日本艦隊司令部

小説、アニメ、特撮、刑事ドラマ、映画などの語り

マイ・コレクション

2011-07-30 16:22:03 | 日記

 自分のコレクション日記です。どうでも言い方はスルーでお願いします。


 暑い今日この頃皆様お疲れ様です。関西も猛暑続きでたまりません。
 さて突然ですが昨年からデアゴスティーニの「東宝特撮DVDコレクション」がもうすぐ終了してしまいます。無論特撮映画ファンの僕にはたまらないシリーズです。が、全55作品を二週間ごとに1990円というのは学生にとっては死活問題ですので必要最低限に欲しい作品だけ購入しました。
 その結果がこちらです。

               



左から「ゴジラ」「日本沈没」「メカゴジラの逆襲」「ゴジラvsビオランテ」「ゴジラvsキングギドラ」「ゴジラvsモスラ」「ゴジラvsメカゴジラ」「ゴジラvsスペースゴジラ」です。またそれとは別に市販DVDや録画品で「海底軍艦」「ゴジラ対メカゴジラ」「ゴジラ・84」「ゴジラvsデストロイア」があります。
 欲しかった作品ばかり集めて、ヤッターと喜んでおりました。(写真参照)

               


 が、なんと今度は同じデアゴスティーニから「ジュリー・アンダーソンSF特撮DVDコレクション」が出されてしまった。これはほとんど欲しい作品ばかりなので出費が・・・
 と懸念しながら早速買ってしまいました。


               


 左上が「キャプテン・スカーレット」右上が「謎の円盤UFO」その下が「サンダーバード」です。

 以上暑い日常での私のコレクション事情でした。

 小説投稿は来週頭を予定しております。

対決の時

2011-07-28 23:34:30 | 第二部 東洋激突編
 少し時間をさかのぼります。


 輝たちを送り出した後、シンガポール南西300キロ海上、「天龍」を中心に前方に重巡「白神」、後方に途中から合流した重巡「ホーネット」、左右に軽巡「金剛」「比叡」が配置され、各巡洋艦の外側にに五隻の駆逐艦「涼月」「磯風」「ウォード」「コロラド」「リットリオ」が取り囲み輪形陣を組んだ。また各艦の対潜哨戒ジェットヘリを四方八方に配置して警戒、上空は第一、第二航空隊第二小隊、第四小隊の8機のバルキリーが護衛に付いている。この小隊が護衛にまわったのは女性ばかりの部隊であった為だ。彼女達も攻撃に志願したが輝と誠二は護衛にまわるように配慮していたのだ。
「頼もしいお嬢さん方じゃのう。」
 齢59歳の重巡「白神」艦長小田切武市少佐は昼戦艦橋から空を見上げて満足げにつぶやいた。
「戦争もあんなに女性が活躍する時代が来たのか。嬉しいやら悲しいやら。」
「小田切さん、ここは戦場ですよ。感慨にふけっている場合ですか。」
 隣で双眼鏡を構えていた第八戦隊指揮官日向浅海少佐が答えた。
「まぁわしらの様なもんは時代遅れになりつつあるのかもしれんのう。」
「何を言いますか、あなたは現場40年のベテランですよ。」
 二人は日本海上自衛隊出身であり、「天龍」に乗っている風見健吾とも面識がある。
「しかし、わしゃ解せんことがある。少し敵の行動が気になるのう。敵はインド洋側に空母戦力を集中しとる。こっち側が手薄すぎやせんかの?」
 小田切艦長は顎に手を当ててそう問いかけてきた。
「もしかしたら潜水艦隊が潜んでいるかもしれません。しかしヘリが随時警戒してますから易々と近づけないはずです。」
「考えすぎでなければいいんじゃがのう。」
 そう言って再び二人は空を見ていた。

