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北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

南米ペルー Calabaza 1650m のチョウ。

2022-10-17 17:27:26 | 南米の蝶

南米ペルー Calabaza 1650m のチョウ。

 

Calabaza  Junin pref.  Peru.      好採集地カラバサ。  ここはやや標高が高い場所で1650m.  日本や東南アジアのチョウたちを見慣れた私にはとても奇異な外見の蝶ばかりでした。気の利いた和名を考えたいところですが、チョウの種類があまりにも多いのでたちまち頓挫してしまいました。

 

 

Hesperocharis  marchalii  オス。

 

 

Catastica  pieris. オス。   ピエリスという種名は日本の Pieris 属とは関係ありません。

 

 

Dismorphia nemesis. オス。   低標高から高標高の場所まで広く分布する。日本人にとっては見慣れぬ珍奇な翅形のチョウです。

 

 

Chorinea  sylphina    シルフィーナスカシシジミタテハ。

 

このような和名なら何とかなりそうな感じ。Calabaza のさらに高地帯の雲霧林でスルコウスキーモルフォを採集しての帰り道で道路脇の水たまりで吸水中のところをつまんで採集したものです。このシジミタテハはあまり遭遇する機会がなかった。

 

 

Siseme alectryo.   これも高山性のシジミタテハ。

 

 

 

Calabazaで見かけた格好の良い古い橋。

 

 

 

このほか、Calabaza では おびただしい種類を採集していますが、実は種名を調べるだけでも大変な労力を要してしまいます。

 

ちょっと怖かったが思い切って食べた野生のいちごは美味しかった。

 

 

 

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南米ペルー、Ithomiidae トンボマダラ属の蝶類の撮影苦戦。

2022-10-14 21:13:01 | 南米の蝶

南米ペルー、Ithomiidae トンボマダラ属の蝶類の撮影苦戦。

 

アンデスアマゾン。乾期の終わり、薄暗いジャングルの小径から奥を透かしてみたらびっくり。無数のトンボマダラ属の蝶たちが木の葉などにびっしりと静止していた。

 

蛇や毒虫が怖いけど思い切ってジャングルの中に踏み込むと、あたり一面、おびただしい数のトンボマダラが一斉に舞い上がった。恐らく微かな空気の振動を感知して飛び上がった蝶の動きを次々に感知して連鎖反応的に飛び立ったのであろう。

 

ホバリングするような変わった飛び方で、飛んでいるのか空中静止しているのかわからない。周りが薄暗いのと羽根が透明に透けているせいかAFのピントが合いにくくピンボケ写真ばかり。やむを得ず手のひら写真になってしまいました。

 

 

とても敏感で慎重に接近しても、微かなシャッター音や、ビデオ撮影時の音などですぐ舞い上がる。これらの蝶を効率的に撮影するのは何かひと工夫するか、根気が必要。ただ採集は容易でその気になれば何百匹でも採れます。

 

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南米アマゾンで採集した巨大怪虫

2022-09-24 14:06:06 | 南米の蝶

南米ペルー、アンデスアマゾンで奇怪な生き物(ウデムシ)を採集。

 

20XX-Jan.-4.  Shima, Junin.    

 

アンデスアマゾンの密林の奥の蝶採集ベースキャンプで、ある晩ガイドたちが大騒ぎしていた。

 

巨大なクモみたいのが岩の上をすごい速さでいったり来たりしていた。

 

動きは電光石火、目にもとまらないほどすばしっこい。

 

私が思いきってえいやっとネットをかぶせて押さえつけホルマリンアルコールを注射して採集したが、まさに怪物。足を広げると40cm あった。

 

帰国後調べると、ウデムシ( Amblypygi )と総称される生き物の一種のようで分類の解説をよく読んでもなんだかわかったようで、よくわからない。

 

 

いまだすっきりとまとめられてはいないようだ。

 

 

見かけはおどろおどろしいが毒はなく人間に対する攻撃性はないらしい。

 

世界中に約150種ほどが知られ、大きさは最大で15cm というから今回のアマゾンのウデムシがいかに巨大であるかがわかります。

 

