山川草一郎ブログ

保守系無党派・山川草一郎の時事評論です。主に日本外交論、二大政党制論、メディア論などを扱ってます。

郵政解散こそ「憲政の常道」

2005年08月03日 | 政局ウォッチ
毎日新聞政治部の古賀攻記者が3日付朝刊「記者の目」で興味深い論を展開している。参院で郵政民営化法案が否決されたからといって衆院を解散するのは「お門違い」で、「リセットすべきは自民党だ」という主張だ。 「一見合理的に思えるこの解散戦略も、二院制の意義という観点で考えるとおかしい」と古賀氏は言う。「一方の院の選挙で示された『民意』を、もう一方の院は半ば自動的に受け入れるべきだとの考え方が根底にあるた . . . 本文を読む

4割の岩盤

2005年08月03日 | 政局ウォッチ
民主党・桜井充議員 「郵政民営化は米国の意向を受けての改革ではないか」 小泉純一郎首相 「それはね、桜井さんね、思い過ごし」 2日の参院郵政特別委員会で、こんなやりとりがあったという。首相にしてみれば「バカなこと聞くなよ」という思いだろうが、「郵政民営化は米国の陰謀」という説は、首相が思っている以上に世間で広く信じられている。 なぜ信じられているかと言えば、米国の要求事項と小泉内閣の市場開放 . . . 本文を読む

「骨抜き改革」に必死で抵抗する理由

2005年07月14日 | 政局ウォッチ
郵政民営化をめぐる議論を見ていて、どうしても腑に落ちないことがある。小泉政権を批判する論者が、「郵政民営化より先に解決すべき課題が山ほどある」と政策の優先順位を問題にしつつ、同時に民営化法案に対しては「骨抜きの欠陥法案で、成立しても何も変わらない」と過小評価していることだ。 何も変わらない「骨抜き改革」なら、さっさとやらせて「もっと重要な課題」に取り組む環境を整備すべきではないか。素人はそう考え . . . 本文を読む

自民党解体に現実味?

2005年07月06日 | 政局ウォッチ
小泉純一郎首相が民主党代表だったら…。郵政政局を眺めながらそんな想像をめぐらせてみる。「わたしを党首に選んだのは皆さんでしょ。選んだリーダーの方針に従うのが民主主義だ」と突き進む小泉代表に、きっと党内は大騒ぎになるに違いない。公然と「小泉降ろし」が画策され、追い込まれた小泉氏は衆院解散ならぬ「民主党解党」を決断するかも知れない。 おや、どこかで見た光景だと思ったら、新進党末期に当時の小沢一郎党首 . . . 本文を読む

たかが陰謀論、さりとて・・・

2005年06月06日 | 政局ウォッチ
「『米国黒幕』論へのスタンス」と題する記事で、いわゆる陰謀理論を必要以上に深刻に受け止めることは却って危険であるとの持論を記した。その舌の根も乾かぬうちに、といわれれば耳が痛いのだが、4日放送のCS朝日ニュースターの番組に出演した鈴木宗男元衆院議員の訴えが、妙に引っ掛かって頭から離れない。 あっせん利得罪などに問われて逮捕、起訴された鈴木氏に、当時の世論は「日本の対露外交を歪めた」などと厳しい批 . . . 本文を読む

インテリは間違う

2005年05月29日 | 政局ウォッチ
相変わらず経済には疎いのだが、29日付毎日新聞に掲載された玉置和宏論説委員のコラム「学者とメディアの責任」には潔さを感じた。インテリは間違う。そのことを改めて肝に銘じるためにも、この10年の経済政策をめぐる「学者とメディアの責任」は一度総括しておく必要があるかも知れない。 「小泉構造改革で唯一の勝利は公共事業をしなくともいくらでも景気は回復するということを身をもって示したことにある。これは4年の . . . 本文を読む

小泉首相の不敵な「笑み」

2005年01月25日 | 政局ウォッチ
「書かれたものを読むだけでは、本会議質疑は形骸化し、儀式になってしまう。聞かれたことにきちんと答えられない首相の姿は子供たちに見せられない。自分の言葉で答えるよう要望する」 民主党の小宮山洋子衆院議員がきょう(25日)の衆院本会議代表質問の冒頭で、小泉純一郎首相の前日の対応を批判していた。 24日の本会議で、同党の岡田克也代表が首相の答弁を不十分として9項目の再質問をしたのに対し、首相が「すべ . . . 本文を読む

民主党選挙違反事件に思うこと

2005年01月08日 | 政局ウォッチ
一昨年の衆院選で民主党を支援し、公職選挙法違反に問われた宮城県の労組幹部に昨年末、最高裁の最終判断が示された。一連の裁判では、有権者に電話で民主党候補への投票を呼び掛ける選挙運動(いわゆる電話作戦)を民間会社に業務委託した行為が、公選法上の利害誘導罪に当たるかどうかが争われた。最高裁の結論は、労組幹部の無罪主張を退けるものだった。 利害誘導罪は戦前につくられた規定である。本来は、候補者や支援者( . . . 本文を読む