 一方「天龍」の艦橋では
「司令、そろそろバルキリー隊がシンガポール爆撃にかかる頃です。」
 デビッド・E・スプルーアンス参謀長が時計を確認して報告してきた。現在艦隊は逆探を警戒して通信の類を控えている。
「成功すれば通信開放のシグナルが来るはずです。」
 通信長のエマ・グレンジャー大尉がそう答えた。
「今はとにかく成功を信じましょう。」
 彼は無事任務を完了して帰ってくる。未沙は信じていた。今まで彼はそうであったし、約束もしていた。そのときだった。
「近距離レーダー!!未確認飛行編隊をキャッチ!!数20以上!!」
 一瞬室内が凍りついた。
「もう一度識別しなさい!!全艦対空戦闘用意!!エマ大尉、攻撃に向かったバルキリー隊をすぐに呼び戻して!!」
 未沙の命令に全員がわれに帰った。
「急ぎなさい!!敵はすぐそこまで迫っているわ!!」
 すぐに各自が動き出した。しかし
「早瀬司令!!だめです!!ジャミングの為か航空隊と連絡が取れません。」
 エマ大尉の報告に全員が息を呑んだ。だが未沙はこう答えた。
「大丈夫です、一条少佐なら通信の異変に気が付いてくれるはずです。」
 その言葉と彼女の瞳には信頼が満ちていた。
「司令、各砲座準備完了、対空ミサイルも用意完了しました。」
 スプルーアンス参謀長も冷静だった。二人を目の当たりにして他のスタッフも落ち着きを取り戻しつつあった。
「機関全速!!対空戦航行準備よし!!」
 舵輪を握った航海長天野純大尉が報告する。
「敵機接近!!護衛バルキリー隊、迎撃に向かいます!!」
 レーダースタッフと監視所からの報告が戦闘開始のカウントダウンを思わせた。
「対空戦闘!!各自射撃用意!!」
 突撃してくる敵機の前に立ちはだかるバルキリー隊。敵は編隊を拡げてミサイルを放つ。ミサイルをバルキリー隊が次々と撃ち落すが、敵機が隙を突いて突撃してくる。
 未沙の号令が響いた。
「全艦対空戦闘開始!!ファイヤー!!」
 各艦のすさまじい砲火が上空に炸裂した。

「間に合ってくれ!!」
 輝の目に未沙が浮かんだ。なんとしても彼女を守らなければならない。
 だが間もなく輝の目に異常な光景が飛び込んできた。
 晴れ渡った空の下、海上に三つの黒煙を確認した。それは明らかに自分たちの来た方向であった。つまり艦隊に異変が起こったと言う事であった。
「隊長!!あれは!!」
 久野一矢中尉が青い顔で輝に問いかけた。彼だけではない。同じくモニターに映るギム・ケイリング少尉とロメル・ウォーカー少尉も同様だ。最悪の状況が想像できた。しかし、まだやられたとは限らない。
「大丈夫だ!!そう簡単にやられるような「天龍」じゃない。急ぐぞ!!」
 出来ることなら輝は彼女の名前を叫びたかった。ジャミングの為か通信が取れない事がより不安にさせた。
(必ず守ると約束したんだ!!)
 そう思い全速で「天龍」へと向かう。

「みんな!!頑張って!!もうすぐ一条隊長たちが来てくれるわ!!」
 護衛隊の指揮を執るジル・シャリン少尉が仲間を励ます。彼女も限界に近づいていた。何せ三倍以上の敵機である。いくら高性能のバルキリーといえども数で押されていては分が悪い。
 だが、彼女達は必死に迎撃戦を展開していた。
(隊長や久野中尉たちのためにも守らなきゃ!!)
 そういう思いが彼女達を支えていた。皆が輝たちが来てくれることを信じていた。そしてジルが視界の隅からこっちへ向かってくる何かに気付いた時、それは現実となった。


