こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
全国各地で真夏日になりましたが、この暑さも今日がピークで明日から少し気温は下がるようです。とは言っても25℃以上の夏日でしばらく暑い日が続くようです。
さて、今回は平成29年度都立高校数学入試問題を取り上げます。
問題は、西高で出題された大問4の整数問題で、それは、
「下の図のように、1、2、3、4、5、6、7、8、9の数字を1つずつ書いた9枚のカードがある。
この9枚のカードを箱の中に入れてよく混ぜる。
Nさんは次の
規則で、2桁の自然数nを作ることにした。
規則
箱の中からカードを1枚取り出し、そのカードに書かれた数字を十の位の数とする。
取り出したカードは箱の中に戻す。
再び箱の中からカードを1枚取り出し、そのカードに書かれた数を一の位の数とする。
次の各問に答えよ。
[問1] √nが自然数となるnの値は、全部で何通りあるか。
[問2] xを3桁の自然数とする。
Nさんは
規則でできるnを用いて、次の[手順]で計算を行った。
[手順]
① xからnを引いた差をmとする。
② nの各位の数の和をaとする。
③ mの各位の数の和をbとする。
ただし、mが1桁の数の場合、bはmと等しいとする。
④ aとbの和をcとする。
次の(1)、(2)に答えよ。
(1) Nさんは、x=100のときに、
規則でできるいろいろなnを用いて、[手順]で計算を行ったところ、[手順]でできる数cは、つねに一定の数になることに気がついた。
なぜ一定の数になるのか、nの十の位の数をd、一の位の数をeとして、文字dとeを用いて説明せよ。
(2) Nさんはさらに、xを100以外の数にして、
規則でできるいろいろなnを用いて、[手順]で計算を行った。
xが100以外の数のときは、[手順]でできる数cが一定の数になるとは限らないことが分かった。
例えば、x=101のとき、[手順]でできる数cは、11か20の2つある。
[手順]でできる数cが2つ以上あり、そのうちの1つが4となるxの値をすべて求めよ。」
です。
早速、[問1]から取り掛かりましょう。
これは簡単で、与えられた9枚のカードを使ってできる2桁の平方数の個数が答えになります。
つまり、16、25、36、49、64、81の6個なので、答えは
6通り です。
次に[問2]の(1)です。
n=10d+e
1≦d,e≦9
とすると、
a=d+e
です。
また、
m=x-n
=100-10d-e
=10(9-d)+10-e
になり、ここで10-eは1桁の自然数なので、
・d=9のとき、
b=10-e
・d≦8のとき
b=9-d+10-e
=19-d-e
です。
したがって、
・d=9のとき、
c=a+b
=d+e+10-e
=9+10
=19
・d≦8のとき、
c=a+b
=d+e+19-d-e
=19
以上から、[手順]でできる数cは一定の数19になります。
最後に[問2]の(2)です。
aとbは、
a+b=4
a≧2
b≠0
を満たさなければならないので、
a=2または3
です。
したがって、nの候補は 11、12、21 になります。
・n=11の場合
mは3桁以下の自然数で、b=2なので、mの候補は200、110、101、20、11、2 で、さらにx=n+mが3桁の自然数であることから、mの候補は200、110、101になります。
したがって、xの候補は
211、121、112です。
・n=12、21の場合
b=1なので、mの候補は100、10、1 で、さらにx=n+mが3桁の自然数であることから、mの候補は100になります。
したがって、xの候補は
112、121です。
以上をまとめると、xの候補は
211、121、112です。
ここで、n=99とすると、
・x=211の場合
m=211-99=112
で、
a=18
b=4
から、
c=18+4=22
になり、[手順]でできる数cが2つ以上あることが判りました。
・x=121の場合
m=121-99=22
で、
a=18
b=4
から、
c=18+4=22
になり、[手順]でできる数cが2つ以上あることが判りました。
・x=112の場合
m=112-99=13
で、
a=18
b=4
から、
c=18+4=22
になり、[手順]でできる数cが2つ以上あることが判りました。
以上から、[手順]でできる数cが2つ以上あり、そのうちの1つが4となるxは
211、121、112 です。
目先が変わっていて面白い問題です。