夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

ジャグバンドの祭典

2015年04月08日 | 音楽



瓶の口に息を吹きかけると「ブー」と音が響く。
瓶が大きければより低音が出る、この瓶を「ジャグ」という。

ジャグバンドは1900年アメリカケンタッキー州ルイビルで生まれたという。
1924年には初のレコーディングが行われてやがてアメリカ各地へ伝播したようだ。

通販でなんでも買える、いや通販でないと買えないくらい広いアメリカで「日常の生活用品を楽器として使うバンド」の編成は自然の成り行きかもしれない。
またウォッシュボード(洗濯板)やジャグ(瓶)、ミュージカルソー(西洋ノコギリ)など身の周りにあるものを使って演奏する様は見て楽しい。

幕末に来航したペリーの黒船船上でのパーティで、白人の乗組員たちが顔を黒く塗って当時の音楽を演奏したそうだ。
アフリカから奴隷として送られた黒人たちが楽しそうに演奏している様を白人たちが真似をして徳川幕府の侍たちに披露した。

ハワイで起きたハワイアン・カルチャー・ルネサンスにおいても、マカハ・サンズ・オブ・ニイハウが「ウォシュタブ・ベース」を使用するなど影響を受けている。
アメリカ南部の音楽は何かを発信するのでなく楽しそうに演奏するところにポイントがあるのだろうか。

さて横浜名物となった「横浜西口ジャグフェス」の開催が近づいた。
全国から思い思いのコスチュームと編成のジャグバンドが集う。

横浜でムーニーさんと出会ったのはもうかれこれ30年以上前のこと。
本稿で度々登場するT君が同じ大学でジャグバンドをやっていたことを知ったのは数年前のこと。
お互いがパラレルで知り合いであったことを二十数年経ってわかった。

とりたててジャグの世界を知っていたわけではないのに、ジェフ・マルダーのLPを持っていたし、結構聴いていた。
高校の音楽仲間であるT君とF君とで数年前の横浜ジャグフェスを観に出かけムーニーさんの演奏を聴いたのも不思議な巡り合わせだ。

マリア・マルダーの歌を聴いていると、ジャンルとか国や人種などという属性はまるでお呼びでないということがわかる。
前置きも言い訳も何も要らなくて理解出来るのが音楽のすごいところだ。

日本のマリアを探しに行かねば、、、、。



この記事を書いたら早速T君からメッセージが届いたので紹介しよう。
T君、さすがに詳しい。
ポールの「口ベース」は聞いていたが、マンゴジェリーの「In the summer time」で使われたとか、
アフリカの瓢箪がジャグのルーツだとか、恐れ入りました。


ジャグフェスの紹介、ありがとうございます。
考えてみると、あの時以来、私も行ってないです・・・・

学生時代一緒にやっていたジャグとウォッシュタブベースを担当しているマッドワーズのメンバーが、
何年か前からパーキンソン病にかかってしまって今は歩くのも困難な状況のようです。
それでも去年はジャグフェスに参加したとのことです。
今年はどうするのか・・・・・

ジャグの吹き方って結構難しいというか、学生時代にやっていたことは全然違っていました。
ボォーって吹き込んだ息が瓶の中で共鳴するというか反響するというか
そういうポイントがあるんですが、当時はやたらにボッボッ息を送り込んでいただけのような気がします。

なにしろ参考にするものがなく唯一、マンゴジェリーの「In the summer time」ぐらいしかなく、彼らの吹き方を真似ただけですから・・・
イギリスで若者が夢中になったというスキッフルも、洗濯板と茶箱のベースと、そこまではジャグバンドスタイルですが、
ジャグを使っているというところ(写真など)をみたことがありません。

ビートルズにもスキッフルを思わせる曲があったり、実際にウオッシュボードを使っている
曲がありますがさすがにジャグを使っているものはありません。
唯一、「I Will」でポールがマウスベースと称して口(声)でベースを入れている歌はありますが・・・・
ついでに「You know my name」というボードビルスタイルの曲もいい雰囲気です・・・・

もともとアフリカ時代に黒人たちがひょうたんを吹いていたのが起源ではないかとというようなことを聞いたことがあります。
あの広口瓶は40年前はなかなか似たようなものを見つけることができませんでした。
しばらくサントリーの角瓶を使ってました。
よく物珍しがられましたが、今考えると音的にはどうだったかと思います。

今年もジャグフェスには全国からボランティアで多くのバンドが参加するようですが
これまでに築き上げてきたムーニーは大したものだと思います。
去年、亡くなった奥さんが体調を崩したのもちょうどこのころではなかったかと・・・・・
残念ながら今年も私は行けませんが、毎年ジャグフェスの頃になるとそんな感慨にふけります・・・

ちなみにジャグフェスは
http://jugbandfes.blogspot.jp/






Jim Kweskin Jug Band - "Boodle Am Shake" - Rhythm & Roots 2013


THE JIM KWESKIN JUG BAND 'Rag Mama' ジム・クェスキン・ジャグバンド


Jim Kweskin and Geoff Muldaur "Papa's on the Housetop"


Maria Muldaur - Cajun Moon - Live


Geoff Muldaur - Gee, Baby, Ain't I Been Good To You


I'm a woman / Maria Muldaur & Amos Garrett live1995