はやいものでもうじき8月・・・。
わたしが高石行ったのって、6月の頭ですよねえ。に、二ヶ月も経ってしまった。
記憶も遠のくわ、そりゃあ・・・。
高石、歌の公演だったんですよね。
レビューステージじゃなくて、歌謡ショー?(歌謡曲をやるわけじゃないけど・・・)
OSK得意のダンスが少なかったのは、もったいないと言えばもったいないですが、特に不満もなく普通に楽しかったです。
「まあそう、ダンスダンス言わなくても、充分おもしろいよOSK」
って思ったんですね。地元のお客さんがた、よろこんでる様子だったし。レビューショーより、こういうののほうが、一般にはわかりやすいかもねえーと思ったりして。
ダンスよか歌のほうが、今日びの娯楽としては一般的だわなあ、といまさら思った。
とにかくことりちゃんが可愛かったです!
桜花さんと組んでファントムかな。ファントムの歌(宝塚でやったんじゃないほうのファントムだった)を歌うときに、最高潮にアドレナリンが出ました。やはりわたしはっ・・・娘役と組む桜花さんが好きだあああ!(叫ぶ)
しかし京都で、「レビュー公演」を見たら、「あっ。やっぱりレビュー!!なんといってもレビューだああああ!」と思っちゃった。高石の舞台と、松竹でかけるレビューを一緒にしちゃイカンのですが、レビュー公演を基準にしちゃうと、たしかに高石は「ゆるかった」のだなあ・・・。(高石見たときは全く気づかなかったわ。楽しいじゃーんと思ってたもん)
というわけで、以下、レビューinKYOTOです。
●第一部 源氏千年夢絵巻 輪舞曲(ロンド) 薫と浮舟源氏物語
すごい題だよなあー・・・。ロンド・・・源氏物語でロンドですよ!?
ダンナ殿を既に誘ったあとでタイトルを見たわたしは思った。
「や、やばい!!あまりヤバイのは見せたくない・・・。OSKのイイところをガツーンと見せたいんだけど・・・。ぬるーい源氏物語だったらどうしよう!!」
源氏物語は、ストーリーが長大だし、「京都」「雅」「平安」とキイワードそろうと、綺麗ではあっても、躍動感というか・・・メリハリに乏しい印象があって、わたしは正直、源氏物語の舞台化モノはあまりオススメしないのだ。ただでさえオススメじゃない源氏物語なのに、 ロンドとか言って、混迷を極めたらどうしようっっ。うーん・・・。
と、心配してましたけど、杞憂でした。
(見てない方のためにクドクドしく説明入れますが)
今回のロンド源氏、ゆったり日本モノのストーリー進行のあいだあいだに、突如現代モノのレビューシーンが挿入されまくるんですーっ!
てゆーか、幕開きがいきなり洋舞の舞踏会シーンなのだ。
勇気ある挑戦だよねえ。英断と勇気に、心から心から拍手~っ!!
そして誰が何と言おうが、生意気娘Kはロンド源氏を100%支持します!
