今日の朝刊コラム、なかなか聞かせる話でした(西日本新聞)。近頃店の若い者に元気がないのを主人は気にしていた。「どうして『旦那』というか、お前は知っているか」と主人は番頭に聞きました。昔、天竺(今のインド)に栴檀(せんだん)という大木があり、根のまわりには難延草(なんえんそう)という草が生い茂っていた。これを邪魔に思った人が難延草を刈り取ってしまった。するとせん檀は一夜にして枯れてしまった。
難延草の根はせん檀の肥やしとなり、また難延草はせん檀から露(つゆ)をもらっていた。ふたつはお互いもちつ、もたれつ、切り離せない関係。せん檀の「だん」と難延草の「なん」をとって「だんなん」・・・「だんな」、「旦那」と熟していった。主人がせん檀なら番頭が難延草、店に出れば番頭がせん檀なら若い者が難延草・・・。「私もお前に露を下ろしているつもりだが、お前も若い者にはたくさん露を下ろして下さい」。 (落語『百年目』より)
難延草の根はせん檀の肥やしとなり、また難延草はせん檀から露(つゆ)をもらっていた。ふたつはお互いもちつ、もたれつ、切り離せない関係。せん檀の「だん」と難延草の「なん」をとって「だんなん」・・・「だんな」、「旦那」と熟していった。主人がせん檀なら番頭が難延草、店に出れば番頭がせん檀なら若い者が難延草・・・。「私もお前に露を下ろしているつもりだが、お前も若い者にはたくさん露を下ろして下さい」。 (落語『百年目』より)