私の歩く旅 

歴史の背景にある話題やロマンを求めて、歩く旅に凝っています。ねこや家族のこともちょこっと。

願いがかないますように

2013年05月03日 | ありふれたお話


理系の大学のお話をしたが、もうひとつ、私が所属する大学がある。
こちらは100%女子だけの女子大だ。
男子は正門の守衛さんに厳しくチェックされる。

緑いっぱいのキャンパスの中心にはチャペルがあり、
周りには国の登録有形文化財の校舎が8棟ほどある。
明治時代の建物ファンの私には堪えられない魅力ある大学だ。




校舎と校舎をつなぐ小道の脇には、卒業生が持ってきて植えたという
野の花が咲いている。




質素で可憐、この大学の明治の創設者たちが、望んだ学生たちの姿のようだ。





この大学で、いつかは教鞭をとることが夢だった。
学問の面でも人柄の面でも尊敬できる先生がいる。
歴史のロマンがいっぱい詰まった有形文化財の教室で教えられる、、、、、、

しかし夢がかなったとはいうものの、この大学の人の使い方は
お金持ちの国立理系とは違って、とっても激しい。
家での準備にかなりの時間がかかる、、、
そのうえ、国立にも増して薄給だ。
全く割に合わないとも言える。

願いが叶って(50半ばとなり)やっと採用された女子大、、、、
なんとも皮肉なことに、この大学の正門の斜め向かいには
「願いが叶いますように」というフランス語の名前のついた
可愛いケーキ屋さんがある。
駅から15分ほど歩かなければこの店に(大学にも)たどりつけないのに
昼でも夕方でも必ずお店には人が数人ケーキのウインドーを見ている。
みな目がきらきらと光っている。
きらきら光線の向こうには鮮やかな色とつやで人を惹きつけるケーキの数々、、、。
美味しい、、、食べログでも高得点をつけている名店だ。



「願いが叶いますように」とは、やっぱり素敵な名前だ。

最初の授業のあと、この店のケーキを家族分(4個)買って帰った。
いいお値段である。
でも、初めての登壇記念の贅沢だ。

家に帰って、夕食のあと、家族4人でケーキを食べた。
我が家の男性は、全員ひいおじいちゃんの代から甘いものに目がない。

ケーキの中でモンブランは「願いが叶いますように」を代表する一点だが、(金髪頭の)次男が
絶対食べたい、と言って有無を言わせず選んだ。



夫と長男と私と、、、また別々のケーキ。
一口一口味わって、舌の上でころころまわすように食べた。

ふと横を見ると、次男が、、、600円以上する一番高いモンブランを
なんと二口で食べ終わっていた。

なんだか
「夢が叶いますように」が瞬間的に、ペシャと崩れていったような気がした。





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