すっごく面白かったし、斬新でイイと思った。
ロンド源氏ねえ、芝居として見るとヘンなんですよ。でもこれ、わたしは芝居じゃないと思う(真顔) これは源氏物語を題材にしたレビューだと思う(真顔)
パンフの作者(水口一夫)の言葉読んで、さらに納得。
今回の上演は、三層の構造になっている。一つは薫、浮舟、匂宮を中心とした源氏物語の世界、二つは王朝の今の世も今も変わらない、(愛するということ)をテーマに、現代を入れ込んだ。これは、王朝ものは、優雅ではあるが、動きがどうしても少なくなる。その緩慢さを救うため、レビューの魅力を活かすための工夫である。いま一つは、紫式部を登場させ、物語の展開を作者の愛情と冷徹な目を持って眺めるという複雑なスタイルである。
そうなんだよねえー。源氏物語はどーーーしても「ゆるーい」雰囲気になるから、どう動きをつけるかがね・・・。半端につけると、浮くしねえ。わたし、源氏物語の舞台って「朗読」あたりが一番向いてると思う。二次元の娯楽だもん、これ。評価が高すぎる&古典すぎて、あんまり無茶ないじり方できないし。
作者の言葉読むと、納得納得でしたよ。作者の言葉で語ってる意図と作品、ズレてない。
・浮舟のメインストーリー(王朝モノ)
・イメージ部分(現代モノ)
・紫式部が狂言回し
っていう三層がある、と。
それが絡み合って、ひとつのものを表現って面白いと思うし、そういう試みの類としては、コレはメリハリもあってよくできた例だったと思います。こういうのは失敗すると目も当てられないからね。ロンド源氏は、「好きか嫌いか」「アリかナシか」を論じる余地があるだけ、よくできてると思うよ??ホントの失敗作は、二択にする余地がないもん。
ミュージカルってさ、感情がたかぶったり、何かを説明するのに、おもむろに歌が入るじゃないですか。あれの、「歌」が「ダンス」に置き換わっただけだよね。ダンスで進行を説明しつつ、感情を盛り上げるんですね。ダンスに対する意味の置き方も、具体的で的確だし。
・華やかさ→舞踏会
・お仕事→サラリーマンダンス
・結婚→結婚行列サンバ
ものすごいわかりやすさだ。斬新だ~。
ちなみに「ロンド」は、
「輪舞曲」のタイトルは、「源氏物語」の底に流れる輪廻、因果応報という仏教思想を、舞踏会で、次々とパートナーを変えて踊るロンドに置き換えたものだ。
とのこと。
面白いじゃないですか、発想が。
アホらしい作品のようだけど、幾重にも意味が折り重ねてあって、ちょっと前衛的。いいじゃんいいじゃん。面白いと思うよ?
もしあのダンスシーンが、日本モノだったら、「OK」だったのかなあ??
まあ、そっちのほうがわかりやすいだろうけど。
わたしは現代モノへの変換、アリだと思いますね。
だって「意味」は変わってないもん。結婚とか仕事とか、誤解しようのない具体的な事象の表現っていう意味は、現代だろーが日本モノだろーが同じじゃん。視覚効果が変化するだけじゃんね。現代モノにしたおかげで、ちょーっと前衛的で実験的になって、とても面白いじゃないですか~。
なんか、源氏物語のレビュー化としては、初の成功作品って感じさえするぞ。(昔の作品は知らないけど。)わたしがいままで見た源氏モノの中では、とりあえず一番好きです。大好きな中川昌アレンジだし。
あ、そうそう。
作者の意図、だいたいストレートに作品に出てますけど、
>紫式部を登場させ、物語の展開を作者の愛情と冷徹な目を
これだけはムリでしたね(笑)
元・宝塚トップ娘役(紫式部役は元タカラヅカの上原まり様)では、冷徹はムリだ(笑)
タカラヅカって冷徹とか冷静に見るモノじゃないもん(笑) 演じ手も観客も、冷静さを失ってナンボですからね(笑)
今回、キャスティングばっちりだったよね!
わたしが見たのは千秋楽近くだったからなのか、芝居もみんなすっごく良かった~!
桜花さんの報われない恋って、なんて素敵なんだろうと思った。
桜花さん、今後はぜひこの路線でーっ!!(←?)
最後、浮舟に裏切られるくだりの桜花さん、すっごく素敵だった(うっとり)
そんでまた匂宮の高世さんが!!なんであんなに悪役が似合うの!?本当にミツバチトミー(古い話だ・・・)と同じ人なんだろーかっっ。すごい色気でしたねえ~。
桐生さんは、「死神の怖さ」がふつうに出ている。やっぱ上手い人ですよね。セリ上がってくるところ、桐生さんのまとっている空気からして怖い!ぞっとするよー。
か弱い姉の大君が折原さんで、ちゃっかり妹の中の君がことりちゃん。惑う女(?)の浮舟が櫻子ちゃん。女性陣キャストも、とっても合ってましたねえ。櫻子ちゃんの葛藤→入水の場面、すごく感動してしまった。まー、言っちゃえば浮舟が浮気するから悪いんだけど、櫻子ちゃんの浮舟は、無邪気にふたまたかけちゃって、を「ハッと我にかえって自分の所業におびえている」、っていう風情が、なんだか説得力あったな。「女の愚かさ」って、やり過ぎるとフテブテしくなっちゃうと思うのよ。「泣いたところでおまえが悪いんだろっっ」みたいな。櫻子ちゃんの、消え入りそうな線の細い浮舟、「ああ、確信犯じゃないんだ・・・。(天然なんだな)」って、素直に思えて、とても良かったです。
上原まり様は、さすが元トップ。華やか~。紫式部って、ひとりとか二人とか、人数が少ない場面ばかりなんだけど、パッと真ん中で視線を集めるよね。「まちがいなくこの場面ではこの人が芯なんだなあー」って芝居しますよね。スランプ?に悩んでみせるとこ、(それなりの年令とキャリアの方にすこし失礼な言い方かもだけど)すごく可愛らしくて、微笑ましかったですねー。
●第二部 ミレニアムドリーム
二部の洋舞は、なんと山村若せんせいが演出。日舞じゃないんだよ!?バリバリの洋舞レビューを若せんせいがっっ!
