アルビの次の宿泊地はアルビから北北東に150kmほどにあるエスタン、中世の趣きそのままタイムスリップした感じのする街だった。途中立ち寄ったコンクと同様に、キリスト教の聖地サンチャゴ・デ・コンポステラ巡礼地の要所となったいるそうだ。フランス史上の要人を輩出した貴族デスタン家の館を中心とする村、その名エスタンとなっている。
現地ではじめて知ったこと、元フランス大統領、ジスカール・デスタン大統領の姓は、このデスタン家からだった。
ホテルはエスタン城からほんの数分のところにあり、私達以外は巡礼中の人だった。まあ、ホテルというよりは宿、お部屋を借りたという感じ。ロビーもフロントもなく、外出する時は鍵を玄関近くの壁にかける。大きな荷物が玄関脇のスペースに置きっ放しだった。
はじめは大丈夫?と思ったのだが、巡礼中の方達の大きな荷物は別送、先にホテルに届いていたりするらしく、そのための荷物スペースだった。なるほど、長年このスタイルをとっているのね、と納得。連泊するうちに慣れていった。
徒歩で巡礼の人の他、自転車での長旅の人もよく見かけた。数人だったり、一人旅だったり。野宿できるような場所もあるようだった。すぐに真似ができるわけではないけれども、羨ましいなあと思った。
エスタン城は現地で3方向から描いた、何とか描こうと苦戦した分その姿に愛着が湧いている。写真を見ながら描く難しさを感じながらも、敬意を払う気持ちもあってゆっくり描いてみた。実際はありえないでしょ、と思えるくらいの絶景、絶景過ぎてそのまま描くと変、困ってしまった。後ろに見える山々を描くかどうか迷い中。
さりげなく佇むこの橋はユネスコの世界遺産だそうだ。私は日差しに負けて橋の真ん中からは描かなかったが、同行のメンバーの何人かの方は描かれていた。