続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

伸筋を使った引き分け

2008年11月10日 | 極意探求
では、具体的に伸筋を意識しながらの引分けについて考えてみよう。考えなければならないことは「押し引きなしでいかに会に入るか?」である。

伸筋を使う引分けというのは、実はこの問いに全てが含まれている。つまり、伸筋というのは、「伸ばして維持する筋肉」であるから、それ以上、押すことも、もちろん引くこともできない。では、どうやって会まで持ってくるのか?

答えは「下ろしてくる」である。

試しにやってみてほしい。徒手(手に何も持たず)で大三を取り、そこで六部の詰めを確認する。そこから、横ではなく、上下のみを意識して両腕を下ろしてみよう。

ここが重要で、普通「下ろしてくる」と言われても、大三の状態から下ろそうとするとどうしても「横の意識」が出てきてしまう。そこをぐっとこらえて、完全に「縦の意識」だけで会の位置まで両腕を下ろしてみよう。

どうだろうか?「横の意識」は全くなくても、いつもどおりの引分けになったのではなかろうか。

これが伸筋を使った引分けである。

一点、注意を促しておくと、「縦の意識」で引き分けるときも、常に六部の詰めが「伸びていること」は確認するようにしよう。特に、弓を持って実際にやると、弓力によって縮まってしまう(緩んでしまう)ことがよくある。

大事なことは、伸ばすことを維持しつつ(詰合い)、ただ下ろしてくることである。