がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

台湾の薬草療法

2024-09-08 08:38:47 | 健康・病気

今回は、長年がんの薬草療法を研究した医師が書いた『半枝蓮等の生薬は癌に良く効く』(芳沢正隆:著、癌薬研究所:1986年刊)という本をご紹介します。

この本は、66ページしかないのですが、各種のがんに有効な生薬を網羅してあるので、専門家が薬草療法を行なう上でも非常に参考になる貴重な資料だと思われます。

著者の芳沢正隆氏は、1942年から1970年の28年間にわたり台湾をはじめ中国各地をまわって、いわゆる家伝秘方と称される漢方処方と生薬を探索収集し、5つの処方にまとめ上げたのですが、それなりに治療効果はあるものの作用が緩慢だったそうです。

そこで、消炎・鎮痛・解毒・殺菌・排膿等の作用を有する「半枝蓮」(和名:ヤンバルナミキソウ)と「白花蛇舌草」(和名:フタバムグラ)に眼を付け、1969年にがん治療に併用してみたそうです。

治療を受けたのは台湾に住む38歳の家庭の主婦で、左側の乳がんを患い、一時は遺書を残したほど悪化していたそうですが、服薬後、がんは一時腫大したものの、その後がん細胞は破壊されて縮小し、服薬1か月で家庭内の仕事ができるようになったそうです。(今も健在と書かれています)

芳沢氏は、その後も様々ながん患者の治療を行ない、半枝蓮の効力が最も良く、白花蛇舌草がこれに次ぐことを確認しました。

そして、半枝蓮、白花蛇舌草、ハトムギ、スイカヅラ花、甘草、サルトリイバラ、山馬茶、サカキカヅラの8つの薬草を使った新処方にたどり着いたそうです。(乾燥品の1日量は、甘草以外は各12g、甘草のみ8g)

使い方は、上記8種類の乾燥生薬を水約450ccに入れ、約150ccになるまで煎じつめて、温かいうちに服用します。(朝1回煎じたら、同日の薬を夕方更に煎じて朝夕2回飲む)

また、重症がんや肉腫・リンパ腫にはメシマコブやコフキサルノコシカケとの併用がよいそうです。

なお、もし個人でこの処方を試す場合は、生薬は一般的に金気(かなけ)を嫌うので、煎じる際には土瓶を使うようにしてください。

これによって、早期がんや手術後の早期転移がんでは、服薬1か月ないし1か月半位で患者は日常生活ができるほど回復し得るものの、2~3年の中期がんや3年以上の長期がんは治癒効果が遅く、延命効果も早期がんほどは良くないそうです。

これは私の見解ですが、やはり治療効果を上げるためには、薬草だけに頼らず、本ブログの「癌はこれで治る」でご紹介したがん治療の五原則を同時に実行するのが最善だと思います。

他に役立ちそうな情報として、がんや肉腫を予防するには、マツタケ・ナメコ・エノキタケ・シイタケ等の常食が有効であると思われるそうです。

台湾では、芳沢氏の尽力に加え、この薬草療法で治ったがん患者たちの宣伝活動によって、半枝蓮が一般社会で高く評価されるようになり、かつて「死症」と言われたがんも、今(1985年)では恐れられていないという状況になったそうです。

最後に余談ですが、本ブログの「1-2.デザイナーフーズ計画」でご紹介した、がん予防効果が認められた食品の図において、ニンニク、キャベツに次いで3番目にカンゾウとありますが、これは鹹草と書く植物で、明日葉(あしたば)を意味することがこの本を読んで分かりました。

芳沢氏によると、明日葉はがん治療に併用され、がん予防にも賞用されるそうなので、大いに利用したいものですね。

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丸山ワクチン

2024-08-11 08:28:22 | 健康・病気

前回は蓮見ワクチンをご紹介したので、今回は、非常に有名な丸山ワクチンをご紹介しましょう。

参考にした文献は、『結核菌体抽出物質(丸山ワクチン)に魅せられて ―ある病理学者の研究白書―』(川崎医科大学 実験病理:編、木本哲夫・丸山ワクチン患者家族の会岡山支部:1987年刊)という小冊子で、これは病理学専攻の医学博士:木本哲夫氏の講演の記録です。