小泉内閣を支持し、見放した人々

2004年12月12日 | 政局ウォッチ
8割という高さでスタートした小泉内閣の支持率だが、現在はほぼ4割の水準で低迷が続いている。かつては支持した人々が、この内閣を見放した理由は何であったか。 (1)世直しを期待した市民層 社会現象とまでいわれた政権発足当初の国民的熱狂を支えていたのは、小泉氏による「世直し」を期待した市民層であった。彼らは、竹下派支配と言われた自民党の構造を破壊しようとする小泉氏の姿勢に共感するとともに、官僚に牛耳 . . . 本文を読む

小泉語の研究  ワンフレーズに秘められた論理

2004年12月10日 | 政局ウォッチ
小泉純一郎首相の発言は分かりにくい。時に短く、乱暴である。しかも言い放しで、釈明をしないから、意味が誤解されたまま流布していることも多い。 たとえば「自衛隊が活動する地域が非戦闘地域である」という党首討論での発言。民主党の岡田克也代表から「非戦闘地域の定義」を聞かれたときの答弁だ。 「自衛隊が活動しているから非戦闘地域である」「自衛隊が活動すれば、どんな場所でも非戦闘地域なのである」といった意 . . . 本文を読む

小沢氏VS岡田氏 対立の背景にあるもの

2004年08月17日 | 政局ウォッチ
民主党内で小沢一郎氏が、岡田克也代表の無投票再選に「待った」をかけている。直接のきっかけは、岡田氏が米国で行った「改憲で武力行使を容認」発言にあるようだ。このため、今回の騒動は一見、外交・安全保障政策をめぐる対立のようにも見えるのだが、両者間の根本的な認識ギャップは結局、「政権を作るのは選挙か、政局か」という同党内の路線対立を反映したものと考えることもできる。 「衆院選挙で過半数の議席を得て政権 . . . 本文を読む

「改革」から「安保」へ? ―続・小沢一郎の動く日

2004年08月11日 | 政局ウォッチ
民主党の岡田克也代表が先の訪米で表明した「改憲による武力行使容認」の方針に、同党保守派の重鎮である小沢一郎氏が噛み付いた。新潟県連からの水害視察要請を断られた腹いせだとか、9月の党代表選に向けた布石だとか、様々な推測が飛び交っているが、私は小沢氏の言動について、同党の外交・安全保障政策一本化に向けた執念の裏返しと見ている。 ★政界再編か「国連」でまとまるか 核武装論を公言してはばからない右派 . . . 本文を読む

岡田訪米団の成果

2004年08月02日 | 政局ウォッチ
岡田克也代表をはじめとする民主党訪米団が帰国した。大統領選イヤーのお祭り騒ぎや米国要人との会談。21世紀の日本の国造りを模索する民主党にとって、このたびの訪米は、米欧視察でデモクラッシーなるものを学んだ明治政府使節団の経験を追体験する旅だったに違いない。 日本が満州政策をめぐって国際的に孤立していた1932年、米国大統領選で共和党現職フーバーが民主党F.ルーズベルト候補に破れた。当時、日本国内で . . . 本文を読む

「それでも小泉」の痩せ我慢 ―米大統領選と日本の政局

2004年07月30日 | 政局ウォッチ
米国東部ボストンでの民主党大会は、ジョン・ケリー氏を大統領候補に正式指名し、盛り上がりを見せている。選挙イヤーのお祭り騒ぎは、米国政治の魅力の一つだが、華やかな米大統領選挙が日本の国内政局に与える影響も、無関係そうに見えて意外と大きい。 1993年8月に発足した細川連立政権。55年の保守合同以来の政権交代を国民の多くが歓迎した背景には、実は前年の米国大統領選があった。この選挙で民主党のビル・クリ . . . 本文を読む

「ガリベン岡田」は「ツッパリ小泉」に勝てるか

2004年07月24日 | 政局ウォッチ
日曜朝のフジテレビの番組で、中曽根康弘元首相が「人生いろいろ」発言を撤回しない小泉純一郎首相を「ツッパリっ子」にたとえて、持論である「大統領型首相から議院内閣的総理への転身」を助言していた。中曽根氏は返す刀で、民主党の岡田克也代表についても「ガリ勉の優等生」と皮肉った。 「ツッパリ」と「ガリ勉」―。先の参院選では「ガリ勉」に軍配が上がったが、日本人の本当の好みは果たしてどちらだろうか。 確かに . . . 本文を読む