宇佐美まことさん作の小説「月の光の届く距離」(光文社)を読了しました。このところあまり本を読んでいなかった(読み始めてもすぐ眠くなり、図書館の貸出期間を過ぎてしまう)ので、「久しぶりに小説を読み切った!」って感じです。
最近「ちょっと時間が空いたときにTULLY'Sコーヒーで読書する」っていう時間の過ごし方をするようになり、「ちょこっと読書」の時間を意識してとるようにしています。時間を有効に使いたいですからね。コーヒーも飲みたいし(TULLY'Sの「本日のコーヒー」でいろいろな種類を飲むのが好きです)。
さて、「月の光の届く距離」です。ストーリーはこんな感じです。
女子高生の美優は予期しない妊娠をしてしまう。堕胎するには遅すぎると、福祉の手によって奥多摩にあるゲストハウス「グリーンゲイブルズ」に預けられる。そこには血のつながりよりも深い愛で結ばれた「家族」が暮らしていた。
小説全体の1/3くらいは、ゲストハウスのオーナーである明良(あきら)と華南子の兄妹(というかカップル)が辿ってきた数奇な人生が描かれていて、そこには明良の父の裕一郎や華南子の母の類子の生き様が絡んでいたり、歌舞伎町で美優を助けた千沙の壮絶な生育歴の描写も描かれていたり、複数の登場人物の人生が絡み合ってこの小説を構成しています。
養子縁組、里親制度、児童福祉、児童虐待…。いろいろなことを考えさせられながらも、最後はちょっとほっこりとする安心感も与えてくれる小説でした。宇佐美まことさんという作家の小説は初めて読んだのですが、もう少し読んでみようかな?と思いました。