久し振りの快晴の朝、
洗濯物を干し終わり裏庭の伸び始めた雑草を抜き取っている時、
何かしらかすかな音と物置の敷居の溝に落ちた白い小さな物体が、視線の中に入ってきた。
動く気配はないが白い蝶のようである。
羽がボロボロに傷み動けなくなった蝶は時折見かけて、草むらにそっと寝かせてやることがあるが、
まだ春とは名ばかりの寒い雨降りが続いた後だし、末期の蝶であるはずも無く・・・
羽は傷んではいないけれど、蛹から羽化して間もない蝶が、この寒さに耐えられなかったのだろうか。
冷たく硬い敷居の上では可哀そうに思えて、人差し指と親指でそっと羽をつまみ、
水仙の葉に止まらせてやった。
もう2~3時間は経っていたが、同じ場所で動かずに居る。
気温が上がってきているから元気を取り戻してくれますようにと祈る。
自分よりも小さな儚い命で必死に生きている生き物を見ると、何故が涙が溢れてくる。