くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

地図にない場所(54)

2020-05-27 19:15:05 | 「地図にない場所」
「……ねぇ、ガッチ」と、サトルがぽつりと言いました。「ねむり王って、一体どこに住んでるの?」
「は? どこに住んでるかって――」と、ガッチはサトルがなにかとんでもないことでも考えていそうなので、言わないでおこうと思いましたが、どうせなにもできやしないと思って、言いました。「ねむり王はな、ほら、あそこに見える城に住んでるんだ……。けっこうきれいな城だろ」
 ガッチは窓に駆け寄って、指を差しながら言いました。サトルもゆっくりと顔を上げ、うっすらと見える小さな青色のお城を見ました。
 サトルがお城を見ている横で、ガッチがにやりと笑いました。

「ヒッヒッヒッ……王様め。手足の生えた小屋に追われて、ほうほうの体で城に逃げこみやがった……」

 と、サトルが、にやりとしているガッチに気がつくと、
「……あっ、ねむり王な。さっきこの小屋に追われて、あの城に逃げこみやがったんだ。一人で外に出てるなら捕まえることもできただろうが、城の中に入っちまったんじゃ、追いかけていってもなぁ……」
 ガッチはウーンと首を傾げて、困ったような顔をしていましたが、チラッチラッと顔を上げると、サトルの様子をうかがっていました。
「よし! それじゃ行こう」と、サトルが立ち上がって、強い口調で言いました。
「そうだな、それじゃ行こう」と、ガッチはにっこりとうれしそうに言いましたが、自分の考えていることと、サトルの考えていることが違っているのに気がついて、聞きました。

「おい……。もしかして、あの城に行こうってんじゃないだろうな」

 ガッチは、肩越しにお城の方を指差しました。
「もちろんさ。いくら王様だって、悪いことをしたなら、きっちり責任とってもらわないと。みんなが困ってるんだから――」
「だから、どうなるってんだ。相手は王様だぞ。おれ達にゃ、しょせん手の届かない存在なんだよ。なのに、城に行ってどうするんだ」と、ガッチがサトルの話をさえぎって言いました。
「じゃあ聞くけど、どうやって帰るつもりなのさ。またあの川を渡るの? それに険しい岩山を何度も下りたり登ったり。――また怪物に襲われて、消えてしまったドアは結局もとどおりにはならないで、さまよい続けるの?」
 サトルが言うと、ガッチは急に険しい顔つきになりました。そばにいると、高ぶった心臓の鼓動まで聞こえてきそうでしたが、サトルの考えがもっともだと思ったのか、ガッチはうんうんとうなずきました。

「……行くしかねぇか――」と、ガッチが言いました。
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よもよも

2020-05-27 06:11:29 | Weblog
いやはや。

宣言解除になって1日経ったけど、

いい話聞こえなくない??

逆にクラスターとかって、

室内の感染増えてる気がするわ。

今朝は雨降りでひんやりしてるからいいけど、

ここんとこ北海道も暑くなって、

マスク付けてたら蒸れて具合悪くなるわ・・・。

なんか危なっかしいよなぁ。。

なにをやるにも手探りな感じが疲れるわXXX
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