tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

2023 ハロウィン −4-end-

2023-10-31 12:10:08 | イベント 関係の お話




不気味といいたい程に不思議な場所だった・・・



行けるかとリンジェとサリへ確認していくジェイド・・・ガンとバズは兄弟達の様子を見ながらも戻ると決めた。

出発前に装備したい品を揃えに向かう・・・クレアはアンジェへ頼み一緒に行きたいとバズに頼んだ。


店で・・・これだと手にしていたクレアが笑みアンジェへ手渡す・・・確認のように触れたが直ぐにクレアの掌へ戻した。

本当に温まる・・・そして真ん中の玉には触れる事もしなかったアンジェに苦笑いをした。



互いに頑張れと励ましあう・・・上手く出来るか不安はあったアンジェがいた。

それでもカタはつけたくて長くここで過ごし身を鍛えた・・・それはリンジェやサリまでが頑張った。

大丈夫という保証はないが終わらせたい一心で自分達を励ます・・・妹の勇気に励まされ今日まできた。

明日には着く・・・だからとジェイド達はアンジェを囲み話し合った。

『本当はな・・・』

『分かる(笑)。でも・・・
この先で起こる事も知ってる・・・一生逃げ続ける事も不可能。
皆を苦しませ続けるなら、いっそ』

『それは!』
『(笑)無いとも言い切れない。巻き込んでる自分も嫌なの』

『巻き込んでるって・・・』
『確率は私より低い(笑)』
『お前!』

『(笑)・・・それが自分のすべき事なら、先へ生ける可能性を探すべきって思った』

『策はあったのか?』
『・・・(笑)』

『クレアと同じ、その玉なら確率は上がるのか?』

『(笑)これは同じ働きはしないと思う』
『『『・・・』』』

驚き三人の声は唸るだけ・・・戸惑う姿にアンジェが優しく微笑んだ。

『事の終わりに、これを私につけてくれればいい。始まりじゃなく終わりに』

『なんでだ?』
『引き戻す為の宝玉だから・・・身を守る為、だから・・・(笑)』

『それ・・・』
『・・・(笑)この先も声にもしないで・・・物凄く考えて・・・物凄く頭を使ったわ。古書も店主が内緒で読ませてくれた・・・』

『・・・いつ行った?』
『(笑)玉を選んだ次の日・・・
店主は気づいた(笑)・・・選んだ玉だけで私が何をするのか』

『でも・・・あの時は・・・』
『(笑)完成したか聞いてきたから店主を見てた・・・代金を払ってる時に呪符を見せられた・・・それがドアを抜けた事で驚いたら・・・店主が行けって』

