とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

ピエール・ブーレーズ 追憶 その1

2016年01月08日 | LPレコード

 昨日(2016/01/07)ピエール・ブーレーズ氏が90歳で逝去されたことをNetで知った。

 私がクラシック音楽にのめりこむようになったのは、中学の時におやじが買ったFMチューナー付きのステレオ装置とおふくろが買ったLPレコードが始まりだ。当時は小田原に住んでいて、レコードも小田原の楽器店で購入できる、いわゆる大手レコード会社のもので、その当時はシャルル・ミュンシュとイーゴリ・マルヴィッチのLPに出会い、今日まで聞き続けているが、高校2年の時におやじが転勤になり、一時私一人で小田原に下宿したのだが、途中から、江古田から小田原に通学することになった。

 時折通学帰りの通り道の当時西武デパート内のインショップのレコード店だったWave(倒産で亡くなった)に寄り道した。そこには輸入盤や会員販売していたコンサートホールソサエティのLPを販売していた。その中に30cmLp1350円は最安値の「春の祭典」を見つけ購入したのが、ピエール・ブーレーズを知った最初だった。

 

 家に帰りすぐにLpを聴いたが、その時の驚きは半端ではなかった。FM放送では聞いたことがあったが、このLPからの音楽は、色彩感と躍動感が私の想像を超えていた。このとき「ストラヴィンスキーの音楽」を初めて聴いたと思った。しかしこのLPはかのレコード**雑誌では取り上げられることはなかった。

 高校3年になって本来受験勉強なのだが、相変わらずに学校帰りにWaveによってはLp探しと音楽雑誌の立ち読みをしていた。そんなある日これまた偶然春の祭典と同じコンビでの「結婚」を見つけそれこそ有り金はたいて購入した。この曲はそれまで一度も聞いたことのない曲で、聴いたときはそれこそ「春の祭典」の比ではない驚きを感じた。この当時はFM放送でよく聞いていたのはマーラーとワグナーだったが、この2枚のLpによってFM放送で聴く番組に現代音楽が加わった。番組はシュベチンゲン音楽祭かドナウエッシンゲン音楽祭かのLive録音だったかと思うのだが確かではない。

高校時代の忘れられないピエール・ブーレーズに思い出に今も好きなワグナーがある。当時大阪フェスティバルと称して、世界の一流の音楽家のコンサートが春に開催され、高校3年、いよいよ受験体制に、という矢先、今思っても考えられないメンバーによる「バイロイト音楽祭大阪公演」が行われ、NHKが実況放送したのだ。我が家の小さい白黒画面に4時感音割れするTVスピーカーを聴き続け白黒画面を注視下のだ。本場での指揮はカール・ベームだったが、大阪ではピエール・ブーレーズだった。これまた驚きだった。ワグナーを否定し切り開いたストラヴィンスキーの音楽世界を見事なまでに再現したブーレーズが「トリスタンとイゾルデ」を振ったのだから。後年就職して多少お金が自由になったとき、同じ池袋Waveでその時のVHSを見つけた時にはそれこそ狂喜乱舞の思いで購入した。

 私にとってピエール・ブーレーズとの出会いは「指揮者」としてであった。この3つのブーレーズは聞くたびに(見るたびに)高校生時代の思い出がよみがえる思い出箱的なもので、カミさんからはCD,DVD時代になってからは何度も廃棄処分命令が出されているが捨てられずにいる。

 

 

 

 



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