「軽巡「金剛」被弾!!駆逐艦「リットリオ」第二砲塔損傷!!」
 オペレーターのエマ大尉が次々と各艦の被害を報告する。
「急速廻頭取り舵いっぱい!!」
 航海長の天野大尉は必死に舵輪を回して敵の攻撃をかわす。その甲斐あって「天龍」は艦尾に機銃弾を受けただけで負傷者3名に被害はとどまっていた。だが、護衛艦には大きな被害が出ていた。軽巡「金剛」ミサイルによって左舷を被弾。25ミリ対空機関砲二挺がやられた。駆逐艦「磯風」「コロラド」「リットリオ」も一発ずつミサイルによって被弾。特に「磯風」は艦の右舷中央に命中、浸水により速力が29ノット(時速約55キロ)まで落ちてしまった。
「新たな飛行編隊確認!!味方です。」
 その報告に全員が安堵した。時計によれば対空戦闘開始からまだ15分足らず。
「司令、どうやら間に合ったようですな。」
 スプルーアンス参謀長が声を掛けた。だがまだ安心はできない。未沙は再度声を張り上げた。
「気を抜いてはいけません!!まだ終わったわけでは・・・。」
 その時、ソナー室から緊急連絡が艦長席へと廻ってきた。
「こちらソナー探知室!!緊急連絡!!敵潜と思しき反応キャッチ!!方位1時方向!!」
 さらに通信席のエマ大尉からも報告が来た。
「右舷前方哨戒中のジェットヘリ、ホーネット二番機より報告!!海中に敵潜反応!!敵は超巨大!!」
 そのときだった。右舷一時方向の海面が突如割れたかのように飛沫を上げた。そして姿を現したのは一隻の巨大な鉄の船であった。「天龍」と同等以上の巨体に、多数の重火器を備えたまさに「潜水戦艦」とでも形容すべきものであった。
 さらにその艦の拡大映像を見た瞬間、全員が驚愕した。彼らはその艦の側面に大きな卍のマークを確認したのである。


 続く

 まさかの敵の出現にどうなる「天龍」!?
 ところで今日気付いたことなのですがいつの間にかこのブログが開設からちょうど一年目を迎えておりました。このようにやってこれたのも読んでくださる皆さま方のおかげです。
 どうもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。暑い日々体調などには充分お気をつけてください。




2001年宇宙の旅

2011-07-26 00:30:32 | 映画
 暑中お見舞い申し上げます。久しぶりの映画紹介です。今回は1968年公開「2001年宇宙の旅」です。

 かつてまだ人間という種族が猿のような生態を持っていた頃、地球に一枚の石版が現れました。その名は「モノリス」。そしてその石版の光を浴びた数匹の猿は突如死んだ動物の骨を道具として使い、人間への一歩を踏み出した。
 そして現代、時は1999年、衛星軌道上の宇宙ステーションから飛び立った一機のシャトルが月面へと到達しました。それに乗り込んでいたフロイド博士はアメリカ合衆国宇宙評議会の代表としてある調査に向かっていた。それは月の地下から発見された一枚の石版の調査であった。その石版こそかつて人類に道具を教えたものと同種の「第二のモノリス」であり、それは太陽の光を浴びて木星に向けて電波を発したのです。
 そしてそれから18ヵ月後の2001年、木星探検隊が結成され宇宙船「ディスカバリー号」は木星へ向けて旅立った。

 以上が中盤までの流れです。この映画は世界映画史に残る不朽の名作とたたえられ、多くの人々を驚かせた超大作です。CGのほとんど無い時代に表現された宇宙空間やワープの描写は圧巻の映像美、そして壮大な音楽をバックに展開する物語が見所でしょう。またこの作品も後に多くの映画に影響を与えたことは言うまでもありません。
 しかし何より印象深いのはオープニングです。月の向こう側に太陽が現れ地球がその間に並びすべてが輝く、そしてそこに流れるクラシック曲の「ツァラトゥストラはかく語りき」と相まってとても印象深い仕上がりです。
 アポロがまだ月へ行っていなかった時代の映画ですがその宇宙空間でのストーリーも驚きの連続です。
 残念ながらYouTubeではOPしか見れません。(日曜洋画劇場の故淀川長治さんの解説は2011年7月現在見られます。)興味のある方はレンタルで是非どうぞ。(ちなみにレンタルDVDは自分の探した限り字幕版しかありませんでした。)
 暑い今日この頃、皆様熱中症や夏風邪にはくれぐれもお気をつけ下さい。