『そんな様子も・・・』
『(笑)店主に背を向けてたしね、私に入れって指で指してた・・・』
『『『・・・』』』

『物凄い数の古書があったけど、机の上に本は開かれ置いてあった・・・その上に私が選んだ玉が置いてあったの』
『どっちもか?』

『ん・・・クレアの方も正解(笑)だからホッとしたの・・・』
『アンジェの・・・』

『(笑)偶然にも正解だった・・・でも使い道は違ってて驚いた・・・
でも、終わりに使うという事は、助かる可能性が出来たって事だから(笑)知れて嬉しかった』

『アン・・・』
『(笑)嬉しかったの・・・』
『・・・(笑)』

『どう・・・利用されるか分からない・・・集めさせるのか・・・集め滅すのか・・・吸収させて』
『吸収?』

『・・・次々と体の中に入り込んでた様子は思い出した・・・その後の事は思い出してないから分からないけど・・・』
『霊媒の者を?』

『たぶん・・・でも火は正堂の真ん中で燃えてた・・・それが真っ赤になったのは見た・・・燃えてた場所の前で縛られて苦しんでた。

その回りで祈ってる人の声は低くて・・・何て言ってたかは覚えてない・・・その言葉は覚えとけって誰かの声は聞いたけど・・・』

『声は誰だった?声って事は、アンジェに言ったろうが顔は覚えてないのか?』

『ん・・・目の前にある火の変化に驚いて見てたから・・・
だけど次の記憶はないし覚えてもいないの・・・』

『もし・・・』
『・・・(笑)もしもはない。
滅す為の炎を使う前に首飾りをつけて・・・迷わずに出来そ?』
『『『・・・』』』

『一番近い場所で見てて貰えるなら助かるけど・・・』
『それは行ってから俺達で考える』
『(笑)頼みます・・・』

『アンジェ・・・』
『(笑)・・・見張りが居たのか(笑)迎えに来てる・・・あの人達が?』


アンジェの視線を辿る・・・暫く歩けば村へ入る・・・その前にと話していた。

その村からも見えない曲がり道だったが、よほど歩いて来なければ自分達と分からないはずだった。

裾を靡かせ歩いて来る・・・その真ん中の人を守るようにか、両側には杖を持つ人がいた。

その回りにもまた警護しているのだろう出で立ちの男達がいた・・・その人達を眺める兄達・・・そっと自分の前へ出て見返し始めた。

知られないよう首飾りを丸めジェイドの手へ押し込んだアンジェもいた。

何も言わず目の前に来ると頭を下げ挨拶をする・・・自分達の回りへ控え始めた人達に驚いて眺めた。

真ん中にいた人が黙って手招く・・・この扱いで自分達の居場所を理解した。

リンジェがアンジェと手を繋ぐと、反対側へサリが控えジェイドは自分達の前を歩き始めた。

村の中を通り抜ける・・・村人だろう人達が頭を下げて自分達を出迎える・・・淀んだ空気が重い・・・

人へ触れる事もなく家屋の上を優雅に・・・風に流されているように揺らぎ浮遊していて驚いた。

人へ悪さもしない・・・中には人の形になり村人と同じように頭を下げてもいた。

その中を通る事も不思議で辺りを眺めながら歩いた・・・よく見れば怯えた顔をしていて、これは命令されているのかとも思えた。

左右に流れる・・・端から端へ揺らぐ・・・ジグザグに揺れるそれは楽しげで・・・そう見えた自分に苦笑いをした。


辺りを眺めては苦笑いをしているアンジェの姿に誰もが驚いていた・・・自分達には微かに見えるだけだ。

あちこちを見ていた事で浮遊するそれは数多いのだと気付く・・・
『試しと、あれは消せるか?』

不意に呟く人に視線が向けられ直ぐに自分へ視線は集まった・・・それだと指差す人は慌て手を身へ戻した。

消すと知った事で怒りが揺れを激しくしたのだろうと思えた・・・不意に渦巻き激しく揺らぐ。

ジェイドが呪符を飛ばし自分達へ寄せ付けなかった・・・その姿に喜ぶ人達までがいた。

符が巻き付く・・・その瞬間にパチンという音と共に炎で焼き祓った。

皆が驚いた顔をする・・・一瞬で燃え上がりパッと散っただけ・・・案内をしていた人の歩きまでが止まる。

ジェイドは自分達へ目配せ構わず行こうと歩き始めたのだった。



