四谷のしっぽ お散歩日和

あっちこっち街歩き、カフェめぐり、ガーデニング、
日々の出来事をつらつらと…
そんな感じのごった煮ブログ。

白ゆりの思い出

2016-07-17 22:36:00 | しっぽエッセイ
あわただしい朝、
風を切って歩く私の鼻が甘い香りをとらえました。nose7

ふと見ると、道の脇に白いゆりが数本。
風にのってまとわりついてくる甘く、エレガントなその香りは

「ちょっとお待ちなさいな」

と呼び止めているようで、時間ばかり気にする私の足を
少しだけゆっくりにしてくれました。

そして、遠い昔の懐かしい出来事を思い出す余裕を与えてくれました。

アメリカでホームステイをしていた頃、大学の先生の家でお世話になっていました。
お母さんは静かな雰囲気で、優しい人。
以前受けた呼吸器の手術によりあまり外出ができないため
いつもソファーに座りパソコンで書き物をしていました。

私はとても不思議に思っていました。
体調が悪いこともあるのに、なぜホームステイを受けてくれたのだろう。
他人を家に入れるなんて面倒なことをなぜ引き受けてくれたのだろうと。

日に日に暖かくなり、春の花が開き始めたある朝、tulip
何気なくカレンダーに目をやると、その日お母さんの誕生日だと書いてありました。

こりゃいかん、プレゼントを買いにいかねば。hi gift

たいていの物が揃っている大型スーパーへ行き、
何がいいかしらと歩きまわっていると run
花売り場に白いゆりの鉢植えがたくさん並んでいるのが目に入りました。

小ぶりで、白く清楚な雰囲気。kirakira2
ひと目で気に入った私は鉢にブルーのリボンを巻き、
小脇に抱え家に帰りました。

お母さんはいつものようにソファーに座り、書き物をしていました。

「お誕生日おめでとう 」

私が誕生日だと気付いていたことに驚いたのでしょう。
思いがけず渡されたプレゼントにお母さんはとても喜んでくれて

「ハグしてもいい?」

と言って、私をぎゅっと抱きしめてくれました。
体に問題を抱えている人とは思えないくらい、それはそれは力強いハグでした。

触れ合った体から伝わる温かさと
子どもがお母さんに身をゆだねるような信頼感。
滞在期間も残り3カ月となり、少し疲れを感じていた私は
何とも言えない安心感に陥っていました。
不思議なことに今でもその感触がはっきりと記憶に残っています。

「これ、イースターリリーって言うのよ」

お母さんがそう教えてくれました。

イースターは春に行われるキリストの復活を記念する復活祭。
イースターリリーは祭事に飾る白いゆり。

白ゆりは「純潔」「貞操」のシンボルとされ、聖母マリアを象徴する花です。
キリスト教の宗教画にはヨーロッパに自生する「マドンナ・リリー」と呼ばれるゆりが
描かれてきましたが、19世紀に日本の「テッポウユリ」が紹介され人気となり
祭事に導入されるようになったのだそうです。

それでか、お店に白ゆりがたくさん並んでいたのは…
清楚な雰囲気が日本ぽかった…
わからないことだらけの海外生活では後から合点がいくことが多いものなのです。

お母さんはキッチンの窓辺に飾ってくれました。
時折差し込む日差しが、ゆりをさらに白く輝かせていました。

おおらかな家族だったため家の中はいつもごちゃごちゃ散らかっていたけれど
そのおおらかさによって私はあの家族と出会い、お世話になることができたのでしょう。
問題があるから、大変だからできないんだと決めつけず、
ゆったり、広い心で、おおらかに受け入れる、そう教えられました。

あれから15年が過ぎました。
白ゆりを目にする度、あの日のお母さんのハグを思い出します。
他愛のない日常のやり取り。
何てことはない出来事。

長く心に残る出来事は特別なことではなく
日常の中で起こるほんの些細なことなのかもしれません。

お母さんが今日も元気で、幸せでいてくれればいいのだけれど。cloverkirakira2

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超簡単 サシェ作り

2016-07-03 15:48:00 | ハンドメイド/料理
梅雨、うっとおしい季節。rain

冬服をしまうにあたり、ハーブを使った防虫用サシェを作ってみました。

お茶パックを使って、とっても簡単に作れます。

各ハーブの持つ効果を知り、用途に応じて活用することにより
環境にも健康にもよい生活が送れます。



futaba ドライハーブのサシェ

頂き物についているリボンや造花。
とりあえずとっておくけれど使い道がない…
そんな時、サシェの装飾として利用してみるのはいかがでしょうか。

衣類はハーブの持つ天然の香りに包まれます。

≪衣類の防虫に効果のあるハーブ≫
・ラベンダー
・ペパーミント
・ゼラニウム
・レモングラス
・ティートゥリー
・ユーカリ など


【用意するもの】
・お茶パック
・ドライハーブ
・リボン

①お茶パックにドライハーブを詰める

②リボンで装飾する


※お茶パックは2枚重ねるとこぼれず使用できます。


item2 重曹とアロマオイルのサシェ

重曹は消臭効果があるので、靴に詰めれば消臭剤になり
玄関にアロマオイルのよい香りも漂います。

使い終わった重曹はキッチンやお風呂のお掃除に使用できます。

【用意するもの】
・お茶パック 2枚
・重曹    60g
・アロマオイル 10滴~30滴



①ビニール袋に重曹、アロマオイルを入れもむ nose7 もみもみ

②お茶パックに詰める

※香りがなくなったらアロマオイルを足してください。

※ドライハーブを混ぜてもOK。




袋を自分で縫っても素敵ですが、お裁縫はちょっと…という方は
中身を詰めたお茶パックをハンカチに包んで
引出にしのばせるだけでも素敵なサシェになります。


引出を開けるとかわいいサシェがひょっこり顔を出します。

ただそれだけなのに心爽やか。

湿度で身も心もぐったりするこの季節、
かわいいサシェに癒されてみてはいかがでしょうか。

小さな喜びは生活の中に隠れているのです。


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