とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

タワーレコード:ペンデレッキ=ルカ受難曲

2007年11月10日 | LPレコード
巷では今昭和30年代がレトロとしてブームになっているそうだ。私の育った時代が昔話となってしまった。しかしこと芸術の世界では50年前は「現代」と言うジャンルでくくられる。
1966年に作曲・初演された、ペンデレッキのルカ受難曲は、高校・大学時代に背伸びして現代音楽というジャンルに入れ込んだ時に、シュトックハウゼン、ノーノと言った作曲家にはなじめなかったが、ペンデレッキには自然と入り込めた。
就職して小遣いに余裕が出来た時、ルカ受難曲を入手した。


このLPはドイツミュンスター大聖堂700年記念のために作曲され、その初演した指揮者ヘンリク・チシがポーランド初演者により録音されたものたが、実質は第二次大戦犠牲者のための受難曲である。その意味でペンデレッキは「広島の犠牲者のための哀歌」とともに相手国の犠牲者への鎮魂歌を作曲したことになる。
このLPの帯には第22回芸術祭優秀賞受賞と明記されているが、誰がどのような基準で賞を決めたのだろうか、またこの受賞がどれほどの価値を持つものか、これまでの受賞作品が現在どうなっているかが知りたいものだ。受賞作品が公的機関で保存されているのだろうか????。
12音技法を駆使したこの曲は、バッハの響きが現れ、中世のコラールが現れ、聞く耳には優しい。私自身はこのLPで満足し、LPをCD-Rに焼き直し今も愛聴しているが、ペンデレッキの自作・自演のCDに魅力を感じ値段の安さが後押しされ購入した。
基本的にはチシの演奏とペンデレッキの演奏に大きな差は感じられなかったが、チシの演奏には一気に突き進む緊張感を感じたが、ペンデレッキの演奏には客観視した分析的な感じを受けた。それにしてもこの名曲も日本での演奏は聴けないのは何故だろう。


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