突入!!炎のシンガポール

2011-07-24 22:37:42 | 第二部 東洋激突編
 いよいよ対決の時、しかし天龍に危機迫る

「提督、今回のこの事件は秘密結社“N”の仕業と我々は結論付けました。」
 開口一番秘密部隊SHADO(シャドウ)の司令官エド・ストレイカー少将はそう断言した。
 SHADOは統合政府樹立以前国連の承認を得てイギリス政府が中心となって創設された秘密組織である。本部は旧イギリス地区の映画会社の地下70メートルに存在、統合政府の影の部分の元締めである。
 その司令室にはストレイカー司令官のほかに副司令フリーマン大佐、科学班長レイク大佐、SHADO第1潜水隊司令カーリン大尉ら主要メンバーが集まっている。
「そうか、奴らはやはり生きていたのだな。」
 その報告に新地球統合軍総司令ブルーノ・J・グローバル提督は愛用のパイプを咥えて腕を組んだ。考え事をするときの癖だ。
「実に10年ぶりですな。提督、あなたが南太平洋で遭遇した時から。」
 そうストレイカーに告げられ、グローバル提督は思い出していた。統合戦争中に彼が乗艦していた潜水艦が謎の潜水艦3隻に追撃を受けた。しかし、艦長であった早瀬隆司前統合軍提督の指揮の下反撃、見事に二隻を大破撃沈し、一隻は逃走したのだった。
「しかしストレイカー君、私はまだ信じられん部分もあるよ。なにせあのナチスが現代にまで生き残っているなど。」
 そう言われ、ストレイカーは席から立ち上がって語り始めた。
「それは自分も同じです、しかしこれは事実です。それに歴史の中にも彼らの影が見え隠れしております。例えば1954年3月、南太平洋ビキニ環礁で行われた米軍の核実験はなぜ予想をはるかに上回ることとなったのか。」
 日本では第5福竜丸被爆事件として語られることとなる事件であった。後に船員が死亡し、原水爆世界大会の開催やゴジラをはじめとする反核映画作品の誕生の引き金ともなった。
「また1963年、前年のキューバ危機の英雄米国大統領J・F・ケネディ暗殺事件とその犯人とされたオズワルド殺害事件の謎。今も謎とされる複数の銃声。」
 1962年、キューバと共同してのソ連による中米ミサイル配備計画、これによって米ソは一触即発の事態となったが米大統領ケネディの手腕によってトルコのNATOミサイル基地撤収とキューバへの侵攻中止と引き換えにソ連と交渉成立させ第3次大戦は回避された。
 しかし、翌年ダラスのパレードの最中、彼は暗殺された。また狙撃犯として逮捕された容疑者オズワルドは事件から二日後に射殺され真相は不明となった。だが当時の状況から複数の銃声や不自然な弾道から複数犯による犯行とも言われている。
「1976年、ソ連戦闘機の函館空港強行着陸と亡命事件、1989年米海軍戦艦アイオワ第二砲塔爆発事件、1996年航空機TWA800謎の爆発墜落事故、謎とされた怪事件には何者かの存在が見受けられます。」
 そしてストレイカーは席へと着席し煙草に火をつけた。
「ストレイカー君、奴らの目的は何であろうか?」
 グローバル提督の問いかけにストレイカーは即座に答えた。
「おそらく、混乱の時代を作ることでしょう。」

 一方シンガポールを目指す軽巡洋艦「霧島」「榛名」の二隻の上空をバルキリー隊が追い抜いていく。「天龍」から飛び立った26機三小隊のバルキリーだ。
「いいか、あの二隻が突入する前に俺たちが基地に爆撃を掛ける。ここに作戦の成否がかかっているんだ。各自気を抜くな。」
 先頭を行く輝のバルキリーから全員に指示が飛んだ。
 それを聴いた輝の真後ろにいる久野一矢中尉は手に汗がにじむのを感じた。部下の手前ミーティングの席では気丈に振舞ったつもりだったがいざ実戦となると緊張せざるを得なかった。
 やがて陸地が見えて来た。
「いよいよだ、全機突撃!!」
 スロットルを全開にして二機のバルキリーが先行していく。輝と副隊長の沖野誠二だ。
「全機続け!!」
 一矢も負けずに声を出し後を追った。
 全員が基地を肉眼で確認した。しかしすでに基地から煙が上がっている。まるでのろしのようだ。

