虫の音の中で嫌そうな彼女達・・・・・蚊帳をはり一歩も出ない彼女達に呆れ 彼らは輪になって飲み話していた。
嫌だと言いながら、蚊帳に張りつく虫を追い払う彼女達・・・
『これなら冬の方がマシだった・・・』
『ねぇ(笑)』
誰かが叫び、次第に密談になった。
彼らが様子を見ているとアールが代表のように彼らのそばへやって来た。
『子供達を頼んでもいい?』
『い、いいけど・・・どこに?』
ディーンが聞き返した。
『彼女達の憂さ晴らしに、少し出掛けたいんだけど・・・・
夕方には絶対に戻るから(笑)たぶん』
『子供達を置いて?』
『置いて(笑)全員・・・・』
彼らを一人一人眺め様子を探るように見ていたアール・・・・
『い、いいけど・・・』
『サンキュ!』
笑みを浮かべたアールが振り向くと、彼女達が喜び・・・誰かへと連絡をしていた。
大きなバスが到着した・・・彼女達が向かう・・・
一人ずつ手渡されたモノに驚き・・・彼らは立ち上がった・・・・
暫くすると山小屋から着飾った彼女達が出てきた。
子供達は綺麗だと喜び見送ってくれた・・・・驚き過ぎて動けない彼らは何も言えず手をふり出かけていく彼女達を眺めていた。
呼ばれた場所はリゾートホテルだった。
次々に出てくるモデル達に、眺め楽しむ彼女達。
ルナとジュエルからの招きで来た彼女達・・・二人が招待客へ挨拶に行く間にフォールが表れた・・・・
長引く取材まで対応していく二人・・・
そして・・・・
最後だと着替えをさせられるルナ・・・アールとヒューが手伝い、仕度をするのだ。
『なんでよ・・・・』
『だってデザインはジュエルだけど、人前じゃジュエルでも着替えさせられないじゃない』
『これ、私じゃなくても・・・』
『リゾートウエディングのプランの完成だしね(笑)』
『ラストはキチンと閉めないと(笑)』
ウエディングドレスを着せられたルナ・・・髪をセットしてベールをつけ、ブーケを持たされた。
アールのメイクも完成し少し待たせる・・・
『お願いしまーす(笑)』
スタッフが顔を覗かせた・・・・
ジュエルが待つ場へ連れて行かれた・・・
「ルーン、綺麗だ・・・さて(笑)行こうかな・・・・」
物凄いフラッシュの中をジュエルに繋がれ歩く彼女・・・・
ステージを歩く彼女に寄り添って笑みを浮かべた二人がいく・・・・
その遥か先に、彼女と似たタキシードを着ているボムが待っていた。
驚いたままに連れて行かれ、ジュエルはボムへ彼女の手を向けた。
スッと離れたジュエルは彼女のドレスを綺麗に直すと子供達にベールの裾を持たせた。
その後ろを歩く・・・・
ゆっくりとステージの先は下り坂になっていたのだ。
いつの間にか作られた道を下りていく・・・・
真っ白な大きなドアの前に立つと、二人を佇ませ暫く記者へ撮影許可をだした。
それは短く、二人は開かれたドアの中へ促した。
真っ赤な絨毯が敷かれた中を歩かされていく・・・・知る曲が流れ始め何が身に起きたかを悟ったルナだった。
『ごめん・・・俺はさっき聞いた・・・頼むから逃げるな・・・』
組んだ腕の彼女の手を握り、呟く彼を見つめた。
その手に添えて微笑んだ彼女・・・
見つめあう二人へ、こほんと咳をわざとらしくするジュエルとフォールがいた。
「ママにプレゼントよ(笑)」
「可愛いね(笑)」
「ね(笑)」
子供達に言われ微笑んだルナ・・・
目の前の扉が開く・・・・両脇に控えた見知る仲間が笑みを浮かべて待っていたのだ、それは彼の友人までが揃って笑っていた。
その先に待つ神父・・・・幸がまつ たくさんの花が飾られた祭壇へ足を運んだ二人だった。
穏やかな声・・・・優しい眼差し・・・見守る温かな中で幸せを分かち合う仲間達・・・・・
その中へ交ざれる幸せを、二人は ゆっくりと浸りいった。
式も終わり飾られた場で披露され、仲間達に囲われる・・・・記念写真と何枚も撮り重ねる人達・・・
会社の仲間やマネージャーまでが揃いボムを祝っていた。
端で一人、会長と代表会見をするボムがいた。
新婦は見せず式をあげた事だけを記事にして貰う為だった。
プライベートは最初から完全に出さなかったボムを知る記者だけが許された会見だったのだ。
より近い記者へはルナを連れて挨拶をした。
戻るルナの後ろ姿に笑み見ていたボムを からかう記者と話す彼・・・
『大丈夫(笑)逃げたネタは潰しますから・・・次のに期待しときますね』
