東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く東大入試問題(41)

2019-01-18 12:17:34 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成19年度東大入試問題(前期、文理共通)です。

問題は、
「表が出る確率がp、裏が出る確率が1-pであるような硬貨がある。ただし、0<p<1とする。この硬貨を投げて、次のルール(R)の下で、ブロック積みゲームを行う。
   
   ① ブロックの高さは、最初は0とする。
(R)② 硬貨を投げて表が出れば高さ1のブロックを積み上げ、
     裏が出ればブロックをすべて取り除いて高さを0に戻す。

nを正の整数、mを0≦m≦nを満たす整数とする。

(1) n回硬貨を投げたとき、最後にブロックの高さがmになる確率pを求めよ。
(2) (1)で、最後にブロックの高さがm以下になる確率qを求めよ。
(3) ルール(R)の下で、n回硬貨投げを独立に2度行い、
    それぞれ最後のブロックの高さを考える。
    2度のうち、高い方のブロックの高さがmである確率rを求めよ。
    ただし、最後のブロックの高さが等しいときはその値を考えるものとする。」
です。

早速、取り掛かりましょう。

0≦m<nのとき、最後にブロックの高さがmになるのは、
・ 1からn-(m+1)回目までのn-m-1回は硬貨の表が出ようと裏が出ようとどちらでもよく、
・ n-m回目に裏が出て、
・ n-(m-1)回目からn回目までのm回すべてで表が出る
場合なので、最後にブロックの高さがmになる確率pは、

です。

m=nのとき、1回目からm回目までのm回すべてで表が出る場合なので、

です。

したがって、
・0≦m<nのとき
  
・m=n  のとき
  
で、これが(1)の答えです。

次に(2)です。

0≦m<nのとき、

です。

m=nのとき、
最後のブロックの高さは必ずm以下になるので、
=1
です。

したがって、
・0≦m<nのとき
  
・m=nのとき
  
で、これが答えです。

最後の(3)です。

2度の操作で、高い方のブロックの高さがmになるのは、
[1] 1度目の最後のブロックの高さがmで、2度目の最後のブロックの高さがm-1以下
[2] 1度目の最後のブロックの高さがm-1以下で、2度目の最後のブロックの高さがm
[3] 1度目と2度目の最後のブロックの高さがm
の場合です。

そこで[1][2][3]の確率の和を計算すると、

です。

ここで、
0≦m<nのとき
(1)から

なので、これらを(★)に代入して、

です。

m=nのとき
(1)から

なので、これらを(★)に代入して、

です。

したがって、
・0≦m<nのとき
  
・m=nのとき
  
で、これが答えです。


0≦m<nとm=nの場合分けを忘れないようにしましょう。