日本艦隊司令部

小説、アニメ、特撮、刑事ドラマ、映画などの語り

作戦開始

2011-05-25 21:40:56 | 第二部 東洋激突編
 遅れ気味ですいません。いよいよ作戦始動。そして今シンガポールでは

 1月19日未明、闇夜のシンガポール基地近郊のジャングル地帯。ここでは現在脱出した統合軍部隊がゲリラ戦を展開している。
 ズンという音と共に黒煙と火の手が上がった。トラップの散布地雷が爆発したのだ。
「ハンニバル!!B-16ポイントだ!!」
 自分よりも高台にいる部下のフェイスから報告を受けたハンニバル将軍はくわえた葉巻に火をつけているところであった。彼は現在ゲリラ戦を指揮している司令官である。湾岸戦争での叩き上げで現在は政府の裏部隊Aを率いる自称将軍である。
「OK、モンキー、コング、迫撃砲をお見舞いしてやれ。じっくり狙えよ!!」
 命令するや数十秒後、前方に並べられた四台の迫撃砲から砲弾が放たれた。数秒後、前方に火柱が現れた。
「ひゃっほー!!ざまみろい!!イエーイ!!」
 照らし出された陣地の前方にいたクレイジーモンキーがはしゃいでその場でジャンプしていた。
「いいぞモンキー!!コング!!もう2,3発お見舞いして撤収だ!!フェイス!!ジープを用意しろ!!」
 そういうとハンニバルは満足そうな笑顔で葉巻の香りを楽しんだ。

「中々の指揮官がシンガポールの敵にはいるらしいな。」
 暗い部屋の中でその男は情報部からの報告を受けていた。
「はっ、大佐。それについて敵の指揮官を突き止めました。名前はジョン・スミス大佐、通称ハンニバル将軍です。」
 ディスプレイにその男の写真が表示される。
「ほう、たしかA部隊とか言う秘密部隊のリーダーであったな。」
「そのとおりであります。奇襲戦法と変装の名人だそうです。湾岸戦争時代に特別攻撃部隊の指揮官となり、戦後は地下組織のリーダーをしていましたが統合戦争中に政府の秘密部隊となったそうであります。」
 大佐と呼ばれた男は口元に笑みを浮かべた。
「面白い、すぐにヘルディ参謀に情報を送れ。奴とその仲間についてもな。」
「ハイル!!」
 ディスプレイに映った情報士官は片手を上げて敬礼し、報告を終えた。
 男は自らの後ろに掲げられた鉤十字の旗へと向き直った。
(いよいよだ。ついに我が祖父と、我が総統の夢が第一歩を踏み出す。その前に奴の始末も考えなければ。まぁそれはヘルディに任せよう。自らの娘の舟が沈められる様を見せ付けてみるのも一興か。)
 不敵な笑みをたたえる男の野望。果たして何であろうか。

 一方、天龍艦内の格納庫では講義用のホワイトボードを使ったミーティングが行われていた。第1部隊長である一条輝少佐が説明をしている。
「いいか、俺たちの任務は基地に対する航空攻撃ならびに敵艦隊への奇襲だ。現在インド洋のセイロンからシンガポールへ向かっている東洋艦隊は空母「レナウン」以下三隻の空母が主軸の一大機動部隊だ。この部隊の任務はシンガポール基地とその付近にいる艦隊への攻撃が任務だ。」
 ここで第2隊長である沖野誠二少佐が続ける。
「一方、シンガポールを脱出したデストロイド部隊に機甲部隊は付近のジャングル地帯に潜伏してゲリラ作戦を展開している。この支援が主な目的だ。情報によれば敵は現在インド洋側に展開している。そこで我々は太平洋側から東洋艦隊の攻撃開始を待って背後から攻撃をかける。つまりは挟み撃ち作戦というわけだ。」
 一度ここで全員の顔を見回して輝が続けた。
「敵の地上部隊はデストロイド型の機動兵器に重戦車部隊だ。これに上空から爆撃を敢行し、一気に味方部隊と巡洋艦戦隊が基地へなだれ込む作戦だ。つまり俺たちは一番槍で敵の陣地に殴りこむ。はっきり言って危険であり、諸君らの命に関わる。このような作戦に本来参加させるものかには疑問もある。そこで辞退してくれても構わない。希望者は後で俺か誠二に申し出てくれ。」
 一同は何か小声でしばらく話していた。そのとき、一人が敬礼して輝の前に歩み出た。
「一条隊長!!自分はご一緒させていただきます。」
 久野一矢中尉だった。
「隊長!!自分もお供させてください!!」
 大声で続いたのは柿崎幸雄伍長だった。
 輝はしばし二人を見比べた。そして一矢に手を差し伸べた。
「ありがとう。」
 輝のその言葉を聴き、そのほかの隊員からも俺も、俺もと声が出た。結局辞退者は0だった。

