米山公啓のブログ

作家で医師の米山公啓の公式ブログ

Last Train Home

2008年11月30日 00時23分13秒 | Weblog


豊橋で講演でした。
 豊川の商工会議所が主催した大きな記念講演会で
 1000名くらい集まっていました。

 1時間と短い講演だったので、しゃべっているほうは
 あっという間。
 書籍販売とサイン会も少しやりましたが、
 岡崎の連尺小学校のときの後輩や、豊橋のよねよね倶楽部
 会員も来て、結構大騒ぎでした。

 行き帰りの新幹線内では、2冊本を読破。
 集英社新書の「赤ちゃんと脳科学」という本で、
 あとがきを読んで泣けた。

 以下、あとがき一部
 「・・・オランダでは、たとえ障害を持って生まれても、健常者と
 同じに暮らしていけるという。・・・・車いすに乗っている
 人には手の空いた人が手を貸せばいいし、目の見えない人には
 気づいた人が道案内する。彼らへの過剰な反応も、不自然な
 ノーマライゼーションもありません・・・」

 この文章に、なんとも日本のわざとらしいテレビ番組の
 レベルの低さというか、おかしな考え方があることに気づかされた。

 障害や後遺症のある患者さんに特別な訓練をして、強制し、
 がんばらせることが美しいように考えてしまう。
 認知症でも同じである。
 もっと自然に、接すること、それができる土壌が日本にない。

 自分の書くべき方向が少し見えた気がした。

 ここ数年で最も気に入っている
 Pat Metheny Group の「Last Train Home」を新幹線の中で
 聞きながら品川駅に戻ってきた。
 車窓を流れていく夜景にぴったりの曲。