おやじ歩けば…

　おやじ歩けば…、妙なもんをみつける。



　言うたち、はなっから妙なもんぢゃあ失礼にあたるろうきに…、先ずは立派な塀。やけんど…、どういてこんな凝ったつくりにしたがやろ～か。



　植物に取り込まれたような建物は良う見掛けるけんど…、こりゃあ取り込まれ具合がぼっちりばぁで、双方の息遣いが聴こえて来そうやと思うがァは、私だけやろうか…。



　こんな看板を見て、もう「まむし（蝮）」が居わんなったがやろうかと希望的観測をする脇に佇むカメムシさんは…、何を想いゆうがやろぅか…。



　大胆に産み付けられた通称「ジャンボタニシ」こと「スクミリンゴガイ」の卵とか、かなり引込思案な自販機とか…。まぁ…とにかく妙なもんがようけある。



　なんか表示がもげて川に落ちた町やら、メデューサに睨まれて玄関に鎮座した魚さんやら、かなり混雑しちゅう魚群やら…。



　「妙な（みょうな）」と言うたら「変な」とか「不思議な」とか「不審な」とかになるがやけんど、同じ漢字やち「妙なる（たえなる）」としたら「素晴らしい」とか言うことになるきに…、げにまっこと日本語は面白いぜよ。



　さて殿（しんがり）は、いつもの漁心市でみつけたこの「トウヤク（シイラ）」やけんど…なんぼ言うたち一本５００円は安いろぅ！「南蛮漬け」とか「幽餡漬け」とかイケそうやきに、「おやじ歩けばえいもんみつけた！」と、すかさず買うて「ゆずの宿」へ持ってかえりたかったがやけんど…。段取りを考えゆう間に売れてしもうて…、まっこと残念やったちや。

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