北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

日本からフタスジチョウが消えてゆく

2015-09-17 21:29:37 | フタスジチョウ
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フタスジチョウ 北海道亜種 Neptis riivularis insularum Fruhstorfer

北海道のフタスジチョウは北見界隈では 例年6月中旬から下旬が最盛期。変異があり日本では4亜種が知られている。北海道亜種は白帯が発達して美しい。 

この蝶が 福島県 新潟県 岩手県 秋田県 岐阜県 群馬県 埼玉県 栃木県などでは 近年激減して まさかの絶滅危惧種 レッドデータに記載されているとは、今日まで寡聞にしてまったく知らなかった。

これまでずっと、ごく普通種と認識していて、皆さん、この蝶を見ても走ってネットすることなどあり得ない蝶であった。

モンゴルでもとりわけ多い蝶であった。 

昔、奥只見産 黒いフタスジ幼虫を大量に送っていただいて 居間にビンざししたユキヤナギで大量飼育したことがある。

そのとき以来フタスジチョウにはまったく興味を示さないでいたが、北海道昆虫同好会ブログを担当するようになって、少し撮影しようかなという気になった。

2015-6-28。確かに、昔と比べるとフタスジチョウは、北見市近郊でも明らかにかなり減っていた。

それでもこの時期、北見市近郊の大抵の湿地周辺でシモツケがあるところには飛んでいた。 

この日は気温が高かったせいか、撮影しようとすると、さあシャッターという寸前に例外なく飛び立つ。けっこう苦労して撮影した。 





















近年、ただ蝶が写っているというだけではつまらない写真としか評価されない時代だが、なかなか芸術的な写真などは撮れない。

この時、フタスジチョウを追いかけながら私は長いこと コミスジを見たり採集したことがまったくないのに気づいた。

考えてみれば、かっては超普通種で展翅標本もあまり無い。

今回、コミスジか?と思って近づくとどれもこれもフタスジチョウで、まさにコミスジはうそみたいにいなくなっていた。ちなみにモンゴルではコミスジは超稀種である。

あるとき、知らないうちに身近にごく普通であった蝶が消えていることは近年日本国内において実に多く経験する。

ごく普通種と思っていたフタスジチョウが本州各県のようにある日 うそみたいにパッタリといなくなる可能性は、まったくないわけではなかろうと思う。



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