日本艦隊司令部

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強襲!!

2011-07-10 23:37:31 | 第二部 東洋激突編
遅れてしまってすいません。ようやく生活が落ち着いてきました

 2012年1月20日夜明け
 統合海軍東洋艦隊旗艦「レナウン」の艦橋から司令官のゲイル・J・マッケーン少将は飛び立っていく艦載機を防空指揮所から帽子を振って見送っていた。すると、艦橋に通じるはしごから副官が現れた。
「司令!!別働隊の第二艦隊旗艦重巡「プリンストン」より通信です。『ワレ敵潜ニ遭遇ス、爆雷攻撃ニ移行、コレヲ撃沈セルモ駆逐艦「コンウォール」ガ奇襲ヲ受ケ大破、離脱サセ作戦続行ス』以上です。」
「敵潜が出てきたか、ならばこちらを狙ってくる確率は大きいな。ヘリ空母「エンカウンター」に連絡、直ちに対潜装備の哨戒ヘリを出撃させろ。」
「了解!!」
 そう言って副官は再びはしごを降りていった。
「何としてもこの空母は守らねばならんな。」
 そう言ってマッケーン少将は再び甲板を飛び立っていくバルキリー隊へと目を向けた。

 一方その頃ジャングル地帯に潜伏していたゲリラ部隊は進撃準備を整えて訓辞を行っていた。集まった隊員は900名にのぼる。
 彼らの前で話しているのはジョン・スミス大佐だ。
「いいか、本来私は指揮官ではなくあくまでゲリラ屋だ。それを前もって言っておく。こんな男の指示に従いたくない者もいるだろう。しかし、なんとしても敵の手からシンガポールを奪還したいという気持ちは同じだ。それを分かっておいてもらいたい。」
 一呼吸置いて彼は作戦を伝える。
「まず戦車部隊だが主力08式戦車16輌は先頭で一気に市街地へ突撃をかける。デストロイド12機もこれに続いて突入だ。モンスター7機と05式220ミリ榴弾砲はすでに付近の丘に偽装配置を完了している。ここから砲弾を見舞い基地に攻撃をかける。敵の地上戦力は戦闘ヘリ9機が爆撃だ。順番としては遠距離砲撃、ヘリの爆撃、戦車隊突入、最後に歩兵だ。いいか、なんとしても全員生きて成功させるぞ。市民は全員避難して街は無人だ。遠慮せずにかましてやれ。」
 そう言うと彼は敬礼し、隊員も返した。傍らの直属の部下、フェイス、モンキー、コングも敬礼していた。

 また一方天龍艦隊も攻撃隊を用意していた。艦橋で一条輝少佐が沖野誠二少佐と共に出撃前の報告を行っていた。
「無事生還を祈ります。」
 そう言って司令官の早瀬未沙が二人に答礼する。輝と未沙の視線が絡み合う。今までもこうして会話をしてきた二人だが、お互いに今回はいつもより長く感じていた。
「頑張ってきて下さい!!母艦は必ず守り通します。」
 そう言ったのは航海長の天野純大尉だ。
「頼みますよ。この攻撃が地上部隊の作戦に大きく関わります。」
 続いて艦隊参謀長のデビッド・E・スプルーアンス少佐も言葉をかける。
「天龍航空隊第1及び第2中隊各3小隊は、これより敵基地への空爆作戦に出撃します!!」
「早瀬司令!!行って参ります!!」
 二人はそう答えて艦橋を降りていった。
「全乗組員に通達、これより攻撃隊発進、所定の配置で見送りを。」
 この放送がかかるや各砲座に見張り員、整備員らが帽子を振って見送る。その歓声の中を先頭切ってドクロのマークのバルキリーが飛び立って行った。

 またその頃、南方海上を航行する第20艦隊は
「司令、天龍が航空隊を出した模様です。」
 参謀長の沢村浩中佐から通信文を受け取った正木俊介大佐はすぐにこたえた。
「よろしい、では本艦は駆逐艦「冬月」と共に増速限界39ノットへ、一足先に天龍と合流だ。以後は第5戦隊の「伊勢」に指揮を任せ、突入のタイミングを見計らってもらう。全乗組員第一戦闘配置。主砲をいつでも撃てる様にしておけ。場合によっては本艦をシンガポール泊地に突入させる。」
 そのとき通信長が血相を変えて艦橋へ飛び込んできた。
「し、司令、大変です!!本艦前方に展開していた潜水艦「センチュリオン」より緊急通信を傍受しました。『敵潜ニ遭遇ス、敵ハ本艦ヨリ倍近ク巨大ナリ』なお通信はごく微弱でした。」
 この報告に艦橋が静まり返った。センチュリオンは統合軍の主力原子力潜水艦であり全長は112メーターをほこる。つまり200メーター級の巨大潜水艦が確認されたのだ。
「誤認では無いでしょうか?敵の大きさを見誤ったとか。」
 参謀の一人がそう意見を口にしたが正木大佐がそれを否定した。
「いや、センチュリオンの鳴海恵介少佐は切れ者だ。そうそう敵の大きさを間違えるようなことは無いだろう。ともかく本艦の海面下に敵潜が潜んでいる可能性が大きい。本艦は270メーターにも及ぶ巨艦だ。敵に狙われやすい。対潜警戒厳、それから同海域に展開する潜水艦エクセリオンにセンチュリオンの元へ向かうように指示を出してくれ。」
 そういうと彼は艦橋の窓から外を眺めた。いつものように静かに思えるが数時間後には荒れた戦場になる。彼はそう感じていた。
 
 次回へ続く

 長らくお待たせしました。公務員の夏試験が終わり秋の試験まで時間が出来ましたので余裕ができ、来週にも続きを投稿しようと思っております。
 暑い季節ですので皆様お体や食べ物にお気をつけてください。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やたっ!続きが! (にゃお)
2011-07-11 22:37:59
落ち着かれて何よりです。
ちょっと久々だったので、前を忘れかけ…。
始めから読み直したいと思いますー。

カッコいい戦闘シーンと、カッコイイ輝&未沙を期待しております。
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こんばんわ (yamato)
2011-07-24 23:55:21
コメント遅れてすいません。
いよいよ動き出した海戦。
しかし天龍に危機迫り、敵の姿が現れ始めました。
では暑い日々お体お気をつけて下さい。
自分はもう少しペースが上げられるようがんばります。
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