 

飼育環境で10年ほど生きた記録があるという。ウデムシはサソリモドキ、ヒヨケムシとともに世界三大奇虫の一つとされるほど珍奇な外見で映画「ハリーポッターと炎のゴブレット」にも登場したようです。

 

 

ネットで調べてみると日本では、タンザニアバンデッドウデムシ、トーゴオオウデムシ、タイランドウデムシ、メキシコウデムシ、インドネシア産ウデムシなど多種多様のウデムシがネット販売されているのに驚いた。

 

 

多くは珍虫・奇虫マニア相手に生き虫として売られているようで、それなりに人気があり、かなり飼育もされています。

 

野外に放したり、逃亡された場合、日本にはいつくのでしょうか?.

 

 

 

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南米ペルー、アンデス高山帯4300mで高山蝶を採集。その三。

2022-09-18 00:36:04 | 南米の蝶

南米ペルー、アンデス高山帯で高山蝶を採集。その三。

 

 

20XX-1-1 (土) アンデス高山帯4300m。晴れたり曇ったり。

 

 

 

C.euxanthe ユウクサンテモンキチョウは鮮やかな黄色ないしオレンジ色に見え、C. mossi と同様に飛翔はとても速い。

 

 

 

これら二種のコリアスは飛翔がとても速く素早く、普通は採集はまったく困難だ。しかし、リャマの死体や糞にきているものは採集も撮影も容易であった。

 

 

 

 

10分ほどで日がかげるとたちまち蝶は消え、また日がさすとどこからともなく現れる。

 

 

 

 

少し登ってゆくとまた別のリャマの死体とその糞に多数の蝶がきている。飛んでいるものは速くて採れないが、群れてとまっている蝶の一網打尽採集は効率的だ。ヒマラヤのお花畑に群れる雨期のハードウィッキウスバ採集の快感を思い出した。

 

 

 

 

 

 

チチカカヒメシジミ近縁もしくはそのものと思われるちいさなシジミチョウたちは、リャマの死体のみならず私の腕や指先によく止まってストローを伸ばしていた。いかにも愛らしくかわいいシジミチョウだ。

 

 

 

 

雲が切れて日がさすチャンスの間、せっせと採集と撮影を繰り返し、結局 3-4 時間を過ごしてここを立ち去った。ほとんど走ったりすることがない採集だったせいか、高山病の徴候は起こらず、過去のヒマラヤでの高山病の経験が今回の採集の役にたったとおもう。

 

 

 

Tatochila  sterodice  macrodice  Staudinger  アンデスタカネシロチョウ

 

 

 

Phulia nymphula  ssp. ?  ニンフタカネシロチョウ

 

 

 

アンデスタカネコツバメ

 

 

 

 

アンデスタカネセセリ

 

 

高山性のシジミチョウ

 

 

 

遠くにみたことのない動物が歩いて行く。リャマでしょうか。

 

 

 

 

 

 

がんがんラテン音楽をかけながらハイラックスは猛スピードで山をくだり、やがてアンデス山脈を超えてアンデスアマゾンの領域に入った。街の灯りがだんだん増えてきて緊張感がとけてゆく。 今日の目的地 Satipo が近づき、なじみのレストランでは夕食としていつもの 特大炭焼きステーキが出てきたが高山帯での採集の疲れか食欲なく半分も食べられなかった。

 

 

 

 

サテイポへは真っ暗、真夜中になって着いた。実は Satipo では今晩は予定停電で真っ暗の印象がより強かったのだった。Ivan Callegari 氏 のゲストハウスのテラスで Ivan 一家やペルシー夫婦(妻は妊娠7か月)、ミゲル夫婦やアウグスツ一家、リマからきたコーヒー輸出業の超すごいボインおばさん、ベルギー人旅行者フィリップ氏でたいそうな酒盛りをしていた。ペルシーはべろんべろんに酔っぱらってしまい、ミゲルもひどく酔っぱらってペルシーをやたらとからかう。私も少し飲まされたが早めに酒盛りを退散、せっせと、今日の採集品の整理をした。灯りにおびただしい数のセミや蛾が飛来していた。セミ好きな人ならかなりうれしいと思う。

