北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

トロヤヌスを求めて  その五 最終回

2016-12-15 22:59:08 | 採集記・旅行・写真
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トロヤヌスを求めて  その五 最終回





















当時、学友会誌に書いた採集記は紙面の都合でここで終わっています。

パラワン島にはこの後もしばらく滞在し、アカエリトリバネアゲハの探索を続けました。

ついに発見したアカエリトリバネは必死に追いかける最中にマラリア予防で服用してきたプリマキンの副作用の不整脈発作のため動けなくなり採り逃がしてしまいます。

しかし、最終的には当時標本商のカタログで一匹8万円もしていたアカエリトリバネアゲハを数百匹も手にすることになるのですが、その後日談に関しては、後ほどこのブログで紹介するかもしれません。


当時、この美しいトリバネアゲハは  Trogonoptera brookianus trojanus Staudinger トロヤヌスアカエリトリバネアゲハ とされ私たちは トロヤヌス と呼び蝶愛好家の垂涎の的でした。


そういえば、パラワン島でこの蝶が多いところでは現地の人たちはこの大型の蝶をバジョバジョと呼んでいました。


最近では パラワン島亜種から 種に昇格し Trogonoptera trojana Staudinger 通称 パラワンアカエリトリバネ といったところでしょうか。


私は今でも トロヤヌス と呼びたい。







孫娘に、はるか昔のパラワン島でのアカエリトリバネ探索の苦労話をしてもまったく通じません。

へー。ジージは若い頃、遠くの島にこんな蝶を採りにいったんだ。

きれいなチョウチョ採って偉いネ。 だと。


       


                  トロヤヌスを求めて  完。




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トロヤヌスを求めて  その四

2016-12-13 22:46:35 | 採集記・旅行・写真
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トロヤヌスを求めて  その四



     Troides platini Staudinger
















パラワン島の特産種。  パラワンアゲハ♀ 後翅黒斑型   Papilo lowi Druce f. suffusus.





パラワン島の特産種。  パラワンアゲハ♀ 後翅白斑型   Papilo lowi Druce f. zephyria. これほど白化傾向の強い個体は稀。





 私がこのトリバネアゲハを採集した頃は  Troides rhadamantus  Lucas ssp. platini フィリピンキシタアゲハ  パラワン島亜種 と
 されていたが 最近では  パラワン島特産の独立種 Troides platini Staudinger とされる。 当時はかなりの 稀種とされていた。






  パラワン島特産の独立種 Troides platini Staudinger

      
          この項 続く



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トロヤヌスを求めて その壱

2016-12-07 22:25:02 | 採集記・旅行・写真
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トロヤヌスを求めて その壱

今から45年前、世界中に多少なりともまだ未開の地、原始の自然が残っていたころ、アカエリトリバネアゲハ属の最稀種であったトロヤヌスアカエリトリバネアゲハ Trogonoptera trojana を求めて、若かった私は単身、誰も採集に入ったことの無かったパラワン島西海岸の原生林へ入りました。

マラリアの島、パラワン島ではマラリア予防薬プリマキンを常用していましたが、その副作用の不整脈に悩まされました。

今にして思えば狂気の沙汰みたいな無謀そのものの冒険ですが、これを皮切りに世界各地の未知の世界に蝶採りに行くようになってしまいました。


今から半世紀ほど前の採集記を発見しました。


こんな古い小冊子をやっと見つけ出しました。


昔の小樽の白黒写真。北海道の女性たちはオーバーやダウンではなく、カクマキという防寒衣をまとっていました。









マラキパロパロとは フィリピンの言語 タガログ語で でっかいちょうちょだ という意味。




















       この項 続く。







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