こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
昨日と同様、秋晴れになりました。昨日に比べて湿度が高いようで、少し蒸し暑く感じます。
先日、東大大学院入試問題で、mn-3m-2n=0 を満たす自然数m、nの組を求める問題を紹介しましたが、今回は変数が3つあるものを紹介します。
問題は、2002年の同志社大に出題されたもので、
「0<x≦y≦z である整数x、y、zについて、
xyz+x+y+z=xy+yz+zx+5
を満たす整数x、y、zをすべて求めよ」
というものです。
これも東大大学院の問題と同様に因数分解すれば簡単です。まず、右辺のxy、yz、zxの項を移項して、
xyz-xy-yz-zx+x+y+z=5
とし、左辺を因数分解すると、
(x-1)(y-1)(z-1)+1=5
より、
(x-1)(y-1)(z-1)=4
を得ます。
ここで、x-1、y-1、z-1 は正の整数で、0≦x-1≦y-1≦z-1 が成り立ち、かつ、4の約数なので、
(x-1、y-1、z-1)=(1、1、4)、(1、2、2)
となります。
したがって、
(x、y、z)=(2、2、5)、(2、3、3)
が正解になります。
実はこの問題には続きがあって、
「0<x≦y≦z である整数x、y、zについて、
xyz=x+y+z
を満たす整数x、y、zをすべて求めよ」
というものです。
残念ながら、
xyz=x+y+z (1)
は、因数分解できないので別の方法を考えなければならないのですが、東大大学院入試問題で示したように、(1)の両辺をxyzで割るのが定番のテクニックです。
すると、
1=1/yz+1/zx+1/xy (2)
となります。
ここで、0<x≦y≦z なので、
3/z^2≦1/yz+1/zx+1/xy≦3/x^2 (x^2はxの2乗を表します。また、左の不等式は不要です)
したがって、
1≦3/x^2
x^2≦3
より、
x=1
となります。
(1)にx=1を代入すると、
yz=y+z+1 (3)
となり、これは因数分解できるので((y-1)(z-1)=2))簡単に解けるのですが、ここでは(3)の両辺をyzで割って解きます。
1=1/z+1/y+1/yz (4)
3/yz≦1/z+1/y+1/yz≦3/y
したがって、
1≦3/y
y≦3
となります。
最後に、(3)に、y=1、2、3を代入し、zを求めると、
y=1のとき、
z=z+2
で不適
y=2のとき、
2z=z+3
より、
z=3
y=3のとき、
3z=z+4
より、
z=2
これは、y≦zより不適
となり、正解は、(x、y、z)=(1、2、3)となります。
また、より簡単な解法として、
xyz=x+y+z≦3z
から
xy≦3
を導く方法もあります。
以上のような整数方程式の問題では、因数分解して約数を調べるか、因数分解できなければ、一番次数の高い項で割って不等式を作り、変数の範囲を絞り込むというテクニックを覚えておきましょう。
昨日と同様、秋晴れになりました。昨日に比べて湿度が高いようで、少し蒸し暑く感じます。
先日、東大大学院入試問題で、mn-3m-2n=0 を満たす自然数m、nの組を求める問題を紹介しましたが、今回は変数が3つあるものを紹介します。
問題は、2002年の同志社大に出題されたもので、
「0<x≦y≦z である整数x、y、zについて、
xyz+x+y+z=xy+yz+zx+5
を満たす整数x、y、zをすべて求めよ」
というものです。
これも東大大学院の問題と同様に因数分解すれば簡単です。まず、右辺のxy、yz、zxの項を移項して、
xyz-xy-yz-zx+x+y+z=5
とし、左辺を因数分解すると、
(x-1)(y-1)(z-1)+1=5
より、
(x-1)(y-1)(z-1)=4
を得ます。
ここで、x-1、y-1、z-1 は正の整数で、0≦x-1≦y-1≦z-1 が成り立ち、かつ、4の約数なので、
(x-1、y-1、z-1)=(1、1、4)、(1、2、2)
となります。
したがって、
(x、y、z)=(2、2、5)、(2、3、3)
が正解になります。
実はこの問題には続きがあって、
「0<x≦y≦z である整数x、y、zについて、
xyz=x+y+z
を満たす整数x、y、zをすべて求めよ」
というものです。
残念ながら、
xyz=x+y+z (1)
は、因数分解できないので別の方法を考えなければならないのですが、東大大学院入試問題で示したように、(1)の両辺をxyzで割るのが定番のテクニックです。
すると、
1=1/yz+1/zx+1/xy (2)
となります。
ここで、0<x≦y≦z なので、
3/z^2≦1/yz+1/zx+1/xy≦3/x^2 (x^2はxの2乗を表します。また、左の不等式は不要です)
したがって、
1≦3/x^2
x^2≦3
より、
x=1
となります。
(1)にx=1を代入すると、
yz=y+z+1 (3)
となり、これは因数分解できるので((y-1)(z-1)=2))簡単に解けるのですが、ここでは(3)の両辺をyzで割って解きます。
1=1/z+1/y+1/yz (4)
3/yz≦1/z+1/y+1/yz≦3/y
したがって、
1≦3/y
y≦3
となります。
最後に、(3)に、y=1、2、3を代入し、zを求めると、
y=1のとき、
z=z+2
で不適
y=2のとき、
2z=z+3
より、
z=3
y=3のとき、
3z=z+4
より、
z=2
これは、y≦zより不適
となり、正解は、(x、y、z)=(1、2、3)となります。
また、より簡単な解法として、
xyz=x+y+z≦3z
から
xy≦3
を導く方法もあります。
以上のような整数方程式の問題では、因数分解して約数を調べるか、因数分解できなければ、一番次数の高い項で割って不等式を作り、変数の範囲を絞り込むというテクニックを覚えておきましょう。