非常に良い内容で、削除されるのがもったいないので、
全文転載させて頂きます。
良い理由
1)非常に分かりやすい。
2)実態的なので、肌になじむ内容。
3)そして、短いからすぐに読めて頭に入る。
これほどまでに濃い内容をココまでコンパクトにまとめられる。ってスゴい!
===以下、全文転載===
太陽電池は20年以上壊れない 未来につながる公共投資を
配信元:産経新聞
2012/10/02 10:03更新
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記事本文
【プラチナ 日本】三菱総研理事長・小宮山宏
太陽電池はコストが課題といわれている。しかし安全安心の価値を考慮してといった条件付きではなく、経済的に考えてもすでに安い、と私は思う。
このことを理解するカギは、第1に太陽電池の寿命は極めて長い、ということである。奈良の壺阪寺(つぼさかでら)には、大きな仏像をライトアップする電源として30年前に設置された太陽電池が、顕著な出力低下もなく稼働している。太陽電池には、タービンが高速回転する発電設備のような意味での寿命はない。不具合は付属部品の寿命や屋根の雨漏りといった不良工事にまつわるものである。付属部品は取り換えればよいし施工技術も向上している。
第2は、日本国内では、年金基金など長期に安定した運用益を求める資金が投資の対象を求めているからだ。長期視点での太陽光発電のコストを計算してみよう。メガソーラーの設置価格をキロワットあたり30万円としよう。現在、国内でもっとも安価な太陽電池システムの販売価格は30万円ほど、パネルのみの国際価格は7万円ほどである。大規模なメガソーラーならもっと安く設置することも可能なはずだ。
年金基金であれば年間4%の利益が長期に得られれば十分であろう。30万円の4%、年間1・2万円である。1キロワットのパネルの年間平均の発電量は1100キロワット時(小宮山家の場合)だから、キロワット時11円で売れば年間1・2万円が得られる。つまり利益率4%とした場合の発電コストはキロワット時11円になる。この値は、発電コストの試算、原子力8・9円(最低)、LNG 火力10・7~11・1円(エネルギー・環境会議『コスト等検証委員会報告書』平成23年12月)にほぼ匹敵する。
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記事本文の続き もちろん短期的に大きな利益を求める資本が、利益率4%といった悠長な投資はしない。しかし今年から始まった固定価格買い取り制度による買い取り価格は42円である。1100キロワット時×42円で年間4万6千円の利益は、30万円の初期投資に対して15%の利益率であり、それが20年間保障される。しかも太陽電池は20年以降も壊れない。たっぷり利益を得た上で20年以降もコストゼロの電気が得られるのだ。企業にとってこんなに有利な投資はそんなにない。
ノーベル経済学賞の受賞者が米国経済に警鐘を鳴らしている。ジョセフ・E・スティグリッツの著書『
世界の99%を貧困にする経済』、ポール・クルーグマンの著書『
さっさと不況を終わらせろ』がそれだ。彼らの結論を要約すれば、政府が大規模な公共投資を行って不況を克服しろということになる。アメリカの送電インフラは旧式だし新幹線もないから、効果的な公共投資の対象がいくらでもある。
日本でも公共投資の議論がされてもよいのだが、コンクリート偏重の過去の公共投資への反省や、国の財政状況を考えればそういう声が出ない理由はわかる。しかし太陽電池など再生可能エネルギーとそれらを効率利用するためのスマートグリッド(次世代送電網)は公共投資のよい対象だろう。財源は政府ではなく、年金基金や個人の余裕資金だ。来年以降予想される買い取り価格の相当の低下を見込んでもなお、極めて有利な長期の投資対象だからである。(こみやま ひろし)
====転載、終わり====
転載元のURL
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