とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

サヴァリッシュ 追悼 その1

2013年02月26日 | サヴァリッシュ



 ヴォルフガンク・サヴァリッシュ氏の訃報を2月24日に知った。
オフクロの四十九日法要の翌日だった。89歳だった。オフクロは88歳だった。何か自分の人生のなかで
この人の「音楽」がオフクロの様に私の人生に常に身近に感じた音楽だった。

高校生の時にはコンサートに行けるだけの家に余裕が無く、NHK-FMと教育TVでの演奏が初めての出会いであり、
でもLP時代にはミンシュとマルケビッチが好きな指揮者で、サヴァリシュの良さはあまり理解できないでいた。
社会人になりN響の定期会員になり生に初めて接した。其の時に「すごい指揮者」だと思った。
 彼のシューマンの交響曲を聴いて、シューマンの交響曲が「名曲だったのだ」と思った。ミュンシュに音楽の
楽しさを、マルケヴィッチには音楽の凄さを、彼によって音楽を理解したように思えた。
 彼のすばらしさ、彼しか出せないのは「歌心」だと思った。マイ・コレクションの中では、すべて、「歌心」
のあふれる彼の演奏を選んでいた。彼の演奏により「理解できた」と思った曲は多い。

 其の中でのベストはロッシーニの「小荘厳ミサ曲」だと思う。これはおそらく同曲中でもBESTだと思う。
彼のピアノと指揮で歌手もファスベンダー、デスカウとピカ一の布陣で、オペラ作曲家ロッシーニのイメージ
とかけ離れたこの曲の、研ぎ澄まされた感性のぶつかりあう火花飛び散る演奏はスリリングですらある。

 それに双璧をなすのがドボルザークのレクイレムだ。彼の追悼としてのこじ付けでは無く、彼の演奏し残さ
れたドボルザークはどれも素晴らしい。ドボルザークほど美しいメロディーを書いた作曲家はいないだろう。
其のメロディーをサバリシュほどノーブルに演奏した指揮者もいない。
 この曲はチェコフィルの演奏としても素晴らしい。

 合掌
 




 



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