東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学入試問題H31(2)[灘中]

2019-01-24 11:45:31 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成31年度灘中入試問題を取り上げます。

問題は、
「A、B、C、D、E、F、G、H はどの2つも異なる2から9までの数字です。3桁の整数ABCとDEFを足すと4桁の整数10GH になり、この足し算でくり上がりは百の位から千の位にだけあるとき、GとHの和は[①  ]です。さらにこのとき、AがDより大きいとすると、ABCとして考えられる桁の整数は全部で[②  ]個あります。」

この足し算でくり上がりが生じるのは。百の位から千の位だけなので、
A+D=10、B+E=G≦9、C+F=H≦8
または、
A+D=10、B+E=G≦8、C+F=H≦9
が成り立ち、これらから、
A+D=10                  (1)
B+E+C+F≦17              (2)
になります。

一方、
2+3+4+5+6+7+8+9=44
から
A+B+C+D+E+F+G+H=44
で、これを変形すると、
G+H=44-(A+B+C+D+E+F)
   =44-(A+D)-(B+E+C+F)  (3)
になります。

ここで(3)に(1)と(2)を代入すると、
G+H≧44-10-17=17         (4)
が成り立ちます。

いま、GとHは2から9までの整数で、(4)を満たすGとHの組合せは8と9だけなので、
G+H=8+9=17
になります。

したがって、GとHの和は17で、これが ① の答えです。

続いて②です。

AとDの組合せ(A,D)は、(2,8)、(3,7)、(4,6)の並び替えですが、問題に与えられた条件A>Dから、(2,8)、(3,7)、(4,6)になります。

一方、GとHの組合せ[G,H]は、[8,9]の並び替えになります。

ここで(2,8)に注目すると、[8,9]との間で8が重複しているので、この組合せは不可能です。

したがって、(A,D)と[G,H]の可能な組合せは、
(3,7)と[8,9]の並び替え        (5)
または   
(4,6)と[8,9]の並び替え        (6)
になり、(5)、(6)のいずれの場合も、残った4つの数字がB、C、E、Fに振り分けられることになります。

そこで、B、Cへの数字の振り分け方を勘定しましょう。

まず初めに、Bに数字を振り分けるとすると、数字は4つ残っているので、その振り分け方は4通りです。

ここで、Bの数字が決まるとEの数字が決まり、残りの数字は2つになるので、Cへの振り分け方は2通りになり、したがって、B、Cへの数字の振り分け方は、合わせて4×2=8通りになります。

これは(5)と(6)のそれぞれについて同じなので、B、Cへの数字の振り分け方は、8×2=16(通り)です。

したがって、ABCとして考えられる3桁の整数は全部で 16 個 で、これが②の答えです。


楽しい問題です。