とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

シャルル・ミュンシュの幻想交響曲

2009年12月08日 | ミュンシュとマルケヴィッチ
ベルリオーズの音楽は世界史的な表現を使えば、モーツァルトの音楽がフランス大革命であり、ベルリオーズは7月革命に呼応する音楽史上の革命家だろう。ちなみにワグナーはパリコミューンに当たる革命家であろう。私はこの3人の革命家が好きだ。
中でも幻想交響曲はブラームスの第一交響曲同様に手持ちのメディアは30を超える。しかもその3分の1はミュンシュだ。その中でも1962年のボストン交響楽団との幻想は、中学生の時に自分の小遣いをためて買った初めてのステレオ30㎝のLPだった。それ以来、指揮者ミュンシュはマルケビッチ同様に今もって聴き続けている指揮者であり、ベルリオーズも全作品には及ばないが彼のほとんどの作品を聴き続けている。
このLPを今回24bit,96kHzでダビングした。そして市販のCDと聴き比べをした。このLPを大切にしていたためにキズはないが、長年聞き続けたせいだろうか、盤の劣化によるものか、音全体に切れがなく、ぼやけたひびきになっている。市販のCDの音の方がはるかに良い音がした。


ミュンシュとパリ管との記念碑的LPをダビングした。最近このメンバーによるお披露目演奏会のLIVE CDが発売された。まだ未聴だがLIVEのミュンシュだけに気になるCDの出現だ。しかしこのLPは幻想交響曲中ではBESTだと思うが、これも英国人には不人気なのだ。ペンギンガイドでもグラモフォンの推薦盤はいずれもデービスとアムステルダムコンセルトヘボウ盤だ。商業録音盤としては演奏・録音ともに最高の名盤といえると思うのだが?。パリ管との録音をまとめてセットされたCDをその後購入したが、こちらは24Bit,96kHzの良さが出てひびきの広がりを感じる。


フランス放送管弦楽団との1945年録音の幻想が怪しげなカナダの”A Classical Record"の2枚組のCDのなかにある。原版はフランスコロンビアでこの他2枚ほど同じ音源の海賊版を所持しているがこれが1番まともな音がする。またこのCDにはオネゲルの2番、ドビッシーの海、ラベルのパバーヌ等最後期にパリ管との演奏・録音した曲がふくまれ、ミュンシュの原点を感じる。


ミュンシュは節目ごとに「幻想」を録音していた。1954年商業録音としてステレオ録音による最初の幻想。半世紀前の演奏とは思えない鮮烈な演奏。現在でも存在の価値はある。


LIVEのミュンシュと言われた実況録音版。
1963年のリスボンでのLIVEは私の1番好きな演奏だ。この演奏はミュンシュの正に爆演なのだ。フランス国立管弦楽団を鼓舞する叫び声、タイミングをとるドーンという足音、そして演奏の熱狂がもろに伝わる音。弦のずれ、金管のみだれお構いなしの熱演そのものだ。
また同じLIVEでも1966年のブタペスト交響楽団との演奏はミュンシュが優等生になっている。ここでの弦、管のバランスの絶妙さ間の取り方、何かひとつずつ楽員に解説しているような演奏だ。ある意味幻想の教科書的な演奏になっている。ミュンシュとしては面白くはないが良い演奏だ。



1963年のカナダCBC交響楽団とのDVDは全編ミュンシュの指揮姿がメイン。それ以外は画像は暗いし、音は悪くお勧めできない。
1962年のボストン交響楽団とのDVDは、幻想とドビッシーの海、ラベルのダフニスの2番組曲と謂わばミュンシュの名刺代わりのような選曲。このコンサートは正にミュンシュ=ボストン響の記念碑だろう。音はモノラル、映像にキズはあるが、楽しめる。ぜひとも1967年のパリ管との第1回演奏会も映像つきで聞きたいものだ。










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