まずは基礎知識からご紹介すると、丸山ワクチンは、人型結核菌体(青山株)から抽出した多糖体アラビノマンナンを主成分とするものだそうです。

また、丸山ワクチンは、もともとは結核の特効薬として丸山千里博士が開発したもので、結核に効く薬ががんにも効くというのは不思議な感じがしますが、実はこの薬にはコラーゲンを増殖させる効果があり、これががんの病巣を包囲することによって治療効果を発揮するのだそうです。

逆に言うと、コラーゲンが増殖するのに時間がかかるため(数か月)、丸山ワクチンには即効性がありません。

したがって、木本氏は、がんと診断されたら直ちに丸山ワクチンによる治療を開始すべきだと語っています。

丸山ワクチンの優れた点は、副作用がないこと、肝臟への転移がんに有効であること、悪性黒色腫に有効であること(動物実験)、がん性潰瘍が治ること、高齢者の免疫力の増強効果などが挙げられるそうです。

また、この小冊子には、生後1年の小児がん(ウィルムス腫瘍)摘出後、肝臓に転移したがんに丸山ワクチンを使用して良性の腫瘍に変化した事例が紹介されていますが、確かに乳幼児の場合は、本ブログの「癌はこれで治る」でご紹介した方法を実践するのは困難でしょうから、丸山ワクチンの使用を第一に考えるべきなのかもしれません。

なお、丸山ワクチンにも弱点があり、病状が進行して腹水がたまる時期になると、丸山ワクチンは役に立たないそうです。

したがって、そうなった場合は、前々回ご紹介した「BRP療法」を試すべきなのかもしれませんし、そもそもそれ以前に、本ブログでご紹介した食事療法や物理療法を併用することが大切なのではないかと思います。

丸山ワクチンは、がんの治療薬としては認可されておらず、医学界では冷遇されていますが、丸山ワクチン・オフィシャルサイトの情報によると、すでに42万人がこの治療を受けているそうです。

丸山ワクチンにご興味のある方は、『ガンからの生還 丸山ワクチンで救われた人々』(今井米子:著、長崎出版:1984年刊)という本に、様々な種類のがん患者(あるいはその家族)の体験談が紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。

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蓮見ワクチン

2024-07-28 08:39:41 | 健康・病気

前回は、がんを注射で治す方法をご紹介したので、今回はそれに関連して、『癌の新研究 ガンは注射(ワクチン)で治る』(蓮見喜一郎:著、学風社:1960年刊)という本をご紹介しましょう。

この本の著者の蓮見喜一郎(はすみきいちろう)氏は、明治37年生まれで、大正14年に千葉大学医学部を卒業し、昭和6年以来がん研究に着手し、昭和12年に医学博士となった人物だそうです。

この本によると、蓮見氏は、昭和22年に世界で初めてヒトがんウイルスの電子顕微鏡写真の撮影に成功し、その結果、がんの原因はウイルスであり、これを撲滅する方法は免疫療法でなければならないと主張するに至ったそうです。

そして、がんのウイルスを紫外線等で減毒して、病原性を失わせたワクチン(蓮見ワクチン)を作成し、このワクチンを患者に注射する免疫療法によって、第一期(がんが近くのリンパ腺にまだ転移していない状態)、第二期(がんが近くのリンパ腺に転移した状態)のがん患者はほとんど完全に治癒したそうです。

また、第三期(発生場所から遠く隔った、無関係の場所にがんが転移した状態)の重症患者でも何%かは全治し、がんの再発もほとんど予防できたそうです。

ただし、この蓮見ワクチンに対しては、熱烈な支持者がいる一方で、強く批判する専門家も多く、どう評価していいのか迷うところですが、専門家が蓮見氏を嫌う理由は、以下のような蓮見氏の考え方に原因があったのかもしれません。

◆『癌の新研究 ガンは注射(ワクチン)で治る』本文199ページ2行目から

 ガンは、何等かの刺激によって起るという、漠然たる考えからは、ガンは切りさえすればい
い。切ればガンは治るといった方法が出てくるわけですが、外科的に、ガンを手術いたします
と、その大多数は再発という形で、わずかの間隔をおいて、また、ガンが再発してまいります。
 再発の場合には、その発生した場所によって、隣接臓器にも非常な影響をあたえ、二度目の
ガンは手術ができないとされています。そのために、再発ガンは、実際には、お手あげの状態
になっているのが現状であります。
 その再発ガンの予防のために、まだ、ガンが再発しない時期から、ラジゥム、コバルト、ア
イソトープなどの放射性物質を使って治療いたします。
 しかし、こうした予防措置を講じている場合ですら、手術後の再発は日常茶飯事なのであり
ます。要するに、放射線療法では、患者にも苦痛を与え、しかも、再発の措止すらも困難であ
るというのが、残念ながら、現状であります。
 “ガンは治る″という豪語も、見方によれば一つの虚勢とも見られます。

