矢嶋武弘の部屋

日一日の命 生への愛と感謝 生の讃歌 命の火を燃やせ!
われ記す 故に われ在り 生涯一作家 一記者

八頭身美人と小顔美人

2020年01月07日 01時47分31秒 | 人生

<2008年8月2日に書いた以下の記事を復刻します。>

つい最近、私がよくお邪魔する「正直ばあさん記」というブログを訪問したら、面白い記事が載っていた。 この方は絵画が専門なのでよく裸婦のデッサンをされるが、最近とみに思うことは、モデルさんたちの容貌が実に童顔・幼顔(おさながお)になってきたというのである。
彼女によれば、モデルの顔は要するに“小顔”で、目の位置が下の方にあって顎が小さく、大人の女の骨格ではないというのだ。そして、童顔はとても描きにくく、よほど上手な画家でないと、絵が台無しになってしまうといった趣旨のことを述べておられる。
その文章を読んでいて、私がすぐに思い出したのは“八頭身美人”のことである。八頭身美人とは1953年(昭和28年)、伊東絹子さんという人がミス・ユニバース世界大会で3位に入賞した時に一躍有名となり、一世を風靡した大流行語である。当時、小学6年だった私も強烈な印象を受けたのを覚えている。
 つまり、伊東絹子さんは顔が小さく、身長(164センチ)の8分の1ぐらいだったから“八頭身美人”という言葉が生まれたそうだ。その時から「八頭身」は女性美の象徴のように語り継がれ、半世紀以上たった今でも生きている。現に、岩波書店の『広辞苑』にも、八頭身とは「身長が頭部の長さの8倍であること。女性の最も美しいスタイルとされる」と記述されているほどだ。 そこでまた思い出したが、「ミロのヴィーナス」もたしか八頭身美人の典型と言われていたはずだ。

 このように「八頭身」が美の象徴となると、女性は当然それに憧れる。しかし、日本人はもともと背が低いので、伊東絹子さんのような八頭身美人にはなかなかなれずにいた。ところが、この半世紀の間に、日本人女性の平均身長は目覚ましく伸び、今や身長170センチ以上の女性も珍しくはない。身長と体格が欧米人並みになってきたのだ。こうなると、八頭身美人なんて別に珍しくもなく、どこにでもいるような感じになってきた。
そこで、もう一つ面白い話がある。食生活の変化、欧米化でパン、ハンバーグ、乳製品などの食品が多くなったためか、日本人は昔のようによく噛む(咀嚼する)必要がなくなり、顎が退化して小さくなってきたという。たしかに、今の若い女性には顎の小さい人が目立つ。顎が小さくなれば顔も小さくなり、身長も伸びているから容易に八頭身になれるのだ。 余談だが、私が小学生の頃は、学校の米飯給食で先生に「60回は噛め」と言われてそのようにしたが、今の小学生は誰が60回も噛むだろうか。顎が退化し小さくなって当然である。

 さて冒頭に、画家がモデルの容貌、特に小さな童顔を描くのが大変だという話をしたが、小さな顔は“アラ”が目立たなくて良いと、大多数の女性が考えているそうだ。それに、大顔よりも小顔の方が可愛く見えるのは当然で、大顔の女性が小さな顔の女性を羨むとはよく聞く話だ。
そうなると、これからますます“小顔”の美人が持てはやされそうだが、それは良いとしても、私には何か物足りない感じがしてならない。つまり、モデルたちの顔付き・表情から“個性的”なものが失われていくような気がするのだ。要するに、顔の特徴がなくなって、皆が同じような顔付きになってしまうのではと考えてしまう。まるで“マネキン”人形のようになっていくのではないか。
顔はその人の最大の特徴である。また、その人の性格や人生を物語るものかもしれない。ところが、その顔が小さくて同じようなものになっていくと、どこに面白みや味わいがあるのだろうか。特徴のない顔ほど、平凡でつまらないものはない。
 小顔も八頭身も良いが、それだけが美人の条件ではないはずだ。人それぞれの“個性”が顔に輝く時、初めてその人の“魅力”が現われるのではないか。 
ある女性画家の愚痴(?)は、絵画のためだけではない。その人の嘆きに触発されて、私なりに、女性の美しさについて考えてみた。(2008年8月2日)


コメント (2)   この記事についてブログを書く
« 美しいトキ・Nipponia nippon | トップ | 熱中症、熱中症、熱中症の東... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (おキヨ)
2020-01-07 14:03:28
矢嶋様
私はこんなことを書いていたのですね(^^ゞ
おかげさまで10年前に書いた自分の記事〔愚痴?〕を知ることが出来ました。
現在はどんなに美人でも昔体型では駄目らしいですね。ファッションに体型がついていけない?^^
面白い記事 (矢嶋武弘)
2020-01-08 05:44:00
おキヨ様
10年以上も前ですが、あなたの記事はとても面白く、参考になったと思います。今でも、当時の感慨を覚えています。
一言で言うと、現代の美人は「個性と多様性」の中から生まれるのではないでしょうか。マネキン型の美人は、現代にふさわしくないと思います。
美人でなくても、超肥満の女性がもてはやされています。名前は言いませんが(笑)。これこそ個性と多様性の表われだと思います。

なお、「ゴミ出しはジジイの仕事」の記事で、コメントに追記を書いておきました。ご主人を褒めておきました。

コメントを投稿

人生」カテゴリの最新記事