正堂と呼ばれる家屋に入る・・・その中は燃え盛る炎の音と誰かの祈りのような低い声音だけがした。

数多い人達が輪になり何かを唱えていた姿が見えた・・・その半分くらいの人達は自分達へ挨拶のように振り向き会釈すると直ぐに身を戻した。

見た事もない造り・・・大きな屋根を支える柱は数多く、中央にある場所で炎は揺らいでいた。

四方に屋根はあるが、よく見れば真ん中の部分に屋根はなく・・・ちょうど屋根がある真下に、等間隔に誰かが鎮座している者がいた。

その人達が守を唱えているようだった・・・所々にある柱には護符のようなモノが貼られ余計に不気味な場所だった。


少し離れた場所に数人ほどいて驚いた・・・それは関係者のようでもない気はした・・・なぜなら怯えた顔をしていたから。

自分達に気付けば驚いた顔で見返していたが、真っ直ぐに見ているのではなく様子を伺うよう項垂れたまま見ている気がした。

屋根がない場所で燃え盛る火に向かって空から何かが吸い込まれてくるのが見えた。

その火は大きくなく、黒い影が吸い込まれば燃え上がる・・・暫くすれば元の大きさになった。

より黒いモノが怯える人達へ流れていく・・・慌て腰を抜かした者が床へ座り込んだ。

ジェイドは呪符を飛ばし結界のように囲ってやれば驚いた顔で見返し結界を眺めホッとしたようだった。

『使うものに守りは必要ない』
何処かからの呟きに誰だと探せば一番奥に控えていた白い服を着た姿の男だった。

『違うでしょう(笑)・・・使うものが少なければ多くを集められず』
『大丈夫だ・・・少なくとも』
『この者達なら必要もないかと』

それぞれに話し出す・・・その間も掌で型を作り祈りのように呟き火を見ている人もいた。

この役割は何だと眺めるアンジェ・・・ジェイド達は火の回りで控えている人達を観察していた。


『ディリの子らは(笑)肝がすわっているな・・・』
『ダイト一門は、やはり優秀だった(笑)』

『(笑)そうでしょう』
『『『・・・・?!』』』

驚いた・・・その声に・・・声の主は自分達の父親だったから・・・母親の名が出ても驚かなかったのにだ。

連れ去られ死んだと聞いていた・・・なのに今、目の前に姿を見せ笑っていた。

昔・・・アンジェが産まれた頃に母親は有無なく自分達を連れて逃げた・・・体を休ませる事もせずに。

その理由は逃げている間もジェイド達へ謝りながら話してくれた・・・だからジェイドは自分達を連れ逃げたのだ。

連れ戻された時に父親は母親を連れ去ったのだ・・・あれは両親ではなく母親だけだと気付く。

連れ去られた場所は分かるのに入る事も会える事もなかった。

そして・・・数年後に死んだと聞かされた・・・が、心配した母親の魂だけは居残りジェイドの首飾りに潜んでいた。

アンジェが小さな頃は知れず姿を見せ安心させてくれていたが、いつからか声さえ聞こえなくなった。

その首飾りの石は割れ今は四人の耳にある・・・揃いの飾りのように耳からぶら下がっていた。


『始めよう・・・』
より低い声が響く・・・少し高く作られた舞台のような場所へ行けと促された。

広めにある台に並ばされ・・・火を眺めれば、待っていたように姿を視せるモノは増えてきた。

フーと息を吐き気持ちを固めたのはアンジェだった・・・驚いて振り向けば苦笑いをする・・・

『(笑)この為に来たのよ?』
小さな小さな囁き・・・不意に現れたモノを祓う・・・空からだけでなく壁からも入り口からも流れてくる。

唱える声音が強くなる・・・不意に現れたモノ・・・それがアンジェの掌へ持たされた。

扇・・・舞えという誰かの囁きは、知らないのにと思えば勝手に体は動き出す・・・ジェイド達はアンジェへ流れ憑依されないよう守る。

その扇は、皆に切られ空へ散らばったモノを炎の中へ促していた・・・その炎はそれを燃やすのではなく集めているようだった。

炎の根の部分がどす黒くなり、それは塊のように纏まっていく・・・重い空気が浄化されていくのか明るくなっていった。