これは、手術や放射線照射ががんの原因を治療していないことから、当然の指摘ですが、この本が出版された1960年当時は、本ブログの「早期発見早期治療のウソ」でご紹介した田崎勇三氏が、早期発見・早期治療でがんは根治すると日本全国に宣伝していた時期ですから、蓮見氏の正論が医学界の支配者層を敵にまわすことになった可能性はありそうです。

私としては、第三期の重症患者の治癒率が「何%」程度しかなかったことが問題だと思うのですが、蓮見ワクチンを批判する専門家の論点はそこではなく、例えば『「癌と外科医・内科医」―医学とヒューマニズム―』(小田切信男:著、東京独立ロゴス社:1968年刊)という本によると、蓮見氏の説は非科学的で、彼はがんでないものをがんと称しているにすぎないというものでした。

しかし、『いのちと医学の間 ガン治療をめぐる医学界の黒い霧』(村上信彦:著、大和書房:1966年刊)という本によると、逆に大病院でがんの診断を受け、蓮見ワクチンで助かった人が多数いるそうなので、これは水掛け論的な感じもします。

また、現代では、子宮頸がんがヒトパピローマウイルスによって引き起こされるとして、予防ワクチンを打つよう盛んにキャンペーンが行なわれているわけですから、単なる商売上の問題として、ワクチンが作れなかった人々による妨害だったのかとも思われるのです。

なお、蓮見ワクチンを使った実際の治療法は、『蓮見ワクチン病症別療法 Ⅳ 子宮ガン・乳ガン・膀胱ガン・前立腺ガン・直腸ガン』(村上信彦:編、細川書房:1971年刊)という本によると、一般的には普通ワクチンとよばれるものを月6回(5日に1回)注射し、がん反応がマイナスになればしだいに注射の回数を減らしていくそうです。

また、重症の場合は患者自身の尿から自家ワクチンを作成し、症状によっては栄養注射や増血剤を併用することになるそうです。

蓮見ワクチンによる治療を受けることは現在でも可能なので、ご興味のある方は「珠光会」で検索してみてください。

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免疫監視療法

2024-06-23 08:46:56 | 健康・病気

今回は、『見えてきたガンの征服 生命の力が生み出したBRP療法』(佐藤一英:著、実務教育出版:1995年刊)という本をご紹介します。

この本によると、著者の佐藤一英(さとういちえい)医師は、1972年に次のような「免疫監視療法」を考案したそうです。

1.まず、がん細胞に放射線の微量照射、あるいは抗がん剤の微量投与をしてがん細胞に刺激を与え、がん細胞は体内に巣くう異物であり、免疫系が攻撃する対象物であるという目印をつけてやる。

2.そこにがん患者以外の健康人から採取した免疫の主役であるリンパ球を少量注入して、そのリンパ球に患者の体内のがんの存在は異物であると捉え、攻撃すべき対象であることを強く認識させる。

3.注入された少量の他人のリンパ球は、患者の体内のがんは異物であり攻撃対象であるという情報を持つことになり、患者自身のリンパ球に対してこの情報を伝える。

4.それまでがんがあっても攻撃もせず存在を許容していた患者体内のリンパ球は、注入された他人のリンパ球(異物)と、もたらされた新たな情報によってがんを強く攻撃し排除するようになる。

この治療法は、延命効果まで含めると30~60%に治療効果が認められ、これによって末期がんから奇跡的に回復して通常の生活に戻ることができた人もいたそうです。

そして、1980年には、偶然に「BRP療法」を発見したそうです。

発見のきっかけは、別の病院で進行胃がんの手術を受け、退院後は抗がん剤を服用し続けていた69歳の女性が、症状が悪化して佐藤医師のところに運び込まれてきたことで、早速「免疫監視療法」を開始したところ、この患者はなんとか流動食が摂れるまで回復したそうですが、腹水が溜まった状態は改善せず、腹腔が膨満して苦しいという訴えがあったそうです。