「来たぜシュテッケン!!バルキリー隊だ!!」
 シンガポール基地近郊の丘の上から双眼鏡を構えていたキッドから報告が届いた。
「よし、派手なのろしを上げたかいがあったな!!」
「あたし特製の爆弾の威力なかなかでしょう。」
 などと言っているシュテッケンとお町の元へとキッドが下りてくる。
「ほいじゃあ潜水艇でずらかりますか。」
「うむ、そろそろスカイダイバー2号が沖合いに到着する頃だ。」
 時計を確認したシュテッケンがキッドに答えたそのときだった。
 地鳴りと共に基地に黒煙と炎が上がった。
 あまりの爆風に三人があおられる。
「ひゃー、まだ逃げ切れてねえのに。」
「いやん、髪の毛が乱れちゃったぁ。」
 二人がそんなことを言っている間にシュテッケンが潜水艇へと走り出した。
「二人とも急げ!!流れ弾に当たっても知らんぞ!!」

「よっしゃぁ!!命中!!」
 そう叫んだのは第一地航空隊第四小隊長のロメル・ウォーカー少尉だ。地上兵器にミサイルを命中させさらにガンポッドの掃射をかける。
 他のバルキリーもそれに倣った。またそれに合わせて地上部隊の遠距離砲撃も始まった。第一歩のシンガポール基地爆撃は成功し、各所から火の手が上がった。
 しかし輝は不審に思った。
 付近の陣地や地上部隊からは対空砲を撃ち上げてくるが敵の航空機の姿が見えない。敵が東洋艦隊の攻撃に向かったとしても基地の上空の警備が薄いのはおかしい。
「輝、妙だと思わんか?」
 同じく誠二も疑問に思っているようだ。
「敵の防衛が手薄すぎる。もしかすると・・・」
その誠二の指摘に輝はすぐさま反応した。
「罠か!!しまった!!「天龍」が危ない!!」
「輝!!急いで引き返せ!!ここは俺の部隊が引き受ける!!味方の地上部隊が突入したら俺たちもすぐに向かう!!」
「すまない!!」
 すぐに輝が部下達に状況を伝え引き返す。一矢、ロメル、ギム達各小隊長も部下を引き連れて母艦へ向かう。一応護衛として「天龍」にはジル少尉の第2小隊と第2航空隊の第4小隊を残してきたが嫌な予感がする。
「間に合ってくれ!!」
 輝の目に未沙が浮かんだ。なんとしても彼女を守らなければならない。
 だが間もなく輝の目に異常な光景が飛び込んできた。
 晴れ渡った空の下、海上に三つの黒煙を確認した。それは明らかに自分たちの来た方向であった。つまり艦隊に異変が起こったと言う事であった。


 次回に続く

 いつも遅れてすいません。暑い今日この頃皆様お体お気をつけ下さい。
 なお今回の話に登場している歴史上の事件と本作品は一切関係ありません。

強襲!!

2011-07-10 23:37:31 | 第二部 東洋激突編
遅れてしまってすいません。ようやく生活が落ち着いてきました

 2012年1月20日夜明け
 統合海軍東洋艦隊旗艦「レナウン」の艦橋から司令官のゲイル・J・マッケーン少将は飛び立っていく艦載機を防空指揮所から帽子を振って見送っていた。すると、艦橋に通じるはしごから副官が現れた。
「司令!!別働隊の第二艦隊旗艦重巡「プリンストン」より通信です。『ワレ敵潜ニ遭遇ス、爆雷攻撃ニ移行、コレヲ撃沈セルモ駆逐艦「コンウォール」ガ奇襲ヲ受ケ大破、離脱サセ作戦続行ス』以上です。」
「敵潜が出てきたか、ならばこちらを狙ってくる確率は大きいな。ヘリ空母「エンカウンター」に連絡、直ちに対潜装備の哨戒ヘリを出撃させろ。」
「了解!!」
 そう言って副官は再びはしごを降りていった。
「何としてもこの空母は守らねばならんな。」
 そう言ってマッケーン少将は再び甲板を飛び立っていくバルキリー隊へと目を向けた。