 また一方、正木俊介大佐率いる別働隊は現在オーストラリアの北西海域を陸軍部隊を満載した高速輸送船5隻と共に速度32ノットで進撃していた。
「正木司令、後続隊より通信が来ました。現在航空巡洋艦「伊勢」「日向」、駆逐艦「冬月」「雪風」は本艦後方120キロを全速41ノットで追尾しているそうです。」
 先任将校の報告に艦長席に腰を下ろしていた正木大佐はやや厳しい表情で答えた。齢52になるがまだ40代でも通じそうである。
「よろしい、予定通りだな。」
 そういって彼は艦橋の窓から見える禍々しい兵器に目を移した。
(まさかこいつを使う時が再び来ようとはな。昔同様ただのかざりにしかならんかもしれんが。)
 そう思いながら彼はポケットから一枚の写真を取り出した。
(提督、お嬢さんは必ずお守りいたします。この命に代えても。それが私に出来る恩返しと信じて。)
 その写真には少し若い頃の自分といかにも威厳の有る軍人と亜麻色の髪の少女が写っていた。


 遅くなってごめんなさい。試験筆記テストは終わりましたが体力テストや面接で体が付いていけません。日々どこかいたんでます。この年で衰えをしみじみと感じています。ともあれ次回いよいよ上陸作戦です。次回は出来るだけ急ぐつもりですのでどうかご了承下さい。

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4 コメント

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お邪魔いたします! (futurehm)
2011-06-06 19:42:51
こんにちは。先日は私のブログまで足を運んでいただきまして、ありがとうございました。こちらで、yamatoさんの作品を読ませていただきました。当たり前のことなんですが、マクロスってミリタリーな話だよなと読ませていただいて再認識しました。描写とかとてもリアルで、私などとは全然違った視点で書いたいらっしゃるし、設定が緻密だなぁと感動してしまいました。マクロスって戦闘機などは妙にリアリティがありますよね。この先の展開も楽しみにしています。また、お邪魔させてください!
返信する
初めまして (にゃお)
2011-06-16 12:01:06
初めまして yamato様

初めてコメントさせてただきます、にゃお と申します。

体調は回復されましたか?大事ではないとよいのですが。

地球での戦艦・戦闘機が戦闘がメインのお話で、雰囲気が出ていてカッコイイなぁ、と思いました。私の脳内だけかもしれませんが、輝と未沙が、歴戦の軍人と言う感じで、やたら恰好よい気がします。いずれ、「MACROSS if」の形で、第二次世界大戦物をやりたいなぁ、と丁度機能妄想しておりました。その際にはこちらを参考に…。
輝の同期がいるのがよいですね。原作だとそのような存在は見られませんでしたからね。
yamatoさんは、男性ですよね?違ってたら、目も当てられないか。文が淡々として、人物も落ち着いていて、私の好きな調子なので気になっていたのですが。


実は1~2か月前くらいから、うかがっておりました。
ブログに慣れていないので、気遅れしてしまい、コメどころか拍手も控えていたのです。
最近あちこちのマクロスブログ様に出没し、やっとポツポツ拍手&コメするようになりました。

こちらも機会をうかがっていたのですが、お知らせしたい件があり、続きが気になるこの記事のコメからご挨拶させて頂きました。

上記URLにありますように、ブログを立ち上げました。
「白い薔薇によせて」という、なんともこっぱすかしいネーミングなんですが…。
ぜひ、いらしてくださいませ。

では、お体ご自愛下さいませ。

ご来店、お待ち申しあげております。
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futurehm様 (yamato)
2011-06-26 23:09:28
futurehm様、こんばんわ。遅れてしまってすいません。ようやく全試験が終わって体の調子も戻ってきました。近日再開を予定しておりますのでどうぞいらっしゃってください。
自分もこれから度々お邪魔させていただくつもりですのでよろしくお願いいたします。
夏が近づき暑くなる季節ですのでお体お気をつけ下さい。
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にゃお様 (yamato)
2011-06-26 23:19:05
はじめまして、こんばんわ。遅れてしまってすいません。体調を崩したといっても体力試験の筋肉痛などでしたので時間がたてば大丈夫です。もう全快いたしました。ご心配お掛けしてすいません。
海戦ものと言う事で始めましたがそもそも自分が海軍マニアでしたので高校時代に考えた連合艦隊とナチスとの戦いがモデルです。
沖野誠二は自分も特に気に入ってます原作に同期の友人がいなかったのが一番の理由です。
それと自分は男性に分類されますのでお察しのとおりです。
ブログのほうも少々お邪魔させていただきました。これからもよろしくお願いいたします。
暑い季節になりますのでお体などお気をつけ下さい。
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