こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今回は、平成12年度京大入試問題(前期、文系)です。
問題は、
「三角形ABCにおいて辺BC、CA、ABの長さをそれぞれa、b、cとする。この三角形ABCは次の条件(イ)、(ロ)、(ハ)を満たすとする。
(イ) ともに2以上である自然数pとqが存在して、a=p+q、b=pq+p、c=pq+1 となる。
(ロ) 自然数nが存在してa、b、cのいずれかは
である。
(ハ) ∠A、∠B、∠Cのいずれかは60°である。
このとき次の問いに答えよ。
(1) ∠A、∠B、∠Cを大きさの順に並べよ。
(2) a、b、cを求めよ。」
です。
早速、取り掛かりましょう。
図1に、(イ)の条件を示しました。
▲図1.(イ)の条件を示しました
三角形の角の大きさは対辺の長さの順になるので、a、b、cの大きさを調べましょう。
ここで、pとqは2以上の自然数なので、pq+p>pq+1 から、b>c です。
次に、c-a=pq+1-(p+q)=(p-1)(q-1)>0 から、c>a です。
したがって、b>c>a になり、∠B>∠C>∠A が(1)の答えです。
続いて(2)です。
(ハ)の条件から ∠A、∠B、∠Cのいずれかが60°です。
ここで∠A=60°とすると、(1)の結果から∠A+∠B+∠C>3∠A=180°と三角形の内角の和が180°より大きくなるので、∠A≠60°です。
また∠B=60°とすると、∠A+∠B+∠C<3∠B=180°と三角形の内角の和が180°より小さくなるので、∠B≠60°です。
したがって、∠C=60°になります。
そこで図2のように、頂点Aから辺BCに垂線を下ろし、その足をHとすると、△ACHは内角が90°、60°、30°の直角三角形になります。
▲図2.頂点Aから辺BCに垂線を下ろし、その足をHとしました
このとき、
から、
です。
ここで、直角三角形ABHに三平方の定理を適用すると、
が成り立ち、これにAB=pq+1と(1)を代入して整理すると、
から
が成り立ちます。
この左辺を因数分解すると、
で、q+1≠0、p-1≠0から
p-q+1=0 [2]
になります。
[2]から
q=p+1
で、これをa、b、cに代入すると、
a=p+q=p+p+1=2p+1
b=pq+p=p(q+1)
=p(p+1+1)=p(p+2)
c=pq+1=p(p+1)+1 [3]
になります。
このときaは奇数で、cについては、p(p+1)が偶数なので、cも奇数になります。
したがって(ロ)の条件から、
が成り立ちます。
[4]からpは
の約数なので、
とおき、[4]に代入すると、
になります。
このとき、
は
の約数なのでk=1になり、したがって、p=2です。
最後に、p=2を[3]に代入すると、
a=2×2+1= 5
b=2×(2+2)= 8
c=2×(2+1)+1= 7
で、これが答えです。
簡単な問題です。
今回は、平成12年度京大入試問題(前期、文系)です。
問題は、
「三角形ABCにおいて辺BC、CA、ABの長さをそれぞれa、b、cとする。この三角形ABCは次の条件(イ)、(ロ)、(ハ)を満たすとする。
(イ) ともに2以上である自然数pとqが存在して、a=p+q、b=pq+p、c=pq+1 となる。
(ロ) 自然数nが存在してa、b、cのいずれかは
である。
(ハ) ∠A、∠B、∠Cのいずれかは60°である。
このとき次の問いに答えよ。
(1) ∠A、∠B、∠Cを大きさの順に並べよ。
(2) a、b、cを求めよ。」
です。
早速、取り掛かりましょう。
図1に、(イ)の条件を示しました。
▲図1.(イ)の条件を示しました
三角形の角の大きさは対辺の長さの順になるので、a、b、cの大きさを調べましょう。
ここで、pとqは2以上の自然数なので、pq+p>pq+1 から、b>c です。
次に、c-a=pq+1-(p+q)=(p-1)(q-1)>0 から、c>a です。
したがって、b>c>a になり、∠B>∠C>∠A が(1)の答えです。
続いて(2)です。
(ハ)の条件から ∠A、∠B、∠Cのいずれかが60°です。
ここで∠A=60°とすると、(1)の結果から∠A+∠B+∠C>3∠A=180°と三角形の内角の和が180°より大きくなるので、∠A≠60°です。
また∠B=60°とすると、∠A+∠B+∠C<3∠B=180°と三角形の内角の和が180°より小さくなるので、∠B≠60°です。
したがって、∠C=60°になります。
そこで図2のように、頂点Aから辺BCに垂線を下ろし、その足をHとすると、△ACHは内角が90°、60°、30°の直角三角形になります。
▲図2.頂点Aから辺BCに垂線を下ろし、その足をHとしました
このとき、
から、
です。
ここで、直角三角形ABHに三平方の定理を適用すると、
が成り立ち、これにAB=pq+1と(1)を代入して整理すると、
から
が成り立ちます。
この左辺を因数分解すると、
で、q+1≠0、p-1≠0から
p-q+1=0 [2]
になります。
[2]から
q=p+1
で、これをa、b、cに代入すると、
a=p+q=p+p+1=2p+1
b=pq+p=p(q+1)
=p(p+1+1)=p(p+2)
c=pq+1=p(p+1)+1 [3]
になります。
このときaは奇数で、cについては、p(p+1)が偶数なので、cも奇数になります。
したがって(ロ)の条件から、
が成り立ちます。
[4]からpは
の約数なので、
とおき、[4]に代入すると、
になります。
このとき、
は
の約数なのでk=1になり、したがって、p=2です。
最後に、p=2を[3]に代入すると、
a=2×2+1= 5
b=2×(2+2)= 8
c=2×(2+1)+1= 7
で、これが答えです。
簡単な問題です。