わたくしは期待してました。若せんせいの演出や振付、ものすごーーーく好みなのだ。
いやー。ちょっと帰ってから春のおどりのドリーム・ステップをエンドレス再生しまくったせいで、じつはかなり記憶があいまいに・・・。ううう。ドリーム・ステップに記憶が塗り替えられていくううう!
(一回しか見てないしね・・・。ドリームステップは生で四回見たんだもん。)
すんごい粗っぽい感想になるけども。
まず、想定の範囲内だったのは、チェリーガールズの使い方がイマイチ。
いや、想定の範囲内でしょ、これはー。山村若せんせーの感性で、短いスカートで溌剌可愛らしく健康的な色気を持ったチェリーガールズがイキイキ踊る場面があったら、そっちのほうがビックリするわっ。ああいう「踊る女のコ☆」っていうモダンな感性、どう考えても若せんせいの感覚にないでしょー。若せんせいはもっと、日本人のノリに合う、醤油っぽい展開(を洋風くさくやる)が長所だもんね。
何事も適性とゆーもんがありますからね。若せんせいにチェリーガールズは期待してません、わたしは。適性にあったことやるのが一番いいよ。
しかし・・・してみると、春のおどりの一徳せんせいは、チェリーガールズうまく使ったよねえ。チェリーガールズを使いこなすのって、けっこう難しいよね。(特に宝塚の人にはね)
想定の範囲外だったのは、思いのほか宝塚っぽい・・・と、わたしは思ったのだけど・・・どうでしょう??
一徳せんせいのドリーム・ステップのほのかな宝塚の香り~は、全然気にならなかったんですよ。なぜなら想定の範囲内だから。宝塚の演出の現場で修行した人なんだから、そりゃー、多少香りはあるだろう、みたいな。若せんせいは、レビュー業界ではドコにも属さない人だから、もっと「こんなのは見たことがない」っていうのを期待していたんですけども、意外に「宝塚っぽい・・・」と、わたしは感じましたよ。
特に思ったのが、ゴスペル??を歌いあげるところ。
ああいう場面って、語弊のある言い方だけども、感動を強要する場面なんですよね。グワーッと歌い上げて、どうだあ!参ったかあ!という。いや、感動するんだけど、するんだけど・・・。ああやって意図的に観客から「感動」を引きだそうとするのが、なんだか宝塚っぽいと感じてしまった。
宝塚って、感動しに行くところなんですよ。舞台も演者も観客も、「最後は感動する!」っていうお約束に向かって動いてますから、感動系の場面は、何はともあれクライマックスだし、宝塚の醍醐味なのよね。わたしも宝塚に行くと感動します。だってそういう娯楽だもん。
「OSKには感動がないと言うのっ!?」
って詰め寄られてしまいそうですが、いやいや待って待って・・・そういう話じゃなくって。OSKには「感動を強要する」っていうのが、どうも似合わない、いや、似合わないワケじゃないけど、結果的に感動することはあっても、必要以上に過剰に「感動を演出する」よりは、何でもなさそーな顔して、裏ではじつはスゴイんだ、っていうクールさに観客が勝手に感動するほうが似合う気がして。宝塚のほうが、そういう意味では裏表がないんだよね、芸風に。スゴイ技術はスゴそうにやるし、がんばってる時はがんばってる表情するし、ファンはそれに打たれて帰宅するんだもん。
ゴスペルの「よし、ここでいっちょう感動してもらいましょ!盛り上げるぞう!!」という過剰さが、なんだかわたしのなかで引っかかったんですよ。いえ、イイ場面なんだけど。若せんせい、意外に宝塚的だなーと思う決定打になりました。
