このブログでは、これまでに、第三マキヨヂンという100年以上前のがん治療薬や、ほぼ同時期に始まったと思われる人工の太陽光線を使ったがん治療法などをご紹介してきましたが、最近、さらに古いと思われる治療法を発見したのでご紹介しましょう。
『血液循環療法講習録』(小山善太郎:著、血液循環療法研究会:1925年刊)という本によると、著者の小山善太郎氏は、1910年(明治43年)に、血液循環療法というがん治療法を編み出したそうです。
小山氏は、リウマチで右手が不自由だったのですが、あるとき、突風に飛ばされた帽子をその右手で反射的につかんだそうです。その瞬間、激痛が走り気絶したのですが、しばらくして目が覚めると、不自由だった右手が奇跡的に動くようになっていたそうです。
これをきっかけに、小山氏は難病に苦しむ人を助けたいと思うようになり、聖書にヒントを得て、神に祈りながら病人の患部を押して、がんを含む様々な病気を治療するようになったそうです。
こう書くと、血液循環療法は、按摩やマッサージと類似しているように思われるかもしれませんが、小山氏は、
「今日迄の医学を改造して目に見えぬ神を信じ、聖霊の力を我身に応用して我が身は無線電話の器の如くなりて各種難病人に応用せば不思議に各種の病い多く癒え霊の病いは霊の力を応用せば癒ゆるものであります。」
と述べていて、血液循環療法の精神は、按摩やマッサージとは根本的に異なることが分かります。また、物理的にも、按摩やマッサージでは患部に指が届かないそうで、この療法は、奥深く窪んだところを痛みを感じるまで強く押し、指に触れた塊を分解することで、効果を発揮するそうです。
というのも、小山氏によると、病気の原因は、脂肪が硬くなって神経や血管を圧迫することにあり、硬くなった脂肪を指頭によって押圧し分解除去すれば、血流が回復して病気は治るのだそうです。
1914年7月14日に前内務大臣の床次(とこなみ)竹次郎氏が脳溢血で仆(たお)れた際には、著者は囲碁友達として床次氏と懇意にしていたので、床次邸に出向いて、詰まっている血管を5分か10分押したところ、血栓が解消して血が流れるようになり、床次氏はすぐに自由に動けるようになったそうです。
ちなみに、床次氏の主治医は、発熱に対処するため患部を氷で冷やしていたのですが、小山氏によると、もしそれを続けていたら床次氏は半身不随になっていたかもしれないそうです。
小山氏によると、舌がん、食道がん、喉頭がんは、刺激の強い食品によって長い月日の間に組織が傷つき、それを補うために脂肪が寄り集まってきて沈滞することが原因なので、脂肪の塊(かたまり)の周囲を静かに、そして長く押して解いてゆくと、長い間にその塊は解けてがんは全治するそうです。
また、胃がんや子宮がんも同様に治療できるそうで、この本には、医者から見放された、妊婦と間違えるような巨大な子宮がんが完治した例が写真とともに紹介されています。
なお、がんの場合は、塊の中心部を避けて、正常な組織との境界部分を押すのがよいそうです。
こういった手技だけで様々ながんが治ることは本当に驚きですが、私がもっと驚いたのは、喘息(ぜんそく)や癲癇(てんかん)、インフルエンザ、坐骨神経痛なども血液循環療法によって治療できると書かれていることです。この療法を身につければ、病気知らずの家庭を築くことができそうですね。
この療法は現在も継承されていて、「血液循環療法協会」で施術や講習を受けることができるようです。ご興味のある方は検索してみてください。
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