『悪政は虎より恐ろしい』 8月3日（日）

　　私は自分の政治規範の中で「悪政は虎より恐ろしい」という言葉を愛用しています。孔子のことばとして「礼記」の中に伝わっているもので、虎にかみ殺された家族のため墓の前で泣いている女がいる、ここがそんな怖い場所ならどこかほかの場所に移ったらどうかと孔子様が聞かれたところ、いいえこの地には善政が行われています、虎よりも悪政の方がもっと怖いのです、と答えました。孔子様はよい政治を行うことの大切さを教えられたのです。
　　私が国会議員になった頃、中国の偉い書家と出会ったことがある。何か書いて下さいとお願いしたところ『苛政猛於虎』（苛政は虎より猛し）の5文字を揮毫して下さった。　
　　そして10数年経った、ごく最近。地元のある広報誌に松沢さんという高齢者のことが載っていました、活発に活動しておられ、高齢者の鑑（かがみ）という内容です。その紹介写真（スナップ）の中に偶々同じ標語の板看板が写っていました。松沢さんはプロはだしの看板彫刻家だったのです。早速連絡をとってご自宅に伺うとまさに意気投合、酒まで出して頂きお互い100年の知己のように打ちとけました。しかも帰りには、持って帰りなさいとなんとその板看板を下さった。その朗々たる「苛政猛於虎」の５文字は今、私の本事務所のホール正面に鎮座しています。私どもに厳しい目線を向けています。