礼をして離れて行った記者に苦笑いして、彼も皆の中へ入っていった。
無事にすんだと、ベッドに倒れたボム・・・既に寝ていたルナを抱き込んだ。
『終わったの?』
『ん・・・・』
『出さないでくれて、ありがとう』
耳元で囁く彼女に微笑んだ・・・
互いに求め身を重ねる・・・・呼び・・・起こし・・・名を囁く・・・互いの想いの中へ一緒に浸り沈みこんだ・・・・
幸せの中へ・・・より優しく・・・より深みへ・・・・・
『この光景、見た事ある・・・・』
『ありますね・・・・でも今回は連れ出さなきゃ私がヤバいです』
『起きる?』
『起こします・・・・』
マネージャーが準備を始めた・・・付き人はボムの着替えを準備し、その間にマネージャーはルナから引き離した。
『仕事が入ってます、穴をあけたら掘られます・・・マジで起きて下さいね』
揺さぶり、ローブを着せてベッドから連れ出したマネージャーに笑う・・・
危うく全身が布団から出そうだったルナをアールが慌て、かけ直した。
『眠い・・・・』
呟くルナを眺め
『爆睡して(笑)いいよぉ。ボムはお仕事だって。ルナは明後日からだからね・・・・』
『サンキュ!』
布団へ くるまるルナへ抱き付こうとしたボムを捕まえたマネージャーは、慌て彼を連れ出したのだった。
真夜中に戻った彼・・・・既に彼女も仕事で出たのだろう居ないベッドに静かに入った。
ため息をした彼は眠りについた・・・・
ふと気づくシャワーの音に笑みを浮かべた・・・・・
髪をふき・・・出して置いた着替えがない事に気づく彼女・・・代わらない彼に笑み髪を乾かした。
ベッドに座り彼女を待っていた彼が両手を広げる・・・・笑みをこぼした彼女が中へと入り込むと抱き締めた。
触れてくる手・・・忍び始めた彼に笑み、優しく抱き締め返した彼女がいた。
彼へ運んだ手・・・・焦る目に微笑んだルナ・・・・・身動きもせずに堪えていたが我慢も出来ず彼女へ沈ませた。
引き寄せ口づけをする・・・昂り・・・彼女へ刻む印は増えていく・・・
重なる手が触れるとバングルが触れ小さな音が響いた・・・・・・
押し寄せる波のような感覚に二人は浸るのだった。
怠さの中で彼はルナを優しく抱いた。
愛してる・・・・耳元で囁く声音に笑みがこぼれた。
眠り始めた彼を見つめ唇へキスをした彼女もまた、愛してる・・・そう囁くと彼の腕の中で目を閉じたのだった。
部屋の中の足音・・・・恒例のようにドアが開く事に、ボムは肩をおとす。
『たまにはノックしろよ・・・・』
ドアの隙間から覗くマネージャーと目を合わせたボムが呟く・・・・
『一応覚悟して、そっと呼びに来てますけど?』
『布団がなかったら、どーする?』
『それはないと(笑)、ルナさんはクーラー入れますし・・・ボムさんは必ず布団から出てる事もない、大丈夫!』
へんに言い切るマネージャーに呆れたボム・・・・よりルナを抱き寄せて眠ろうとした。
『ルナさんを見せたくないなら、起きて待ってて下さい(笑)出来るなら』
『それは無理でしょ(笑)ボムさんなら、寝られるギリギリまで抱き付いてたいと思ってますし・・・・』
服を持ってきた付き人は呟いた。
『早く頼みます(笑)衣装は運びましたので車で待ってますね!』
服を置いて出ていった付き人へ苦笑いしたマネージャーがいた。
頬にキスをした彼女
『行って(笑)遅刻するわ・・・・・』
聞いたボムは彼女を見つめ、布団の中で口づけた。
動く彼を布団の上から叩くと、寝室を出ていくマネージャー・・・出る直前に呟く・・・
『それは後回しに頼みます(笑)』
バタンと閉まる優しい音に微笑んだ二人だった。
自分に触れた手を掴むと、そっと布団から出して笑むルナへキスをした
彼は仕事だと 彼女からやっと離れたのだった。
彼を待つ時間も楽しいと、笑みをこぼす彼女。
互いに見つめ、笑みを交わす二人だった。
-end-
※
読んで頂き ありがとうございました。
2015・10
次へ飛び込もーっと! -tami-
出来上がった日付・・・更新出来る日はいつやら・・・・頑張ろ(笑)!
※2
終了は12月・・・・貯まるお話・・・なかなか -end- がつかない話は多数・・・
頭が追い付かず・・・データは埋まる・・・嫌な状況の携帯を片手に・・・ため息の止まらない-tami-でした。
なんとか終えて嬉しい!
読んで頂き ありがとうございました。
-tami-