マリリンとプレスリーの笑える場面(ここの桐生さんは名演だった。蒼音くんのマリリン、インパクトあって最高だった!蒼音くん、いいキャラだなあ・・・。大好きだよ。)も、とても面白いんだけど、OSK的・・・まあ、わたしの考える、ですよ??近鉄時代知りませんからね・・・OSK的な「笑いのつけかた」より、だいぶ強引さがあるよね。桐生さんが冬のソナタやったギャグとか、もっとさりげないじゃないですか。観客が「気づいて」勝手に笑うところですけど、桐生さんのプレスリーは、盆がまわって高いセリの上にマイクが一本。コテコテのプレスリーが出てきて・・・って、「ここは笑うところだ!!」ってハッキリ決められちゃってるんですよね。
そう。感情の流れがね、ハッキリ舞台のうえで決められちゃってるんだよね~。それに沿って感情を流さないといけないのが、なんか宝塚っぽい。わたしのなかで、OSKはもっと自由に見ているイメージなんだけど。
全体には、レビュー寄りの「ショー」って感じでしたね。バラエティショーだよね。技術的にはレビューだけど、構成は「ショー」じゃないですか??
わたしはレビュー作りのノウハウなんか知らないから、感覚で言ってますけども。
一徳せんせーのドリーム・ステップは、「レビューそのもののおもしろさ」(躍動感とかね)を見せる作品だから、スターのキャラが立たないんですよね。そこがね、一徳レビューの弱みだよね。(だから宝塚であまり人気がかんばしくないのだと思うんだけど)
若先生のミレニアム・ドリームは、ちゃんとふつうにスターを中心に据えた作品でしたね。まあ、歌劇かいわいではコレが標準だよねえ。しみじみと一徳せんせいは個性派レビュー作家だよねー。
まるで難癖つけてるようですが、若先生のショー、とっても面白かったです。後半の群舞、曲のアレンジ(「なんちゃってチック・コリア」みたいな箇所とか)も良かった。
洋舞レビュー処女作でこれだけできたら充分すぎますよね。
山村若先生!!ファンです!!
これからもレビュー作家の道を邁進してくださーーーい(ハートマーク)
*****余談*****
今回、レビュー初体験のダンナ殿をつれていった。
感想をたずねたところ、
・源氏物語なのに、なぜサラリーマンが踊るのだ?(真顔)
・真ん中の人(桜花さん)はポジションでわかるが、それ以外の顔の区別がつかない。
・最後が傘回しじゃないので「?」と思ったが、あれはアンコールでやるのか。
(↑わたしがDVD見せつつしつこく「桜咲く国」をアピールしたので、傘回しは知っている)
というわけで、とりあえずスターの顔の区別がついていないぃぃ(泣)
男役、女役の区別も、「ん?ズボンはいてるほうが男役だろ」って、ええっ、衣装でしかわかんないの!?最初ってそんなんだっけ!?
最新の画像[もっと見る]
- 福井県の酒まんじゅうの話 14年前
- 福井県の酒まんじゅうの話 14年前
- 福井県の酒まんじゅうの話 14年前
- 福井県の酒まんじゅうの話 14年前
- 武生旅行の余話 14年前
- 武生旅行の余話 14年前
- 武生旅行の余話 14年前
- 武生のおもひで2010 14年前
- 自己満足企画!桜花さんの生誕を祝うクッキー作ってみた! 14年前
- 自己満足企画!桜花さんの生誕を祝うクッキー作ってみた! 14年前
大丈夫です♪文面でわかりますです~♪
>機会をいただけるなら、もっともっと色々とお話しをお聞きでき
たら…、と思いました!!
OSKに関する話題、そんなに数があるわけじゃないのに、いつも見てくださってありがとうございます。
ブログはいつも拝見してますー。
midoriさまがいろんな舞台を紹介してらっしゃるのを読むと、「あー見てみたいなアレもコレも」って思うんですけどねえ・・・財布がついていきません~!
