こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
暖かく過ごしやすいのですが、天気は下り坂で、しばらくすると雨になるようです。西から低気圧が近づいていて、明日は雨の予報です。
さて、今回は平成18年度東大大学院工学系研究科システム量子工学入試問題で、数についての易しい問題です。
問題は、
「6桁の整数があり、一の位は「9」であった。いまこの「9」を一番上の位に移し、他の数字の位をひとつずつ下げてつくった6桁の整数は、元の整数の4倍になった。元の整数を求めよ。」
です。
数学の文章題は適当に変数を使って、問題に書いてあることを式で表し、それを解けばお仕舞いです。この問題では、もとの整数をNとして、6桁の数の6桁目の数字をa、5桁目の数字をb、・・・、2桁目の数字をeとします。1桁目の数字は9なので、Nは、
N=a・10^5+b・10^4+c・10^3+d・10^2+e・10+9 (1)
と表せます。
次に、一の位(1桁目)の数字「9」を一番上の位(6桁目)に移して、他の数字の位をひとつずつ下げてつくった6桁の整数をMとすると、Mは、
M=9・10^5+a・10^4+b・10^3+c・10^2+d・10+e (2)
となります。
最後に、NとMとの関係を立式すると、
M=4N (3)
となり、(1)(2)(3)を使って、Nを求めればOKです。使った変数が7個あるので、3つの式では解けそうもありませんが、実は、
P=a・10^4+b・10^3+c・10^2+d・10+e
とおくと、(1)(2)は、
N=10P+9 (4)
M=900000+P (5)
となり、変数N、M、Pの3個に対して、(3)(4)(5)の3つの式となるので解くことができます。
それでは、(4)(5)を(3)に代入して、
900000+P=4(10P+9)
39P=899964
P=23076 (6)
(4)に(6)を代入して、
N=10・23076+9
=230769
と答えが求まりました。
次に、覆面算にして解いてみましょう。図1にそれを示します。
▲図1. 覆面算
掛け算の覆面算を解くコツは、一番大きな桁が繰り上りがあるか、ないかを調べることで、この場合、繰り上がりがなく、aに4を掛けて9となるのですから、aは2で、その下の5桁目からの繰り上がりが1ということです。
また、1桁目に注目すると、e=6になることが判ります。ここまでをまとめて、図2に示します。
▲図2.覆面算(途中経過)
ここからは上の桁から調べても下の桁から調べても、どちらでもOKなのですが、ここでは簡単そうなので下の桁からいきましょう。
普通に掛け算していけば良さそうです。まず、69×4=276なので、d=7になります。つづいて、769×4=3076なので、c=0、さらに、0769×4=3076より、b=3となり、図3のように覆面算が完成しました。元の整数は、前の答えと同じく、230769となります。
▲図3.覆面算(結果)
小学生でも簡単に解ける覆面算でした。まあ、東大大学院入試で覆面算を使って解く受験生は珍しいと思いますが。
暖かく過ごしやすいのですが、天気は下り坂で、しばらくすると雨になるようです。西から低気圧が近づいていて、明日は雨の予報です。
さて、今回は平成18年度東大大学院工学系研究科システム量子工学入試問題で、数についての易しい問題です。
問題は、
「6桁の整数があり、一の位は「9」であった。いまこの「9」を一番上の位に移し、他の数字の位をひとつずつ下げてつくった6桁の整数は、元の整数の4倍になった。元の整数を求めよ。」
です。
数学の文章題は適当に変数を使って、問題に書いてあることを式で表し、それを解けばお仕舞いです。この問題では、もとの整数をNとして、6桁の数の6桁目の数字をa、5桁目の数字をb、・・・、2桁目の数字をeとします。1桁目の数字は9なので、Nは、
N=a・10^5+b・10^4+c・10^3+d・10^2+e・10+9 (1)
と表せます。
次に、一の位(1桁目)の数字「9」を一番上の位(6桁目)に移して、他の数字の位をひとつずつ下げてつくった6桁の整数をMとすると、Mは、
M=9・10^5+a・10^4+b・10^3+c・10^2+d・10+e (2)
となります。
最後に、NとMとの関係を立式すると、
M=4N (3)
となり、(1)(2)(3)を使って、Nを求めればOKです。使った変数が7個あるので、3つの式では解けそうもありませんが、実は、
P=a・10^4+b・10^3+c・10^2+d・10+e
とおくと、(1)(2)は、
N=10P+9 (4)
M=900000+P (5)
となり、変数N、M、Pの3個に対して、(3)(4)(5)の3つの式となるので解くことができます。
それでは、(4)(5)を(3)に代入して、
900000+P=4(10P+9)
39P=899964
P=23076 (6)
(4)に(6)を代入して、
N=10・23076+9
=230769
と答えが求まりました。
次に、覆面算にして解いてみましょう。図1にそれを示します。
▲図1. 覆面算
掛け算の覆面算を解くコツは、一番大きな桁が繰り上りがあるか、ないかを調べることで、この場合、繰り上がりがなく、aに4を掛けて9となるのですから、aは2で、その下の5桁目からの繰り上がりが1ということです。
また、1桁目に注目すると、e=6になることが判ります。ここまでをまとめて、図2に示します。
▲図2.覆面算(途中経過)
ここからは上の桁から調べても下の桁から調べても、どちらでもOKなのですが、ここでは簡単そうなので下の桁からいきましょう。
普通に掛け算していけば良さそうです。まず、69×4=276なので、d=7になります。つづいて、769×4=3076なので、c=0、さらに、0769×4=3076より、b=3となり、図3のように覆面算が完成しました。元の整数は、前の答えと同じく、230769となります。
▲図3.覆面算(結果)
小学生でも簡単に解ける覆面算でした。まあ、東大大学院入試で覆面算を使って解く受験生は珍しいと思いますが。