しばらくここには書いていなかったが、それでも60人以上の閲覧者がいるのはありがたいことだ。
最近は
twitterとか
mixが多いのと、少しへばってきて情報発信が大儀になってきたことがあるかな。ま、がんばってなるべく書こう。
そういえば最近浅田次郎の『終わらざる夏』を読んだ。戦争は理不尽だ。その一言に尽きる戦争のことを描いたものだ。是非とも読んでほしい。
昨今、戦後史を振り返ることが多いが、ある時期からの、55年体制からのと言えばいいか、イデオロギー対立による価値観の硬直化が歴史を歪めてきたのだと思う。そうすると、すぐに右傾化したなと言われるが(自分で言っているのかもしれない)、史実に基づいて歴史は判断しなければならない。
戦時下の教育会雑誌を見ているが、どう読んでもこんな時代はいやだ、と思う。思想の自由がないのは当然として、人間の命を軽々に考えるふりをしなくてはならない世の過ごし方を強いられているのは何ともたまらない。物資がどんどん不足してくるのは目に見えてわかる。敗色が濃厚なのにやめられない(ということは兵士がどんどん死んでいく、民間人もどんどん死んでいくということだ)政治家や軍人たちがこの社会を支配していたのが物理的事実としてわかる。彼らは明らかに無能であった。この時期に無能であったということはそれだけで犯罪的だったということだ。
右の立場で考えても、天皇の意が国民の平穏であったことを思えば、彼らは亡国の徒であることはまちがいない。沖縄を見捨てた彼らは売国の徒でもあった。何しろ日本を切り売りしはじめたということだからだ。東京はじめ空襲を余儀なくされても放置していたことも同じことだ。彼らの小さな体面だけで国民の命をどんどん捨てていったのだ。売国と言ってこれ以上の売国はあるまい。彼らこそ歴史的に糾弾されるべき人々なのだろう。
『海軍反省会』というのはおもしろい本だ。そう反省しなければ次は勝てない。あっ、まちがい。反省しなければ、また国民を理不尽に殺すだろう。歴史研究の戦いはこれからだ。