 

 

鏡を見てびっくり。私の顔と手は高山帯で強い日差しを浴びて急激な日焼けで真っ赤に腫れ上がっていた。

 

 

    終わり。

 

 

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緑色のモンキチョウ 。南米ペルー、アンデス高山帯4300mで高山蝶を採集。その弐。

2022-08-25 13:48:05 | 南米の蝶

緑色のモンキチョウ 。南米ペルー、アンデス高山帯4300mで高山蝶を採集。その弐。

 

 

 

2005-1-1 (土) アンデス高山帯4300m。晴れたり曇ったり。

 

 

 

辛抱強く空をあおいでチャンスを待つ。やがて予想どおり雲の切れ間からカッと日がさすと、強風は徐々に弱まってきて、急速に気温が上がってきた。

 

 

 

 

 

まったく生き物の気配がなかった荒れ地に、魔法みたいにどこからともなくポツポツと蝶が現れ、低く速く飛び始めた。昔、北インドのカシミールラダック高山帯で激しい高山病に悩まされながらハードウィッキウスバやシャルトニウスウスバを採集したときとそっくりだ。

 

 

 

 

 

高度計ではこの付近は標高約4200~4300m。蝶たちの動きは意外に速い。実際にはさほど速くないのかもしれないが、こちらが思うように動けないせいか、とても速く感じる。低く、速く飛ぶ蝶はとりにくく、平地なら容易なのだが 待っていてもネットの射程距離にはなかなか入ってこない。

 

 

 

かなりの高山帯なので高度順応不十分なまま追いかけることになり、たちまち息切れ、呼吸苦、眼の奥が痛くなるような頭痛、吐き気など高山病発症の危険がやってくる。

 

 

 

 

偶然、近くにきた蝶に思い出したようにネットを振るが空振りばかりでイヤになる。飛んでいる蝶が無理なら止まっている蝶を狙いたいのだが、あいにく吸水にくる湿地や、吸蜜する花がほとんどない。蝶は見えるが全く採れないという最悪のパターン。

 

 

 

クソ。くやしい。悔しい。

 

 

 

絶望的な気持になったが、遠くにアンデス高山帯に棲む野生動物リャマの斃死死体を発見した。呼吸を整えながらゆっくりゆっくり歩いてやっと近づくと、そこには夢のような光景があった。

 

 

 

 

 

リャマのなかばミイラ化した死体とその周辺に散逸したパーツや獣糞に多数の高山蝶がきていたのだ。

 

 

 

リャマのミイラ化した死体やその周囲の草地に、緑色のコリアス C. mossi  モッシミドリモンキチョウ はじめ 黄色いコリアス C.euxanthe ユウクサンテモンキチョウ、褐色のジャノメ、チチカカヒメシジミ Madeleinea  Sp. ?  ほか数種のシジミ、セセリ1種、高山性シロチョウ2種が多数集まって盛んにストローを伸ばしていた。

 

 

 

 

千載一遇のチャンスと思い、これらの蝶をせっせと採集し大型三角紙に放り込む作業を開始した。

 

 

 

 

陽が陰ってくると、蝶たちは三々五々飛び去るが、近くの草地、岩の上などに静止する個体も見られ、これらの撮影は容易であった。

 

モッシミドリモンキチョウ( Colias  mossi  Rothchild ) はコリアスとしてはとても珍しい灰緑色の翅裏面で、表面は暗灰色を帯び、翅表の斑紋や色調は多数の展翅標本を見ると実に変異が大きい。低く速く飛ぶ時は灰緑色の蝶に見える。止まっているときはまさに緑色のコリアスに見える。

 

 

 

 

 

帰国後、C.mossi について調べようとしたが、これまでのところはとても珍しい蝶のようで、ダブレラの大図鑑、世界のコリアス図鑑はじめ、いくつかの書籍にごく簡単な図示解説があるのみでそれ以外に参考になるような情報はなかった。

 

 

   この項、続く。

 

 

 

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