辺りにいた人達の笑みが少しずつ増えていて気づいた・・・呪符が何かへ貼り付けば、それは強制のように炎の中へ運ばれていった。


台から下りたアンジェが兄達へ振り向き微笑んだ・・・
『アンジェを守って・・・(笑)』
『『『・・・』』』

暫く見つめていたアンジェが身を返した・・・

炎は不思議と弾けそうで・・・辺りの気は浄化されていた事に気づいたジェイドはサリ達に目配せた。

目の前にいるアンジェが持っていた扇はスッと消え、小さな光りに変わると耳にある飾りへ吸い込まれていった。

パチンと指を鳴らす・・・アンジェの指先から流れた火花は目の前にある大きな炎を包む。

炎を縛るように螺旋を描き空へと向かう・・・炎の先へ到達されば一段と高く、激しく・・・より強く燃え盛り始めた。

離れているのに熱く感じる・・・今はもう何もしなくても吸い込まれていく様子は見てとれた。

未だ巻かれているアンジェの炎の線は見える・・・その中から人の手のように飛び出ては回りで祈っている人を引き摺りこむ。

恐れ始める人達の声は燃え盛る炎の音でかき消された・・・逃げようと立ち上がっても足を捕まれ引き摺られていく。

鎮座した人達全てが中へと引き込まれたようだった・・・アンジェが一歩前に出て両手で持ち上げるような姿になった・・・業火がより空へ舞い上がり始めた。

=ジェイド!首飾りを!=
不意に聞こえたアンジェの声で我に返ったジェイドは熱さを我慢しアンジェへかけてやった。


アンジェの両手が左右へ上がる・・・その指先が弾かれた・・・素早く飛び出た真っ赤な炎が目の前にある業火へ乗り移る・・・

色が変化し始め・・・紅蓮の炎が渦巻く・・・辺りに揺らぐ紅蓮の炎は綺麗だった。

蝶が舞うような揺らぎ・・・それは優しくアンジェを包み始めた・・・熱すぎて焦りリンジェはジェイドとサリの手を掴み数歩離れた。

駄目だと慌てるサリをジェイドが捕まえた・・・新たにパチンと音がする・・・アンジェから揺らぎ流れた赤い火花だった。

地面へ伝う・・・渦巻いた火花は螺旋を描き少しずつ炎の外を舞うように上り始める。

全てが赤く染まり・・・空へ突き抜けた炎がアンジェに向かう・・・それは空から降り注ぐように。

炎を被る・・・その様は、そう見える・・・一気に雪崩れ込む炎は一瞬でアンジェをかき消した。

それと同時に業火までが一瞬で消え入った事に驚いた・・・


静かな空間・・・しんと静まる真っ暗な場所に自分がいた・・・両手を少し広げていて驚いた。

少しずつ明るくなり始めた・・・
慌てるように自分へ走り込んでくる誰か・・・頑張ったと優しく囁く人が目の前で微笑んでいた。

優しく撫でられ嬉しくなった・・・兄達が・・・姉が自分を優しく包んだ事に照れた。

何が起きたかは分からない・・・姉でもない優しい笑みが自分の頬へ触れた。

初めて見た母親の笑み・・・姉が嬉しそうに呟いた事で知った・・・泣きながら手を伸ばしたが触れる事は出来なかった。

なのに自分達には触れられた感触はあった・・・皆が優しく頭を撫でられた姿を見つめる。

照れた笑み・・・大丈夫だという呟き・・・より抱き込むジェイドの母親を見つめる優しい笑み。

嬉しくて皆を眺めるアンジェだった。




ガバッと飛び起きた・・・息も苦しくて焦ったが・・・ここはバスルームで、湯船で溺れそうになった自分に気付いた。

湯船へ頭ごと凭れ息を調える・・・誰かの激しい溜め息で余計に現実に戻っていた自分を実感した。

洗い場で、頭から全部に泡だらけのハイリ・・・洗うのを止め顔に流れてくる泡を取りながらも自分を見ていた。

苦笑いしかない・・・こんな状況でも夢の中へ連れ込まれた・・・それでも諦めるしかない。

何かを言いたげな顔に口を引けば、苦笑いをしたハイリは自分へキスをした・・・

また洗い始めたが、互いに可笑しくなり笑いあうのだった。





-end-


お付き合い下さり、ありがとうございました。

《ゆめC》として出すはずが・・・ハロウィンがきたので・・・(笑)出しました。

読んで下さり感謝します。
-tami-