歌劇とレビューで手一杯なんですよねえ・・・(情けない)
>緞帳で出た人も、怒りよりも「もーいーや」みたいな、飽きちゃった、みたいな。
現場を見ていないのでアレですが、わたしの感覚だと「もーいーや」程度なら、最後まで見ると思うんですよ。チケット代って安くないですし。チケット代金ぶんの観劇を放棄して途中で帰ってしまうっていうのは、そりゃもう公演に対する不快や怒りに近い「NG!!」だと解釈しますねえ、わたしは。で、NGとOKはセットだと思うので、NGの人がいたということは、OKの人もいたはずだ、というのがわたしのリクツです。
前のコメントにも書きましたけど、「居眠りしてた人」は、誘われればまた来ると思います。そのあたりの層こそ「一般観客」って呼べるんじゃないでしょうか。コアなFANと、公演の質を見極めたい文化大好き人しか入らないようではマズイとわたしは思うので(レビューや歌劇は、一般人を楽しませるっていうスタンスを忘れて欲しくないというのがわたしの理想論)、寝てる人には
「来てくれてありがとう(笑顔)」
でイイんじゃないでしょうか。あまり心配が必要とは思いません。
>劇団のコンセプトに合わないことをやられた時のもどかしさを今回は激しく感じました。
うーん、そうですか・・・。
わたしはちっとも、そう思わなかったんですけども・・・。
まあ、わたしは趣味嗜好が世間とズレているようなので・・・そのあたりは何とも・・・。自信を持って「えーっ。面白かったはずだよ!?」と主張できないのがツライところです。わたしは面白く感じましたけどね。メリハリあったと感じてますし。
日舞だけでの比較なら、春の「お祝い道中」より断然好きです。
>「劣化した植田紳爾でカネがかかってないやつ」というもので、
なるほど、そうおっしゃられると、わたしがハマったのに納得がいきます。
「ザッツ・レビュー」が大のお気に入りで、何度見ても大感動してしまうわたしですから(遠い目)
そうですか~~。植田テイストですか~~。
(@@;(><)
大変、失礼しました!
トラバを辿って、拙宅においでくださったんですね…。
引用してのコメントもしてくださってて。
どうも、ありがとうございます!!
m(__)mm(__)m
kさまの書かれたコメントも併せて、共感したり得心したりして
います。
機会をいただけるなら、もっともっと色々とお話しをお聞きでき
たら…、と思いました!!
(*--*)
居眠りするのって嫌いの表明なんでしょうかねえ。もっと無意識の(もっと劇団にとってまずい)「どーでもいい」なんではないかと思うのですが。嫌いとか怒るって感じじゃないような気がします。緞帳で出た人も、怒りよりも「もーいーや」みたいな、飽きちゃった、みたいな。まずいだろうそれ。
今回、いろんな人の感想を聞いたり読んだりして、もちろん「コレはイイ!」って人もいますが、私の見るところ、「劇団員のファンで何回も見た人がその良さを味わう」って作品になってる気がするのです。南座のお客さん(OSKを見にきたわけではない客)は、これ見て果たして次回も来ようと思うのか、ということはたいへん重要ですが、私には「次回はもういいや」となった人が多かったんではなかろうか、と思いました。来たお客さん全員にアンケートでも取らなきゃそんなことはわかりゃしませんけれど。
OSKは勇気と希望というのは私もその通りだと思います。快活で元気。まったくその通り。
それなら、とまた最初の話に戻りますが、今回の源氏の、あまりのテンポの悪さは致命的じゃないでしょうか。なんでOSKにこんなことさせるんだよ。私は前回の源氏も「こんなことやってちゃまずいだろ」と思いましたけど、今回はその比ではなかった、その大きな理由があの「ノロノロでテンポ悪いブツ切れ感」のせいです。一カ所でもカタルシスが得られるシーンがあるならともかく(まあ、サンバのところはちょっとあるような気もしますけど。でも後半には何もなかったと思う)、劇団のコンセプトに合わないことをやられた時のもどかしさを今回は激しく感じました。
源氏、初見の時に私が思ったのは、「劣化した植田紳爾でカネがかかってないやつ」というもので、何も宝塚のダメなとこをマネてさらにデキの悪いもんをつくってどうする、ってことだったんでした。なまいき娘さんそういえば植田紳爾お好きでしたっけ……。
タカラヅカでもそうなんですけど、わたしが絶賛する作品って、なぜか世間では評判悪いことが多いんですよね・・・(遠い目)
あまのじゃくをはたらいて、わざと評判悪い作品を選んでホメてるわけじゃないんですが・・・(遠い目)
>ぐーすか寝息聞いたり、途中の緞帳で席立ってそのまま帰ってこなかったお客さんなんかを見てると(涙)。
ありゃりゃ・・・。そうでしたか。
でもまあ、1000席もあれば、寝る人は一定数はいるんじゃないですかねえ~!?
