・・早々に自分についた秘書まで妹を守ってくれた。
常に隣へ居させ仕事をする秘書・・・その彼女は笑って自分へ楽に仕事をさせてくれた事に感謝した。
もう一人の大切な人になった事で怖くなった自分さえ一緒に勇気づけてくれた・・・だから彼女まで声にして妹を守るようになった・・・
その彼女は妹へ何でも教え学ばせた・・・隣で・・・自分の出張した先でまで・・・素直に始めれば吸い込むスポンジのように吸収していった。
-自分を守る為よ・・・私達が居なくても出来る自分は作り上げとく(笑)それで私達は安心も出来るの。
自分で切り開く(笑)そうすると、スッと(笑)自分が行くべき道は開けるわ・・・-
何でと理由を聞く妹へ優しい声音で言った彼女を抱いた。
自分を助け妹の力になり本当の家族になった気がした。
息子が出来た頃・・・事故で両親は逝った・・・遺言は知らされ罵倒する親族は無視し傾き始めた会社を建て直した。
呼び戻す歳になったろうと少しずつ妹は弟の迎えの準備を始めた。
その手続きは完了し後は待つだけになった・・・
兄弟が増える事に気付かれたのか狙われ始めた事に気づく。
それは妹の声で知った・・・最後の言葉を伝える・・・間に合ったと安堵したのは云うまでもない。
兄の言葉に驚き泣きながら聞き入った。
自分は大丈夫なのに、兄の終わりを聞いているような気さえし始めた事に戸惑った。
もしもと息子を頼むとまで言った姉に嫌だと拒否しても頼まれた。
絶対に・・・大丈夫なように探ろうと彷徨く・・・それは不十分だった事は、その時に気づいた・・・
ここでかと項垂れる・・・咄嗟に庇い無事を祈った。
守りは2つ・・・その約束だけを考えた自分に勇気を出せと信じた。
久しぶりの弟の姿に笑み、頼むと言えば可愛く頷く弟の頭を撫でた。
二人だけの先・・・これからを考える時だと少しずつ先への道は何処だと探すのだった。
痛そうな姉に驚き悲しくなった。
ずっと昔に見た静かな優しい姉ではなかったが、自分の為に明るく話し自分へ接してくれる姉に安心を覚えた。
命令は数多く拒否はなくさせる姉に戸惑ったが、これは大人になる自分の為に役立つ事で必要だからと毎日更新されていく言葉に笑えた。
それでも時に真剣に話す・・・そして子供の自分達への言動で自分には姉しかいないのだと悟った。
ならば姉の助けは必要なのだと誓いのように日々を姉と過ごした。
それでも昔に会った友達やその親達に助けられ何でもこなす姉の負担は減らしたくて始めた。
面白いほどに楽しい事は笑うしかない・・・日々の暮らしに必要な事は姉と一緒に始めた。
自分が出来始めると手放し自分へ任せてくれるが・・・いいかと楽しむ自分も出来た事で気にもしなくなった。
大事な事は必ず相談してくれる・・・子供だからと濁さず本当の事を教えてくれる・・・それは悲しい事もあったが、大丈夫と・・・姉が頑張るからと声にしてくれた事でホッとした。
始める場所を眺める・・・二人だけの生活の始まりだ・・・
そんな区切りは一緒に過ごしてくれる姉だった・・・
初めて来た場所は誰のかと姉を眺めた。
『兄の家族が眠る場所・・・』
『兄さんが居たの?ここに?』
『ん・・・私より10コ上だけど(笑)覚えてた?。私達を守って死んだのよね・・・』
『 ・・・』
『(笑)大丈夫でしょ、今も私は貴方と一緒に居るじゃん(笑)』
笑いながら呟く姉に笑み返した。
『大丈夫・・・道は開けたはず(笑)だから信じて見守っててね・・・』
墓碑へ呟く姉を眺めた。
『知らなくてごめんなさい・・・
だけど大丈夫(笑)波瑠と一緒に頑張れるよ』
『ねぇ(笑)マジで呼び捨ててくの?』
『(笑)同士だろ。まだ子供だけどさ・・・仲間で家族だから呼び方は気にしないで(笑)』
『・・・・・(笑)』
笑うだけの姉に笑み返す・・・姉の笑みは大丈夫と言いたげで頼もしかったし、早く大人になりたいと思えた綾だった・・・
名しか知らない家族・・・両親の本当の話は姉から聞いた事はない・・・
たぶん取られたのだと思える・・・父さんの場所に父さんの兄弟達や親族が居たからだ・・・
姉の力で自分はココにいれるのだと知っている・・・だから安全になったのだと。
物凄く危険な場所から出してくれた事に感謝して姉と生きていこうと思うのだった。
-end-
※
んーゼロ・・・・ネタバレしそうで・・・表現も出来なかったtamiの頭はボロいと実感してしまった(笑)。
まーいっか! (笑)tamiの空想で作った話だしぃ!
お付き合い下さり感謝します。
本編へどーぞ! -tami-
※2
なんと2017前から思い立って始めていた話・・・その終わりは2017年の3月で止まっていた日付に驚いた。
・・・飽きたのだろう放置は一年以上の記憶しかなく・・・むくむくと飛び起きた・・・のでもなく(笑)始めよ的な感じで再開してました。
取り合えずゼロは・・・な感じで(笑)。
今の段階でも始めたばかりでEND先は決まっておらず・・・のんびり(笑)始めさせて頂いてます。
現在20181130・・・・・(´ω`)。
色んな話に飛びすぎた・・・後悔先に立たず?そんな言葉があった気が・・・
後悔後を立たず・・・
そっちがいいか(笑)
意味さえ理解せず・・・
なんとなく使うtamiでした。
※3
・・・直しながら出す事に・・・なによりENDまで(笑)長かったぁ・・・
ありがとうございました-tami-