東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

2021年日本数学オリンピック予選の問題(5)

2021-03-18 10:17:37 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2021年日本数学オリンピック予選の問題です。

問題は、
「正の整数nに対して、正の整数mであってmとnが互いに素であり、m+1とn+1も互いに素となるようなもののうち最小のものをf(n)で表す。このとき、

のうちに現れる正の整数は何種類あるか。」
です。

素数を小さい順に、
1,p2,・・・,pk,・・・,pl 
(k、lは正の整数、k≦l)
として、

とします。

このとき、αxは整数で、
α1,α2,・・・,αk-1≧1
αk=0
αk+1,・・・,αl≧0
です。(つまり、pkがn+1の約数ではない最小の素数になります)

初めに、
1≦m<pk-1
を満たすmを調べます。

上記の不等式の各辺に1を加えると、
2≦m+1<pk
になり、これからm+1はpkより小さい素数prを因数にもちます。

このとき、prはp1、p2、・・・、pk-1のいずれかで、するとprはn+1の約数になり、n+1とm+1は互いに素ではありません。

したがって、条件を満たすmは、
m≧pk-1
になり、
f(n)≧pk-1   (★)
です。

次に、
k-1<pk
から、pk-1の約数は p1、p2、・・・pk-1 のいずれかなので、

と表すことができます。

このとき、βxは整数で、
β1,β2,・・・,βk-1≧0
です。

すると、

から、nとpk-1は互いに素で、さらに、

から、n+1とpkも互いに素になります。

これは、pk-1はmの条件を満たす整数であることを示していて、このとき(★)から、pk-1がmの最小値になるので、
f(n)=pk-1
であることが判りました。

続いて、

について、最大になるpkを求めます。

そこで、素数を小さい方から順に掛け合わせいくと、

から、pkの最大値は31です。
(2から31までの素数を1つずつ掛け合わせた積が

を超えるので、

以下の整数のなかに2から31までのすべての素数で割り切れるものはありません)

したがって、pkがとりうる値は、
2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31
の11種類で、これらのそれぞれについて、条件を満たす最小のm、つまり、f(n)が、
1、2、4、6、10、12、16、18、22、28、30
になるようなnが存在することを確かめればお仕舞です。


のとき、n+1と互いに素になる最小のm+1は31で、したがって、

です。

同様に、

になり、11種類のf(n)に対して、

が存在します。

以上から、

に現れる正の整数は 11 種類 で、これが答えです。


簡単な問題です。

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