わたしがOSKにハマッた、名古屋名鉄ホールの「春のおどり」でも、周囲は「たまたま来ました」な人ばかりで、居眠りもおしゃべりもいっぱいありましたです。全員がコアなFANになるわけじゃないから、まあいいんじゃないですかねえーとわたしは思っているのですが。(コアなFANしか入らない公演ってほうがマズイのでは・・・)
そういう人は、たぶん何を見ても寝ると思います(笑)
そして寝ながらも「あ?まあキレイじゃったよ」などと言いつつ、機会があればまた誰かに連れてこられるのもやぶさかじゃないってスタンスじゃないでしょうか。
怒って(?)、退席した人は、まあ素質がなかったということだと思いますよ、わたしは。
わたしがOSKを最初に見たのって、近鉄時代さいごのほうの、「ASUKAの嵐」で、それはそれは「ぬるーい」作品でしたけど、わたしのOSKへの興味は切れたりしなかったですから。素質があればいつかはちゃんとハマるし、継続的に見に来ると思います。
CSで専門チャンネル作っちゃうぐらいFANを抱えた歌劇の大勢力タカラヅカだって、一般社会では「タカラヅカなんて(眉しかめ)」って言う人がたくさんいますからねえ。どんな趣味でも、多少の「センス」が必要なものなんでしょう。
ま、好きと嫌いはコインの裏表ですから、嫌いを表明(怒って退席・居眠り)する人がいたなら、逆にモーレツにハマッた人もいるんじゃないかなあと思います。1000席埋まったとして、1000人が「まあまあ面白かった」と言うより、好きが500人、嫌いが500人のほうが、将来につながるというのがわたしの個人的意見です。去年の京都源氏は、「まあまあ面白かった」が多勢を占めるんじゃないかと感じていて、それよりは今回のロンド源氏のほうが意義がある、というのがわたしの価値観です。
ところで「怒って退席した人」は、本当に「洋舞の混じった珍妙な源氏物語」という作品に怒ったんでしょうかねえ??わたしにはそうは思えなくて。
なんかわたしが大ヨロコビした洋舞のレビューシーンを、OSKが「あまりにそれらしく上手に」やるから、その華々しい少女歌劇の香りに、「センス」を持ち合わせなかった方々が、過剰反応したんじゃないかなあ、という気がするんですよ。
OSKは宝塚のような雰囲気大作戦のフィルターがかからず、キチッと上手いですから。レビューっていうモダンな文化が持つ香りと、少女歌劇のかぐわしい甘やかな香りが、あまりにクリアに出てたから、古くさいとか甘ったるいとか、嫌悪を感じた人もいるんじゃないですかねえー。
わたし、地元じゃないからポスターとか広告とか見る機会がほとんどないし、OSKの「宣伝のしかた」を知らんのですけども、OSKをはじめて見る人って、やっぱり宝塚がしつこく宣伝している「愛・夢・感動」(それがイコール「宝塚フィルター」なんですけど)を妄想してやって来る人、いくらかいると思うんですよ。でもわたしが思うに、OSKの魅力を説明するのに、「愛・夢・感動」はすこし違うと思うんですね。OSKレビューがくれるのは、「勇気と希望」だと感じています。そういうOSKの明朗快活な舞台の魅力が、もっとコトバとしてちゃんと流通すれば、だいぶ違うのではないかなあ、と勝手に思っているんですけどね。
作品は、まあ良いにこしたことはないですけど、常に傑作とはいかないですから、劇団のコンセプトに合ったものが来れば、それでイイとわたしは思ってます。ロンド源氏は、ちゃんと「勇気と希望」をくれましたよ、わたしに。コンセプトが合ってなかったのは・・・真っ先に「華麗なるメヌエット」かな。(脚本うんぬん以前に、ああいう優美路線より、もっと快活なモノやったほうがOSKの良さが生きると思うんですよね。)
長くなってしまってスイマセン(汗)
しかしなあ、それならば、と話は元に戻るけど、もっとやりようはあったろうと思いますわ。ぐーすか寝息聞いたり、途中の緞帳で席立ってそのまま帰ってこなかったお客さんなんかを見てると(涙)。