 一方その頃ジャングル地帯に潜伏していたゲリラ部隊は進撃準備を整えて訓辞を行っていた。集まった隊員は900名にのぼる。
 彼らの前で話しているのはジョン・スミス大佐だ。
「いいか、本来私は指揮官ではなくあくまでゲリラ屋だ。それを前もって言っておく。こんな男の指示に従いたくない者もいるだろう。しかし、なんとしても敵の手からシンガポールを奪還したいという気持ちは同じだ。それを分かっておいてもらいたい。」
 一呼吸置いて彼は作戦を伝える。
「まず戦車部隊だが主力08式戦車16輌は先頭で一気に市街地へ突撃をかける。デストロイド12機もこれに続いて突入だ。モンスター7機と05式220ミリ榴弾砲はすでに付近の丘に偽装配置を完了している。ここから砲弾を見舞い基地に攻撃をかける。敵の地上戦力は戦闘ヘリ9機が爆撃だ。順番としては遠距離砲撃、ヘリの爆撃、戦車隊突入、最後に歩兵だ。いいか、なんとしても全員生きて成功させるぞ。市民は全員避難して街は無人だ。遠慮せずにかましてやれ。」
 そう言うと彼は敬礼し、隊員も返した。傍らの直属の部下、フェイス、モンキー、コングも敬礼していた。

 また一方天龍艦隊も攻撃隊を用意していた。艦橋で一条輝少佐が沖野誠二少佐と共に出撃前の報告を行っていた。
「無事生還を祈ります。」
 そう言って司令官の早瀬未沙が二人に答礼する。輝と未沙の視線が絡み合う。今までもこうして会話をしてきた二人だが、お互いに今回はいつもより長く感じていた。
「頑張ってきて下さい!!母艦は必ず守り通します。」
 そう言ったのは航海長の天野純大尉だ。
「頼みますよ。この攻撃が地上部隊の作戦に大きく関わります。」
 続いて艦隊参謀長のデビッド・E・スプルーアンス少佐も言葉をかける。
「天龍航空隊第1及び第2中隊各3小隊は、これより敵基地への空爆作戦に出撃します!!」
「早瀬司令!!行って参ります!!」
 二人はそう答えて艦橋を降りていった。
「全乗組員に通達、これより攻撃隊発進、所定の配置で見送りを。」
 この放送がかかるや各砲座に見張り員、整備員らが帽子を振って見送る。その歓声の中を先頭切ってドクロのマークのバルキリーが飛び立って行った。

 またその頃、南方海上を航行する第20艦隊は
「司令、天龍が航空隊を出した模様です。」
 参謀長の沢村浩中佐から通信文を受け取った正木俊介大佐はすぐにこたえた。
「よろしい、では本艦は駆逐艦「冬月」と共に増速限界39ノットへ、一足先に天龍と合流だ。以後は第5戦隊の「伊勢」に指揮を任せ、突入のタイミングを見計らってもらう。全乗組員第一戦闘配置。主砲をいつでも撃てる様にしておけ。場合によっては本艦をシンガポール泊地に突入させる。」
 そのとき通信長が血相を変えて艦橋へ飛び込んできた。
「し、司令、大変です!!本艦前方に展開していた潜水艦「センチュリオン」より緊急通信を傍受しました。『敵潜ニ遭遇ス、敵ハ本艦ヨリ倍近ク巨大ナリ』なお通信はごく微弱でした。」
 この報告に艦橋が静まり返った。センチュリオンは統合軍の主力原子力潜水艦であり全長は112メーターをほこる。つまり200メーター級の巨大潜水艦が確認されたのだ。
「誤認では無いでしょうか?敵の大きさを見誤ったとか。」
 参謀の一人がそう意見を口にしたが正木大佐がそれを否定した。
「いや、センチュリオンの鳴海恵介少佐は切れ者だ。そうそう敵の大きさを間違えるようなことは無いだろう。ともかく本艦の海面下に敵潜が潜んでいる可能性が大きい。本艦は270メーターにも及ぶ巨艦だ。敵に狙われやすい。対潜警戒厳、それから同海域に展開する潜水艦エクセリオンにセンチュリオンの元へ向かうように指示を出してくれ。」
 そういうと彼は艦橋の窓から外を眺めた。いつものように静かに思えるが数時間後には荒れた戦場になる。彼はそう感じていた。
 
 次回へ続く

 長らくお待たせしました。公務員の夏試験が終わり秋の試験まで時間が出来ましたので余裕ができ、来週にも続きを投稿しようと思っております。
 暑い季節ですので皆様お体や食べ物にお気をつけてください。