しかし、単純に腹水を抜くと、そこに含まれるタンパク質(アルブミン)を失うことで患者の状態が悪化する可能性があるため、患者自身の腹水からアルブミンを取り出して患者の血中に戻してやることを思いつき、腹水を採取して安全性を確認した後、これを精製して得られた自家アルブミンを患者に注射したそうです。

すると、その翌日には患者の症状が劇的に改善したため、がん患者から得られる自家アルブミンには、単にアルブミンタンパクだけではなく、何かがんに有効な、生命現象の賦活に重要な役割をする特殊な物質が含まれているに違いないという結論に至ったそうです。

そこで、この未知のタンパク質をBRP(Bio-Reproducing-Protein=生物組織再生化タンパク質)と名付け、無害性を可能な限り精密に調べて問題がないとなった時点で、他のがん患者にも投与してみたところ、BRPはどのような種類のがんに対しても効果を発揮することが判明したのだそうです。

佐藤医師の治療法は、これまで聞いたことがなかったので、どこまで信用できるか疑問でしたが、調べてみると、福島大学名誉教授の経済学者・相澤與一氏が、「佐藤療法」でがんを克服した体験を語っていました。(『一社会政策研究者の中間回顧(下)』より)

それによると、相澤氏はイギリス滞在中に悪性リンパ腫で大腸の一部を切除する手術を受け、帰国後の検査で、少なくとも肝臓にはかなりの浸潤(転移)があることが判明し、抗がん剤投与を勧められたそうです。

しかし、退院後にイギリスで2週間おきに2回受けた抗がん剤の副作用がひどかったため、奥様が代替療法を捜し求め、彼に佐藤一英医師の免疫療法を受けさせたところ、たった1回の点滴処置が劇的に奏効して肝臓への浸潤が消滅したのだそうです。

したがって、この治療法はそれなりに信用できると思われますし、治療回数も少なく、副作用もないので、これまで標準とされてきた方法(手術、抗がん剤、放射線)に代わって、「佐藤療法」はこれから大いに注目されることになるかもしれませんね。

「免疫監視療法」や「BRP療法」は、現在でも「横浜サトウクリニック」やその他の協力病院で受けることが可能なようなので、ご興味のある方は『見えてきたガンの征服 生命の力が生み出したBRP療法』の巻末の一覧表をご覧ください。

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フグの毒

2024-05-05 08:55:07 | 健康・病気

今回は、『皇漢医術百話』(木村克己:著、温知社:1936年刊)という本に、フグの毒では人間は死なないということや、逆にフグ中毒で難病が治ってしまうことが書かれているので、詳しくご紹介したいと思います。

それによると、陸軍少将・多賀宗之氏の友人に、数代にわたってフグを研究している広島県在住のフグ研究者がいて、この本の著者である木村克己氏は、その研究者の体験談を多賀氏から聞いたわけですが、その特筆すべき点は以下のようになります。

1.リンパ系関係の疾病を持たない人間は、決してフグ中毒を起こさない。

 フグ毒はリンパに作用してその活動を促すので、リンパの活動によって除去せらるべき何物もない時は、中毒症状を起こさないのである。

2.フグ中毒を起こした場合、仮死状態になることがあるが、決して死ぬことはない。

 もしリンパ関係の疾病がある者がフグ毒を食べた場合は、活動を促されたリンパは病毒を駆逐しようとして、そのところに烈しい抵抗を生じ、循環系統や、呼吸器や、神経の働きは一時その作用を休止する。これを医者や世間一般の人は中毒で死んだといっているが、それは死んだのではなく、仮死状態になっただけである。仮死状態は3日ないし5日間、多くて1週間位である。しかしながら例外として49日間仮死状態を継続した記録保持者がいる。

3.フグ毒は人間を仮死状態にしてまでリンパに働くが、その作用が済むと人は自然に覚醒する。

 仮死状態となった者は、決して強直状態を生じない。また数日以上そのままにしても臭気も発しない。医療を施さず、放置して自然に覚醒するのを待つのが最善である。覚醒時の状態はだれもかれも一様で、醒めると直ぐ両腕を掻く、次に胸を掻く、次に背を掻く、その掻き方は極めて激しく、皮膚が破れるかと思われる程強く掻く、そうして大きな欠伸を幾回となく続ける。