というか、ものすごくがんばっていいところを見つけてホメてくださってたんだと思って読んでいたもので、コメントのお返事拝見して驚きました。ムリしてホメてくれてもOSKにはかえってよくない、とか思ってたのでした。誤解しててすみません。
二部が宝塚くさいというのは「ほんとにそうだよなー」と思います。デュエットダンスで男女トップがデュエットで、二番手男役が歌う、とかいうあたり(表面的)にそんなことを感じていたのですが。
ゴスペルんところは、「なんかミュージカルみたいでイヤー」とひっかかってました。
>「あれは、すっごく感情移入できると思う!」と。
全然タイプの違う両極の、だけどどっちも素敵な異性から想いを寄せられて、どちらか選ぶなんてできるわけ無いんですよね。
ふたりとも、キャラがはまってて良かったですよね~!
自分だったらどうするかなーとか、浮舟にはどっちのほうが幸せだったのかなーとか、いろいろ考えながら見られました。感情移入できましたよー。
浮舟の話って、面白いんだなーと思いました。
洋物を入れた日舞レビュー、前衛的でとても好きでした。洋舞のスピード感はOSKの売りだと思うので、それを使おうとしたっていうのは、OSKの良さをよく理解した演出で面白いじゃんーって思うんです。
当たり障りのない無難な作品より、わたしは好きです☆
>私としては「あんなことをやられていてはOSKはまた危ういことになる」と言いたくなります。
ロンド源氏は、わたし、そこまでヒドイと思わないんですよね。「けっこう面白いじゃん」と、かなり本気で思っています。
もし点数をつけろと言われたら、前回京都公演の「源氏」や、今年の春の「お祝い道中」より、かなり高い点数をつけます。
>源氏が舞台化に向かないというのは私もまったくその通りだと思います。
舞台作りのプロじゃないわたしたちですら、そう思うのだから、たぶんそれは作り手側(経営側じゃなくて、現場のクリエーターという意味です)が一番よくわかってると思うんですよ。昨年の京都公演も源氏だったし、レビューとして「面白く」するのに、源氏がいかに難しいか、現場が一番痛感してると思うんですよね。
それでもなぜ「源氏物語」って企画が出てきちゃうかといえば、そりゃー「源氏物語」っていうタイトルが持つネームバリューが、今回の興行に対して何よりプラスになるっていう判断だろうと思うんですよ。その気持ちがわたしは痛いほどわかるし、その戦略を攻める気にはまったくなれないんです。
「ぬるくてつまんない源氏物語」をやるよりは、題材は無名でも、「オリジナルな傑作」を上演したほうがベターではないか、っていう意見もあると思うんですけど、わたしはそれに100%の賛同はできないです。
このあいだちょうど、そういう内容の原稿をカキカキしてたところだったんですけど、興行にせよ、現実社会にせよ、「(興行であれば傑作とか良作とかいう)実力」があれば正当に評価されて、すべてが良いほうに向かうっていうのは、都市伝説みたいなもので、現実はそうそううまくいかないと思うんですよね。
努力と実力があれば・・・っていうのは、夢物語で、実際には「運」とか「タイミング」とか、いろんな要素が絡んで、「評価」があるわけじゃないですか。その「評価」だって、さまざまな背景があっての「評価」だから、絶対的なモノなんか当たり前だけど存在しないワケです。
とりあえず、目の前の公演を宣伝するのに都合のよい、千年紀にのっかって「源氏物語」をやる、っていうのは、わたしは賛成です。源氏物語じゃなければ、世紀の傑作が生まれたかもしれなくても、それでも一見安易ですけど、宣伝しやすい「源氏物語」を選ぶことを、わたしは批判する気にはなれません。
そのうえで、難しい題材である源氏物語を、クリエーターが知恵をしぼって新しい試みを入れ、「ぬるくならないように」なるべく明るく楽しくしようという心意気が感じられる「ロンド源氏」という公演に、心からの拍手と評価を送ります。
