東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く京大入試問題(56)つづき

2019-01-04 12:57:22 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、前回の平成21年度京大入試問題(前期、理系)のつづきです。

問題は、
「平面上の鋭角三角形△ABCの内部(辺や頂点は含まない)に点Pをとり、A’をB、C、Pを通る円の中心、B’をC、A、Pを通る円の中心、C’をA、B、Pを通る円の中心とする。このとき、A、B、C、A’、B’、C’が同一円周上にあるための必要十分条件はPが△ABCの内心に一致することであることを示せ。」
です。

前回は、(1)A、B、C、A’、B’、C’が同一円周上にあるとき、Pが△ABCの内心に一致することを示したので、今回はその逆の(2)Pが△ABCの内心に一致するとき、A、B、C、A’、B’、C’が同一円周上にあるを示します。

A、B、C、A’、B’、C’の6個の点から4点を選んで四角形をつくり、その四角形の対角の和が180°になることを示すことにしましょう。

下図のように、四角形ABA’Cを調べます。


▲図.四角形ABA’Cを調べます

ここで、Pは△ABCの内心なので、
∠CBP=1/2∠B       [1]
∠BCP=1/2∠C       [2]
です。

また、弧BPの中心角∠BA’Pは、その円周角∠BCPの2倍なので、
∠BA’P=2∠BCP
で、[2]から
∠BA’P=∠C         [3]
になります。

同様に、弧CPの中心角∠CA’Pは、その円周角∠CBPの2倍なので、
∠CA’P=2∠CBP
で、[1]から
∠CA’P=∠B         [4]
になります。

したがって、四角形ABA’Cの対角の和∠A+∠A’は、
∠A+∠A’=∠A+∠CA’P+∠BA’P=∠A+∠B+∠C=180°
になり、4点A、B、C、A’は同一円周上にあることが判りました。

四角形BCB’A、四角形CAC’Bについても同様で、4点A、B、C、B’と4点A、B、C、C’は同一円周上にあります。

ここで、同一円周上にある3組の4点を調べると、それぞれの組合せのなかにA、B、Cが含まれているので、3つの円は同じ円になり、A、B、C、A’、B’、C’は同一円周上にあります。

以上から、Pが△ABCの内心に一致するとき、A、B、C、A’、B’、C’が同一円周上にあることを示すことができました。


簡単な問題です。