4.これで梅毒ライ病等は奇麗サッパリ治ってしまう。

 つまりリンパ系統が猛烈に働いて、体内の毒素を悉く排泄浄化してしまうからで、梅毒やライ病にはこれ程簡単で、かつ偉功ある療法は他に決してない。

5.コレラ、疫痢、チフスその他一切腸の急性疾患には、フグの卵の乾物を服用すると腸のリンパが猛烈に働き、毒素を排泄して全治する。往年コレラ大流行の時は、横浜でその患者を見つけ次第服用させて治した。

6.ある梅毒の患者があった。これはフグを食べて若干日仮死すれば必ず治るのであるが、勧めるわけにもならず、そこでフグの黒焼を久しく連服させたら、身体中に腫物が出来た。それを松葉でつぶしつつ経過させたら、その後腫物全部カサブタとなり、更に剥離して全治した。

7.癌は如何なる種類のものでも、フグの中毒で仮死状態になったものについて見れば、癌の部分と健康部との境界に皮膜が出来て自然に脱落するもので、これは胃癌なら大便の中から、子宮癌なら月経と一緒に、排泄された癌腫の脱落片を発見する事によって証明される。

以上です。

なお、誤解のないように説明しておきますが、ここで私が言いたいのは、がんを治すためにフグを食って仮死状態になれということではありません。

そうではなく、フグ中毒の場合、身体が毒に対処しているうちに腫瘍が自然に剥がれ落ちてしまうわけですから、がんはフグの毒に比べたらささいなことだということです。

ですから、がんを宣告されても動揺することなく、むしろ生活習慣を見直す絶好の機会を得たことを喜んで、本ブログでご紹介している対処法をできるだけ多く実行するようにしていただきたいのです。

なお、フグの毒では人間は死なないという主張はそのまま信じるわけにはいかないので、いろいろと調べてみたところ、『天城の山の物語 猫越峠 わさび沢』(野木治朗:著、俳句研究社:1964年刊)という本に、フグ毒で死亡診断後6日目に生き返った実話が紹介されていました。

それによると、酒の肴にフグの素人料理を食べた5人が全員中毒を起こし、全身がケイレンして体は硬直し、皮膚が紫色に変わって、これを診た医師は、死亡したものと判定して、何等手を下さなかったそうです。

ところが、唯一人、その場でフグを食べなかった人物がいて、彼は桑畑に5人分入れる穴を一つ一つ堀り、棒鱈のように堅くなった5人の体を埋めて首から上だけ地上に出し、石の枕をあてがったそうです。

そして、5日間、桑の木を燃やして煙をあげ火をたやさないようにし、その間ろくに眠らず、めしも食ったり食わなかったりと大変苦労したのですが、6日目の朝、石を枕にして埋まっていた男等の顔がそろって素顔になり、その日のうちに真ン中の男の眼玉が動き出し、それと前後して、全部の者が息を吹き返したのだそうです。

これに関しては、『斯くして全快すべき肺自己療養法』(上野実雄:著、天然療養社:1918年刊)という本に、淡路島の近海では、漁師がフグの中毒で苦しむときは、海岸の砂を掘って、首から下を数時間生き埋めにすることによって再生したことが書かれているので、フグ中毒患者を土に埋める治療法は広く知られていたのかもしれません。

また、フグ中毒に限らず、医師から死亡判定された人が生き返ったというニュースは時々目にすることがありますから、木村氏の話もある程度信用してもよいのではないかと思われますし、死者を葬る場合は、生き返る可能性を常に考慮しておく必要があるようです。

ところで、『損害賠償 被害者救済の法律』(加藤了:著、日本経済新聞社:1982年刊)という本によると、昭和50年1月15日夜、京都南座の初春公演に出演していた人間国宝の歌舞伎俳優、8代目・坂東三津五郎が、ひいき筋の会社役員ら5名と一緒にフグ料理店にフグを食べに行き、結局彼だけがフグ中毒となり、翌16日午前4時40分ごろ死亡するという事件があったそうです。

この場合、もし『皇漢医術百話』を読んでいる人が周囲にいて、1週間ほど死体を放置して様子を見ていたら、違った結果になっていたかもしれませんね。

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