どんなに「???」と言われてしまっても、それがわたしの個人的な評価基準で、なにも「くだらない公演からイイところを探した」わけじゃなくてですね、ホントに「評価できる!」と思ったんですよ。
>高世麻央の匂宮の演技は、「高世が匂宮やったらあんなんだろうな」と想像したその通りのものしか出てこなくて私は不満でした。
スターに「芸風」があって、芸風通りのものが出てくるのは、悪いことじゃないとわたしは考えてます。、「おなじみ人気の○○」を楽しむ「娯楽の愉しみ」が、「新しい○○」が見られるっていう「芸術的な深化」に劣るとは思わないんですよ。
芸術か娯楽か、っていうのは、歌劇評論の永遠の課題じゃないでしょうか。わたしはバランスだと思ってます。どっちの要素もあるから、面白いんだと思うんですよね。
>OSKファンが「こんなんダメ」って言ってても他のお客さんが「あらおもしろい~」と思ってくれればいいわけですが、あれは……。
ちょっと過激な言い方になりますが、一般の人は我々が危惧するほどそういうこと深く考えてないと思いますよ??
昨年京都と源氏と、今年の源氏、一般客だけを抽出して、「おもしろい・まあまあ・つまらない」の三段階評価の表とかつけてもらったら、まあ、たいして変わらない成績になるのではないかとわたしは思います。
コメントはたぶん「きれいでした」でしょう(笑)
わたしがレビューやミュージカルのFANとして年月が浅いから言うんですけども、こういう娯楽って「最初は見方がわかんない!」んですよね。レビューをどうやって愉しむのか、回数を重ねて、会得していくと思うんですよ。わたしはそうでした。だから入口として、わかりやすい「源氏物語」を持ってくるのは、最良ではないかもしれなくても、悪いとは思わないし、観客が寝ない程度に刺激的に作った今作は、良かったんじゃないかとわたし的には結論を出してます。
感想アップを、やはり今回もとっても興味深く拝見しました!
特に
>必要以上に過剰に「感動を演出する」よりは、何でもなさそーな顔して、裏ではじつはスゴイんだ、っていうクールさに観客が勝手に感動するほうが似合う気がして。
ここです!
自分の中で感じてることが、こうやって言葉として解説して
いただくと、すごくクリアになってスッキリしました♪
(他力本願ですみません)(^^;
ファンだけど、ついつい思い入れが強くなってしまい、でも
好き嫌いも無いわけじゃなくって…という私の主観爆裂な感想
をまとめるなら、日本物、好きでした!
洋物、悪くないと思うんです♪
ただ、まだまだもっと素敵で衝撃的で凄い作品が出来るハズだ
とも思いました。
ファンは、本当に欲張りなものですので…。
特に私は。
(^m^)
感想アップしました。
一部二部ともにトラバさせていただきます。
源氏が舞台化に向かないというのは私もまったくその通りだと思います。やっても小劇場向きじゃないかと。なら『源氏レビュー』ってのは正しい方向だろうなと。
その場合、あの王朝衣裳ってレビューには向いてないし(宝塚みたいに大量の劇団員が全員あの衣裳でユラユラ踊ったらそれはそれでいいのかもしれないがOSKにそれは金銭的にムリ)、現代物が混入するのもじゅーぶんアリだろう。
そんならあのかったるい芝居部分なんかいらんかったです。
(高世麻央の匂宮の演技は、「高世が匂宮やったらあんなんだろうな」と想像したその通りのものしか出てこなくて私は不満でした。他のキャストも、脚本の書き込みが薄いので全体にバカみたいだったし)
見て「ぽかーん」となる舞台ってのはある種のパワーを秘めてるとは思うけど、南座の「ぽかーん」はパワーよりも脱力のほうだったのでは……。OSKファンが「こんなんダメ」って言ってても他のお客さんが「あらおもしろい~」と思ってくれればいいわけですが、あれは……。
いいところを認めてホメるという生意気娘さんのスタンスはよーくわかった上で、私としては「あんなことをやられていてはOSKはまた危ういことになる」と言いたくなります。